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花札の化け札とは? こいこいの「菊に盃」を中心に整理

花札の「化け札」は、ざっくり言うと
1枚の札が、ルールによって“別の種類の札としても扱える”ようになる札のことです。

こいこいでいちばん有名な化け札が、9月の 「菊に盃」
任天堂のこいこい解説でも、はっきりと 「菊に盃はカス札としても数えられます」 と明記されています。

目次

「菊に盃」は化け札:タネなのに、カスにもなる

「菊に盃」は絵柄的にも点数的にも“強い札”で、基本的にはタネ札(10点札)側の札として扱われます。

でも、ここに例外が入って、「菊に盃」は“カス札としても数えられる”=化け札になります。
(つまり、菊に盃は本来はタネ札ですが、カス役(カス10枚など)を数えるときには、カスの枚数に含めてよいという扱いです。)

この「化け方」が面白いのは、
菊に盃が 役づくりの進行を“ズラしてくれる” ところです。

化け札の採用(または扱いの違い)に関して

化け札(カスにも数える)が明記されている任天堂トランプスタジアム
化け札への言及が見当たらないえとはなっ!(タネのみのカウントです)

※化け札の扱いは流派差があり、「同時に数える」流儀と「どちらかを選ぶ」流儀があるので、遊ぶ場のルールに合わせるのが安全です。

実戦で何が変わる?(こいこい的においしいポイント)

1)カス役の到達が1枚ぶん早くなる

カス役はどうしても枚数が必要になりやすいので、
菊に盃が“カスとしても数えられる”だけで、成立ラインがちょっとだけ近づきます。

2)タネが腐りやすい欠点を、菊に盃が“回収”してくれる

こいこいで地味に使い勝手が悪いのが「タネ札」です。
タネ札は枚数が少ないわりに、点になるまでの必要枚数が重く(タネ役は5枚)、途中で止まりやすい=タネが腐る局面が出やすい。

でも、ここで菊に盃の化け札扱いが効きます。
菊に盃は本来タネ札ですが、ルールによっては カス役(カス10枚など)を数えるときに、カスの枚数にも含めてよい
その結果、「タネとして伸び切らなかった」というデメリットを、カス側で回収できるようになります。

盃を押さえると、相手が“勝手に桜と月を警戒してくれる”

菊に盃を守り目的で取ったとしても、相手はそこから
「花見で一杯(桜に幕)」「月見で一杯(芒に月)」を強く警戒する動きになることがあります。
(動きとしては、この警戒はかなり正しいと思っています。)

相手がまったく警戒せずに突っ込んできていると感じた場合の対処(クリックすると開きます)

もし相手がまったく警戒せずに突っ込んできたら、まずは「決まり札」の線を疑ってみてください。
決まり札でもなさそうなら、単純に強気に来ているだけのこともあるので、そのときは花見/月見を狙って、こちらが先に飲みで倒すくらいの気持ちでいきましょう。

補足:決まり札って何?

この警戒が発生すると、場札の意識が 桜と芒(=花見/月見)に寄りやすい。
その結果、逆にこちらは 桜の裏にある赤短冊みたいな“別の取りどころ”を拾いやすくなることがあります。

要するに、菊に盃を押さえるだけで、相手の視線が大役の方向に吸われる。
その隙にこちらが細く得をする——この流れが起きるのが、こいこいの面白いところです。

……ちなみに、私が赤短冊が好きな理由の8割は、だいたいこれです。

よくある誤解:化け札は「どっちかに変身」じゃない

化け札って聞くと「タネがカスに変わって、タネじゃなくなる」みたいに見えがちですが、
任天堂の言い方は 「カス札として“も”数えられる」 です。

(補足)柳の札がカス扱いになる話は、八八が有名

八八(ハチハチ)では、
「1点札(雨札全種含む)」 のように、雨札(柳)を1点札側に含める扱いが出来ます。

※後日、柳札のみの化け札説明も案内予定です※

こいこいの化け札まとめ

こいこいの化け札の代表が「菊に盃」。
任天堂ルールでは 「菊に盃はカス札としても数えられる」 と明記されていて、これが“化け札”と呼ばれる分かりやすい理由になる。

菊に盃は、盃系の大きな展開を狙う札でありながら、カス進行の逃げ道にもなり得る。
だから、菊接待ゲームもとい、こいこいでは、1枚の札が「攻め」と「保険」の両方を持つ――ここが菊の化け札の面白さです。

Q&A:菊に盃の化け札でよくある疑問

そもそも“化け札”って何?

1枚の札が、ルール次第で「別の種類の札としても扱える」札のことです。
こいこいだと代表例が菊に盃で、任天堂の解説でも「菊に盃はカス札としても数えられます」と明記されています。

「菊に盃がカスになる」って、具体的に何が起きるの?

多くの卓で言っているのは「カス役(カス10枚など)を数えるときに、菊に盃を“カス1枚分”として枚数に含めてよい」という意味です。
トランプスタジアム(playingcards.jp)でも、菊に盃を「化け札としてカスとして扱う」例が挙げられています。

タネとしても、カスとしても“同時に”数えていいの?

ここが流派差ポイントです。
任天堂の表現は「カス札としても数えられます」という書き方で、同時カウント寄りに読めます。

一方で、ルールによっては「菊に盃だけ化け札として機能する場合がある」など、扱いが固定ではないこともあります。なので、「遊ぶ場のルールに合わせる」がいちばん安全です。

えとはなっ!では化け札じゃないの?

通常プレイでは化け札ではありません。
また、筆者が確認している範囲では、イベントルールでも化け札扱いになったことはありません(筆者はえとはなっ!をリリース時からプレイしています)。
加えて、えとはなっ!のルールページ上でも「菊に盃」は たね(10点札)として掲載されており、化け札としてカスに数える説明は見当たりません。

“カスとして数える”って、点数が二重に入るってこと?

誤解されがちだけど、基本は違います。
「カス役の枚数カウントに入れられる」という話であって、勝手に点が二重取りになる、という意味ではありません(※最終的には成立した役の取り扱いは採用ルール次第)。

カス9枚+タネ4枚+菊に盃1枚だと、2文になるの?

化け札(併用OK)ルールなら2文です。菊に盃をカス側に入れてカス役が1文、タネ側でもタネ役が1文で、別役が2つ成立するため合計2文になります。

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この記事を書いた人

今はゲームシナリオを書いている者です。最近社内DXアプリ開発も楽しい。
花札がとても好き。アナログゲームを嗜む脚本家、小説家、人狼もマダミスも好き。

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