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花札のタネ札(種札)とは?一覧9枚・点数(5枚で1文)・猪鹿蝶/花見で一杯の狙い方【こいこい】

花札のタネ札(種札)とは、札の種類分けのひとつで、
基本的には「光札(20点級)ほど派手ではないけど、カス札より価値が高い“主役寄り”の札」です。
こいこいでは、タネ札を集めると出来役「タネ(5枚で1文)」になり、さらに猪鹿蝶花見で一杯/月見で一杯などの強い役にもつながります。

※呼び方は「タネ」「種札(たねふだ)」「タネ札」などが混在しますが、この記事では「タネ札」で統一します。

目次

タネ札とは(かんたんに言うと)

タネ札(種札)は、
花札の札の分類のひとつで、一般的には”中堅の強札”として扱われます。
絵柄は「動物」だけでなく、橋(八橋)や盃(菊に盃)など“主役級のモチーフ”が描かれているのが特徴です。

また大石天狗堂の解説では、
種札を「五光以外の生き物が描かれている札9枚」として整理し、
花札の中で役割(格)として名前が付いている、という考え方が語られています。

タネ札の強さはルールで変わる|こいこいと花合わせ/八八の違い

「タネ札=何点札?」は、遊び方で見え方が変わります。

  • 花合わせ/八八など“札そのものの点数”で数える遊び
    タネ札は「10点札」として扱われるのが分かりやすいです(※総称としての説明)。
    大石天狗堂では、タネ札(種札)を「五光以外の生き物が描かれている札9枚」として整理し、10点札の総称であることにも触れています。
  • こいこい(役で得点する遊び)
    タネ札は「タネ(5枚で1文)」という出来役の材料になり、そこから猪鹿蝶や盃絡みの役へ分岐します(※多くのルール解説でこの形)。

【花札 タネ札 一覧】タネ札は9枚(どの月?どの絵?)

一般的に、こいこいで「タネ札」として数えるのは9枚です(※菊に盃を含む扱いが主流)

  • 2月:梅に鶯(うめにうぐいす)
  • 4月:藤に不如帰(ふじにほととぎす)
  • 5月:菖蒲に八橋(あやめにやつはし)
  • 6月:牡丹に蝶(ぼたんにちょう)
  • 7月:萩に猪(はぎにいのしし)
  • 8月:芒に雁(すすきにかり)
  • 9月:菊に盃(きくにさかずき)
  • 10月:紅葉に鹿(もみじにしか)
  • 11月:柳に燕(やなぎにつばめ)

覚え方(札の名前が苦手な人向け)

「鳥が何種類ある?」みたいに名前が混乱しやすいので、まずはタネ札だけをまとめて覚えるのがラクです。
うぐいす/ほととぎす/やつはし/ちょう/いのしし/かり/さかずき/しか/つばめ

【こいこい】タネの点数:5枚で1文、以後+1文(代表例)

こいこいでは、多くのルール解説で「タネ札を5枚集めると1文、そこから1枚増えるごとに+1文」という階段式になっています。

  • タネ札 5枚 → 1文
  • タネ札 6枚 → 2文
  • タネ札 7枚 → 3文
  • タネ札 8枚 → 4文
  • タネ札 9枚 → 5文(タネ札コンプリート)

菊のタネ札(菊に盃)とは?なぜ注目される?

菊に盃(9月)はタネ札の中でも別格に“争奪戦”になりやすく、
こいこいで花見で一杯/月見で一杯のキー札です。

  • 花見で一杯:桜に幕 + 菊に盃
  • 月見で一杯:芒に月 + 菊に盃

点数(何文扱いか)は流派差がありますが、
例として「花見で一杯5文/月見で一杯5文」とするルールが一般的です。

なので菊に盃は、攻め(自分が役を作る)だけじゃなく、守り(相手に作らせない)でも価値が高い札です。

タネ札は強い札?短冊より弱い?強さ比較(こいこい版)

1) 「5文役に関わる札」の枚数が、短冊の方が多い(6枚>4枚)

5文級の“勝負を決める札”に当たりやすいのは短冊です。タネ側の4枚(猪鹿蝶パーツ+盃)に対して、短冊側は赤短3+青短3の合計6枚あるので、単純に引ける・見える・拾える機会が増えます

