サザノノ 性分帖。 > 立ち位置 > お姫様
お姫様キャラとは、王家や貴族の娘として生まれ、大切に守られる立場にいながら、その身分とどう向き合い、自分の生き方を選んでいくかが描かれるキャラクターのことです。
要点
- 辞書では「姫を敬っていう語」。もう一つ、「純情で世間知らずな、おっとりした娘」という比喩の意味もあります
- 見分ける条件は3つ。高い身分か、姫のように大事にされる立場にいる・周りとの関係が身分で決まっている・身分と自分の望みの間で物語が動く
- お嬢様とは「何を背負っているか」で分かれます。お姫様は国や王家を、お嬢様は良家と財力を背負っている
- 守られて助けを待つ姫は、今はそのまま描かれることが少なくなりました。城を出る姫、戦う姫、囚われの身を楽しむ姫が人気です
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お姫様の意味と語源
お姫様は、「姫」に「お」と「様」をつけて敬った言葉です。辞書(デジタル大辞泉)は、一つ目に「姫を敬っていう語」、二つ目に「純情で世事にうとく、おっとりした娘。お嬢様」を挙げています。
「ひめ」は古くは女性を表す言葉で、男性を表す「ひこ」と対になっていました。神様の名前にも多く使われています。やがて、皇族や公家、将軍家や大名など、身分の高い人の娘を敬って呼ぶ言葉になりました。もとは年齢に関係なく使われ、江戸時代までは年配の女性も「姫」と呼ばれていました。今のように「若くて美しい女性」のイメージが強くなったのは、童話やファンタジーの影響だとされています。
キャラクターの話では、王冠やドレスの西洋風の王女も、着物の姫君も「お姫様」と呼びます。さらに、本物の王族でなくても、まわりから大事にされ、ちやほやされる女の子を「お姫様」「姫」と呼ぶ比喩の使い方も広がっています。このページでは、本物の姫を中心に、比喩のお姫様も合わせて扱います。王家や仲間の中でどんな立場にいるかで決まるので、立ち位置の群に入れています。
お姫様キャラかどうかの見分け方
ドレスを着たキャラや、かわいくて上品なキャラが、すべてお姫様キャラというわけではありません。お姫様キャラと呼べるのは、次の3つがそろった時です。
- 高い身分か、姫のように大事にされる立場にいる:王家や貴族の娘として生まれた、または仲間の中で特別に大事にされている
- 周りとの関係が身分で決まっている:護衛に守られ、侍女に仕えられ、国や家から役目を期待される。対等な友だちを作るのがむずかしい
- 身分と自分の望みの間で物語が動く:決められた結婚や役目を受け入れるのか、城を出るのか。その選び方に、その姫らしさが出る
お嬢様・王女・悪役令嬢との違い
お姫様は、身分の高い女の子を表す言葉とよく混ざります。こう覚えると見分けやすくなります。お姫様は国や王家を背負う娘、お嬢様は良家と財力を背負う娘、王女は身分の正式な呼び名、悪役令嬢は物語での役目。
| お姫様 | お嬢様 | 王女 | 悪役令嬢 | |
|---|---|---|---|---|
| 何についての言葉か | 王家や貴族の娘と、その立場 | 良家の娘と、その人柄 | 王の娘という身分の呼び名 | 物語の中の役目 |
| 背負っているもの | 国、王家、民 | 家柄と財力 | 王位や外交の役目 | 主人公の前に立ちはだかる役 |
| 周りにいる人 | 騎士、侍女、王子 | 執事、メイド、庶民の友だち | 臣下、他国の王族 | 取り巻き、婚約者 |
| よくある悩み | 自由がない、決められた結婚 | 世間とのずれ、家の期待 | 国の都合で動かされる | 破滅する筋書き |
| 崩れる瞬間 | 城の外で一人の人として見られた時 | 家の名前抜きで好かれた時 | 自分の言葉で国を動かした時 | 役を降りると決めた時 |
いちばん並べられるのはお嬢様です。辞書の二つ目の意味では、お姫様は「お嬢様」とほぼ同じ「世間知らずで、おっとりした娘」を指します。ただ、キャラクターとしては、お嬢様が家柄と財力を背負うのに対し、お姫様は国や王家、そこに暮らす民まで背負います。お嬢様の悩みが家の期待なら、お姫様の悩みは国の都合です。そのぶん自由が少なく、「城を出る」「身分を隠して街を歩く」といった物語が生まれます。
