サザノノ 性分帖。 > 立ち位置 > 苦労人
苦労人キャラとは、まわりの騒動や無茶ぶりに巻き込まれ、文句を言いながらも投げ出さずに後始末を引き受けてしまうキャラクターのことです。辞書では「苦労を重ねて、世の中や人の気持ちに通じた人」を指し、創作ではその両方の顔が描かれます。
要点
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苦労人の意味
苦労人は「くろうにん」と読みます。デジタル大辞泉では「苦労を経験して、世の中の事や人情に通じている人」、精選版日本国語大辞典では、いろいろな苦労を経験して世間の事情によく通じ、人情の機微を理解している人と説明されています。日本国語大辞典には、江戸時代の人情本(1832〜33年)の用例が載っていて、古くからある言葉です。もともとは、苦労を乗り越えてきた人をほめる言葉でした。
キャラクター属性としての「苦労人」は、少し意味がずれています。本来は苦労を乗り越えて大成した人を指しますが、近年は厄介ごとや面倒に巻き込まれやすく、苦労が絶えない人、つまり「苦労性」に近い意味でも使われます。こうした苦労人は、コメディではツッコミ役になりやすく、苦労が重なると不遇な境遇そのものが笑いになります。
つまり創作の苦労人は、「苦労を越えてきた人」と「今まさに苦労している人」の二つの顔を持っています。この辞典では、まわりに振り回されながらも投げ出さずに後始末を引き受ける人を中心に扱い、苦労を越えてきた年長者の形は型の一つとしてまとめています。
キャラクター属性としては立ち位置の群に入れています。苦労人であるかどうかは、本人の性格だけでなく、まわりにどんな人がいるかで決まるからです。同じ人でも、手のかかる仲間に囲まれた途端に苦労人になります。
苦労人キャラかどうかの見分け方
大変な目にあっているキャラがすべて苦労人になるわけではありません。苦労人と呼べるのは、次の3つがそろった時です。
- まわりに振り回される立ち位置にいる:自由すぎる仲間、無茶を言う上司、手のかかる家族。苦労の出どころが、たいてい自分ではなく、まわりの誰かにある
- 投げ出さずに後始末をする:ため息をつき、文句を言いながらも、最後には頭を下げ、片づけ、帳尻を合わせる。逃げずに引き受けてしまう
- 本人はそれを望んでいない:好きで世話をしているわけではなく、「なんで自分が」と思っている。それでも見捨てられないところに、人のよさが出る
世話焼き・やれやれ系・不憫との違い
苦労人は、人の面倒を見る点で世話焼きと、巻き込まれてため息をつく点でやれやれ系と、報われない点で不憫と並べられます。分ける軸は「苦労をどう引き受けているか」です。
| 苦労人 | 世話焼き | やれやれ系 | 不憫 | |
|---|---|---|---|---|
| 苦労との向き合い方 | 望まないが、引き受けて動く | 自分から進んで引き受ける | 呆れて、なるべく距離をとる | 選べないまま、降りかかってくる |
| 口ぐせ | 「なんで俺が」「もう知らない」(でも手伝う) | 「ほら、貸して」「ちゃんと食べた?」 | 「やれやれ」「面倒くさい」 | 決まっていない(耐える・笑うなど様々) |
| 何についての言葉か | まわりとの関係の中での立ち位置 | 人への関わり方の性格 | 巻き込まれた時の態度 | 見る人が感じる気持ち |
| 物語での役割 | 騒動の後始末とツッコミ | 仲間の暮らしを支える | 冷めた目で状況を語る | 同情と応援を集める |
やれやれ系は、周りが盛り上がっている時に、関心はあってもないふりをして、うんざりした様子で「やれやれ」と言う人です。苦労人もため息はつきますが、最後には腰を上げて後始末をします。呆れて終わるのがやれやれ系、呆れながらも動くのが苦労人です。ただ、やれやれと言いながら結局は付き合ってしまうキャラも多く、そうなると苦労人に近づきます。
不憫は、もともと「かわいそう」「気の毒」という意味の言葉で、性格ではなく、見る人が抱く気持ちを表しています。いつもひどい目にあう役は、見る人が同情すると「守ってあげたいキャラ」に、からかわれて笑いになると「いじられ役」に分かれます。苦労人が報われないまま苦労を重ねると、見る人からは不憫に見えてきます。苦労人は「本人がどう動くか」、不憫は「見る人がどう感じるか」の言葉なので、一人のキャラが両方に当てはまることもよくあります。