48枚中、5文級に直結しやすい札の比率はタネ4/48=約8.3%に対し短冊6/48=12.5%。
初手8枚で「少なくとも1枚入ってる確率」はタネ約53%/短冊約69%くらいになって、
短冊のほうが“最初から勝てる”試合が増えます。

2) 短冊は「短冊だけで完結する5文役」が2つある(赤短・青短)

短冊は赤短・青短という「短冊だけで成立する5文役」が2種類あります。
対してタネは「タネだけで完結する5文役」は基本的に猪鹿蝶の1本

ここが安定感の差になります。短冊=選択肢が2本、タネ=基本1本。

3) タネの強い役は“他カテゴリと絡む”分、競合しやすい(盃・光)

タネ側の5文役には花見で一杯/月見で一杯が入りますが、これは実質「菊に盃(タネ)+光札(桜の幕 or 芒の月)」の2枚役です。
つまりタネ単体の強さというより、盃と光札の取り合いになります。
短冊は短冊だけで完結するので、こういう“外部依存”が少なく安定しやすいです。

4) 枚数面でも短冊がわずかに有利(10枚>9枚)

基本役(5枚で1文)を目指す場合、短冊の母数は10枚、タネは9枚。
差は小さいけど、長期的には短冊のほうが5枚に届く試合がわずかに増えやすいです。

結論:短冊の方が有利

短冊は「5文役に関わる札が多い」「短冊だけで完結する5文役が2本ある」「外部依存が少ない」ので、こいこいでは総合的に短冊のほうが安定して有利です。
タネは“爆発すると強い”(猪鹿蝶+タネ加点で一気に伸びる)けど、短冊ほど毎試合同じ形で狙いやすいわけではない——という位置づけになります。

比較内容タネ札短冊
基本役の条件5枚で1文。更に1枚で+1文…5枚で1文。更に1枚で+1文…
5文役に関わる札牡丹に蝶、萩に猪、菊に盃、紅葉に鹿(4枚)松の赤短冊、梅の赤短冊、桜の赤短冊、牡丹の青短冊、菊の青短冊、紅葉の青短冊(6枚)
タネのみ・短冊のみの5文役は?猪鹿蝶赤短、青短
タネ・短冊を含む5文役は?猪鹿蝶、花見で一杯、月見で一杯赤短、青短
枚数は?9枚10枚

タネ札から狙える代表的な役(猪鹿蝶/花見で一杯/月見で一杯)

猪鹿蝶(いのしかちょう)

猪鹿蝶
萩の猪(7月)+紅葉の鹿(10月)+牡丹の蝶(6月)

点数はルールで差がありますが、一般的な例として5~6文扱いが多いです。

花見で一杯/月見で一杯(盃が主役)

花見で一杯:桜に幕(光)+菊に盃(タネ)
月見で一杯:芒に月(光)+菊に盃(タネ)

のみ:桜に幕(光)+芒に月(光)+菊に盃(タネ)

猪鹿蝶+タネで「倍付圏内」に入れる話

猪鹿蝶の点数の例として「猪鹿蝶6文」とするルールでは、
猪鹿蝶が完成した時点で高打点が見えます。

そこからタネを5枚揃えて1文を足すだけで、合計が大きく伸びて「7文以上で2倍」の倍付が出来ます。

「猪鹿蝶は3枚で形が決まる。
そこにタネ(枚数役)を重ねると、あと1文が届く試合が増える」


この“あと1文”が、タネ札の一番おいしいところです。

こいこいでのタネ札の集め方のコツ(迷わない指針)

1)最初に見るべきは「盃」と「猪鹿蝶のパーツ」

タネ札9枚のうち、特に判断に直結するのは

  • 菊に盃(9月)
  • 猪(7月)/鹿(10月)/蝶(6月)
    この4枚。理由は「自分の役」だけじゃなく「相手の役」も止められるからです。

2)タネ狙いは「タネ最優先→取れなければ切り替え」

タネを狙うと決めたならタネを最優先にしたほうがブレにくいです。
中途半端に並行すると、結局どちらも届かず、点数が伸びないまま終わる試合が増えやすいからです。

基本はシンプルで、「タネが取れるならタネを取る」「取れないなら、その時点で別の狙いに切り替える」です。
つまり、並行というより “タネ一本で取り切る”→無理なら方向転換 という考え方になります。