王女は、王の娘という身分を正しく呼ぶ言葉です。物語では同じ人物を指しますが、「王女」は役目や身分を語る時、「お姫様」はその子の雰囲気や扱われ方を語る時に使われやすい言葉です。悪役令嬢は、身分の高さを使って主人公の前に立ちはだかる物語上の役目で、お姫様が悪役になることもあれば、悪役令嬢が王女であることもあります。
お姫様と近い言葉
| プリンセス | 姫騎士 | お姫様扱い | オタサーの姫 | |
|---|---|---|---|---|
| どんな言葉か | 英語の princess。今は「強く、優しく、美しい」生き方を指して使われることもある | 剣を取って戦う姫 | 女性を姫のように大切に扱うこと | 男性の多い趣味の集まりで、数少ない女性として大事にされる人 |
| お姫様との関係 | 同じ意味の言葉。王族でなくても目指せる生き方として描かれることも | お姫様の中の「戦う型」 | 比喩のお姫様。扱われ方を指す | 比喩のお姫様。からかいや皮肉をこめて使われることが多い |
お姫様キャラの型
お姫様キャラは、姫という身分を、どう受け止めているかで分かれます。本物の姫と、比喩のお姫様から、よく描かれる型を並べました。
城の中で大事に守られ、何不自由なく育った姫が、ある出来事で城を追われる型です。何もできなかった自分を知り、自分の手で生きる力を身につけていく。その成長そのものが物語になります。たとえば、ヨナ(『暁のヨナ』)がこの型です。
国の決まりや家の事情で、姫として生きることを許されなかった型です。男として育てられたり、世継ぎの役目を負わされたりしながら、本当の自分との間で揺れる。凛々しさと少女らしさの両方が見どころです。たとえば、サファイア(『リボンの騎士』)がこの型です。
さらわれて勇者の助けを待つのが定番だった姫が、自分から冒険に出る型です。おしとやかなイメージを保ったまま、ドレス姿で仲間を救いに行く。定番を知っている人ほど、その姿が新鮮に映ります。たとえば、ピーチ姫(『プリンセスピーチ Showtime!』)がこの型です。
敵に捕まった姫なのに、少しも怖がらず、自分のやりたいことを優先してしまう型です。囚われの姫のお約束を、本人がまったく気にしていない。そのずれが笑いになります。たとえば、スヤリス姫(『魔王城でおやすみ』)がこの型です。
剣を取って戦う勇ましい姫なのに、ごちそうや楽しいことには勝てない型です。気高い決意と、すぐに崩れる弱さの落差が笑いと愛嬌になります。たとえば、姫様(『姫様“拷問”の時間です』)がこの型です。
王女なのに、作法や期待そっちのけで、自分の好きなことに夢中になる型です。まわりから変わり者と呼ばれても気にせず、その好きで国や人の役に立ってしまう。身分の重さを軽やかに飛び越える姿が魅力です。たとえば、アニスフィア(『転生王女と天才令嬢の魔法革命』)がこの型です。
王族ではない普通の女の子が、「お姫様になりたい」という夢を抱く型です。ドレスや身分ではなく、強く優しくあろうとする生き方として、プリンセスを目指していく。たとえば、春野はるか(『Go!プリンセスプリキュア』)がこの型です。
王族ではないのに、仲間の中で大事にされ、「姫」と呼ばれる型です。本人がその扱いを楽しんでいるのか、困っているのかで印象が大きく変わる。比喩のお姫様として、学園ものや仲間の物語でよく使われます。
お姫様キャラの作り方と台詞例
お姫様は、もともと女性を表す言葉です。そこでこのページでは、いつもの男女別ではなく、「お姫様(向けを問わず)」「『姫』と呼ばれる男性」「女性向け作品のお姫様」「男性向け作品のお姫様」の4つに分けて、よくある形と外し方、台詞例をまとめました。王家の男性は王子様のページで扱っています。
台詞は「心の距離」の順に4段階で並べています。表の顔 → ほころび(素が一瞬見える)→ 信頼した相手だけ → 独りの時。お姫様キャラは、表の顔では身分にふさわしくふるまい、ほころびで世間知らずな好奇心や素の気持ちがのぞき、信頼した相手には身分の重さを、独りの時には姫ではない自分でいたい願いを抱えています。話し方は口振カルテで調整できます。
下に行くほど心の距離が近づきます。同じ人物の4つの顔として読んでください。
自分のキャラクターの顔を置くと、下の台詞をその子が話しているように読めます。
性分帖の台詞は、自分で作ったキャラクターにどんな口調や性格が合うかを確かめるためのものです。画像と名前はこの端末にだけ保存され、ほかの属性のページでも同じ子が出ます。
ドラッグで位置を動かせます
お姫様キャラ(向けを問わず)