「常識人」「ツッコミ」「いじられ役」「中間管理職」
苦労人のそばによく並ぶ言葉です。どれも苦労人と重なりやすいのですが、見ているところが少しずつ違います。
| 常識人 | ツッコミ | いじられ役 | 中間管理職 | |
|---|---|---|---|---|
| どんな人か | 変わり者ばかりの中で、ただ一人まともな感覚を持つ人 | おかしな言動を指摘して、笑いを生む人 | 仲間から、愛のあるからかいを受けるのが定番の人 | 上と下の板挟みになる人 |
| 苦労人との関係 | まともだからこそ苦労を背負いやすい | 苦労人の苦労は、ツッコミとして表に出やすい | 苦労が笑いになりすぎると、こちらに寄る | 苦労の出どころが「立場」にある形 |
変わり者の集団の中でただ一人まともな人(英語では Only Sane Man)は、コメディではいじられ役になりやすい役どころです。まともであることと、苦労を背負うことは、とても近いところにあります。
苦労人キャラの型
同じ苦労人でも、苦労の出どころと、それへの向き合い方で印象が大きく変わります。型を一つ決めると、キャラの芯が見えてきます。
自由すぎる仲間や上司のやらかしを、いつも後から片づけて回る型です。頭を下げ、書類を直し、壊れたものを弁償する。文句を言いながらも、気づけば一番に動いています。いちばん王道の苦労人です。たとえば、柊登馬(『WIND BREAKER』)がこの型です。
変わり者ばかりの集団の中で、ただ一人まともな感覚を持っている型です。おかしなことにおかしいと言えるのは自分だけ。ツッコミが冴えるほど笑いが生まれ、同時に本人の疲れも増えていきます。たとえば、朝倉シン(『SAKAMOTO DAYS』)がこの型です。
副主将、副官、中間管理職、長子など、立場のせいで苦労を背負う型です。上からの無茶と下からの不満のあいだで、両方の顔を立てようとして胃を痛めます。責任感が強い人ほど、この形になります。
辞書の意味に近い、苦労を重ねて人の痛みがわかるようになった型です。若いころの貧しさや失敗を乗り越え、今は落ち着いて若い仲間を見守っている。語らない過去が、言葉の重みになります。
本人に落ち度はないのに、なぜか厄介ごとが向こうからやってくる型です。たまたま居合わせ、たまたま頼まれ、気づけば中心にいる。報われない場面が続くと、見る人からは不憫に見えてきます。
苦労人キャラの作り方と台詞例
同じ苦労人でも、キャラの性別や、誰に向けた作品かで「心が動くポイント」が変わります。4つの向きごとに、よくある形と、外し方、台詞例をまとめました。
台詞は「心の距離」の順に4段階で並べています。表の顔 → ほころび(素が一瞬見える)→ 信頼した相手だけ → 独りの時。苦労人では、表の顔でため息とツッコミを見せ、ほころびで投げ出せない人のよさがのぞき、信頼した相手に本当は疲れていることや、それでもここにいたい理由を明かし、独りの時に苦労との向き合い方が見えるようにしています。話し方は口振カルテで調整できます。
下に行くほど心の距離が近づきます。同じ人物の4つの顔として読んでください。
自分のキャラクターの顔を置くと、下の台詞をその子が話しているように読めます。
性分帖の台詞は、自分で作ったキャラクターにどんな口調や性格が合うかを確かめるためのものです。画像と名前はこの端末にだけ保存され、ほかの属性のページでも同じ子が出ます。
ドラッグで位置を動かせます
女性の苦労人キャラ
女性の苦労人キャラは、個性的すぎる部員をまとめる部長、問題児ばかりのクラスを任された学級委員、破天荒な姉や妹の後始末をする家族として描かれます。「しっかり者」と言われ続けて、誰にも頼れなくなっているのがよくある形です。ため息まじりのツッコミが冴えるほど、まわりからは頼りにされ、本人はますます休めなくなります。誰かがその疲れに気づいてくれる場面が、いちばんの見せ場です。
- よくある形
- 変わり者ぞろいの部をまとめる部長/問題児の多いクラスの学級委員/自由な姉妹に振り回される長女/無茶を言う上司の下で働く有能な部下
- 外すなら
