サザノノ 性分帖。 > 立ち位置 > 護衛・ボディーガード
護衛・ボディーガードキャラとは、守ると決まった相手のすぐそばに付き添い、危険からその人を守ることを自分の役目として生きているキャラクターのことです。守る相手との近さと、役目と気持ちの境目が、人物の見どころになります。
要点
- 辞書では、身のまわりに付き添って守ること、またその役の人です。ボディーガードは、要人などの身辺に付き添って安全を守る人を指します
- 見分ける条件は3つ。守る相手が決まっている・そばに付き添い、姿を見せて守る・守ることが役目になっている
- 騎士とは、守る理由で分かれます。騎士は誓いと騎士道で守り、護衛は守ること自体が役目。時代も国も武器も問いません
- 恋愛ものでは、職務として守る距離の近さと、身分や立場の違いが、じれったい恋を生む定番の形になっています
見出しの一覧
護衛・ボディーガードの意味と語源
「護衛」は、辞書(デジタル大辞泉)で、身のまわりに付き添って守ること、またその役と説明されています。日本国語大辞典は、貴人や要人に付き添って守ること、またその人とし、明治の小説での用例を挙げています。「護」も「衛」も守るという意味の字で、付き添って守ることが言葉の中心です。
「ボディーガード」は英語の bodyguard から来た言葉で、辞書では、要人などの身辺に付き添い、その身の安全を守る人と説明されています。英語ではもともと、一人の人物を守る護衛の一団を指す言葉でした。19世紀半ばまでに、その中の一人の護衛も指すようになります。日本では、警察の要人警護の専門官を「SP」、民間で身辺を守る警備員を「ボディーガード」と呼ぶことが多くなっています。
辞書の説明に、忠誠や誓いは出てきません。そこが「騎士」との大きな違いです。また、よく似た「用心棒」は、辞書で「雇って置く」者と書かれ、お金や約束でつながる言葉です。属性としては、守る相手との関係とそばにいる位置が人物を形づくるので、立ち位置の群に入れています。このページは、現代のSPやボディーガードと、ファンタジーの近衛や専属の護衛を扱います。
護衛・ボディーガードキャラかどうかの見分け方
強くて誰かを守る場面がある、というだけでは護衛・ボディーガードキャラとは言えません。護衛と呼べるのは、次の3つがそろった時です。
- 守る相手が決まっている:王子、姫、令嬢、要人、依頼人、妹。誰を守るのかが一人か少人数に決まっています。みんなを守りたい人は、護衛というより正義の味方です
- そばに付き添い、姿を見せて守る:相手の半歩後ろや隣にいて、危険が来れば前に出ます。影に隠れて動くのではなく、そこにいることで相手を守ります
- 守ることが役目になっている:命令、家の務め、仕事の契約、自分で引き受けた約束。理由はさまざまでも、守ることが本人の役目として決まっています。だからこそ、役目と気持ちのずれが物語になります
騎士・忍者・献身との違い
護衛・ボディーガードは、同じように誰かを守る役や性格とよく混ざります。こう覚えると見分けやすくなります。騎士は誓いで守り、忍者は影から守り、護衛はそばで守る。献身は性分で、護衛は役目。
| 護衛・ボディーガード | 騎士 | 忍者・隠密 | 献身 | |
|---|---|---|---|---|
| 何を言う言葉か | 付き添って守る役目 | 誓いを立てて仕える戦士の身分 | 影から探り、守る役目 | 自分を勘定に入れず尽くす性分 |
| 守る理由 | 命令、家の務め、契約、約束 | 誓いと騎士道 | 主や組織への務めと掟 | 捧げると決めた気持ち |
| いる場所 | 守る相手の半歩後ろ、隣 | 主の前、戦場の正面 | 屋根の上、人ごみ、敵の中 | どこでも |
| 強さの見せ方 | 前に出て盾になる、逃がす | 剣で正々堂々と戦う | 戦わずに片をつける | 強さは問わない |