お姫様は、恋愛だけでなく、国を背負う物語や、家族、友情の物語でも光ります。守られる立場に生まれた子が、自分の意思で何を選ぶか。身分の重さがあるからこそ、一つの選択が大きな意味を持ちます。
- よくある形
- 身分を隠して城下町を歩く姫/決められた結婚に悩む王女/国のために剣を取る姫/わがままで侍女を困らせる姫
- 外すなら
- 王位にまったく興味がなく、薬草や機械いじりに夢中な姫にする。または、滅んだ国の姫で、今は街の食堂で働いている形にする
- 気をつけたいこと
- 守られて待つだけの人物にしないこと。小さなことでも一つ、自分で決めて動く場面を入れると、姫の言葉に重みが出ます
1表の顔人前・ふだん
「遠いところをよく来てくださいました。どうぞ、ゆっくり休んでいってくださいね」
謁見の間で、旅の一行を迎え、背筋を伸ばしたまま一人ひとりに目を合わせて
2ほころび素が一瞬見える
「それ、外の市場で売っているお菓子ですか? ひとつだけ、見せてもらってもいいですか」
謁見のあと、旅人の荷物からのぞいた紙袋に気づき、侍女の目を盗んで小声で
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「あの灯りまで、歩いたら何分? 馬車の時間しか、私は知らないの」
夜の見張り塔で、ずっとそばについていてくれた護衛にだけ、城壁の向こうの灯りを指して
4独りの時誰にも見せない本音
「ティアラを外したこの顔、今日の旅の人たちは誰も知らない。……知ったら、同じ目で見てくれるかな」
寝室で、ティアラを外して鏡台に置き、何もつけていない自分の顔をしばらく見つめて
「姫」と呼ばれる男性キャラ
男性のキャラが「姫」と呼ばれることもあります。かわいらしい見た目や品のよさ、守ってあげたくなる雰囲気から、仲間に大事にされている子です。本人がその呼び名を喜んでいるのか、嫌がっているのかで、性格がはっきり分かれます。
- よくある形
- 仲間に「姫」と呼ばれて甘やかされる美少年/姫扱いを嫌がって男らしさにこだわる子/かわいさを武器にわがままを通す子/劇で姫役を任されて本気で演じきる子
- 外すなら
- 「姫」と呼ばれているのに、実はチームでいちばん腕っぷしが強い形にする。または、姫扱いを逆手に取って、仲間を上手に動かす策士にする
- 気をつけたいこと
- かわいさや女の子らしさを、笑いものやからかいの的にしないこと。呼び名をどう受け止めているかを本人の言葉で描くと、一人の人として立ちます
1表の顔人前・ふだん
「重いものは持たないって決めてるの。代わりに応援してあげるから、がんばって」
部活の買い出しの帰り、両手に袋を提げた先輩たちの横を、日傘をさして軽やかに歩きながら
2ほころび素が一瞬見える
「……貸して。そっち、袋の底が破れかけてる」
いちばん重い袋を抱えた後輩に気づき、日傘を閉じて、黙って片方の持ち手を引き受けて
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「姫って呼ばれ始めたの、一年の夏。靴ひもも結べなかった頃。……今は結べるよ。見てて」
部室で二人きりになった時、昔からの友だちにだけ、ほどけた靴ひもを結び直しながら
4独りの時誰にも見せない本音
「守られてばかりじゃ、いつか置いていかれる。次は、僕がみんなの前に立つ番だ」
誰もいない練習場で、試合の記録を見返し、自分の名前のない欄を指でなぞりながら
女性向け作品のお姫様キャラ
女性向けでは、お姫様は読者が自分を重ねる主人公として描かれることが多くあります。守られるだけでなく、自分で道を選び、国や仲間を守っていく。そのそばにいる騎士や王子との関係も見どころです。最近は、転生して王女になった主人公が、決められた運命を変えていく物語も人気です。
- よくある形
- 城を追われて強くなっていく王女/護衛の騎士との身分違いの恋/転生して悲しい運命を変えようとする皇女/政略結婚の相手と少しずつ心を通わせる姫
- 外すなら
- 騎士に守られるのではなく、姫が騎士を守る形にする。または、王位を継ぐことを自分で選び、恋より国を取る姫にする
- 気をつけたいこと
- まわりの男性に選ばれることだけを幸せのゴールにしないこと。姫が自分で選んだことを、物語の山場に置くと、読者が気持ちよく応援できます
1表の顔人前・ふだん
「その条件ではお受けできません。民の暮らしが、いちばん先に来るべきです」