- 苦労人の彼女自身に、まわりが手を焼くような困った一面を一つだけ持たせる。または、苦労を引き受けるのをやめると決めた日から物語を始める
- 気をつけたいこと
- 「女の子だから世話役」のように、性別を理由に苦労を割り振らないこと。彼女が苦労を引き受ける理由を、責任感や人のよさなど、本人の性格から描くと自然になります
1表の顔人前・ふだん
「部費で何を買ったの? ……え、ポップコーンの機械? もう、領収書だけでも出して」
部室の机で家計簿のようなノートを開き、こめかみを押さえながら
2ほころび素が一瞬見える
「……まあ、みんなで食べるなら、いいか。塩とキャラメル、どっちにする?」
機械を囲んではしゃぐ部員たちを見て、少しだけ口元をゆるめて
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「ポップコーン、三回も焦がしてたでしょ、あの子たち。……止めなかった私も、たいがいだよね」
帰り道、自転車を押しながら、隣を歩く副部長にだけ
4独りの時誰にも見せない本音
「写真、全部ポップコーンの機械が写ってる。……領収書、まだもらってないな」
夜の自室で、みんなの写真が増えていくスマホのアルバムを眺めて
男性の苦労人キャラ
男性の苦労人キャラは、自由奔放な主君や先輩に仕える副官、個性の強いチームをまとめる副主将、騒がしい仲間の中のただ一人の常識人として描かれます。ツッコミ役として笑いを生む形が多く、その苦労がそのままコメディになります。一方で、仲間がいちばん頼りにしているのも彼です。いざという時に誰より冷静に動ける姿を一度見せると、ただの振り回され役ではなくなります。
- よくある形
- 自由な主君に仕える有能な副官/奔放な先輩に囲まれた副主将/騒がしい仲間の中の常識人/破天荒な上司の尻拭いをする部下
- 外すなら
- 振り回している側の自由な仲間が、実は苦労人の彼の限界をいちばんよく見ていて、ここぞという時に彼を守る形にする。または、苦労人の彼が珍しく羽目を外す回を作る
- 気をつけたいこと
- 苦労を笑いにするのはよいのですが、本当に追い詰められている様子まで、ずっと笑いとして流さないこと。どこかで誰かが気づき、ねぎらう場面があると、安心して笑えるようになります
1表の顔人前・ふだん
「会議の資料、また僕が作るんですね。……はい、わかってました。わかってましたとも」
上司が置いていったメモを手に、半分あきらめた顔でパソコンに向かって
2ほころび素が一瞬見える
「……あの人が思いつきで動くから、うちの部署はいつも面白いんですけどね」
深夜の給湯室で、同期に愚痴をこぼしたあと、ぽつりと付け足して
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「屋台でお茶を二杯もらうのは、今日で五回目です。……あの人の思いつきの数と、同じですね」
仕事帰りの屋台で、二杯目のお茶を前に、昔からの友人にだけ
4独りの時誰にも見せない本音
「ネクタイ、朝から曲がってたな。……誰も言わなかったのは、優しさか、見てないか」
誰もいない部屋に帰り、ネクタイをゆるめながら天井を見上げて
女性向け作品の男性の苦労人キャラ
女性向けでは、自由な仲間や上司に振り回される常識人の青年が、その誠実さと有能さで愛されます。冷静で口調は厳しいのに、最後には必ず後始末を引き受けてくれる。そのため息の奥にある面倒見のよさに、ときめきが生まれます。主人公だけが彼の疲れに気づき、ねぎらう関係は、この形のいちばんの見せ場です。年下の苦労人が、年上の奔放な先輩たちに振り回される形も根強い人気があります。
- よくある形
- 自由な主君に仕える冷静な側近/奔放な先輩たちをまとめる年下の副主将/騒がしいユニットの中のまとめ役/問題児だらけの寮の寮長
- 外すなら
- 苦労人の彼が、主人公の前でだけは振り回す側に回る形にする。または、主人公のほうが彼以上の苦労人で、二人で愚痴を言い合ううちに距離が縮まる形にする
- 気をつけたいこと
- 彼を、ヒロインの世話をする「便利な人」としてだけ描かないこと。彼自身の望みや、休みたい気持ちに目を向ける場面があると、関係に厚みが出ます
1表の顔人前・ふだん
