【花札の由来】11月「柳の鬼札(柳のカス)」とは?雷公の太鼓釣りの図柄(太鼓/稲妻/鬼の手)をやさしく解説

目次

はじめに:11月の月札「柳」で目立つ一枚

11月の月札「柳」には、カス札の中に
赤黒くて目立つ一枚が混ざっています。

この札は「鬼札(おにふだ)」と呼ばれることもありますが、
この記事では呼び方を整理して、最初にこう扱います。

  • 柳のカス(=11月のカス札)
  • その中でも特に目立つので 「鬼札」と呼ばれることがある一枚

つまり本記事の表記は、基本を 「柳のカス(鬼札)」で統一します。

※図柄の「直接の起源(これが元ネタ!)」は断定できない部分があるため、
本記事では “資料で確認できる意味(象徴)” を土台に、自然な読みを提示します。

まず覚えたい結論:柳の鬼札は「雷雨要素が強い柳のカス」

柳の鬼札は、ぱっと見の印象どおり
ただの雨ではなく “雷雨っぽさ”が濃いカス札として読むと分かりやすいです。

札の中には、だいたい次の要素が見えます。

  • 雨(斜め線)
  • 稲妻(ギザギザ)
  • 雲から出る手(鉤爪みたいな形)
  • 太鼓(輪っか)

このうち特に大事なのは 「稲妻」と「太鼓」
ここが見えると、柳の鬼札がぐっと読み解きやすくなります。

柳の鬼札が赤黒い理由:諸説あります

柳の鬼札が赤黒い理由は、はっきり一つに定まっているわけではありません。

「職人側のデフォルメ(アレンジ)として赤地にした」という捉え方も見かけます。
ここは断言せず、“諸説”として軽く触れるくらいが安全です。

この札は、明るいカス札よりも
黒が大きく赤が強いぶん、最初から 荒れた空気を感じやすい。
まずはこの「見え方」を土台にして、絵柄を拾っていきます。

絵柄の見方①:雨・稲妻で「雷雨の空」が立ち上がる

柳の鬼札は、パーツの重なりでできています。

雨(斜め線)

背景の斜め線が多く、まず雨の記号に見えます。

稲妻(ギザギザ)

上のギザギザは、稲妻として読むと自然です。

この3つが揃うと、空は「雨」より一段強い
雷雨の雰囲気になります。


絵柄の見方②:雲の“手”と下の“太鼓”が決定打になる

柳の鬼札が「鬼札っぽい」と感じる理由は、ここにあります。

雲から出る“手”(鉤爪みたいな形)

雲の中に、鉤爪みたいな形が見えます。

  • 鬼の手みたい
  • 何かが雲から手を出してるみたい

このくらいの読み方で十分です。

この“生き物っぽさ”が入ると、
雲・稲妻がただの自然現象ではなく “誰かの気配”を帯びます。

下の輪っか=太鼓っぽい形

下の輪っかは、太鼓の輪に見えます。

ここまで来ると
「雷雨の絵」から一歩進んで、雷さま(雷公)の絵っぽいところまで見えてきます。


「雷さま」ってなに?(短い補足)

参考:雷神 – Wikipedia

※ここでいう「雷さま」は、雷を起こす神さま(雷の神)のことです。
昔の人にとって雷はとても怖い自然現象だったので、雷を“神さまの力”として考え、敬って呼ぶ言い方がありました。
文章や資料では「雷神(らいじん)」「雷公(らいこう)」と書かれることもあります。

つながる画題:大津絵「雷公の太鼓釣り」

ここでで伝えたい画題があります。

大津絵の定番画題
「雷公の太鼓釣り(太鼓吊り)」
です。

雷さまが太鼓を落としてしまい、
慌てて吊り上げようとしている場面を描いた図――
という説明がされています。

参考:大津絵(公式)雷公の太鼓釣り(画題説明)

柳の鬼札は「太鼓釣りの雷さま」をどう“圧縮”した札?

太鼓釣りの絵は、本来なら雷さまの姿や
「落とした→吊る」の動きまで描きます。

一方で、柳の鬼札はそれをもっと記号化して、
“雷さまがいる雷雨の空”だけを抜いたような札に見えます。

  • 雲:雷雲の背景
  • 稲妻:雷雨の瞬間
  • 手:雷さまの存在感(人物そのものの代わり)
  • 太鼓:雷さまの道具(雷=太鼓の記号)

こう整理すると、柳の鬼札が
「太鼓釣りっぽい」と言われる感覚になっていきます。

11月の月札「柳」と相性がいい理由:柳は“雨の気配”が強い月

柳の月札は、札の並び自体が
もともと“雨の気配”を背負っているように見えます。

だから柳のカス(鬼札)が
雨より強い 雷雨の雰囲気を担当していても、違和感が少ない。

「柳=雨」
その土台の上で、鬼札が「雨を濃くする」役になっている――とも読めます。

柳に小野道風と「努力」/太鼓釣りと「失敗」が対になって見える

11月「柳」には、もうひとつ強い物語札があります。

  • 柳に小野道風:失敗しても続ける=努力
  • 太鼓釣り:熟達者でも失敗する=失敗は起きる

努力と失敗が、同じ月札の中に同居している。
この“対”の構図が見えると、柳の月がぐっと面白くなります。

(おまけ)太鼓釣りが定番だった根拠:十種/大津絵節/守貞謾稿/ピカソ

「太鼓釣りって、そんなに有名なの?」への補強として、根拠の置き場だけまとめます。

  • 大津絵十種に「雷公の太鼓釣り」が入っている(定番題材として整理されている)
  • 大津絵節に、画題名が並ぶ形で歌詞が残っている
  • 守貞謾稿に載る「元歌10曲の題名」と、絵の十種が一致する――という説明がある
    (この一致を解説しているページとして、佐賀大学関連の解説が参照できます)
  • ピカソが大津絵に影響を受けている。

参考出典

大津絵(公式)雷公の太鼓釣り(画題説明)
http://www.otsue.jp/images/g_detail/kaminari.html

大津絵(公式)大津絵十種(雷公の太鼓釣り/雷除け)
http://www.otsue.jp/intro_busi.html

佐賀大学附属図書館:大津絵節の解説(十種と元歌題名の一致)
https://www.dl.saga-u.ac.jp/info/?id=7

大津絵節 歌詞例(雷太鼓で 釣瓶とる)
https://kansai-uta.hateblo.jp/entry/2019/11/30/%E5%A4%A7%E6%B4%A5%E7%B5%B5%E7%AF%80

赤い理由(職人アレンジ説:X投稿)
https://x.com/10anweb/status/1639306284418895872/photo/1

ピカソも注目した「大津絵」の魅力とは? | 朝日新聞デジタルマガジン
https://www.asahi.com/and/travel/article/15802743?msockid=219a41c90d1a62f815d057f50c1f63e5

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この記事を書いた人

今はゲームシナリオを書いている者です。最近社内DXアプリ開発も楽しい。
花札がとても好き。アナログゲームを嗜む脚本家、小説家、人狼もマダミスも好き。

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