サザノノ 性分帖。 > 表と裏 > 強がり
強がりとは、本当はつらかったり怖かったりするのに、弱さを見せまいとして、平気なふりや強いふりをする性格のことです。
要点
- 動詞「強がる」から生まれた言葉で、辞書では「弱みを見せまいとして、虚勢を張ること」と説明されています
- 見分ける条件は3つ。裏に弱さがある・わざと見せないようにしている・「平気」「大丈夫」と強いふりをする
- 意地っ張りは「引き下がりたくない」、見栄っ張りは「よく見られたい」、ツンデレは「好意を隠す」。強がりが隠しているのは弱さです
- 魅力の中心は、隠しきれずににじむ小さなサインと、たった一人の前でだけ崩れる瞬間です
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強がりの意味と語源
強がりは、動詞「強がる」の連用形が名詞になった言葉です。辞書では「弱みを見せまいとして、虚勢を張ること。また、その人」「実際以上に強そうな様子をしたり、強そうなことを言ったりすること」と説明されています。
面白いのは、「強がる」の古い意味です。平安時代の『源氏物語』にも「つよがる」が出てきますが、そこでは「気持ちを強く持つ」という意味でした。「強いように見せる」という今の意味の例は、江戸時代の終わりごろの本に見られます。心を強く持とうとすることと、強く見せようとすること。この2つが一つの言葉に重なっているのが、強がりという性格そのものをよく表しています。
キャラクター属性としての強がりは、「本当は弱い」ことを読み手だけが知っている、あるいは気づいてしまう、という構図で楽しまれます。平気な顔の裏を想像させること、そしてその顔がほどける瞬間が、魅力の中心です。
強がりかどうかの見分け方
「強気なキャラ」が全部強がりになるわけではありません。強がりと呼べるのは、次の3つがそろった時です。
- 裏に弱さがある:怖い、つらい、寂しい、痛い、自信がない。強い態度の下に、本人が抱えている弱さがある
- わざと見せないようにしている:心配をかけたくない、負けたくない、崩れたら困る人がいるなど、隠す理由がある
- 平気なふり・強いふりをする:「大丈夫」「平気」「これくらい何でもない」と言い張る。ただし、隠しきれずににじむことが多い
意地っ張り・見栄っ張り・ツンデレとの違い
4つとも「本心と違う態度をとる」点は同じですが、隠しているものが違います。強がりが隠すのは弱さ、意地っ張りは折れたい本音や自分の非、見栄っ張りは実際の自分、ツンデレは好意です。
| 強がり | 意地っ張り | 見栄っ張り | ツンデレ | |
|---|---|---|---|---|
| 隠しているもの | 弱さ・つらさ・怖さ | 折れたい気持ち・自分の非 | 実際の自分の小ささ | 好意 |
| 理由 | 心配をかけたくない・崩れられない | 負けたくない・引けない | よく見られたい | 照れ・素直になれない |
| 向いている先 | 周りと、自分自身 | 言い合いの相手 | 周りの目 | 好きな相手 |
| 見破られた時 | 崩れて泣く、またはそれでも「平気」 | さらに意地を張る | 恥ずかしくなる | 赤くなって否定する |
同じ「表と裏」の群では、猫かぶりが素の性格を、腹黒が企みを隠すのに対して、強がりは弱さを隠します。どれも「わざと」見せていない点は共通です。
強がりの型
同じ強がりでも、何のために、どうやって隠すかでいくつかの型に分かれます。
怪我も熱も疲れも「これくらい平気」。体のつらさを隠して動き続ける、いちばん分かりやすい型です。たとえば、西園練牙(『18TRIP』)がこの型です。
長女、リーダー、看板役。自分が崩れたら周りが困るから笑っている、という型です。責任の重さが強がりの理由になります。
ライバルや苦手な相手の前でだけ、絶対に弱みを見せない型です。意地っ張りと重なりますが、裏に「本当は怖い」があるのが違いです。
明るさや冗談で、つらさを包んでしまう型です。周りは元気な人だと思っているので、気づかれにくく、闇の深いキャラを描く入口にもなります。
「大丈夫だから、放っておいて」と人を遠ざける型です。弱っている姿を見られることそのものを避けます。たとえば、ペパー(『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』)がこの型です。
強がりキャラの作り方と台詞例
