サザノノ 性分帖。 > 表と裏 > 天邪鬼
天邪鬼(あまのじゃく)キャラとは、本心では賛成していたりうれしかったりするのに、言われたことや期待されたことの逆を、わざと口にしたり選んだりしてしまうキャラクターのことです。
要点
- もとは昔話や仏像に出てくる小さな鬼の名前です。人の心を読んで、わざと逆らういたずら者でした。今は辞書でも「わざと人に逆らう言動をする人」の意味が先に載っています
- 見分ける条件は3つ。本心と逆を言う・相手を選ばず逆になる・言われると反射的に逆へ行く
- ツンデレは好きな人の前でだけ逆になる人、天邪鬼は好意に限らず何にでも逆を返す人。ツンデレは好きな人にだけ逆、意地っ張りは言ったあとで引けない、天邪鬼は言われた瞬間に逆へ行く
- 見せ場は、逆を返したあとにこぼれる本心です。逆らう理由を一つ決めておくと、ただの嫌な人ではなく、不器用な人として愛されます
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天邪鬼の意味と語源
天邪鬼は、わざと人に逆らう言動をする人を指す言葉です。辞書(デジタル大辞泉)では、まず「わざと人に逆らう言動をする人。つむじまがり。ひねくれ者」の意味が載り、そのあとにもとの意味として、昔話に出てくる悪い鬼と、仏像に踏みつけられている小鬼が並んでいます。「天の邪鬼」とも書き、類語にはへそ曲がり、偏屈、拗ね者があります。
もとになった鬼は、人の心を探るのが得意で、口まねや物まねをして人の思惑に逆らういたずら者でした。昔話の「瓜子姫」では、姫になりすまして嫁入りしようとする悪役です。山びこを天邪鬼の声まねだと考えた地方もあります。仏教では、四天王や仁王に踏みつけられている小鬼を天邪鬼と呼び、人の煩悩の象徴とされてきました。
由来には説がいくつかあります。よく挙げられるのは、『古事記』『日本書紀』に出てくる女神、天探女(あまのさぐめ)です。人の心や先のことを探る力を持ち、告げ口をして天の神の使いを射させたことから、「天の邪魔をする鬼」になったと言われます。中国の水の神の名「海若」が「あまのじゃく」と読まれ、毘沙門天の鎧の腹にある鬼の面を指すようになったという話もあり、いくつもの流れが重なってできた言葉です。
キャラクター属性としては、口では逆を言いながら、裏に本心を隠している形が中心なので、表と裏の群に入れています。人の性格を指す使い方がいつごろ広まったかは、はっきりしていません。
天邪鬼キャラかどうかの見分け方
口が悪い、反対意見が多い、というだけでは天邪鬼とは言えません。天邪鬼キャラと呼べるのは、次の3つがそろった時です。
- 本心と逆を言う:うれしいのに「別に」、行きたいのに「行かない」。口から出る言葉と、心の中が反対を向いている
- 相手を選ばず逆になる:好きな人の前だけでなく、親にも友達にも先生にも、頼みごとにも誘いにも、同じように逆を返す
- 言われると反射的に逆へ行く:「やりなさい」と言われた瞬間にやる気がなくなり、「やめておけ」と言われるとやりたくなる。考えるより先に逆が出る
ツンデレ・意地っ張り・強がり・ひねくれ者との違い
天邪鬼は、本心と違う態度をとる属性とよく混ざります。見分ける鍵は誰に、いつ逆になるかです。こう覚えると見分けやすくなります。ツンデレは好きな人にだけ逆、意地っ張りは言ったあとで引けない、天邪鬼は言われた瞬間に逆へ行く。
| 天邪鬼 | ツンデレ | 意地っ張り | 強がり | ひねくれ者 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 逆になる相手 | 誰にでも(頼みごと・誘い・多数派) | 好きな相手 | 言い合いの相手 | 自分自身や周り | 世の中や物事 |
| 隠しているもの | 賛成・うれしさ・好意などの本心 | 好意 | 折れたい気持ち・自分の非 | 弱さ・つらさ | 期待して傷つく怖さ |
| 逆になるタイミング | 言われた瞬間(反射) | 好きな人の前 | 言い出したあと | つらい時 | いつも(見方の癖) |
