サザノノ 性分帖。 > 立ち位置 > 常識人
常識人キャラとは、変わり者や非日常に囲まれた中で、「普通ならこう感じる、こうする」という感じ方と判断を持ち続けているキャラクターのことです。
要点
- 「常識」は、社会の人が共通に持つ普通の知識や判断力のこと。キャラの常識人は、正しい人ではなく、普通の反応をする人を言います
- 見分ける条件は3つ。周りがずれている・本人の感じ方が普通・流されても判断を手放さない
- ツッコミ役とは重なりやすい別の言葉です。常識人は「おかしい」と感じる人、ツッコミ役はそれを口に出して笑いにする人。黙って呆れる常識人もいます
- 今は「作中きっての常識人。ただし一点だけずれている」という形が定番で、その一点が愛される理由になっています
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常識人の意味と語源
常識人は「常識」と「人」を合わせた言葉です。デジタル大辞泉では、常識は「一般の社会人が共通にもつ、またもつべき普通の知識・意見や判断力」とされています。英語の common sense の訳語として明治時代に広まった言葉で、日本国語大辞典によると、訳語には「常見」「常情」などもあったものの、明治の後半に「常識」に落ち着きました。夏目漱石の小説(1912年)には「常識のない奴だと思はれる」という用例があります。
キャラクターの言葉としての常識人は、個性の強い人物が多い作品で、読者に近い感覚を持たせた役回りを言います。突飛な人物ばかりだと読者がついていけなくなるため、主要人物のうち一人くらいは普通の感覚を持たせ、その反応を通して話を分かりやすくする「橋渡し役」です。
大事なのは、ここでの常識が「正しい判断」ではなく「普通ならこう反応する」という標準だということです。そのため常識人は人格者とは限りません。普通の反応がかえって裏目に出たり、主人公の無茶を引き立てる役に回ったりもします。この辞典では、本人の性格より「ずれた集団の中で普通の物差しを持つ」という役回りが芯になるため、立ち位置の群に入れています。
常識人キャラかどうかの見分け方
落ち着いたキャラや、まじめなキャラが、そのまま常識人になるわけではありません。常識人と呼べるのは、次の3つがそろった時です。
- 周りがずれている:変わり者、天然、能力者、暴走しがちな仲間。比べる相手がいて初めて、普通の感覚が目立つ
- 本人の感じ方が普通である:危ないことを危ないと思い、変なことを変だと思う。読者が「そうだよね」と思える反応をする
- 流されても判断を手放さない:結局みんなに付き合わされても、心のどこかで「これはおかしい」と思い続けている
ツッコミ役・一般人・苦労人・真面目との違い
常識人は、似た属性と「何を見ている言葉か」で分かれます。こう覚えると見分けやすくなります。常識人は感じる人、ツッコミ役は言う人、苦労人は片づける人。
| 常識人 | ツッコミ役 | 一般人 | 苦労人 | 真面目 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 何についての言葉か | 感じ方と判断 | 口に出す役目 | 立場 | 苦労の引き受け方 | 決まりを守る性格 |
| ずれを見た時 | おかしいと感じる(言うとは限らない) | すぐ言葉にして指摘する | 驚いて眺める | 呆れながら片づける | 正そうとする |
| いないと困ること | 読者の物差しがなくなる | 笑いの間が締まらない | 物語の入り口がなくなる | 騒ぎが片づかない | 決まりが崩れる |
| ボケに回ることは | ある(一点だけずれる、役が交代する) | ボケ同士でもツッコめる | 普通さに悩むことはある | 疲れて壊れる回がある | 真面目すぎてずれることがある |