| 崩れる瞬間 | 役目の外の気持ちに気づいた時 | 誓いと本心がぶつかった時 | 任務と情がぶつかった時 | 自分も大事にしてと言われた時 |
いちばん並べられるのは騎士です。どちらも誰かを剣で守りますが、守る理由が違います。騎士は、忠誠や勇気、弱い者を守るといった騎士道を自分に課し、誓いを立てて主に仕える身分です。辞書でも、騎士の説明には忠義や婦人への奉仕が入っています。護衛のほうは、付き添って守るという役目そのものを指す言葉で、誓いも身分も問いません。銃を持つ現代のSPも、王子の側近の剣士も、契約で雇われた民間のボディーガードも護衛です。騎士が護衛の役目につけば「護衛騎士」になり、騎士道と役目の両方を背負うことになります。
忍者・隠密とは、守り方が逆です。忍者は名と姿を伏せて影から動きますが、護衛は姿を見せて相手のそばに立ちます。日本の警察のSPも、そこにいることを見せて、襲おうとする人に思いとどまらせるやり方をとっています。献身とは、役目か性分かで分かれます。献身は自分を勘定に入れずに尽くす性分なので、役目がなくても尽くします。護衛は守ることが役目なので、仕事と割り切って守る、献身的ではない護衛もいます。役目と気持ちが重なっていくほど、献身に近づきます。
護衛・ボディーガードと近い言葉
護衛・ボディーガードキャラの型
護衛・ボディーガードキャラは、なぜその人を守っているのかと、守る相手とどんな距離にいるのかで型が分かれます。現代の警護ものから、ファンタジー、学園の異能ものまで、よく描かれる型を並べました。
表情も言葉も少なく、ほかのことには関心を見せないのに、守る相手のことになると迷わず動く型です。冷たく見えるほど、たった一人に向ける気持ちの強さが際立ちます。たとえば、司波達也(『魔法科高校の劣等生』)がこの型です。
守る相手と小さいころから一緒に育ち、主従なのに遠慮なく軽口を叩く型です。ふだんは敬語でも、ふとした時に昔の呼び方が出る。からかう言葉の裏で、誰よりも相手の幸せを考えています。たとえば、ハク(『暁のヨナ』)がこの型です。
守る相手を深く想っているのに、仕える側だからと言い出せないまま、隣に立ち続ける型です。そばにいられることが幸せでもあり、苦しさでもある。言わない想いが、守る姿のひとつひとつににじみます。たとえば、アンドレ(『ベルサイユのばら』)がこの型です。
守る相手に嫌われても、警備の決まりを一つも曲げない型です。危険を軽く見る周りと衝突し、気持ちが近づいても仕事のけじめを優先する。その頑固さが、守られる側の信頼に変わっていきます。たとえば、フランク・ファーマー(映画『ボディガード』)がこの型です。
任務中もそわそわして考えが顔に出る、頼りなく見える型です。ところが、その場の空気のわずかな違和感を誰より早くつかみ、いざという時には迷わず体が動く。ふだんとの落差が強さを引き立てます。たとえば、井上薫(ドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』)がこの型です。
守る相手のわがままや無茶に毎日つき合い、ため息をつきながらも離れない型です。身の安全だけでなく、細かな段取りや後始末まで引き受ける。苦労の多さが、そのまま信頼の深さになっています。たとえば、高順(『薬屋のひとりごと』)がこの型です。
もともとは相手を見張る役、ときには敵になりうる役としてそばに来たのに、一緒に過ごすうちに守る側に回っていく型です。役目と気持ちが少しずつ入れ替わっていく過程が見どころです。たとえば、姫柊雪菜(『ストライク・ザ・ブラッド』)がこの型です。
守る相手そのものより、その仕事でしか近づけない目的があって護衛になる型です。腕も頭も確かで、仕事として完璧にこなしながら、心はいつも別の所にある。割り切った距離が、ふとした時に揺らぎます。たとえば、クラピカ(『HUNTER×HUNTER』)がこの型です。