隣国の使者との会議で、父王の代わりに席につき、地図の上に手を置いてはっきりと
2ほころび素が一瞬見える
「ちゃんと言えてた? 手がずっと震えてたの、ばれてなかったかな」
会議のあとの廊下で、扉が閉まったとたん、護衛の騎士の袖をつかんで
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「跪かないで。隣に座って。震えてた手、まだ止まってないの。……もう少し、握ってて」
庭園の東屋で、跪こうとした騎士の手を取り、隣に座らせてから
4独りの時誰にも見せない本音
「書状の封蝋、隣国の紋。……開けなければ、今夜はまだ、あの人の姫でいられる」
夜更けの書斎で、届いたばかりの縁談の書状を、開けないまま机の端に置いて
男性向け作品のお姫様キャラ
男性向けでは、主人公が守る相手、または主人公と一緒に旅をする仲間としてのお姫様がよく描かれます。今は、助けを待つだけの姫より、自分から動く姫、囚われの身を楽しんでしまう姫のように、お約束をずらした姫が好まれています。
- よくある形
- 身分を隠して主人公の旅についてくる姫/世間知らずで庶民の暮らしに目を輝かせる姫/主人公と張り合う気の強い王女/敵に捕まっても動じないマイペースな姫
- 外すなら
- 主人公が助けに来る前に、自分で城を抜け出してしまう姫にする。または、勇者よりも剣の腕が立ち、主人公を鍛える側に回る姫にする
- 気をつけたいこと
- 主人公へのごほうびのように扱わないこと。姫が主人公を選ぶ理由や、主人公と旅をする理由を、姫自身の望みとして描くと好かれやすくなります
1表の顔人前・ふだん
「勘違いしないで。わたくしは護衛を頼んだだけ。並んで歩けとは言っていません」
旅の初日、主人公が隣に来たとたん、フードを深くかぶり直して早足になり
2ほころび素が一瞬見える
「待って、あの串焼き、立ったまま食べていいの? お皿もナイフもなしで?」
宿場町の屋台の前で足を止め、主人公の袖を引いて、目を丸くしたまま
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「串焼き、十一本。半券、七枚。全部あなたと。……姫として数えたものより、多いの」
旅の終わり、城の門が見える丘の上で、フードを下ろしてまっすぐ向き直り
4独りの時誰にも見せない本音
「城に戻ったら、もう屋台にも行けない。あの人の隣も、歩けなくなる」
最後の宿の部屋で、旅のあいだに集めた半券や包み紙を、小箱にそっとしまいながら
お姫様キャラを書く時のコツと避けたいこと
コツ
- 何を背負っているかを決める:国の未来、王家の名、民の暮らし、決められた結婚。背負っているものが具体的だと、姫の迷いや決意に重みが出ます
- 身分をどう受け止めているかを決める:誇りにしているのか、重荷なのか、気にしていないのか。そこで、凛々しい姫、城を出たい姫、型破りな姫に分かれます
- 世間とのずれを一つ描く:屋台の食べ方を知らない、お金の数え方が分からない。小さなずれは、姫らしさと愛嬌を同時に見せてくれます
- 自分で選ぶ場面を山場に置く:誰かに救われる場面より、姫が自分の意思で決めた場面を物語の中心にすると、今の読者に好かれやすくなります
身分の受け止め方で変わる見せ方
| 受け止め方 | どう見えるか | 揺らす出来事 |
|---|---|---|
| 誇りにしている | 凛々しい、気高い | 民に姫として認められない |
| 重荷に感じている | 城を出たい、自由に憧れる | 城の外で本当の暮らしを知る |
| 気にしていない | 型破り、マイペース | 身分を背負う場面が回ってくる |
| 当然だと思っている | わがまま、世間知らず | 身分が通じない場所に放り出される |
| 身分がないのに憧れている | 夢見がち、まっすぐ | 本物の姫に出会う |
避けたいこと
- 助けを待つだけで、自分では何も決めない人物にすること。守られる立場でも、一つは自分で選ぶ場面を作ります
- 主人公へのごほうびや、勝ち取る景品のように扱うこと。姫にも、自分の望みと好き嫌いがあります
- 「女の子だからお姫様に憧れる」と決めつけること。憧れる理由も、憧れない理由も、その子だけのものを描きます
- 有名なお姫様の決め台詞や、映画の名場面の言い回しをそのまま借りること。姫の言葉づかいは、その国とその子に合わせて作ります