いちばん混同されやすいのはツッコミ役です。二つはよく一人のキャラに重なりますが、常識人は中身の言葉、ツッコミ役は行動の言葉です。変だと思いながら黙ってため息をつくだけの人は、常識人ではあってもツッコミ役ではありません。反対に、ボケどうしが「いや、お前が言うな」と言い合う場面のように、自分も十分ずれている人がツッコむこともあります。英語でも、変わり者の集団の中でただ一人まともな人は Only Sane Man、二人組で相方の奇行を受けて落ち着きを保つ役は Straight Man と、別の言葉で呼ばれています。
一般人とは、「何が普通か」で分かれます。一般人は特別な人たちの中で立場が普通な人、常識人は変わり者たちの中で感じ方と判断が普通な人です。超能力者だらけの学校で能力がない子は一般人、能力はあっても使い方がまともな子は常識人、という分け方もできます。
常識人と近い言葉
常識人のそばには、似ているけれど少しずつ意味のずれた言葉が並びます。
| まとも枠 | 良識派 | ストッパー | 自称常識人 | |
|---|---|---|---|---|
| どんな人か | 大人数のグループで「まともな人」を担う枠 | 善悪の判断が確かな人 | 仲間の暴走を止める役目の人 | 自分だけはまともだと思っている人 |
| 常識人との関係 | 常識人のくだけた言い方。グループものの紹介でよく使われる | 常識人は「普通の反応」をする人なので、良識派とは限らない | 常識人でも押しが弱いと止められない。止められる常識人がストッパー | 周りから見ると、いちばんずれていることもある。常識人の型の一つ |
常識人キャラの型
常識人キャラは「自分の常識と、周りのずれとの付き合い方」で型が分かれます。
個性の強い人ばかりの中で、ただ一人ふつうの感覚を持っている王道の型です。常識人にも一点だけずれがあると、人物に厚みが出ます。たとえば、オボッチャマン(『Dr.スランプ』)がこの型です。神々廻(『SAKAMOTO DAYS』)もこの型です。
ふだんは常識人なのに、ある一つのことにだけは誰より熱くなる型です。たとえば、長野原みお(『日常』)がこの型です。
場面ごとに、いちばんまともな人が入れ替わる型です。いつもはふざけている人が、もっと突飛な人の前でだけ常識人になる。大人数の作品では、この入れ替わりがよく起きます。
おかしいと分かっていても、押しが弱くて止められない型です。強く言えば口うるさく見えるので、ため息をつきながら付いていく。いちばんよく見る常識人の姿です。たとえば、木ノ内太緒(『18TRIP』)がこの型です。
本人は自分だけがまともだと思っているのに、周りから見るとかなりずれている型です。「みんなおかしい」と言う物差しのずれに、本人だけが気づいていないところが笑いの種になります。
非日常の中で、ご飯・睡眠・帰る時間といった日常の決まりを守らせる型です。保護者、先輩、顧問の先生など、常識を武器にして、無茶をする若い人たちを危ない所から引き戻します。止める理由が、いつも相手の体のことです。
常識人キャラの作り方と台詞例
同じ常識人キャラでも、キャラの性別や、誰に向けた作品かで「心が動くポイント」が変わります。4つの向きごとに、よくある形と、外し方、台詞例をまとめました。
台詞は「心の距離」の順に4段階で並べています。表の顔 → ほころび(素が一瞬見える)→ 信頼した相手だけ → 独りの時。常識人キャラは、表の顔で普通の判断を口にし、ほころびで本当は自分も一緒にはしゃぎたい気持ちをのぞかせ、信頼した相手には常識を手放せない理由を、独りの時には自分の「普通」への迷いや決意を見せています。話し方は口振カルテで調整できます。
下に行くほど心の距離が近づきます。同じ人物の4つの顔として読んでください。
自分のキャラクターの顔を置くと、下の台詞をその子が話しているように読めます。
性分帖の台詞は、自分で作ったキャラクターにどんな口調や性格が合うかを確かめるためのものです。画像と名前はこの端末にだけ保存され、ほかの属性のページでも同じ子が出ます。
ドラッグで位置を動かせます
女性の常識人キャラ
女性の常識人キャラは、思いつきで動く友人たちの中で、予定と財布の中身を覚えている子として描かれます。「楽しそう」より先に「それ、帰りの電車あるの?」が出てしまう。その一言で計画は少し地味になりますが、みんなが無事に帰れるのは彼女のおかげです。