代々、王家や主の家を守る家に生まれ、守ることが生まれながらの役目になっている型です。主とは兄弟のように育ち、守るだけでなく鍛え、叱りもする。厳しさの奥に、家族のような情があります。たとえば、グラディオラス(『ファイナルファンタジーXV』)がこの型です。
主の側近として控え、口数も表情も少ないまま、いざという時には落ち着いて剣を抜く型です。力任せではない確かな腕と、何があっても揺れない佇まいが、周りに安心を与えます。たとえば、木々・セイラン(『赤髪の白雪姫』)がこの型です。
守る相手のためなら自分のけがを気にせず、毎回どこかを痛めながら任務を果たす型です。過去の判断を背負っていることが多く、丸腰でも前に出る。守ることでしか自分を立て直せない不器用さがにじみます。たとえば、島崎章(ドラマ『BG〜身辺警護人〜』)がこの型です。
護衛・ボディーガードキャラの作り方と台詞例
護衛・ボディーガードキャラは、誰を、なぜ守っているのかで作る属性です。守る相手は誰か、命令か契約か家の務めか、守る相手とどれくらい近いか、役目の外でどんな気持ちを抱えているかを決めると、人柄がはっきりします。
台詞は「心の距離」の順に4段階で並べています。表の顔 → ほころび(素が一瞬見える)→ 信頼した相手だけ → 独りの時。護衛キャラは、表の顔では役目の言葉だけを話し、ほころびで役目の外の気持ちが少しだけ漏れ、信頼した相手には守る理由を明かし、独りの時には役目と自分の気持ちの境目で迷っています。話し方は口振カルテで調整できます。
下に行くほど心の距離が近づきます。同じ人物の4つの顔として読んでください。
自分のキャラクターの顔を置くと、下の台詞をその子が話しているように読めます。
性分帖の台詞は、自分で作ったキャラクターにどんな口調や性格が合うかを確かめるためのものです。画像と名前はこの端末にだけ保存され、ほかの属性のページでも同じ子が出ます。
ドラッグで位置を動かせます
女性の護衛・ボディーガードキャラ
女性の護衛・ボディーガードキャラは、王族の側近を務める剣士、令嬢や姫に付き添う護衛、主人公の見張り役としてそばに来た少女として描かれることが多い形です。守られる側に回らず、強さを保ったまま揺れる気持ちも描けるのが、この形の持ち味です。
- よくある形
- 王子の側近として控える、表情の少ない剣士/令嬢の付き人を兼ねる、物静かな護衛/主人公の監視役として送りこまれた生真面目な少女/要人を守る、頼れる先輩の警護官
- 外すなら
- 誰より冷静な護衛が、守る相手が熱を出した夜だけは、看病の仕方が分からずおろおろする形にする。または、腕利きの護衛が、守る相手に剣の稽古をつけてほしいと頼まれて、守るより教えるほうに困ってしまう形にする
- 気をつけたいこと
- 「女性なのに強い」を見どころの中心にしないこと。何のために、誰を守っているのかで人物を作ると、一人の護衛として立ちます。守る相手との恋を描く時も、腕と誇りを手放させないことが大切です
1表の顔人前・ふだん
「通路の右側を歩いてください。窓の外は私が見ています」
式典の会場へ向かう廊下で、主の半歩後ろから前を見たまま
2ほころび素が一瞬見える
「……そのお菓子、私の分もあるんですか。いえ、勤務中ですので、あとでいただきます」
休憩の時、主に包みを差し出され、受け取りかけた手を止めて
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「護衛は、守る相手を好きになってはいけないと教わりました。……一年目で、もう守れていません。その教えだけ」
遠征の帰りの馬車で、眠れずにいる主と二人きりになって
4独りの時誰にも見せない本音
「交代の時間、十分過ぎた。扉の灯りが消えるのを見てから帰るなんて、報告書に書けない」
