花札の役の中でも、猪鹿蝶(いのしかちょう)は特に有名な役のひとつです。
名前の印象が強く、花札をあまり知らない人でも聞いたことがある場合がありますが、初心者のうちは
- 猪鹿蝶はどの札で成立するの?
- 何点?
- どれが猪で、どれが鹿で、どれが蝶?
- 強い役なの?
- 青短や赤短より狙いやすい?
と迷いやすい役でもあります。
しかも猪鹿蝶は、ただ名前が有名なだけではなく、3枚固定で成立する高めの役なので、実戦でもかなり存在感があります。
この記事では、花札の猪鹿蝶について、
- 猪鹿蝶とはどんな役か
- 成立条件
- 点数
- 覚え方
- 実戦での強さ
- 狙うコツ、止めるコツ
を、やさしく整理していきます。
猪鹿蝶とは
猪鹿蝶は3枚で成立する役
猪鹿蝶は、特定の3枚をそろえることで成立する役です。

必要になるのは、一般的に次の3枚です。
- 萩に猪
- 紅葉に鹿
- 牡丹に蝶
この3枚がそろうと、猪鹿蝶になります。
名前のとおり、
- 猪
- 鹿
- 蝶
の3種類がそろう役なので、役名と札の対応が分かりやすいのが特徴です。
花札の固定役として有名な役
猪鹿蝶は、花札の中でも固定役としてよく知られています。
固定役というのは、
必要な札の組み合わせが決まっている役
のことです。
たとえば、たねやたんのように「5枚集める」といった広い条件ではなく、猪鹿蝶は
- 萩に猪
- 紅葉に鹿
- 牡丹に蝶
という決まった3枚が必要です。
そのため、覚えてしまえば分かりやすい反面、1枚取られるだけで成立しなくなる役でもあります。
名前が有名で初心者も覚えやすい
猪鹿蝶は、役名がとても印象に残りやすいです。
「猪・鹿・蝶」と、全部ちがう生き物がそのまま役名になっているので、初心者でも比較的覚えやすい役です。
しかも札の絵柄と役名がそのまま対応しているため、
役名を見れば必要札を思い出しやすい
という良さがあります。
花札の役の中では、名前から入りやすい代表格のひとつです。
猪鹿蝶の成立条件
猪鹿蝶になる札の組み合わせ
一般的なこいこいルールで猪鹿蝶になるのは、次の3枚です。
- 萩に猪
- 紅葉に鹿
- 牡丹に蝶
この3枚がそろえば、猪鹿蝶が成立します。
3枚とも「たね札」に分類されることが多く、動物が描かれているのが特徴です。
そのため初心者向けには、
猪・鹿・蝶の絵がある3枚
と覚えると分かりやすいです。
どれか1枚欠けても成立しない
猪鹿蝶は固定役なので、どれか1枚でも欠けると成立しません。
たとえば、
- 萩に猪
- 紅葉に鹿
までそろっていても、牡丹に蝶がなければ猪鹿蝶にはなりません。
逆に言えば、必要札がはっきりしているので、成立条件そのものはとても明快です。
初心者のうちは
「似た札で代用はできない」
と覚えておくと混乱しにくいです。
たね札の中でも特別な組み合わせ
猪鹿蝶に使う3枚は、どれもたね札としての価値を持つ札です。
ただし、たね札なら何でも猪鹿蝶になるわけではありません。
猪鹿蝶は、たね札の中でも特に
- 猪
- 鹿
- 蝶
の組み合わせに限定された役です。
そのため猪鹿蝶は、
たね札の延長にある特別な役
として見ると分かりやすいです。
猪鹿蝶は何点?
