サザノノ 性分帖。 > 立ち位置 > 王様
王様キャラとは、国や集団の頂点に立ち、民や仲間、その場の行方を背負って、どう治め、どう導くかで人柄が見えるキャラクターのことです。
要点
- 王は辞書で「国などを治める人」と「その道で最もすぐれているもの」。本物の国王・女王だけでなく、「コート上の王様」のような比喩の王様もいます
- 見分ける条件は3つ。頂点に立っている・民や仲間など背負うものがある・治め方や導き方で人柄が見える
- 俺様とは、言葉の軸が違います。俺様は人への態度、王様は頂点で何かを背負う立場。王の立場で態度も強引なら、二つが重なった「俺様な王様」です
- 民を背負う名君と、わがままな暴君が昔からの両極。いまは、王様というあだ名を背負って成長する人や、仲間から王と慕われる人も人気です
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王様の意味と語源
「王」は、辞書(デジタル大辞泉)で「国などを治める人」と説明されています。一国の最高の主権者のほか、儒教では「道徳をもって天下を治める者」という意味もあります。古い用例は、平安時代の終わり、1120年ごろの説話集に見られます。「王様」は、その王を親しみや敬いをこめて呼ぶ言い方です。
辞書にはもう一つ、「同類の中で、またその道で最もすぐれているもの」という意味があります。「百獣の王」「発明王」のような使い方です。キャラクターの世界でも、国を治める本物の王だけでなく、チームの中心で試合を動かす選手や、仲間から一目置かれるリーダーが「王様」と呼ばれます。その呼び名は、尊敬にも、皮肉にもなります。
反対に、悪い意味の王様もあります。アンデルセンの童話から生まれた「裸の王様」は、周りが本当のことを言えず、自分の姿が見えなくなった権力者のたとえです。家族の前でだけいばる人を「家では王様」と言うこともあります。王様という言葉には、頂点に立つ誇らしさと、周りが見えなくなる危うさの両方がこめられています。
キャラクター属性としては、どの位置に立ち、何を背負うかで決まるので、立ち位置の群に入れています。このページでは、王と女王、比喩の「〇〇の王様」をまとめて扱います。
王様キャラかどうかの見分け方
えらそうにしていれば王様、王冠をかぶっていれば王様、というわけではありません。王様キャラと呼べるのは、次の3つがそろった時です。
- 頂点に立っている:国の王、チームの司令塔、集団のトップ。本物の王位でも、周りからそう呼ばれる立場でもよい
- 背負うものがある:民、仲間、チーム、国の行方。自分一人ではなく、誰かの運命がその人の決断にかかっている
- 治め方や導き方で人柄が見える:先頭に立つのか、命じるのか、任せるのか、振り回すのか。頂点での振る舞いが、そのまま性格として描かれる
俺様・王子様・魔王との違い
王様は、俺様や王子様、魔王とよく並べられます。こう覚えると見分けやすくなります。俺様は人への態度、王様は頂点で背負う立場、王子様はまだ背負う前の憧れの人、魔王は人の世界の外から君臨する王。
| 王様 | 俺様 | 王子様 | 魔王 | |
|---|---|---|---|---|
| 何についての言葉か | 頂点に立って背負う立場 | 人への態度 | 品と優しさで憧れられる人柄 | 魔の者を率いる王 |
| 立場 | 国や集団のトップ | どんな立場でもなれる | 王の子、または比喩の王子 | 魔族や闇の世界のトップ |
| 人への態度 | 名君なら穏やか、暴君なら横暴。人によって違う | 強引で唯我独尊 | 優しく紳士的 | 圧倒的で、ときに意外と気さく |
| 背負うもの | 民・仲間・国の行方 | 特になし(自分が中心) | 王家の期待、これから背負うもの | 魔の者たちと、その世界 |
| 崩れる瞬間 | 背負うものを守れなかった時 | 思い通りにならない相手に出会った時 | 素の自分を見られた時 | 肩書きの下の素顔を見られた時 |
いちばん混同されるのは俺様です。俺様は、立場に関係なく「人にどう接するか」を表す言葉で、学生でも会社員でもなれます。王様は、頂点に立って何かを背負っている「立場」を表す言葉です。民のために穏やかに頭を下げる王もいれば、わがまま放題の王もいて、態度は人によって違います。王の立場にいて、態度も強引な人物は、二つが重なった「俺様な王様」と考えると、書き分けがしやすくなります。俺様のページでも、王国を背負う若き女王を俺様の一つの形として紹介しています。