- よくある形
- 騒がしい仲良しグループの一人/奇人ぞろいの部活の部員/天然な姉妹のしっかり者/変わり者の多い職場の同期
- 外すなら
- いちばん常識的な彼女が、実はいちばん大胆な計画を思いつく形にする。または、ふだん止める側の彼女が一度だけ止めずに乗っかり、それが仲間にとって忘れられない思い出になる形にする
- 気をつけたいこと
- 「ノリが悪い子」「場をしらけさせる子」にしないこと。止める理由が、仲間を大事に思う気持ちから来ていると分かる場面を入れると、常識が冷たさではなく優しさとして伝わります
1表の顔人前・ふだん
「夜の海に行くのはいいよ。でも、帰りの電車、九時で終わるからね」
放課後のファミレスで、急に旅行の計画を立て始めた友人たちに、乗換案内の画面を見せて
2ほころび素が一瞬見える
「……花火、ちょっとだけなら持っていってもいいかな」
結局ついていくことになり、コンビニの棚の前で、誰にも聞こえない声で
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「私も、本当は朝までいたいの。でも、誰かが時計を見てないと、あの子たちは帰ってこない気がして」
波打ち際で、いちばん付き合いの長い友人と、並んで靴を手に持ちながら
4独りの時誰にも見せない本音
「次は、終電のない日に行こう。私から言い出してみよう」
帰りの電車で、眠ってしまった友人たちの頭を肩に感じながら、カレンダーの空いている日を探して
男性の常識人キャラ
男性の常識人キャラは、変わり者の相棒や、無茶ばかりする仲間の隣で、危ないことを危ないと言える人として描かれます。力や才能では仲間にかなわなくても、「それは普通に死ぬぞ」と言えるのは彼だけ。その一言が、仲間の命綱になります。
- よくある形
- 天才肌の相棒の隣に立つ現実派/無茶な部活のまとめ役/奇人ばかりの研究室の後輩/異世界で唯一、元の世界の感覚を持つ仲間
- 外すなら
- 常識的な判断が、最後に仲間の命を救う決め手になる形にする。または、仲間に合わせて一度だけ常識を捨てた結果、自分でも驚くほど楽しかったと気づく形にする
- 気をつけたいこと
- 正論で仲間をやりこめる、えらそうな人にしないこと。止めたあとに必ず代わりの案を出す、最後は一緒に責任を取るなど、仲間の側に立っていると分かる行動を入れます
1表の顔人前・ふだん
「屋上から飛ぶ前に、下にマットがあるか見ような。俺が見てくる」
新しい技を思いついたと騒ぐ仲間に、上着を脱ぎかけていた手を止めさせて
2ほころび素が一瞬見える
「……まあ、成功したら、ちょっとかっこいいけどな」
マットを運びながら、仲間がいないほうを向いて、小さく笑って
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「絆創膏、今年もう三箱目だぞ。……お前らが飛ぶ前に、俺が先に落ちたほうが早い気がしてきた」
練習のあと、すり傷に絆創膏を貼ってやりながら、相棒にだけ
4独りの時誰にも見せない本音
「止めてばっかりで、嫌われてないかな。明日は、止める前に一回だけ話を聞こう」
夜、部屋の明かりを消したあと、天井を見ながら
女性向け作品の男性常識人キャラ
女性向けでは、個性の強い男性たちに囲まれた主人公にとって、話の通じるただ一人の人として描かれる常識人がいます。周りがきらびやかな言葉で口説く中で、彼だけは「顔色悪いけど、ちゃんと寝た?」と聞いてくる。特別扱いより先に、普通に心配してくれる。その当たり前さに、安心とときめきが生まれます。
- よくある形
- 個性派ぞろいのユニットの常識担当/奇人ばかりの生徒会の副会長/わがままな王子たちに仕える冷静な側近/主人公の無茶をきちんと叱る年上の同僚
- 外すなら
- いちばん普通に見えた彼が、主人公のことになるとだけ常識が吹き飛ぶ形にする。または、彼の常識が主人公の世界とずれていて、二人で「普通」をすり合わせていく形にする