同じ強がりでも、キャラの性別や、誰に向けた作品かで「ときめくポイント」が変わります。4つの向きごとに、よくある形と、外し方、台詞例をまとめました。
台詞は「心の距離」の順に4段階で並べています。表の顔 → ほころび(素が一瞬見える)→ 信頼した相手だけ → 独りの時。強がりでは、「ほころび」の段で隠しきれない弱さがにじむ瞬間を書いています。話し方は口振カルテで調整できます。
下に行くほど心の距離が近づきます。同じ人物の4つの顔として読んでください。
自分のキャラクターの顔を置くと、下の台詞をその子が話しているように読めます。
性分帖の台詞は、自分で作ったキャラクターにどんな口調や性格が合うかを確かめるためのものです。画像と名前はこの端末にだけ保存され、ほかの属性のページでも同じ子が出ます。
ドラッグで位置を動かせます
女性の強がりキャラ
しっかり者、頼られる側、甘えるのが苦手。「甘えるのは自分らしくない」「甘えてはいけない」と思い込んで、一人で抱え込んでしまう形が多いタイプです。周りからは「強い人」と見られていることが、強がりをやめられない理由にもなります。
- よくある形
- 弟や妹の面倒を見てきた長女/チームを背負う女性主将/弱音を吐かない看護師や刑事/いつも笑っているクラスのまとめ役
- 外すなら
- 強がっていることを、本人がまったく自覚していない形にする。または、強がりに気づいて支える側が、同じように強がっている人だった、という形にする
- 気をつけたいこと
- 「強い女性は本当は弱い」という決めつけにしないこと。強さは本物で、そのうえで弱さも抱えている、と両方を認めると、人物に厚みが出ます
1表の顔人前・ふだん
「平気平気。これくらい、一人で片づけられるから」
「手伝おうか」と声をかけられて、笑って手を振る
2ほころび素が一瞬見える
「……ちょっと待って。今、変な声出た。今のなし。聞かなかったことにして」
声が少し震えたのを、ごまかすように顔をそむけて
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「手、見て。今も止まってないの。みんなの前では、ポケットに入れてた」
すべてが片づいたあと、ふたりきりになって
4独りの時誰にも見せない本音
「大丈夫、大丈夫。……誰に言ってるんだろ、私」
部屋の明かりを消して、膝を抱えながら
男性の強がりキャラ
「男は泣かないもの」という描き方と結びつきやすく、怪我を隠す、涙を見せない、弱音を吐かない、という形が定番です。涙を帽子や腕で隠す、雨のせいにする、といった演出は、海外の作品でもおなじみです。
- よくある形
- 怪我を隠して戦い続ける主人公/部下の前では決して弱音を吐かない隊長/家族を支えるために笑う父親役/負けても「次は勝つ」としか言わないエース
- 外すなら
- 強がりが下手で、周りに全部ばれている形にする。または、最後に堂々と泣くことで、かえって強く見える形にする
- 気をつけたいこと
- 泣いたり弱音を吐いたりした場面を、笑いものにしないこと。弱さを見せられたことを、強さとして受け止める描き方のほうが、今の読み手には届きやすくなっています
1表の顔人前・ふだん
「かすり傷だ。騒ぐほどのもんじゃない」
血のにじんだ袖を、さっと背中に回して
2ほころび素が一瞬見える
「……いいから、先に行け。すぐ追いつく」
立ち上がろうとして、一瞬だけ顔をしかめる
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「正直、あの時は足が震えてた。お前にだけは、知られたくなかったんだけどな」
戦いが終わった夜、背中合わせに座って
4独りの時誰にも見せない本音
「俺が弱音を吐いたら、誰があいつらを引っぱるんだよ」
誰もいない屋上で、拳を握りしめて
女性向け作品の男性強がり
女性向けでは、ふだん大人びて頼もしい男性が、主人公の前でだけ弱っている姿を見せる形が強く好まれます。偉そうに甘えるのではなく、こらえきれずに頼ってしまう、という見せ方がときめきにつながります。BLでも、強がっている側がふと見せる無防備な姿は定番の見どころです。
- よくある形
- 熱があるのに仕事を休まない上司/主人公を守るために無理を重ねる騎士/いつも余裕の顔をしている先輩/家族の問題を一人で抱える幼なじみ
- 外すなら
- 主人公のほうが先に強がりを見抜いていて、彼が気づかれていないと思い込んでいる形にする。または、弱っている時ほど口数が増える、という形にする