王子様は、まだ国を背負う前の、憧れられる人柄の言葉です。王子が王位を継ぎ、民の重さを知って変わっていく物語は、王子様から王様への道のりとも言えます。魔王は、魔の者を率いる王で、人の世界の外から君臨する点で王様と分かれます。
王様と近い言葉
| 女王 | 皇帝 | 暴君 | 裸の王様 | |
|---|---|---|---|---|
| どんな言葉か | 女性の王 | 王より上の位とされる君主。いくつもの国や民族を治める | わがままで横暴にふるまう君主 | 周りが本当のことを言えず、自分が見えなくなった権力者のたとえ |
| 王様との関係 | 王様の女性版。凛とした名君から冷たい女王まで幅が広い | 王様をさらに上から統べる形。「皇帝」という異名は、王よりさらに圧倒的な存在に使われることがある | 王様の悪い極み。名君の反対 | 王様の危うさを表す言い回し。孤立した頂点の人物によく重なる |
王様キャラの型
王様キャラは、頂点でどう振る舞い、何を背負っているかで分かれます。国の王から、比喩の王様まで、よく描かれる型を並べました。
大きな理想を掲げ、玉座に座っているだけでなく、自ら危険な場所へ出ていく型です。民や仲間の命の重さを知っているからこそ、決断はぶれない。その背中に、人が集まっていきます。たとえば、嬴政(『キングダム』)がこの型です。産屋敷耀哉(『鬼滅の刃』)もこの型です。
生まれながらの王であることを疑わず、周りを見下ろしている型です。尊大で近寄りがたいのに、本当に認めた相手にだけは、まっすぐな敬意を示す。俺様と重なる、圧倒的な王の形です。たとえば、ギルガメッシュ(『Fate/stay night』)がこの型です。
力や理想が高すぎて、周りがついてこられず、頂点で独りになっている型です。仲間に背を向けられた痛みを知り、人と並んで戦うことを覚えた時、本当の意味で王になっていきます。たとえば、影山飛雄(『ハイキュー!!』)がこの型です。
自分が前に出るより、仲間一人ひとりの力を引き出すことでチームを勝たせる型です。軽やかで余裕のある振る舞いの裏に、積み重ねた努力と誇りがある。周りから自然と王として一目置かれます。たとえば、及川徹(『ハイキュー!!』)がこの型です。
力が弱い、頼りないと周りから見下され、王にふさわしくないと思われている型です。それでも折れずに歩き続け、優しさと勇気で人の心を動かしていく。強さとは違う、王の資格を見せてくれます。たとえば、ボッジ(『王様ランキング』)がこの型です。
決まりにとらわれず、気ままに振る舞っているのに、いつの間にか仲間の真ん中にいる型です。本人は王でいることにこだわらないのに、いざという時には誰より頼もしく、周りから王と慕われます。
思いがけず若くして王位を継ぎ、決断のたびに迷っている型です。家臣に頼り、失敗し、民の声を聞きながら、少しずつ王らしくなっていく。成長の物語として描きやすい王です。
食べ物も楽しみも独り占めしようとする、子どもっぽい王の型です。わがままなのに悪気はなく、部下には慕われ、いざという時は頼りになる。笑いと愛嬌の王様です。たとえば、デデデ大王(『星のカービィ』)がこの型です。
逆らう者を許さず、恐れで人を従わせる型です。名君の反対として物語に立ちはだかり、主人公たちが乗り越える壁になる。なぜ暴君になったのかを一つ決めると、ただの悪役ではなくなります。
王様キャラの作り方と台詞例
王様は、男女どちらにも、どの向けの作品にもいる立ち位置です。ここでは4つの向けに分けて、よくある形と外し方、台詞例をまとめました。女性キャラのタブは女王を中心に書いています。
台詞は「心の距離」の順に4段階で並べています。表の顔 → ほころび(素が一瞬見える)→ 信頼した相手だけ → 独りの時。王様キャラは、表の顔では頂点にふさわしく振る舞い、ほころびで背負うものの重さがのぞき、信頼した相手には王でない自分を、独りの時には玉座の孤独を抱えています。話し方は口振カルテで調整できます。
下に行くほど心の距離が近づきます。同じ人物の4つの顔として読んでください。