- 気をつけたいこと
- 「常識だから」と主人公の選択を否定し、言うことを聞かせる人にしないこと。心配は伝えても、最後に決めるのは主人公、という線を守ると、頼れる人として描けます
1表の顔人前・ふだん
「徹夜で台本を覚えるのは、努力じゃなくて無茶です。今日はもう帰ってください」
稽古場の明かりを半分消しながら、まだ台本を開いている主人公に
2ほころび素が一瞬見える
「……送ります。夜道が危ないのは、常識なので」
主人公が鞄を持つより先に、自分の上着を手に取って
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「あなたが三日目の夜に必ず甘いものを欲しがること、知っているのは僕だけです。だから、止めるのも僕で」
帰り道の自販機の前で、温かいお茶を二本買って、一本を差し出しながら
4独りの時誰にも見せない本音
「送るのは常識、なんて。我ながら、ずいぶん苦しい言い訳だ」
主人公を家の前まで送ったあと、一人になった帰り道で、空を見上げて
男性向け作品の女性常識人キャラ
男性向けでは、個性の強いヒロインたちの騒動の中で、主人公と同じ目線で驚いてくれる女の子がいます。周りが当たり前のように魔法や秘密を受け入れる中、彼女だけは「いやいや、おかしいでしょ」と言ってくれる。同じ感覚を持つ仲間がいることが、主人公にとって何よりの心の支えになります。
- よくある形
- 突飛なヒロインたちの中の普通の同級生/主人公の秘密に巻きこまれた幼なじみ/変わり者の多い部活のまとめ役/異世界から来た仲間に常識を教える子
- 外すなら
- 常識人の彼女に、誰にも言えない一つだけの変わった趣味がある形にする。または、彼女の常識が、ヒロインたちの暴走を止める唯一の切り札になる形にする
- 気をつけたいこと
- ほかのヒロインの引き立て役や、驚き役だけにしないこと。普通の感覚を持っているからこそ主人公の悩みに気づける、という見せ場を作ると、彼女自身の魅力になります
1表の顔人前・ふだん
「待って。なんでみんな、部室に竜がいることに何も言わないの?」
部室の扉を開けたまま固まり、平然とお茶を飲んでいる部員たちを見回して
2ほころび素が一瞬見える
「……ちょっとだけ、なでてもいいかな」
全員が帰ったあと、部室の隅で丸くなっている竜に、そっと手を伸ばして
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「竜が火を吐いても、私は毎回ちゃんと叫ぶからね。……あなたが一人で驚かなくていいように」
帰り道、また非日常に巻きこまれて落ちこんでいる主人公の隣を歩きながら
4独りの時誰にも見せない本音
「あの竜の名前、私だけ知らないんだよね。明日、聞いてみよう」
自分の部屋で、竜の写真を見返しながら、少し悔しそうに
常識人キャラを書く時のコツと避けたいこと
コツ
- 周りの「ずれ」を先に決める:常識人は、ずれた人がいて初めて立ち上がります。誰がどんなふうにずれているのかを決めると、常識人の反応も決まります
- ずれの一点を持たせる:好物、趣味、ある人のこと。一つだけ常識が吹き飛ぶところを作ると、ただの解説役から抜け出します
- 止める理由を相手のためにする:怪我をしないため、帰れなくならないため。常識の理由が仲間への思いだと、口うるささではなく優しさになります
- ツッコむか、黙るかを決める:口に出す常識人なのか、ため息だけの常識人なのか。同じ常識人でも、ここで印象が大きく変わります。口に出す形はツッコミ役のページも参考にしてください
避けたいこと
- 常識を盾に、人の好きなものや生き方を否定させること。それをすると常識人ではなく、物語の悪役に見えてしまいます
- 驚く係、説明する係だけにして、本人の気持ちや好みを書かないこと
- 周りの「ずれ」を、現実の人の特性や障害をからかう形で作ること。ずれは性格や好みの範囲で作ります
常識人キャラに合う口調・組み合わせやすい属性
合う口振(口振カルテへ)