- 気をつけたいこと
- 弱った八つ当たりを主人公に向けないこと。強がりが崩れる時は、乱暴になるのではなく、静かに頼る方向に崩すと、安心してときめけます
1表の顔人前・ふだん
「心配しすぎ。俺がこれくらいで倒れるわけないだろ」
熱っぽい顔のまま、額に伸びてきた主人公の手を軽くよけて
2ほころび素が一瞬見える
「……悪い。少しだけ、ここにいてくれ」
主人公が部屋を出ようとした時、袖の端をつかんで
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「格好悪いところ、見せたくなかったんだよ。お前にだけは」
熱が下がった朝、目をそらしながら
4独りの時誰にも見せない本音
「お粥、全部食べた。……『いらない』って言ったのに。器、返す時なんて言えばいい」
主人公が帰ったあと、置いていったお粥の器を見つめて
男性向け作品の女性強がり
男性向けでは、気が強くて隙のないヒロインが、実は怖がりだったり寂しがりだったりして、主人公だけがそれに気づく形が定番です。強がりを見抜いて、そっと隣にいる。主人公のそんな行動が、ふたりの距離を縮めるきっかけになります。
- よくある形
- 雷やお化けが苦手なのに認めない勝ち気な同級生/一人暮らしで寂しさを隠す先輩/家の事情を誰にも話さない生徒会長/「慣れてるから」が口癖の転校生
- 外すなら
- 主人公も強がりで、お互いに見抜き合っている形にする。または、弱さを見せたあとで、彼女のほうが主人公の強がりを支える側に回る形にする
- 気をつけたいこと
- 強がりを崩すことを「攻略」のように描かないこと。無理に暴くのではなく、彼女が自分から話せるまで待つ姿のほうが、信頼の重みが伝わります
1表の顔人前・ふだん
「私なら平気。こういうの、慣れてるから」
遅くなった帰り道、送ると言われて首を振る
2ほころび素が一瞬見える
「雷、うるさいだけ。……ねえ、もうちょっとだけ、しゃべってて。静かだと気になるから」
雷が鳴るたびに、肩がびくっと跳ねる
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「慣れてるって言ったの、嘘。本当は、一人の帰り道がずっと苦手だった」
結局ついてきてくれた主人公に、家の前で
4独りの時誰にも見せない本音
「雷の夜、しゃべっててって言えた。……明日は、『送って』まで言えるかな」
鏡の前で、指で口角を持ち上げながら
強がりを書く時のコツと避けたいこと
コツ
- 隠している弱さの中身を一つ決める:怖い、寂しい、痛い、自信がない、過去の失敗。中身が具体的だと、強がりの一言一言に重みが出ます
- 強がる理由を決める:心配をかけたくない、自分が支えなければいけない、弱さを見せて失ったことがある。理由があると、読み手は責めずに見守れるようになります
- 隠しきれない小さなサインを描く:声の震え、握りしめた手、いつもより明るい笑い、返事の早さ。台詞では平気と言い、体や仕草が本音を漏らす、というずれが強がりの見せ場です
- 崩れる相手と場面を一つに絞る:誰の前でなら崩れられるのかが、そのまま関係の深さになります。崩れるのは物語の山場まで取っておきます
避けたいこと
- 弱さを見せた途端に「弱いやつ」と扱う描写。強がりをやめられたことを、成長や信頼として受け止めます
- 裏の弱さを見せる場面がまったくなく、ただの強気や乱暴と区別がつかなくなること
- 崩れる場面を何度も繰り返して、強がりそのものが軽く見えてしまうこと
- 無理を重ねて一人で耐え続けることを、美しいだけのものとして描くこと。誰かが気づいて支える流れを用意しておくと、読み手も安心できます
強がりに合う口調・組み合わせやすい属性
合う口振(口振カルテへ)
強がりは、強いふりをしている時の口振と、崩れた時の口振を分けておくと、ほころびの瞬間がはっきり伝わります。
組み合わせやすい属性
ぶつかりやすい属性(あえて使うと面白い)
甘えん坊や泣き虫は、弱さをそのまま見せる属性なので、強がりと一人に重ねるのは難しい組み合わせです。ただし関係性で並べると、素直に泣ける相手を見て、強がりのほうが少しずつ肩の力を抜いていく、という物語が作れます。
「強がり」という言葉の歴史
強がりは、ネットで生まれた言葉ではなく、千年以上前から使われてきた言葉です。ここでは、辞書に残る用例から言葉の移り変わりをまとめます。
年表を開く