交代の時間を過ぎた夜、灯りの消えた主の部屋の扉を見つめて
男性の護衛・ボディーガードキャラ
男性の護衛・ボディーガードキャラは、主と兄弟のように育った護衛、規則に厳しいプロの警護官、落ち着きのない警護官、目的を隠して護衛についた人として描かれることが多い形です。主人公や守る相手と並べると、表に立つ人と、その横で前に出る人の対比がはっきりします。
- よくある形
- 王子と兄弟のように育ち、守りながら鍛えもする護衛/仕事のけじめを崩さない、元警護官のボディーガード/手のかかる主の後始末に追われる守り役/腕は確かなのに、心は別の目的に向いている護衛
- 外すなら
- 規則に厳しいプロの護衛が、守る相手の子どもにせがまれた鬼ごっこだけは、一度もわざと負けてあげられない形にする。または、軽口ばかりの護衛が、主の名前を呼ぶ時だけは一度も略さない形にする
- 気をつけたいこと
- 強さを見せるために、守る相手の意思を無視して押さえつける場面を重ねないこと。守るのは相手の体だけでなく、相手が自分で選ぶ自由も含みます。止める時は理由を言い、最後は相手に決めさせると、頼れる護衛として描けます
1表の顔人前・ふだん
「出口は二つ確認済みです。何かあったら、俺が前に出るまで動かないでください」
会食の店に入る前、依頼人の肩越しに店内を見回して
2ほころび素が一瞬見える
「……さっきの子ども、無事に親のところに戻れたかな。いや、持ち場を離れる気はないですよ」
人ごみを抜けたあと、一度だけ後ろを振り返って
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「三年前、目を離したのは四秒だ。今でも四秒ごとに数えてる癖が抜けない」
任務が終わった夜、事務所の屋上で同僚に缶コーヒーを渡しながら
4独りの時誰にも見せない本音
「守る相手がいる間は、自分のことを考えずに済む。それが楽なのは、たぶんよくないんだろうな」
誰もいない待機室で、包帯を巻き直しながら
女性向けの男性の護衛・ボディーガードキャラ
女性向けの男性の護衛・ボディーガードキャラは、主人公の専属の護衛として、いつもそばにいて守ってくれる姿が見どころです。職務だからと一線を引く寡黙な護衛や、口が悪いのにずっと主人公だけを見ていた護衛、身分の違いを理由に想いを伏せる護衛が好まれます。
- よくある形
- 令嬢付きの、口数の少ない専属護衛/嫌味ばかり言うのに、何年も主人公から目を離さない護衛/幼なじみだったのに、主従になってしまった護衛/主人公を守るために来た、仕事一筋のSP
- 外すなら
- 完璧に警護をこなす護衛が、主人公の作ったお弁当の味見だけは「毒見です」と言い張って毎回全部食べてしまう形にする。または、一線を引いていた護衛が、主人公に「今日は非番の日に会って」と言われて、私服で何を着ればいいか分からなくなる形にする
- 気をつけたいこと
- 守ることと、見張って行動を管理することを混ぜないこと。行き先を全部把握する、交友関係を勝手に制限する、といった描き方は、守っているのではなく支配です。主人公が頼んだこと、主人公が知っていることの範囲で守ると、安心してときめける護衛になります
1表の顔人前・ふだん
「仕事ですので、お気になさらず。あなたは前だけ見ていてください」
夜道で主人公に「いつもごめんね」と言われ、半歩後ろから
2ほころび素が一瞬見える
「……今の人混みで、三回、あなたの袖に触れました。報告書には書きません。業務の範囲なので」
主人公に顔をのぞきこまれ、目をそらして帽子のつばを下げ
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「護衛の任が解かれたら、一度だけ、あなたの隣を歩かせてください。後ろじゃなくて」