常識人は立ち位置の属性なので、口振は「普通の判断をどう言葉にするか」で選びます。まじめに正すのか、ていねいに止めるのか、淡々と事実を言うのか、遠慮がちに口をはさむのかで、同じ常識人でも印象が変わります。
組み合わせやすい属性
常識人に苦労人を重ねると、普通の感覚を持っているせいで後始末が全部回ってくる人に。一般人を重ねれば、立場も感覚も普通の、読者にいちばん近い人になります。ツッコミ役を重ねるのは定番で、感じたずれをそのまま言葉にして笑いを生む人になります。世話焼きなら仲間のご飯や睡眠まで気にかける人に、委員長ならクラスの暴走を止める係に。隠れオタクを重ねると、作中きっての常識人なのに、好きな作品の話になると誰より暴走する人になります。
ぶつかりやすい属性(あえて使うと面白い)
天然や不思議ちゃんは、常識からずれた言動そのものが魅力の属性です。一人に重ねるより、関係性で並べると引き立ちます。悪気なくずれた発言をする天然の友人と、それに毎回まじめに驚く常識人。自分の世界を持つ不思議ちゃんと、その世界を少しずつ分かろうとする常識人。ずれと普通の組み合わせは、会話にいちばん自然なリズムを生みます。
常識人キャラの歴史
ここでは、言葉の成り立ちと、主な出来事をまとめます。
年表を開く
江戸時代の儒学者の書物に「常識」の用例があります。この頃の意味は「一般の人の持つ考え、普通の見解」でした。
明治の哲学用語の辞書で、英語の common sense の訳語として「常識」が載ります。ほかの訳語もありましたが、明治の後半に「常識」に落ち着きました。
夏目漱石の小説に「常識のない奴だと思はれる」という用例が見られます。社会人として当然持っているべき判断力、という今の意味で使われています。
アメリカの二人組のコメディで、相方の奇行に落ち着いて受け答えする「ストレートマン」の役が、ラジオや映画で広く知られるようになります。英語圏では、この受け役と、変わり者の中のただ一人のまともな人を、別の言葉で呼び分けています。
変わり者ばかりが暮らす村を描くギャグ漫画の連載が始まります。のちに登場する礼儀正しい少年型ロボットは、作中きっての常識人として紹介されながら、ヒロインのことになると妄想が止まらないという、「常識人だが一点だけずれる」形の早い例になりました。
女子高生たちの日常に不思議なことが次々起きるギャグ漫画の連載が始まります。友人思いの常識人として友人にツッコみながら、こだわりのある話では誰より暴走する少女が登場し、常識人とボケを一人で行き来する形を印象づけました。
常識人は、創作のキャラクターの役回りを指す言葉として定着しています。登場人物の紹介では「作中きっての常識人」「数少ない常識人」という言い方が定番になっています。
今の常識人キャラのイメージ
- 大人数の作品に欠かせない「まとも枠」:個性の強いキャラが大勢いる作品ほど、読者の物差しになる常識人枠が大切にされています。いなくなると途端に話が追えなくなる、縁の下の役です
- 「常識人。ただし…」が定番:登場人物の紹介では「作中きっての常識人。ただし〇〇に関しては」という書き方がよく使われます。完全にまともな人より、一点だけずれている人のほうが愛される傾向があります
- 常識人がいちばん危ない、というお約束:常識人だと思われていたキャラが、ある回で誰より暴走する。まともな人にも実は癖がある、という形は一つの型として定着していて、ギャップの見せ場として楽しまれています
- 常識は人格の良さとは別:常識人の常識は「普通の反応」のことで、人格者とは限りません。普通の反応がかえって裏目に出る、少しずるい常識人も描かれています
- 常識が一つではない時代:多様性が大事にされる今は、みんなが同じ常識を持っているとは限らない、という見方が広がっています。常識人も「自分の普通」を押しつけず、相手の普通とすり合わせる人として描かれることが増えています
- 2025〜2026年に人気の作品では:神々廻(『SAKAMOTO DAYS』)のように、変人ぞろいの中の常識人が「クールで落ち着いた人」として好まれています
よくある質問
常識人キャラとはどういう意味ですか?