「先輩方、廊下は走らないでください。……聞いてませんね。知ってました」
寮の廊下で、走り去る先輩たちの背中に向かって、肩を落として
2ほころび素が一瞬見える
「……あなたまで手伝わなくていいのに。でも、助かります。本当に」
散らかった談話室を片づけていたら、主人公が黙って隣で手を動かし始めて
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「僕が疲れてるって気づいたの、あなたが初めてですよ。……少しだけ、ここで休んでもいいですか」
夜の中庭のベンチで、主人公の肩に遠慮がちに頭を預けて
4独りの時誰にも見せない本音
「あの人たちのせいで、毎日騒がしい。……なのに、卒業したら寂しくなるんだろうな」
消灯後の自室で、先輩たちの寝言が聞こえる壁に背をもたせて
男性向け作品の女性の苦労人キャラ
男性向けでは、自由すぎる主人公やヒロインたちに振り回される常識人の少女が、ツッコミ役として物語を回します。生真面目で責任感が強く、つい全部を背負ってしまう。そんな彼女が、主人公にだけ弱音を吐いたり、たまに羽目を外したりする瞬間が、いちばんの見せ場です。幼なじみや委員長、生徒会の役員として、主人公の世話を焼きながらも苦労させられている形が定番です。
- よくある形
- 騒がしい仲間の中でただ一人まともな委員長/主人公の無茶に毎回付き合わされる幼なじみ/変わり者だらけの生徒会の会計/わがままなお姫様に仕える騎士
- 外すなら
- 苦労人の彼女が、実はまわり以上にとんでもない秘密や趣味を持っている形にする。または、主人公のほうが彼女の苦労を減らそうと奮闘する形にする
- 気をつけたいこと
- 彼女を、主人公たちの騒ぎを片づけるだけの「便利な人」にしないこと。彼女自身がやりたいことや楽しみを一つ持たせると、苦労とのバランスがとれます
1表の顔人前・ふだん
「ちょっと、また窓ガラス割ったの!? 先生に謝りに行くの、これで何回目だと思ってるのよ!」
放課後の職員室前で、主人公の襟首をつかんで引きずりながら
2ほころび素が一瞬見える
「……でも、あの子を助けるためだったんでしょ。だったら、私も一緒に頭下げるわよ」
職員室の扉の前で足を止め、そっぽを向いたまま
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「反省文、あんたの分の下書き、もう書いてある。……今回で十一枚目。全部とってあるの」
夕暮れの屋上で、フェンスにもたれて、主人公と並んで
4独りの時誰にも見せない本音
「明日こそ、怒らずに一日過ごせるかな。……無理ね。あの人たちだもの」
寝る前、反省文の下書きを机にしまいながら、小さく笑って
苦労人キャラを書く時のコツと避けたいこと
コツ
- 苦労をかける相手を決める:苦労人は一人では成り立ちません。誰に振り回されているのかを先に決めると、キャラも関係も立ち上がります
- 投げ出さない理由を一つ置く:責任感、恩、仲間が好きだから。逃げない理由があると、ただの被害者ではなく、芯のある人になります
- ツッコミの言葉に個性を出す:叫ぶのか、静かにあきらめるのか、敬語で淡々と返すのか。ツッコミの形で、同じ苦労人でも印象が大きく変わります
- 報われる場面を用意する:誰かがねぎらう、苦労が実を結ぶ、振り回していた相手が守ってくれる。一度でも報われると、見る人の応援が愛着に変わります
- 有能さを見せる:苦労を片づけられるのは、それだけの力があるからです。いざという時にいちばん頼りになる姿を見せると、魅力がはっきりします
避けたいこと
- 本当に追い詰められている様子まで、ずっと笑いとして流し続けること
- 苦労をかける側を、まったく反省も成長もしない人として描き続けること
- 「長女だから」「女の子だから」のように、立場や性別を理由に苦労を当然のものとして割り振ること
- 苦労人を、ほかのキャラの世話をするためだけの「便利な人」にしてしまうこと
- 無理を重ねることを、そのまま美しいこととして描くこと
苦労人キャラに合う口調・組み合わせやすい属性
合う口振(口振カルテへ)
苦労人は立ち位置の属性なので、口振は「どんな言葉で苦労を受け止めるか」で選びます。まじめに正論で注意するのか、面倒見よく片づけてしまうのか、皮肉まじりにため息をつくのか、やる気なさそうにぼやくのかで、同じ苦労人でも印象が変わります。