任務の最終日の前夜、主人公の部屋の前で扉越しに
4独りの時誰にも見せない本音
「手袋、今日も一度も外さなかった。……外していいと言われる日が来たら、俺はどうするつもりなんだ」
主人公を屋敷に送り届けたあと、門の外で手袋を外して
男性向けの女性の護衛・ボディーガードキャラ
男性向けの女性の護衛・ボディーガードキャラは、主人公を守る、または見張るためにそばへ来た少女や、戦える付き人として描かれます。凛として強いのに、日常のことには疎い隙や、守る相手だったはずの主人公を意識してしまう戸惑いが好まれます。
- よくある形
- 主人公を見張るために、隣の部屋に越してきた生真面目な少女/戦いは完璧なのに、世間のことはまるで知らない護衛/メイドとして仕えながら、実は誰より強い付き人/主人公と組まされた、口の悪い腕利きの護衛
- 外すなら
- 無表情に任務をこなす護衛が、主人公に「たまには守られる側をやってみたら」と言われて、本気で困って固まる形にする。または、主人公より強い護衛が、主人公の作った下手な料理にだけは毎回負けを認める形にする
- 気をつけたいこと
- 守っていた女性が、恋をしたとたんに急に弱くなる展開にしないこと。強さを保ったまま揺れる気持ちを描けるのが、女性の護衛の魅力です。主人公との関係で魅力を作ると、仲間としても恋の相手としても好かれます
1表の顔人前・ふだん
「勘違いしないでください。あなたのそばにいるのは任務です。登校は私と同じ時間にお願いします」
朝、玄関を開けると、隣の部屋の前で鞄を持って待っていて
2ほころび素が一瞬見える
「……その、コンビニの限定のプリンというのは、どこに売っているんですか。任務には関係ありませんけど」
帰り道、主人公とクラスメイトの会話を聞いていたらしく、小声で
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「最初は、あなたを見張るために来ました。今は、見張りの報告に書けないことばかり増えています」
夜のベランダで、仕切り越しに主人公と並んで
4独りの時誰にも見せない本音
「任務が終わったら、隣の部屋は空き部屋になる。……それを考えるのが、少しこわい」
壁一枚向こうの物音を聞きながら、報告書の手を止めて
護衛・ボディーガードキャラを書く時のコツと避けたいこと
コツ
- なぜ守っているのかを一つ決める:命令、家の務め、仕事の契約、昔の約束、自分の目的。理由が違うと、同じ「お下がりください」でも重さが変わります
- 立ち位置を決める:半歩後ろか、隣か、少し離れた所か。どこに立っているかで、守る相手との距離がそのまま見えます。距離が縮む場面が、関係の進み方になります
- 強さは「戦う前」で見せる:出口を先に確かめる、危ない席を避ける、わずかな違和感に気づく。本職の護衛は戦って勝つより、相手を逃がすことを先に考えます。戦う前に危険を消している場面が、プロらしさになります
- 役目の外の顔を用意する:甘いものが好き、非番の日の過ごし方が分からない、守る相手の家族に弱い。役目の顔とふだんの顔の差が、人柄を伝えます
守る相手との距離で変わる見え方
| 守る相手との距離 | どう見えるか | 揺らす出来事 |
|---|---|---|
| 役目として一線を引いている | 冷たい、堅い、頼れる | 守る相手に名前で呼ばれる |
| 主従でも気安く話せる | 兄弟のよう、あたたかい | 身分や立場の差を突きつけられる |
| 想いを伏せてそばにいる | 切ない、じれったい | 守る相手に別の縁談や相手が現れる |
| 見張り役から守る側へ | 不器用、戸惑っている | もとの役目に戻れと命じられる |
| 目的のために割り切っている | 読めない、危うい | 守る相手が本気で自分を頼ってくる |
避けたいこと