変わり者や非日常に囲まれた中で、「普通ならこう感じる、こうする」という感じ方と判断を持ち続けているキャラクターのことです。読者に近い感覚で反応し、物語の物差しや橋渡し役を担います。
常識人とツッコミ役の違いは何ですか?
常識人は感じ方と判断が普通であることを言う中身の言葉、ツッコミ役はずれを口に出して指摘し、笑いと話のテンポを作る行動の言葉です。よく一人に重なりますが、黙って呆れるだけの常識人もいれば、自分もずれているのにツッコむ人もいます。
常識人と一般人の違いは何ですか?
一般人は、特別な人たちの中で立場が普通であることを言います。常識人は、変わり者たちの中で感じ方と判断が普通であることを言います。能力や身分が特別でも、感覚がまともなら常識人と呼ばれます。
常識人キャラを地味にしないで書くには?
一つだけ常識が吹き飛ぶ「ずれの一点」を持たせることです。好物、趣味、ある人のことなど、そこだけは誰より暴走する場面があると、ただの解説役ではなく、愛される人になります。
「常識人に見えて実はヤバい」キャラとは?
ふだんは常識人なのに、ある場面で誰より暴走したり、自分の常識そのものが少しずれていたりするキャラです。常識人の型としては「一点だけ譲らない型」や「自称常識人型」にあたり、ギャップの見せ場として人気があります。
常識人キャラは英語で何と言いますか?
英語では、変わり者の集団の中でただ一人まともな人を「Only Sane Man」と言います。二人組のコメディで相方を受けて落ち着きを保つ役は「Straight Man」で、こちらは日本のツッコミ役に近い言葉です。
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参考にした資料
- コトバンク「常識」(デジタル大辞泉・日本国語大辞典、1707年・1881年・1912年の用例、訳語の定着)
- ピクシブ百科事典「常識人」(ツッコミ役でもある役回り、常識は良識ではないこと、押しの弱い常識人)
- ニコニコ大百科「常識人」(一般大衆に近い感覚、橋渡し役、人格者とは限らない)
- TV Tropes「Only Sane Man」(変わり者の中のただ一人のまともな人、交代する形、自分だけまともだと思う人)
- Wikipedia(英語版)「Straight man」(二人組の受け役、1940〜50年代のコメディ、日本のツッコミ)
- Wikipedia(日本語版)「Dr.スランプの登場人物」(オボッチャマン、作中きっての常識人)
- Wikipedia(日本語版)「Dr.スランプ」(1980年の連載開始)
- Wikipedia(日本語版)「日常 (漫画)」(長野原みお、2006年の連載開始)
- みんなのランキング「シンプソンズキャラランキング」(「常識人枠に必要不可欠」というコメント)
- Smartlog「常識人の特徴」(2021年、日常語としての常識人)
- Business Insider Japan 入山章栄さんの連載(2022年、常識を知る人が面白さを生む、常識の基準の広がり)