組み合わせやすい属性
苦労人に世話焼きを重ねると、文句を言いながらも結局全部やってしまう、王道の形に。強がりを重ねると、「平気だ」と言いながら限界まで抱え込む人になり、誰かが気づく場面が光ります。ツンデレを重ねれば、「あんたのためじゃない」と言いながら後始末をする人に、腹黒を重ねると、にこにこ苦労を引き受けながら、裏で振り回す相手にきっちりお返しをする人になります。ダウナーを重ねると、やる気のない声でぼやきつつ、なぜか一番働いている人になります。一般人を重ねると、変わり者だらけの中でただ一人普通の感覚を持つせいで、ツッコミも後始末も全部回ってくる常識人になります。
ぶつかりやすい属性(あえて使うと面白い)
天然と俺様は、苦労人に苦労をかける側に立ちやすい属性です。一人に重ねるより、関係性で並べると引き立ちます。悪気なく次々と騒動を起こす天然の友人と、それを毎回片づける苦労人。思いつきで無茶を言う俺様な主君と、ため息をつきながら叶えてしまう側近。振り回す相手がいてこそ、苦労人の人のよさと有能さがはっきり見えてきます。
苦労人の歴史
ここでは、主な出来事をまとめます。
年表を開く
江戸時代の人情本に「苦労人」の用例が見られ、日本国語大辞典に載っています。世の中の事情や人の気持ちに通じた人を指す言葉として、古くから使われていました。
口ぐせが「やれやれだぜ」の主人公が登場する少年漫画の第3部、『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』の連載が始まります。クールに見えて、ぼやきながら仲間を助ける姿で知られます。
騒動に巻き込まれては「やれやれ」とぼやく男子高校生が語り手のライトノベル『涼宮ハルヒの憂鬱』が刊行されます。のちに「やれやれ系」という言葉が広まるきっかけになった作品と言われています。
gooランキングが「応援したくなる!漫画・アニメの苦労人キャラランキング」の調査を行います(2020年5月)。上位には、自由な主君に振り回される政務官、借金を返しながら騒がしい仲間のツッコミ役をする少年、個性の強い仲間をまとめる副キャプテンなどが並び、不運が続く少年や、孤独に戦い続けるキャラも入りました。
Oggiが「やれやれ系」の意味を紹介します。物事に常に消極的で、周りが盛り上がっている時に「やれやれ」と言う人で、漫画や小説の主人公に使われることが多い、と説明しています。
アニメ!アニメ!の読者アンケート「休みをあげたい“社畜キャラ”といえば?」(978人、回答者は女性約69%・男性約28%)で、ブラック企業で働くキャラなど、働きすぎのキャラが上位に並びます。同じ年、Oggiは実在の人の「苦労人」の特徴として、面倒見がいいこと、苦労を人に見せないことなどを挙げています。
「苦労人」は、苦労を乗り越えた人だけでなく、厄介ごとに巻き込まれやすく苦労が絶えない人を指す言葉としても使われています。創作では後者の意味で使われることが多くなっています。
今の苦労人キャラのイメージ
- 振り回されるツッコミ役:自由な仲間に振り回され、ツッコミで笑いを生む常識人が、苦労人のいちばん定番の姿です
- 応援したくなる人:投げ出さずに苦労を重ねる姿は、見る人の応援を集めます
- 本当は一番頼りになる人:苦労を片づけられるのは有能だからこそ。副官、副主将、まとめ役など、チームの要の位置にいることが多くなっています
- 報われないと不憫に:苦労が報われないまま続くと、苦労人は「不憫」と呼ばれるようになり、「幸せになってほしい」という声が集まります
- 働きすぎへの心配:働きすぎのキャラに対しては、笑いだけでなく、「休みをあげたい」という気持ちも向けられています
- やれやれ系とは別の言葉:やれやれ系は消極的な態度を、苦労人は引き受けて動く立ち位置を指します。ぼやきながら結局付き合ってしまうキャラは、両方の顔を持っています
- 2025〜2026年に人気の作品では:柊登馬(『WIND BREAKER』)や朝倉シン(『SAKAMOTO DAYS』)のように、自由な人に振り回されて胃を痛める役が愛されています
よくある質問
苦労人とはどういう意味ですか?