お姫様キャラに合う口調・組み合わせやすい属性
合う口振(口振カルテへ)
お姫様は立ち位置の属性なので、口振は「身分をどう言葉に出すか」で選びます。上品な言葉で身分を見せるのか、高いところから言い切るのか、おっとり柔らかく話すのか、身分を忘れて無邪気にはしゃぐのかで、同じ姫でも印象が変わります。
組み合わせやすい属性
お姫様にお嬢様を重ねると、世間知らずでおっとりした、辞書どおりのお姫様に。天然を重ねれば、城の外の何にでも目を輝かせる、ずれた愛らしさが出ます。ツンデレを重ねると、身分を盾に強がりながら主人公を気にかける王女に、負けず嫌いを重ねれば、守られるのを嫌って剣の稽古に励む姫になります。自己犠牲を重ねると、国のために自分の幸せを差し出そうとする重い姫に、高嶺の花を重ねれば、誰もが憧れながら近づけない、遠い存在の姫になります。そばに仕える執事やメイド、王子様とは、関係性で並べると相性のいい組み合わせです。
ぶつかりやすい属性(あえて使うと面白い)
不良・ヤンキーや常識人は、身分や作法を気にしない側の属性です。一人に重ねるより、関係性で並べると引き立ちます。姫を姫と思わずに口をきく下町の不良と、それに腹を立てながらも、初めて対等に話せる相手を見つけて目を輝かせる姫。身分の差が、二人の会話をいちばん面白くします。
お姫様キャラの歴史
お姫様は、昔話や童話の時代から物語の中心にいた立ち位置です。主な出来事をもとに、姫の描かれ方の移り変わりをまとめます。
年表を開く
現存する日本最古の物語とされる『竹取物語』が成立します。竹から見つけられた姫が、求婚する貴公子たちに難題を出し、帝の求めにも応じず、月へ帰っていく物語です。
ディズニーが白雪姫、シンデレラ、眠れる森の美女を長編アニメにします。王子のキスや救いによって幸せになる姫の姿が、世界中の「お姫様」のイメージになりました。
少女漫画誌で、男しか王位を継げない国で王子として育てられた王女の物語が始まります。初めての「戦う少女」とも言われ、凛々しさと少女らしさをあわせ持つ姫の流れの始まりになりました。
テレビゲームで、さらわれた姫を主人公が助けに行く物語が大ヒットします。「囚われの姫」は、ゲームの定番の役どころになりました。
ディズニーの姫たちが、自分で望みを選び、家族のために行動するようになります。2000年には、姫たちをまとめた「ディズニープリンセス」のブランドが作られました。
城を追われた王女が強くなっていく少女漫画が始まり、2014年にアニメ化されます。同じ2014年には『アナと雪の女王』が日本で公開され、その年の興行収入1位になりました。王子に救われるのではなく、姉妹の愛が「真実の愛」として描かれます。この年は、男性の多いオタクのサークルで大事にされる女性を指す「オタサーの姫」も話題になり、比喩のお姫様の言い方が広まりました。2015年には、王族ではない少女が「強く、やさしく、美しく」生き方としてのプリンセスを目指すアニメが放送されます。
囚われの身なのに安眠のために魔王城でやりたい放題の姫や、敵のごちそうに負けて秘密を話してしまう姫騎士など、お約束をずらしたコメディの姫が人気を集めます。
転生して王女や皇女になった主人公が、決められた運命を変えていく物語が続きます。2024年には、さらわれる役が定番だった姫が主役になり、自分から劇場を救いに行くゲームが発売されます。2025年には韓国発の漫画『ある日、お姫様になってしまった件について』がテレビアニメになりました。
今のお姫様キャラのイメージ
- 待つ姫から動く姫へ:助けを待つだけの姫はそのまま描かれることが少なくなり、城を出る姫、戦う姫、自分で国を動かす姫が中心になっています
- お約束をずらす姫:囚われの身を楽しむ、誘惑に弱い、型破りな趣味に夢中など、定番を知っているからこそ笑える姫が人気です
- 転生王女の物語:決められた悲しい運命を、王女として生まれ直した主人公が変えていく物語が、女性向けで続いています
- 生き方としてのプリンセス:身分ではなく、強く優しくあろうとする生き方を「プリンセス」と呼ぶ見方も広がっています
- 比喩のお姫様:「お姫様扱い」「オタサーの姫」のように、大事にされる立場を指す言い方が日常語になり、からかいの意味で使われることもあります
- 愛の形の広がり:王子との恋だけでなく、きょうだいや仲間、国への愛を軸にした姫の物語が好まれています
よくある質問
お姫様キャラとはどういう意味ですか?