一般的な点数
花札こいこいの代表的なルールでは、猪鹿蝶は5点として扱われることが多いです。
3枚固定の役としてはしっかりした点数があり、実戦でも十分に上がり候補になります。
必要枚数が3枚なので、2枚役よりは重いですが、そのぶん役としての存在感もしっかりあります。
ルールによって点数差があることもある
ただし、花札はローカルルールの差が大きい遊びです。
そのため、猪鹿蝶の点数も地域や家によって違うことがあります。
たとえば、
- 猪鹿蝶の点数が違う
- たねとの関係で扱いが変わる
- 固定役全体の点数配分が違う
といったことがあります。
基本としては「猪鹿蝶は高めの固定役」と覚えておけば大きくずれませんが、実際に遊ぶときはその場のルール確認が安心です。
3枚役としてかなり印象が強い
猪鹿蝶は5点前後で扱われることが多いですが、実戦では点数以上に印象が強い役です。
理由は、役名が有名で、必要札も分かりやすく、しかも3枚固定で完成するからです。
たね5のような基本役と違って、「今、猪鹿蝶を作っている」と意識しやすいので、プレイ中の存在感も大きくなります。
そのため猪鹿蝶は、単なる5点役というより、
狙って成立させる実感が強い役
とも言えます。
猪鹿蝶の覚え方
猪・鹿・蝶をそのまま覚えるのが基本
猪鹿蝶は、まず役名をそのまま覚えるのがいちばん分かりやすいです。
- 猪
- 鹿
- 蝶
この3つの動物が描かれている札をそろえる役、と考えるだけで、かなり整理しやすくなります。
役名と必要札がそのまま対応しているので、花札の中でもかなり覚えやすい部類です。
萩・紅葉・牡丹とセットで覚える
札の月や植物まで含めて覚えるなら、次の対応が基本です。
- 萩に猪
- 紅葉に鹿
- 牡丹に蝶
つまり、
- 猪 → 萩
- 鹿 → 紅葉
- 蝶 → 牡丹
です。
動物だけでなく植物もセットで覚えると、札一覧を見たときにも迷いにくくなります。
たね札の有名役として覚えると整理しやすい
猪鹿蝶は、たね札を覚える入口としても優秀です。
たね札にはいろいろありますが、その中でも猪鹿蝶はとても有名なので、
「たね札の有名役」
として覚えると、たね全体の理解にもつながります。
つまり猪鹿蝶を覚えることは、たね役の記事や札一覧にもつながりやすいです。
猪鹿蝶は強い?実戦での価値
3枚固定役としてかなり優秀
猪鹿蝶は、3枚固定役としてかなり優秀です。
必要枚数は3枚なので、青短や赤短と同じく「固定の3枚役」ですが、動物札で構成されているため、印象にも残りやすいです。
点数も高めで、成立すれば十分に上がり候補になります。
そのため猪鹿蝶は、
見えたらかなり意識したい役
です。
ただし固定役なので崩れやすい
一方で、猪鹿蝶は固定役なので崩れやすいという弱点もあります。
必要な札が完全に決まっているため、どれか1枚を相手に取られるだけで成立しません。
たね役のように代わりの札があるわけではないので、この点はかなり大きいです。
そのため猪鹿蝶は、強いけれど
通るときは強い、止まるときは止まる役
とも言えます。
青短と重なる月があるため、読み合いが起きやすい
猪鹿蝶は
萩に猪・紅葉に鹿・牡丹に蝶
の3枚で成立します。
このうち、紅葉と牡丹は青短にも関わる月です。
青短は
- 牡丹に青短
- 紅葉に青短
- 菊に青短
で成立するため、猪鹿蝶と青短は
牡丹・紅葉の2か月ぶんが重なっています。
もちろん、猪鹿蝶に必要なのは「牡丹に蝶」「紅葉に鹿」で、青短に必要なのは「牡丹に青短」「紅葉に青短」なので、同じ札そのものを取り合うわけではありません。
ただし、同じ月の札が役の中心になるため、場の見え方や進行判断にはかなり影響します。
たとえば、
- 相手が牡丹や紅葉の札を強く集めている
- 牡丹・紅葉の月札が場に偏っている
- 猪鹿蝶と青短の両方が見える
といった場面では、
どちらの役を本命にしているのか読み合いが起きやすいです。
そのため猪鹿蝶は、単独の固定役として覚えるだけでなく、
青短と月が重なる役
として見ておくと、実戦でかなり役立ちます。
たね役との兼ね合いが大事
猪鹿蝶に使う3枚は、どれもたね札としての価値もあります。
つまり、猪鹿蝶を狙っていても、途中で崩れたらそのままたね役に寄せられることがあります。
このため猪鹿蝶は、固定役でありながら
たねの進行とも自然につながりやすい役
です。
この柔らかさがあるので、固定役の中でも比較的扱いやすい部類に入ります。
猪鹿蝶を狙うコツ
まず3枚の位置関係を見る
猪鹿蝶を狙うかどうかは、まず必要な3枚がどこにあるかを見ることが大切です。
確認したいのは、
- 自分の手札にある
- 場にある
- まだ見えていない
- 相手に取られている
という位置関係です。
特に、必要札のどれか1枚が相手に取られているなら、猪鹿蝶は成立しません。
逆に、手札や場に複数見えているならかなり有力です。
たね進行の中で自然に見る