『源氏物語』の「夕顔」に「つよがる」が出てきます。『日本国語大辞典』では、この時の意味を「気持ちを強く持つ」としています。
狂歌集『大団』に「やせがまん」が出てきます。無理に我慢して平気を装う、という強がりと近い言葉です。
滑稽本『七偏人』に、女性に見栄を張って強がる、という使い方が出てきます。「強いように見せる」という今の意味の例です。
松崎天民『社会観察万年筆』に、名詞の「強がり」が出てきます。強い者に涙は禁物と自分を叱り、強がりを続けてきた、という女性の手紙の一節で、今のキャラクター像にもそのまま重なります。
漫画やアニメでは、ツンデレの説明にも「素直になれず強がる」という言葉が使われるなど、強がりは多くの属性の土台になってきました。英語圏でも、誰が見ても大丈夫ではないのに「大丈夫」と言い張る人物や、男は泣かないという人物が、定番の描き方になっています。
今の強がりのイメージ
- 現実では「損をしやすい」性格:プライドが高く弱さを見せられない、周りを頼れない、と見られやすく、直したい性格として扱われがちです
- 創作では変化の瞬間を生む:「強がりな人が涙を見せる」場面は、物語の中で人物が変わる瞬間の代表的な形です
- 「泣かない男」から「泣ける強さ」へ:男性キャラは涙を隠すのが定番でしたが、堂々と泣くことで、かえって強く人間らしく見せる描き方も増えています
- 明るさで隠す強がりが人気:いつも元気で笑っている人が、実は一番重いものを抱えていた、という形は、ギャップの強いキャラとして根強く好まれています
- 2025〜2026年に人気の作品では:西園練牙(『18TRIP』)やペパー(『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』)のように、突っ張った態度の裏の弱さが可愛げとして受け止められています
よくある質問
強がりの意味と読み方は?
「つよがり」と読みます。本当はつらかったり怖かったりするのに、弱さを見せまいとして、平気なふりや強いふりをすることです。また、そういう性格の人を指すこともあります。
強がりと意地っ張りの違いは何ですか?
意地っ張りは、自分の考えや言い出したことを引っ込めず、相手に折れたくない性格です。強がりは、裏にある弱さやつらさを隠して、平気なふりをする性格です。意地っ張りは「引き下がりたくない」、強がりは「弱さを見せたくない」が中心にあります。
強がりとツンデレの違いは何ですか?
ツンデレが隠しているのは好意で、好きな相手の前で素直になれずにつっけんどんになります。強がりが隠しているのは弱さで、相手が好きな人かどうかに関係なく、平気なふりをします。両方を持つキャラもよく描かれます。
強がりと見栄っ張りの違いは何ですか?
見栄っ張りは、地位やお金、経験などを実際より大きく見せて、人からよく見られたい性格です。強がりは、よく見られたいというより、弱っていることを知られたくない、心配をかけたくない、という気持ちが中心です。
強がりは英語で何と言いますか?
状況によって言い方が変わります。つらいのに平気な顔をすることは「put on a brave face」、強いふりをすることは「act tough」、はったりの意味合いが強い時は「bluff」が使われます。
強がりなキャラが弱さを見せるのはどんな時ですか?
よく描かれるのは、信頼できる相手と二人きりになった時、大きな出来事がひと段落して張りつめていた気持ちがゆるんだ時、そして強がりを見抜かれて、それでも責められなかった時です。
次に読む
参考にした資料
- コトバンク「強がり」(デジタル大辞泉・日本国語大辞典の語釈、1914年の用例)
- コトバンク「強がる」(『源氏物語』『七偏人』の用例と2つの意味)
- コトバンク「痩せ我慢」(語釈と1703年の用例)
- Smartlog「強がりは損しやすい?」(強がりな人の特徴と心理、2022年5月29日)
- Smartlog(甘えられない女性についての記事)(甘えられない心理)
- ライブドアニュース(女性が惹かれる男性のギャップについての記事)(強く見える男性が甘える時のギャップ)
- めちゃコミック めちゃマガ(BLの萌えシチュエーションについての記事)(強がっている受けが見せる無防備な姿)
- かかねば「キャラクター設定の作り方」(強がりな人が涙を見せる変化)
- TV Tropes「Obviously Not Fine」・「Men Don’t Cry」(英語圏での整理)