辞書では「苦労を経験して、世の中のことや人の気持ちに通じている人」のことです。キャラクター属性としては、まわりの騒動や無茶ぶりに巻き込まれ、文句を言いながらも投げ出さずに後始末を引き受けてしまう人を指すことが多くなっています。
苦労人と苦労性の違いは何ですか?
苦労人は、もともと苦労を乗り越えてきた人をほめる言葉です。苦労性は、何かと苦労を背負い込みやすい性分のことです。創作の「苦労人キャラ」は、苦労性に近い意味で使われることが多くなっています。
やれやれ系は苦労人ですか?
近いけれど別の言葉です。やれやれ系は、巻き込まれても呆れて距離をとる、消極的な態度を指します。苦労人は、呆れながらも腰を上げて後始末をします。やれやれと言いながら結局付き合ってしまうキャラは、苦労人の顔も持っています。
不憫キャラと苦労人キャラの違いは何ですか?
苦労人は「本人が苦労をどう引き受けて動くか」の言葉、不憫は「見る人がかわいそうと感じるか」の言葉です。苦労人が報われないまま苦労を重ねると、見る人からは不憫に見えるので、一人のキャラが両方に当てはまることもよくあります。
苦労人と世話焼きの違いは何ですか?
世話焼きは、自分から進んで人の世話を焼く性格です。苦労人は、望んでいないのに、振り回された結果として後始末を引き受けてしまう立ち位置です。世話焼きの苦労人もいますが、苦労人は「なんで自分が」と思っているところが違います。
苦労人キャラを魅力的に書くにはどうすればいいですか?
誰に振り回されているのかと、投げ出さない理由を一つずつ決めるのが基本です。ツッコミの言葉に個性を出し、いざという時の有能さを見せ、どこかで一度報われる場面を用意すると、応援したくなる人になります。
次に読む
参考にした資料
- コトバンク「苦労人」(デジタル大辞泉、精選版日本国語大辞典の語釈と、1832〜33年の人情本の用例)
- Weblio「苦労人」(デジタル大辞泉の語釈)
- ピクシブ百科事典「苦労人」(本来の意味と、巻き込まれて苦労が絶えない人という近年の使い方)
- ピクシブ百科事典「苦労性」(ツッコミ役になりやすいこと、苦労の出どころによる分け方)
- Weblio「不憫」(かわいそう、気の毒という意味)
- TV Tropes「Only Sane Man」(変わり者の中のただ一人の常識人、コメディではいじられ役になりやすいこと)
- TV Tropes「Butt-Monkey」(いつもひどい目にあう役と、見る人の受け止め方による分かれ方)
- Oggi「苦労人」の意味と特徴の記事(2022年2月27日)
- Oggi「やれやれ系」の意味・由来・特徴の記事(2021年7月9日)
- numan(エキサイトニュース)gooランキング「応援したくなる!漫画・アニメの苦労人キャラランキング」の紹介(2021年5月17日、調査は2020年5月)
- アニメ!アニメ!「休みをあげたい“社畜キャラ”といえば?」(2022年、978人)
- マンガペディア 漫画の登場人物の口癖まとめ(「やれやれだぜ」の口ぐせ)