自分のキャラクターの顔を置くと、下の台詞をその子が話しているように読めます。
性分帖の台詞は、自分で作ったキャラクターにどんな口調や性格が合うかを確かめるためのものです。画像と名前はこの端末にだけ保存され、ほかの属性のページでも同じ子が出ます。
ドラッグで位置を動かせます
女性の王様(女王)キャラ
女性の王様は、国を治める女王や、集団を率いる女性のリーダーとして描かれます。若くして玉座に就き、周りに侮られながら国を守る女王は、王様の型の中でも共感を集めやすい形です。凛とした強さと、ひとりで背負う孤独の落差が魅力になります。
- よくある形
- 父王の急死で、若くして玉座に就いた女王/家臣に侮られながら改革を進める女王/冷たいと噂されるが、民のことを誰より考えている女王/部活やクラスを仕切る、「女王」とあだ名される生徒
- 外すなら
- 王位より研究や料理が好きで、玉座から逃げ出したがる女王にする。または、女王の座を自分から降り、民の一人として国を支え直す形にする
- 気をつけたいこと
- 「女だから侮られる」苦労だけで人物を作らないこと。何を守りたくて玉座にいるのかを一つ決めると、性別より先に、その人の治め方が見えてきます
1表の顔人前・ふだん
「意見はすべて聞きます。決めるのは私です。結果の責めも、私が負います」
ざわつく評議の間で、玉座から立ち上がり、居並ぶ家臣たちを見渡して
2ほころび素が一瞬見える
「……少しだけ、冠を外してもいいかしら。首が痛くて」
長い式典を終えた控えの間で、侍女しかいないのを確かめてから
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「玉座に座った日から、誰も私の名前を呼ばなくなったの。あなたにだけは、名前で呼んでほしい」
夜の庭園で、幼いころからの友人と並んで歩きながら
4独りの時誰にも見せない本音
「署名、三十二通。うち一通は、名前を書く手が止まった。……明日、取り消せるだろうか」
誰もいない執務室で、署名を終えた書状を前に、ペンを置いたまま
男性の王様キャラ
男性の王様は、国を背負う王として、チームの中心に立つ選手として、仲間から王と呼ばれるリーダーとして描かれます。先頭に立つ名君、何もかも見下す傲岸な王、「王様」と呼ばれて孤立する天才。どの王も、頂点に立つからこその孤独と、それをどう越えるかが見どころになります。
- よくある形
- 理想を掲げて自ら戦場に立つ若い王/尊大で、誰も対等と認めない王/才能ゆえに孤立し「王様」と呼ばれた選手/ふだんは自由気ままなのに、仲間から王と慕われる人
- 外すなら
- 王位を継いだばかりで、何も決められずに家臣に助けられている王にする。または、玉座を捨てて旅に出た元王が、旅先で王らしさを取り戻していく形にする
- 気をつけたいこと
- 王の威厳を、怒鳴ることや人を見下すことだけで見せないこと。民や仲間の名前を覚えている、黙って責任を引き受ける、といった場面を一つ入れると、王の器が伝わります
1表の顔人前・ふだん
「誰が欠けても、この国の明日は来ない。だから全員で帰るぞ」
夜明け前の野営地で、馬上から兵たちに向かって
2ほころび素が一瞬見える
「その菓子、城の料理番より上手いな。……いや、今のは聞かなかったことにしろ」
視察先の村で、子どもに差し出された焼き菓子をひと口食べて
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「王になって分かった。決めることより、決めたあとで誰にも迷いを見せないほうが、ずっと重い」
城の塔の上で、子どものころから仕えてくれた友にだけ
4独りの時誰にも見せない本音
「あの日の選択が正しかったか、答えを知っているのは、もう誰もいないんだな」
誰もいない謁見の間で、空の玉座の前に立ち、肘掛けに手を置いて
女性向け作品の王様キャラ
女性向けでは、冷たいと噂される若き国王や、獣人や竜の国の王が、主人公を迎え入れる相手として描かれます。誰にも心を許さない王が、主人公にだけ王でない顔を見せる。国を背負う重さと、主人公への一途さの落差が、いちばんのときめきになります。
- よくある形
