まず何を見る?10月札の優先順位
10月札を見る時に大事なのは、
どの札がいちばん派手かではなく、
今の場でどの勝ち筋がいちばん通りやすいかです。

10月には、ざっくり言うと次の3つの見方があります。
- 紅葉に鹿を押さえて猪鹿蝶やたねを見る
- 紅葉の青短を押さえて青短やたんへ伸ばす
- 紅葉のカスで枚数を稼ぎ、場を整えながらかすを見る
10月は、
「紅葉に鹿があるからそれ一択」
という月ではありません。
手札、場札、相手の取り札を見ながら、
10月のどこを使うかを決めていくのが大事です。
これから出てくる図解の説明

紅葉に鹿を優先したい場面
紅葉に鹿は、10月を代表するたね札です。

猪鹿蝶につながるうえに、絵柄の印象まで強いので、役としても感覚としても「取りたい」と思わせやすい札です。
猪鹿蝶が伸びそうな時
すでに萩に猪か牡丹に蝶を持っている時、
あるいは場に見えていて後から触れそうな時は、
紅葉に鹿の価値がかなり上がります。
猪鹿蝶は、
紅葉に鹿・萩に猪・牡丹に蝶の3枚で成立する役です。
10月側からその入口を押さえられるなら、かなり分かりやすい勝ち筋になります。
相手に猪鹿蝶を渡したくない時
自分が猪鹿蝶を本命にしていなくても、
相手がたねを集めていたり、萩に猪や牡丹に蝶を持っていそうな時はあります。
そういう時も、紅葉に鹿は取り得です。
紅葉に鹿は、
自分の役を作る札であると同時に、
相手の分かりやすい役を止める札でもあります。
紅葉札を先に消されそうな時
10月は、同じ月札の中に
紅葉に鹿と紅葉の青短の両方があります。
つまり相手も10月札に触れやすい月です。
場に紅葉が見えている時は、
「あとで取ろう」が間に合わないことがあります。
迷った時に、まず紅葉に鹿を押さえる意味があるのはここです。
紅葉の青短を優先したい場面
紅葉の青短は、10月の短冊札です。

青短の1枚であり、
たんにもつながるので、
10月の中ではかなり扱いやすい札です。
青短が見えている時
菊に青短や牡丹に青短が見えているなら、
紅葉の青短の価値はかなり上がります。
青短は、
牡丹に青短・菊に青短・紅葉に青短の3枚で成立する役です。
10月でその入口を押さえられると、後の取り方がかなり楽になります。
たね一本だと不安な時
紅葉に鹿は魅力的ですが、
たね側だけを見ると、役の伸び先はやや細くなります。
それに対して紅葉の青短は、
青短が崩れても、たんへ寄り直しやすい札です。
この
ひとつ崩れても、まだ別の役が残る
という感じが、紅葉の青短のいちばん大きい強みです。
猪鹿蝶の完成側としてかなり印象に残りやすい月です。
先に形を作りたい時
10月は、紅葉に鹿の印象が強いぶん、
相手の目線もそちらへ寄りがちです。
その時に、こちらが紅葉の青短から入って短冊の形を先に整えると、見た目よりずっと実戦的です。
派手ではないけれど、
勝ち筋を静かに整えられる。
10月の青短は、そういう札です。
紅葉に鹿と青短で迷ったら
迷った時は、こう見ると整理しやすいです。
- すでにたねが見えているなら紅葉に鹿
- すでに青短や短冊が見えているなら紅葉の青短
- どちらも薄いなら、相手に渡したくない方を先に取る
10月は
場に合わせて強い方が入れ替わる月です。
紅葉のカスが意外に強い場面
10月には、紅葉のカス札が2枚あります。