- 守ることを、行動の監視や交友の制限として描くこと。相手の自由を奪う守り方は、守っているのではなく支配です
- 身を挺してかばう場面を、感動のための道具として軽く使うこと。かばう理由と、かばわれた側の気持ちまで描くと、場面に重みが出ます
- 守られる側を、ただ守られるだけの無力な人にすること。守る相手にも意思と強さがあると、護衛との関係が深くなります
- 「女性なのに強い」「守られるのは男として情けない」といった、性別を理由にした驚きや笑いを見せ場にすること
- 有名な護衛キャラの決め台詞や、映画の名場面をそのまま借りること。型は借りても、言葉はそのキャラ自身から作ります
護衛・ボディーガードに合う口調・組み合わせやすい属性
合う口振(口振カルテへ)
護衛・ボディーガードは立ち位置の属性なので、口振は「役目の言葉をどう話すか」と「役目の外でどう話すか」で選びます。ていねいに控えるのか、短く言い切るのか、規則どおりにきっちり話すのか、兄貴分のように引っぱるのかで、同じ護衛でも印象が変わります。
組み合わせやすい属性
護衛・ボディーガードに無口を重ねると、言葉より先に体が前に出る寡黙な護衛に。ポーカーフェイスを重ねれば、危ない場面でも顔色ひとつ変えない、頼もしい護衛になります。一途を重ねると、何年もただ一人を見続けてきた護衛に、過保護を重ねると、役目の範囲を越えて心配が止まらない護衛になります。苦労人を重ねれば、手のかかる主の後始末に追われる守り役に。献身を重ねると、守ることがいつの間にか生き方そのものになった護衛になります。
ぶつかりやすい属性(あえて使うと面白い)
トラブルメーカーやマイペースは、危険を先回りして消したい護衛とぶつかりやすい属性です。一人に重ねると「自分から騒ぎを起こす護衛」というおかしみになり、関係性で並べると引き立ちます。目を離すとすぐにいなくなる守る相手と、ため息をつきながら追いかける護衛。勝手に動く人と、その一歩先を読もうとする人の組み合わせは、守る仕事の大変さと、それでも離れない理由を浮かび上がらせます。
護衛・ボディーガードキャラの歴史
王や貴人を守る護衛は、古代から世界のあちこちにいました。物語の護衛は、時代劇の警固役から、映画やドラマの警護官、乙女ゲームやWeb小説の専属護衛まで、少しずつ姿を変えてきました。ここでは、主な出来事をまとめます。
年表を開く
ローマで帝政が始まり、皇帝を守る護衛の部隊が組織されます。君主のそばに専属の守り手を置く仕組みは、のちの近衛兵の手本の一つになりました。
平安時代の朝廷で、貴人の外出に近衛府の官人を付ける「随身」の習わしが始まります。摂政の藤原良房が最初とされ、守ることと、身分の高さを見せることの両方を担いました。
英語の bodyguard が使われ始めます。はじめは一人の人物を守る護衛の一団を指す言葉で、19世紀半ばまでに一人の護衛も指すようになりました。日本でも18世紀半ばには、雇って置く守り手を「用心棒」と呼ぶ用例が見られます。
天皇を守る近衛兵が置かれます。1890年には、森鴎外の小説に「護衛」という言葉の用例が見られます。
警備業法ができ、人の身辺を守る仕事が、民間の警備業務の一つとして定められます。日本の民間のボディーガードは、この法律のもとで働く警備員です。
首相が殴られた事件をきっかけに、警視庁に要人警護の専門官「SP」が生まれます。アメリカの大統領警護を手本に、姿を見せて襲撃を思いとどまらせるやり方がとられました。
人気歌手と、彼女を守る元大統領警護官の恋を描いたアメリカ映画が公開され、主題歌とともに世界的にヒットします。日本でも大きな話題になり、護衛と守られる人の恋が、広く知られた物語の形になりました。
忍者の家系の少年が、隣に住む少女を陰から守り続けるライトノベルが始まります。正体を隠して守る男子という形は、2022年に連載が始まった、幼なじみを本人に気づかれずに守る漫画まで続いています。