- 冷酷と噂されるが、民思いの若い国王/政略結婚で迎えた花嫁を少しずつ大事にしていく王/チームの中で、自然と王と慕われるリーダー/主人公にだけ、王としてではなく一人の青年として笑う王
- 外すなら
- 主人公のほうが国政に詳しく、王が教えを請う形にする。または、王が主人公を守るのではなく、主人公の知恵で王が救われる形にする
- 気をつけたいこと
- 王の権力で、主人公の居場所や行動を決めてしまう関係を、愛の深さとして描かないこと。王が主人公に選ぶ自由を渡す場面を入れると、権力ではなく誠実さとして伝わります
1表の顔人前・ふだん
「この国に来たからには、不自由はさせない。ほしいものは侍女に言え」
到着したばかりの主人公に、謁見の間で、目を合わせずに告げて
2ほころび素が一瞬見える
「……その花、故郷にも咲いていたのか。なら、庭に植えさせよう」
中庭で主人公が花を眺めているのに気づき、足を止めて
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「冠を外すと、侍女でも目をそらす。お前は、髪が崩れてると笑った。……直してくれ」
夜の露台で、冠を外して手すりにもたれ、主人公のほうを向いて
4独りの時誰にも見せない本音
「国のために迎えた人だ。それなのに、国のことを忘れる時間が増えていく」
執務室で書類を広げたまま、窓の外の明かりのついた部屋を見上げて
男性向け作品の女王キャラ
男性向けでは、凛とした若い女王や、敵国の誇り高い女王、学校で「女王」とあだ名される生徒が描かれます。誰にも頭を下げない人が、主人公の前でだけ年相応の顔を見せる。その落差と、背負っているものの大きさがかわいさになります。
- よくある形
- 主人公を相談役に指名する若い女王/敵国の女王で、主人公を好敵手として認める人/生徒会や部活を仕切る「女王」と呼ばれる先輩/玉座ではしっかり者なのに、お忍びの町歩きでは世間知らずな女王
- 外すなら
- 女王なのに極度の人見知りで、主人公を通して家臣と話す形にする。または、主人公が王で、女王が隣国から対等な相手として現れる形にする
- 気をつけたいこと
- 女王の強さを、主人公に負かされて崩れることだけで見せないこと。主人公が女王の決断を支える場面を入れると、対等な相手として好かれます
1表の顔人前・ふだん
「あなたを相談役にします。断る理由があるなら、今ここで聞きましょう」
玉座の間で、主人公を名指しし、肘掛けに頬杖をついて
2ほころび素が一瞬見える
「町の人は、こうやって串焼きを歩きながら食べるのですか。……では、私も」
お忍びの町歩きで、主人公の真似をして、慎重にひと口かじって
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「会議で三回、私に『違います』と言ったのはあなただけ。……四回目は、今ここで聞くわ」
会議のあとの書庫で、二人きりになってから、本を棚に戻しながら
4独りの時誰にも見せない本音
「女王じゃない日が一日だけあったら、あの人と何をしようかな」
寝室の窓辺で、町で買ってもらった安物の髪飾りを手のひらに乗せて
王様キャラを書く時のコツと避けたいこと
コツ
- 何を背負っているかを決める:国、民、チーム、仲間。背負うものが決まると、決断の重さも、崩れる出来事もはっきりします
- どう治めるかを一つ決める:先頭に立つ、命じる、任せる、振り回す。治め方が、そのまま王様の性格になります
- 王と呼ばれる理由を決める:生まれ、実力、あだ名、自称。尊敬からか、皮肉からか。呼び名の由来が、その人の物語の出発点になります
- 玉座を降りる時間を一つ持たせる:冠を外す、名前で呼ばれる、食べ物に目を輝かせる。王でない一瞬が、近寄りがたい王を親しみやすくします
治め方で変わる見せ方
| 治め方 | どう見えるか | 揺らす出来事 |
|---|---|---|
| 先頭に立つ | 名君、頼もしい | 自分が倒れたら、国が止まると気づく |
| 命じる | 威厳がある、近寄りがたい | 命じても動かない相手に出会う |
| 任せる | 器が大きい、懐が深い | 任せた相手に裏切られる |
| 振り回す | わがまま、憎めない | 自分のわがままで仲間が困る |
| 恐れで従わせる | 暴君、冷酷 | 誰も本当のことを言わなくなる |
避けたいこと