目立つのはどうしても紅葉に鹿や紅葉の青短ですが、
10月はカスもかなり大事です。
場の紅葉をあえて残したい時
紅葉のカスは、場のカスと合わせてすぐ取ることもできます。
でも10月では、
あえて取らずに残すことで、
あとから紅葉に鹿や紅葉の青短へ触る形を残せることがあります。
この月は、
同じ紅葉札の中で主札と短冊の両方が強いので、
場に10月札を残す意味がほかの月より出やすいです。
紅葉を消して相手の選択肢を減らしたい時
逆に、相手がたね寄りか短冊寄りか見えているなら、
紅葉のカスで場から10月札を減らす意味もあります。
10月は、
同じ月の中に迷いがある月です。
だからこそ、
場の紅葉そのものを減らすだけで、
相手の読みの幅を狭められることがあります。
かすで早上がりが見える時
主役札に視線が集まりやすい場では、
カスが通りやすいことがあります。
その時に、紅葉のカスも使って枚数を増やし、
かすで先に上がる形へ寄せる。
これは地味ですが、かなり実戦的です。
10月の勝ち筋は、大きく3つあります
10月の紅葉札は、ざっくり言うと
次の3本に分かれます。
猪鹿蝶で押す
紅葉に鹿を起点にして、
萩に猪、牡丹に蝶へつないでいく形です。
役の形がはっきりしていて、
取れた時の満足感も強い。
10月らしい主役の勝ち筋です。
青短・たんで安定して伸ばす
紅葉の青短を押さえ、
青短やほかの短冊札とつないでいく形です。
役が崩れても、別方向へ寄りやすい。
読みの幅を残したまま戦いやすいのが、この勝ち筋の強みです。
かすで先に上がる
紅葉のカスも含めて、
枚数を素早く増やして先に上がる形です。
相手より先に終わらせたい時や、
大役勝負に付き合いたくない時に効きます。
10月は、この3本を最初から固定する月ではありません。
猪鹿蝶から青短へ。
青短からかすへ。
あるいは、かすを拾いながら最後にたねへ寄る。
そうやって途中で読みを移しやすいところが、10月の強さです。
10月でよくあるミス
紅葉に鹿だけ見てしまう
紅葉に鹿は目立つ札です。
そのぶん、ついそこだけ見やすくなります。
でも10月には、
青短もあります。
紅葉に鹿だけを追うと、
いちばん安定した勝ち筋を見落としやすくなります。
青短を軽く見る
紅葉の青短は、派手さでは紅葉に鹿に負けます。
でも実戦ではかなり優秀です。
青短にもたんにも伸びるので、
流れが悪くなった時の逃げ道を残せます。
カスを雑に消す
10月のカスは、
ただの枚数調整では終わりません。
場の紅葉を残すか、消すかで、
あとから紅葉に鹿や青短に触れる形そのものが変わるからです。
10月でカスを雑に扱うと、
自分で自分の読みの幅を狭めることがあります。
10月「紅葉」の強みをひとことで言うと
紅葉に鹿は、役の入口として人を引っ張る札
紅葉の青短は、読みの幅をつくる札
紅葉のカスは、場と速度を支える札
10月は、
この3つの役割がきれいに分かれている月です。
だから紅葉札を見た時は、
どれが主役かだけで見るより、
どの勝ち筋に寄せたいかで見る方が、実戦ではずっと強くなります。
まとめ
10月の「紅葉」は、
紅葉に鹿で猪鹿蝶やたねを見られて、
紅葉の青短で青短やたんにも触れられて、
紅葉のカスで場の整理やかすの早上がりまで残せる月です。
だから10月は、ただ効率で切るだけでは少しもったいない月です。
猪鹿蝶へ寄せたい時も。
青短で安定したい時も。
相手より先に上がりたい時も。
10月は、その全部に少しずつ手が届きます。
だから紅葉札を見た時は、
「紅葉に鹿が強い月」で終わらせず、
青短とカスまで含めて、10月全体をどう使うか
を考えてみてください。
それだけで、10月の見え方はかなり変わります。
という花札の面白さがよく出ています。