警視庁の警護課を舞台にしたテレビドラマが始まり、2010年と2011年に映画になります。現代の警護官が、アクションものの主役として描かれました。
SPたちが24時間主人公を守るという恋愛ゲームのシリーズが、携帯電話向けに始まります。2016年には、職業にボディガードを含むヒーローたちと恋をするスマートフォン向けの恋愛ゲームも配信されました。
民間の身辺警護人を主人公にしたテレビドラマが放送されます。銃を持たない民間の護衛が、警察のSPとは違うやり方で依頼人を守る姿が描かれました。
「護衛騎士」「専属護衛」を掲げた恋愛小説が、Web小説で数多く読まれています。その多くは異世界恋愛のジャンルです。
今の護衛・ボディーガードキャラのイメージ
- 恋愛ものの定番の相手役:女性向けのWeb小説や電子コミックでは、令嬢や姫を守る専属の護衛が、恋の相手役として題名に掲げられることが多くなっています。そばにいる理由が職務だからこそ、身分の差や立場の違いがじれったい両片思いを生みます
- 寡黙、または口が悪いのに一途:言葉は少ない、嫌味ばかり言う、でも何年も守る相手だけを見ていた、という形が好まれています。言葉と行動の差が、気持ちの深さを伝えます
- 陰に見えて実は強い男子:男性向けでは、地味に見える男子が、実は凄腕の護衛としてお嬢様や幼なじみを守る学園ものが続いています。守られる側が気づいていない、という秘密が物語を動かします
- 強さを保ったまま揺れる女性の護衛:女性の護衛は、恋をしながら戦う力も見せられる立ち位置です。守られる側に回らない女性キャラとして描きやすく、国を問わず好まれています
- 本職の守り方への関心:ドラマなどを通して、実際の警護は戦って勝つより、危険を先に避け、相手を逃がすことを優先する仕事だと知られるようになりました。銃を持たない民間の護衛や、姿を見せて守るSPのやり方も、創作の見せ場として描かれています
よくある質問
護衛・ボディーガードキャラとはどういう意味ですか?
守ると決まった相手のすぐそばに付き添い、危険からその人を守ることを自分の役目として生きているキャラクターのことです。守る相手が決まっていること、そばで姿を見せて守ること、守ることが役目になっていることが条件になります。
護衛と騎士の違いは何ですか?
騎士は、忠誠や勇気などの騎士道を自分に課し、誓いを立てて主に仕える身分です。護衛は、付き添って守るという役目そのものを指す言葉で、誓いも身分も問いません。現代のSPも、ファンタジーの側近の剣士も護衛です。騎士が護衛の役目につくと、「護衛騎士」と呼ばれます。
護衛と用心棒の違いは何ですか?
用心棒は、辞書で「雇って置く」者と説明され、お金や約束で腕を貸してつながる言葉です。店や賭場の番人の意味もあります。護衛は、命令や家の務め、契約など理由を問わず、決まった相手に付き添って守る役目を指します。雇われていても、守る相手との関係が中心にあれば護衛として描けます。
SPとボディーガードの違いは何ですか?
SPは、警視庁で要人の身辺警護を専門にする警察官で、守る相手は決まりによって決まります。ボディーガードは、身辺を守る人を広く指す言葉で、日本の民間のボディーガードは、警備業法のもとで働く警備員です。創作では、公の警護官か、雇われた民間の護衛かで、守り方や立場の描き方が変わります。
護衛と守られる相手の恋は、どう描けば魅力的ですか?
職務として守っている、という一線を最初にはっきりさせることです。身分や立場の違い、仕事のけじめが障害になり、それが少しずつ崩れていく過程がときめきになります。守ることと、相手の行動を管理することを混ぜず、守られる側にも意思と強さを持たせると、対等な関係として楽しめます。
護衛・ボディーガードキャラを魅力的に書くコツは?