- 王の権力で人を傷つけることを、かっこよさや威厳としてだけ描くこと。暴君を描くなら、その振る舞いが周りに残すものも描きます
- 「王だから偉い」を、主人公との恋や友情の上下にそのまま持ちこむこと。相手が自分で選べる余地を残します
- 王様と俺様を同じものとして描くこと。王の立場と、人への態度は別に決めると、人物に奥行きが出ます
- 実在の作品の王様キャラの名乗りや決め台詞を、そのまま借りること。王の言葉は、その人が背負っているものから作ります
王様キャラに合う口調・組み合わせやすい属性
合う口振(口振カルテへ)
王様は立ち位置の属性なので、口振は「頂点から周りに、どんな言葉で向き合うか」で選びます。余裕たっぷりに受け止めるのか、上から言い切るのか、淡々と決めるのかで、同じ王でも印象が変わります。
組み合わせやすい属性
王様に俺様を重ねると、誰にも頭を下げない傲岸な王に。自信家を重ねれば、自分の決断を一度も疑わない頼もしい王になります。天才肌を重ねると、才能ゆえに周りと噛み合わず、孤立しかける王に、苦労人を重ねると、家臣やわがままな身内の後始末に追われる王になります。ポーカーフェイスを重ねれば、民の前では迷いを一切見せない王に。ナルシストを重ねると、自分の銅像を建てたがる、愛嬌のある王になります。王位を継ぐ前の王子様や、王を守る騎士とは、関係性で並べると相性のいい組み合わせです。
ぶつかりやすい属性(あえて使うと面白い)
天邪鬼やトラブルメーカーは、王の威厳とぶつかりやすい属性です。一人に重ねるより、関係性で並べると引き立ちます。何を命じても逆を言う相手や、城の中で騒ぎばかり起こす相手に、王はいつも振り回される。けれど、その相手だけが、王を「王様」ではなく一人の人として扱ってくれます。
王様キャラの歴史
王様は、神話や昔話の時代から語られてきた、とても古い人物像です。ここでは、王様の人物像に関わる、主な出来事をまとめます。
年表を開く
「王」の古い用例が、平安時代の説話集に見られます。国を治める最高の地位の人を指す言葉として使われていました。
アンデルセンが、見えない服を着せられた皇帝の童話を発表します。日本では「裸の王様」として広まり、周りが本当のことを言えなくなった権力者のたとえになりました。
神話の王を、自分こそ唯一の王と疑わない傲岸な人物として描いたゲームが発売されます。尊大な王は、のちの作品でも人気の型になりました。
中学時代に孤立し「コート上の王様」と皮肉を込めて呼ばれたセッターが、主人公の一人として登場するバレーボール漫画の連載が始まります。2014年にアニメになり、比喩の王様が大きな人気を集めました。
力が弱いと見下される王子が、王を目指して成長する漫画の連載が始まり、2021年にアニメになります。強さとは違う「王の器」を描いた作品として話題になりました。
アニメ!アニメ!の「王様キャラといえば?」アンケートに116人が回答し、回答者は女性が約75%でした。1位は「コート上の王様」と呼ばれた選手で、皮肉のあだ名を良い意味に捉え直していく成長が支持されました。
アニメ!アニメ!の「王様・皇帝キャラといえば?」アンケートに208人が回答し、男女ほぼ同数でした。上位には、王様や皇帝の異名を持つスポーツものの選手が並びました。
冷たいと噂される国王や、獣人・竜の国の王に溺愛される女性向けの小説や漫画が、電子書籍で数多く出ています。
今の王様キャラのイメージ
- 比喩の王様が人気:国王よりも、スポーツやアイドルものの「〇〇の王様」と呼ばれる人物のほうが、王様キャラとして思い浮かべられやすくなっています
- 呼び名を背負って成長する:皮肉で付いた「王様」というあだ名を、成長して誇りに変える物語が支持されています
- 仲間を生かす王:一人で君臨するより、仲間の力を引き出してチームの頂点に立つ王が好まれています
- 女性向けでは冷たい王の一途さ:誰にも心を許さない国王が、主人公にだけ心を開く溺愛ものが定番です
- 強さとは違う王の器:力が弱くても、優しさと勇気で人を動かす王が描かれています
- 2025〜2026年に人気の作品では:産屋敷耀哉(『鬼滅の刃』)のような穏やかな王と、ゼーリエ(『葬送のフリーレン』)のような傲岸な王の、両方が人気です
よくある質問
王様キャラとはどういう意味ですか?