(臨機応変の基準):相手が速い型なら「上がり優先」で判断を変える

相手が臨機応変でテンポよく上がるタイプ(=長期戦にしてくれない相手)の場合は、少しだけ判断が変わります。
たとえば 光札が目の前にあっても自分の取り札にタネがすでに3枚あるなら、光札よりもタネ札を取って上がりに近づく選択をすることがあります。

これは「光札が弱いから」ではなく、相手が速いときは“高打点を狙う前に、まず上がる”ほうが勝ちやすいからです。
タネを4枚・5枚と伸ばせれば、1文が見えて“上がりの形”になります。
速い相手には、この確実性を優先します。

3)相手に菊に盃を渡すと、花見/月見の選択肢を与える(=守備の観点)

基本的に菊に盃を放置していいのは、確実に取れる時のみと思った方が安全です。
奇襲を考えている間に上がられたら潜伏損です。

菊に盃が場に出ているのに放置すると、相手が桜の幕/芒の月を持っていたときに、一気に役を確定させやすくなります。
なので盃は「自分が狙う」だけじゃなく、相手の強い2枚役を消すために取るという価値もあります。

花合わせ・八八だとタネ札は“10点札”で分かりやすく強い

花札には、こいこい以外にも花合わせ・八八系など「札そのものに点数がある」ルールがあります。
こうした遊び方では、タネ札は基本的に10点札として数える扱いが多く、札単体で見ても分かりやすく“強い札”になります。

一方で、こいこいは「役の点数がすべて」のゲームです。
タネ札は役の材料として働くため、光札のような派手さがなく、地味に見えやすいだけ——という面があります。

つまり、ゲームが変わるとタネ札は“札単体で強い側”に寄ります
(※特に八八は、そもそも役が作りにくいぶん、点数が確定する札の価値が上がります。
八八ではタネ札が10点=光札(20点)の半分にあたるため、「タネを抑えたら確実な点になる」という印象が強くなりやすいです。)

よくある質問 Q&A

花札 タネとは?

こいこいでは「タネ札を集めて作る出来役(タネ)」の材料で、一般的にタネ札は9枚です。花合わせ/八八では10点札として扱う説明もあります。

花札 タネ札 一覧を知りたい

2月うぐいす、4月ほととぎす、5月八橋、6月蝶、7月猪、8月雁、9月盃、10月鹿、11月燕の9枚です。

菊タネ札(菊に盃)って何が強いの?

菊タネ札(菊に盃)が強い理由は、速くて高打点だからです。
こいこいで光札は確かに強い札ですが、光札だけで点を取ろうとすると基本は三光(3枚)など「3枚以上が必要」になります。

それに対して盃は、たった2枚で5文級の役(花見で一杯/月見で一杯)に直結します。
少ない枚数で高得点が確定しやすい、いわば“壊れた強さ”の札です。

さらに厄介なのがスピード面。
光札は同じ月に複数存在しないため、場の取り方やめくり(山札)次第でテンポがぶれやすいのですが、2枚役は条件が噛み合うと一気に完成します。

たとえば場に盃が見えていて、手札や取りの流れで相方(桜の幕/芒の月)が絡む状況だと、
相手の手番すらないままに役ができてそのまま上がり——という展開も起こりやすいです。
しかも点数は5文。スピードと打点を同時に持っています。

まとめると、菊に盃が強いのは、花見で一杯(桜の幕+盃)と月見で一杯(芒の月+盃)のキー札になり、攻め(自分の高得点)にも守り(相手に作らせない)にも直結するからです。

タネは何枚で1文?

代表的なルールでは5枚で1文、以後1枚増えるごとに+1文です。

花札で強い札ってどれ?

一般論としては「役を作りやすい札」「相手の役を止められる札」が強いです。タネ札なら、菊に盃や猪鹿蝶のパーツは“強い札”になりやすいです。

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この記事を書いた人

今はゲームシナリオを書いている者です。
アナログゲームを嗜む脚本家、小説家、人狼もマダミスも好き。

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