誰を、なぜ守っているのかと、守る相手のどこに立っているのかを決めることです。そのうえで、戦う前に危険を消すプロらしさと、役目の外でふと見せる顔を描くと、ただ強いだけではない、生きた護衛として伝わります。
次に読む
参考にした資料
- コトバンク「護衛」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典:身のまわりに付き添って守ること、その役。森鴎外『うたかたの記』1890年の用例)
- コトバンク「警護」(警戒して守ること、その役の人。徳冨蘆花『思出の記』の用例)
- コトバンク「用心棒」(護衛のために雇って置く者、1746〜48年の用例、しんばり棒)
- コトバンク「近衛」(宮中に近く仕えて警固する役目、1872年の近衛)
- コトバンク「随身」(貴人の外出に付ける近衛府の官人、藤原良房が最初とされる)
- Weblio辞書「ボディーガード」(要人などの身辺に付き添い安全を守る人)
- Online Etymology Dictionary「bodyguard」(もとは護衛の一団、1861年までに一人の護衛も指す)
- Merriam-Webster「bodyguard」(ある人を守る務めを負う付き人、またはその一団)
- Wikipedia(日本語版)「ボディーガード」(要人を守る職業の総称、日本の民間は警備業法の4号業務)
- Wikipedia(英語版)「Bodyguard」(非常時は戦うより守る相手を逃がすのが優先、古代の護衛部隊)
- Wikipedia(日本語版)「セキュリティポリス」(1975年創設、存在を見せて襲撃を思いとどまらせる方式)
- Wikipedia(日本語版)「近衛兵」(君主直属の護衛、前27年のローマの護衛部隊)
- 衆議院「警備業法」制定時の法律(1972年7月5日公布、身辺の警備業務)
- Wikipedia(日本語版)「ボディガード (1992年の映画)」(フランク・ファーマー:元シークレットサービス、仕事のけじめを優先)
- Wikipedia(日本語版)「SP 警視庁警備部警護課第四係」(2007年放送、井上薫:空気の違和感で危険を察知)
- Wikipedia(日本語版)「BG〜身辺警護人〜」(2018年・2020年放送、島崎章:けがを気にせず依頼人を守る)
- Wikipedia(日本語版)「魔法科高校の劣等生」(司波達也:妹のガーディアン、感情の起伏がとぼしい)
- Wikipedia(日本語版)「暁のヨナ」(ハク:姫の専属の護衛、幼なじみで軽口も叩く)
- Wikipedia(日本語版)「ベルサイユのばら」(アンドレ:従卒で幼なじみ、身分の差から想いを言い出せない)
- Wikipedia(日本語版)「薬屋のひとりごと」(高順:幼いころからの守り役、振り回されても忠義を尽くす苦労人)
- Wikipedia(日本語版)「ストライク・ザ・ブラッド」(姫柊雪菜:監視役の見習い剣巫、隣の部屋に越してくる)
- Wikipedia(日本語版)「HUNTER×HUNTERの登場人物」(クラピカ:令嬢の護衛、のちに護衛団のリーダー)
- Wikipedia(日本語版)「ファイナルファンタジーXV」(グラディオラス:王家の盾の家の跡取り、親衛隊と剣術の指南役)
- Wikipedia(日本語版)「赤髪の白雪姫」(木々・セイラン:王子の側近、近衛兵団の剣士、気持ちが顔に出にくい)
- Wikipedia(英語版)「Kage Kara Mamoru!」(2003〜2008年刊行、2006年アニメ、隣の少女を陰から守る少年)
- シネマトゥデイ 実写映画『赤羽骨子のボディガード』についての記事(2024年、幼なじみを本人に気づかれずに守る)
- gamebiz『恋人は専属SP』についての記事(2009年からのシリーズ、SPが24時間主人公を守る)
- 4Gamer.net『スタンドマイヒーローズ』の作品ページ(2016年配信、ヒーローの職業にボディガード)
- 小説家になろう「護衛騎士」の検索結果(2026年11月3日時点、異世界恋愛が中心)
- カクヨム タグ「護衛騎士」(溺愛・両片思いの恋愛ものが上位)
- TV Tropes「Bodyguard Crush」(守る側と守られる側の恋、立場の違う恋の一種、女性の護衛は強さを保ったまま恋も描ける)
- TV Tropes「Taking the Bullet」(身を挺してかばう場面、かばわれた側の思いが効く)