猪鹿蝶は、最初から一直線に狙うというより、たね進行の中で自然に見える役として考えると扱いやすいです。
必要札は全部たね札なので、たねを意識しているうちに猪鹿蝶の形が見えることがあります。
この見え方をしているときは、猪鹿蝶を狙っても無理が出にくいです。
つまり猪鹿蝶は、
たねの上位目標のひとつ
として見ると実戦的です。
青短との重なりを意識して牡丹・紅葉を見る
猪鹿蝶では、牡丹と紅葉の扱いが特に大事です。
この2か月は青短とも重なるため、場に牡丹や紅葉が多く見えるときは、猪鹿蝶だけでなく青短の進行も同時に考えたほうが実戦的です。
たとえば、
- 相手が牡丹・紅葉を優先して取っている
- 自分も牡丹・紅葉に触れやすい
- 菊の青短まで見えている
という場面では、青短の気配もかなり強くなります。
そのため猪鹿蝶を狙うときは、
牡丹・紅葉は青短とも重なる月
という前提で見ると、相手の狙いも読みやすくなります。
1枚切れたら早めに切り替える
猪鹿蝶は固定役なので、1枚切れた時点で基本的には成立しません。
そのため、必要札のどれかを相手に取られたら、早めに別ルートへ切り替えるのが大切です。
たとえば、そのままたねを伸ばす、別の役を優先する、守備に寄る、といった判断が必要になります。
固定役は追いすぎると損をしやすいので、見切りの早さも重要です。
猪鹿蝶を止めるコツ
必要札を1枚押さえるだけで大きい
相手が猪鹿蝶を狙っていそうなら、必要札を1枚押さえるだけで非常に大きいです。
固定役なので、1枚止めるだけで成立そのものを崩せます。
特に相手がすでに2枚持っていそうなときは、残り1枚の価値が一気に上がります。
この分かりやすさは、固定役ならではです。
牡丹・紅葉は青短の気配もあわせて見る
猪鹿蝶を止めたいときは、牡丹と紅葉の見え方がかなり重要です。
この2か月は青短にも関わるため、相手が牡丹・紅葉を集めているときは、猪鹿蝶だけでなく青短の可能性も考えたほうがよいです。
つまり、
- 猪鹿蝶を止めるつもりで見ていたら、実は青短が本命だった
- 青短を警戒していたら、猪鹿蝶が完成していた
ということも起こります。
そのため守るときは、
牡丹・紅葉が見えたら猪鹿蝶と青短の両方を意識する
のが大切です。
ただし相手の本命がたねのこともある
相手が猪鹿蝶に見える札を集めていても、必ずしも本命が猪鹿蝶とは限りません。
必要札はどれもたね札なので、相手は単純にたねを進めているだけの可能性もあります。
そのため守るときは、
猪鹿蝶だけでなく、たね全体の進行も見る
ことが大切です。
守りすぎて自分の進行を止めない
相手の猪鹿蝶を止めることは大切ですが、それだけに集中すると自分の進行が遅くなることがあります。
自分がたんやかす、あるいは別のたね進行で早く上がれそうなら、守るより走ったほうが勝ちやすい場面もあります。
こいこいでは、相手の役を止めることと、自分が上がることの両方が大切です。
そのバランスを見ながら守るのが重要です。
猪鹿蝶でよくある疑問
猪鹿蝶はどの3枚で成立する?
一般的なルールでは、
- 萩に猪
- 紅葉に鹿
- 牡丹に蝶
の3枚で成立します。
この3枚をセットで覚えるのがいちばん分かりやすいです。
動物のたね札なら何でもいいの?
いいえ、何でもよいわけではありません。
猪鹿蝶は固定役なので、必要なのは
- 猪
- 鹿
- 蝶
の3枚だけです。
ほかのたね札では代用できません。
青短と同じ札を取り合う役なの?
同じ札そのものを取り合うわけではありません。
猪鹿蝶は
- 牡丹に蝶
- 紅葉に鹿
を使い、青短は
- 牡丹に青短
- 紅葉に青短
を使います。
ただし、牡丹と紅葉という同じ月が両方の役に関わるため、場の見え方や進行の読み合いには大きく影響します。
そのため、実戦では
猪鹿蝶と青短は月が重なる役
として意識しておくと分かりやすいです。
猪鹿蝶が見えたらこいこいするべき?
状況次第です。
猪鹿蝶は十分強い役ですが、
- そのまま上がったほうが安全か
- たねがさらに伸びそうか
- 相手の手が速いか
- 点差や親子の状況がどうか
で判断は変わります。
固定役は完成した時点で価値がはっきりしているので、無理に伸ばしすぎず、その場の状況を見るのが大切です。
まとめ
猪鹿蝶は、花札の中でも特に有名で覚えやすい固定役です。
一般的には、
- 萩に猪+紅葉に鹿+牡丹に蝶で成立
- 点数は5点前後
- 役名と必要札が対応していて覚えやすい
- 固定役なので1枚切れると成立しない
- たね役との相性がよく、実戦でも意識しやすい
- 青短とは牡丹・紅葉の月が重なる
という特徴があります。
名前の分かりやすさから初心者にも覚えやすく、実戦では点数面でも十分に強い役です。
まずは
猪鹿蝶=萩に猪・紅葉に鹿・牡丹に蝶
とそのまま覚えるのがおすすめです。
さらに、
青短とは同じ札ではなく、牡丹と紅葉という月が重なっている
と理解しておくと、実戦の読み合いにもつながります。