王家や貴族の娘として生まれ、大切に守られる立場にいながら、その身分とどう向き合い、自分の生き方を選んでいくかが描かれるキャラクターのことです。比喩として、仲間の中で姫のように大事にされる女の子を指すこともあります。
お姫様とお嬢様の違いは何ですか?
背負っているものが違います。お姫様は国や王家、そこに暮らす民を背負い、お嬢様は良家の家柄と財力を背負っています。辞書では、お姫様に「世間知らずでおっとりした娘。お嬢様」という意味もあり、比喩ではほぼ同じように使われます。
お姫様と王女の違いは何ですか?
王女は王の娘という身分を正しく呼ぶ言葉で、お姫様はその身分の娘を敬って呼ぶ言葉です。物語では同じ人物を指しますが、役目や身分を語る時は「王女」、その子の雰囲気や扱われ方を語る時は「お姫様」が使われやすくなります。
「オタサーの姫」とは何ですか?
男性の多いオタク系のサークルや集まりで、数少ない女性として大事にされ、ちやほやされる人を指す言い方です。2014年ごろに話題になりました。からかいや皮肉をこめて使われることが多い言葉です。
姫騎士とお姫様の違いは何ですか?
姫騎士は、剣を取って戦う姫を指す言葉で、お姫様の中の「戦う型」にあたります。身分は姫でも、役目の中心が戦うことにあるのが特徴です。
お姫様キャラを魅力的に書くコツは?
何を背負っているかと、身分をどう受け止めているかを決めることです。そのうえで、世間とのずれを一つ描き、姫が自分の意思で選ぶ場面を物語の山場に置くと、守られるだけではない、今の読者に好かれる姫になります。
次に読む
参考にした資料
- Weblio辞書「お姫様」(デジタル大辞泉・実用日本語表現辞典)
- Wikipedia(日本語版)「姫」(ヒメとヒコ、身分の高い人の娘への敬称、年齢に関係なく使われた)
- ピクシブ百科事典「お姫様」(比喩の使い方、戦う姫など姫像の多様化)
- TV Tropes「Princess Classic」(古典的な姫の特徴、今は欠点と奥行きを持たせて描かれる)
- TV Tropes「Royals Who Actually Do Something」(統治し、戦う王族)
- Wikipedia(英語版)「Disney Princess」(2000年のブランド化、時代ごとの姫の描かれ方)
- Wikipedia(日本語版)「アナと雪の女王」(2014年日本公開、年間興行収入1位、姉妹の真実の愛)
- Wikipedia(日本語版)「竹取物語」(9世紀後半〜10世紀前半、現存する日本最古の物語とされる)
- Wikipedia(日本語版)「リボンの騎士」(1953年、王子として育てられた王女、初の戦う少女とされる)
- Wikipedia(日本語版)「暁のヨナ」(2009年連載開始、2014年アニメ、守られて育った王女が城を追われる)
- AUTOMATON ピーチ姫の歩みについての記事(2024年2月27日、1985年の初登場から主役作まで)
- インサイド『プリンセスピーチ Showtime!』についての記事(2024年、固定イメージに縛られない姿)
- Wikipedia(日本語版)「魔王城でおやすみ」(2016年連載開始、2020年アニメ、安眠のために好き勝手する人質の姫)
- Wikipedia(日本語版)「姫様“拷問”の時間です」(2019年連載開始、2024年アニメ、騎士団長の姫)
- Wikipedia(日本語版)「転生王女と天才令嬢の魔法革命」(2023年アニメ、型破りな王女アニスフィア)
- Wikipedia(日本語版)「Go!プリンセスプリキュア」(2015年、「つよく、やさしく、美しく」)
- gamebiz『ある日、お姫様になってしまった件について』アニメについての記事(2025年)
- マイナビニュース「オタサーの姫」についての記事(2014年9月3日)
- Oggi.jp お姫様扱いについての記事(2025年4月6日、されたい女性としたくなる女性の違い)