国や集団の頂点に立ち、民や仲間、その場の行方を背負って、どう治め、どう導くかで人柄が見えるキャラクターのことです。本物の国王・女王のほか、「コート上の王様」のように、その道の頂点に立つ人を王様と呼ぶ比喩の王様も含みます。
王様キャラと俺様キャラの違いは何ですか?
俺様は人への態度を表す言葉で、立場に関係なく、強引で唯我独尊な人を指します。王様は頂点で何かを背負う立場を表す言葉で、穏やかな名君もわがままな暴君もいます。王の立場にいて態度も強引な人物は、二つが重なった「俺様な王様」です。
王様と王子様の違いは何ですか?
王様は、すでに国や集団の頂点に立って背負っている人です。王子様は、王の子として、または品と優しさで憧れられる人柄を表す言葉で、まだ国を背負う前の立場です。王子が王位を継いで変わっていく物語は、王子様から王様への道のりと言えます。
王様と皇帝の違いは何ですか?
皇帝は、王より上の位とされる君主で、いくつもの国や民族を治める存在です。キャラクターの世界では、王よりさらに圧倒的な存在に「皇帝」という異名が使われることがあります。
「裸の王様」とはどういう意味ですか?
周りが本当のことを言えず、自分の姿が見えなくなった権力者のたとえです。1837年にアンデルセンが発表した童話から生まれました。キャラクターでは、孤立した頂点の人物の危うさを表す時によく重なります。
王様キャラを魅力的に書くコツは?
何を背負っているかと、どう治めるかを決めることです。そのうえで、王と呼ばれる理由を決め、冠を外す小さな時間を一つ持たせると、近寄りがたいだけではない王様になります。
次に読む
参考にした資料
- コトバンク「王」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典:国などを治める人、その道で最もすぐれているもの、1120年ごろの用例)
- Wikipedia(日本語版)「裸の王様」(1837年、原題「皇帝の新しい服」、権力者を揶揄する表現)
- TV Tropes「The Good King」(民を優先する名君、先頭に立つ王、暴君との対比)
- アニメ!アニメ!「“王様”キャラといえば?」2021年版(116人、女性約75%、名君・暴君・比喩の王様)
- アニメ!アニメ!「王様・皇帝キャラといえば?」2025年版(208人、男女ほぼ同数)
- アニメ!アニメ!「“俺様”キャラといえば?」2026年版(王族の立場と俺様な態度が重なる例)
- Wikipedia(日本語版)「ハイキュー!!」(2012年連載開始、2014年アニメ)
- ciatr 及川徹についての記事(青葉城西の主将、「王様」影山の先輩なので「大王様」)
- マイナビニュース 及川徹の名言についての記事(ひたむきな努力で仲間の力を最大限引き出すセッター)
- ぴあ 影山飛雄についての記事(「コート上の王様」を侮辱と受け取っていた影山の成長)
- チケット流通センター『キングダム』の登場人物についての記事(嬴政:中華統一の理想、仲間を導く)
- Wikipedia(英語版)「Gilgamesh (Fate/stay night)」(英雄王、他者を見下す、対等と認めた相手への敬意)
- みんなのランキング「王様ランキングキャラ人気ランキング」(2017年連載開始、2021年アニメ、投票参加者331人)
- Wikipedia(日本語版)「デデデ大王」(自称大王、わがままだが本質的には悪人ではない)
- ダ・ヴィンチWeb 氷の王に溺愛される漫画についての記事(2025年6月30日)