| 崩れる瞬間 | 何も言われず、自分で選んでいいと言われた時 | 好意を見抜かれた時 | 相手が先に折れた時 | 限界が来た時 | 素直な好意をまっすぐ向けられた時 |
いちばん比べられるのはツンデレです。どちらも「素直になれない」と言われ、ツンデレを大まかに天邪鬼と言い表すこともあります。違いは、逆になる範囲です。ツンデレの逆さまは好きな相手への態度に限られ、ほかの人にはふつうに接することもあります。天邪鬼は、好きな人かどうかに関係なく、言われたこと、期待されたことに逆を返します。だから、好きな人への態度だけが逆の天邪鬼はツンデレと重なり、何にでも逆を言うツンデレは天邪鬼の要素が強い、と考えると整理できます。
意地っ張りとは、逆になる順番が違います。意地っ張りは、言い出してしまったことをあとから引っ込められない人です。天邪鬼は、言われた瞬間に逆が出ます。強がりは弱さを隠すために平気なふりをする人で、逆らうこと自体が目的ではありません。ひねくれ者は、物事を斜めに受け取る見方の癖を指し、天邪鬼は返事や行動が逆になる癖を指します。二つはよく重なり、斜めに受け取るから逆を返す、という形も定番です。
天邪鬼と近い言葉
| へそ曲がり | つむじ曲がり | 逆張り | ツンしゅん | |
|---|---|---|---|---|
| どんな意味か | 性格がねじけていて、素直でないこと | へそ曲がりとほぼ同じ。気難しく、人に合わせないこと | 多くの人と反対の方を、あえて選ぶこと | きつい言葉を言ったあと、一人でしゅんと落ちこむこと |
| 天邪鬼との関係 | 辞書で並ぶ類語 | 辞書で並ぶ類語 | 考えたうえで選ぶ、頭で逆を行く天邪鬼 | 逆を言ったことを悔やむ天邪鬼。漫画の中でヒロインを評した言葉から広まった |
天邪鬼キャラの型
天邪鬼キャラは、まずなぜ逆を言うのかで分かれます。本心を見せるのが怖いのか、期待して傷つきたくないのか、言いなりになりたくないのか、ただ面白いからなのか。そこに「逆を言ったあとどうなるか」を重ねると、型が広がります。
口が勝手に逆を言い、言ったあとで自分を責める型です。ツンのあとにしゅんとする、その落差が愛されます。たとえば、白鬼院凜々蝶(『妖狐×僕SS』)がこの型です。
世の中の当たり前を疑い、屁理屈で逆を言う型です。斜に構えていても、持ちこまれた相談は投げ出しません。たとえば、比企谷八幡(『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』)がこの型です。夏沢朔(『薫る花は凛と咲く』)もこの型です。
指図された瞬間にやる気がなくなる型です。「勉強しなさい」と言われると机から離れ、「行くな」と言われると行きたくなる。逆を見越して頼めば動いてくれる、扱い方の分かりやすさも魅力です。
逆らうことそのものが生き方になっている型です。人の命令には従わず、喜ばれるより嫌われるほうを喜ぶ、言葉の由来そのままの天邪鬼です。たとえば、鬼人正邪(『東方輝針城』)がこの型です。オーエン(『魔法使いの約束』)もこの型です。
大事な相手にほど逆を言ってしまう型です。会いたいのに「忙しい」、うれしいのに「別に」。ツンデレと重なりますが、好きな人以外にも逆を言うので、本心がいっそう見えにくくなります。
みんなが選ぶものを、あえて選ばない型です。流行りものには手を出さず、全員が賛成した案に一人だけ反対する。場を乱す一方で、誰も気づかない穴を見つけるのも、たいていこの人です。
天邪鬼キャラの作り方と台詞例
同じ天邪鬼キャラでも、キャラの性別や、誰に向けた作品かで「心が動くポイント」が変わります。4つの向きごとに、よくある形と、外し方、台詞例をまとめました。
台詞は「心の距離」の順に4段階で並べています。表の顔 → ほころび(素が一瞬見える)→ 信頼した相手だけ → 独りの時。天邪鬼キャラは、表の顔で反射的に逆を返し、ほころびで本心が言葉の端からこぼれ、信頼した相手には逆を言ってしまう理由を、独りの時には言えなかった本当の返事を明かしています。話し方は口振カルテで調整できます。
下に行くほど心の距離が近づきます。同じ人物の4つの顔として読んでください。
自分のキャラクターの顔を置くと、下の台詞をその子が話しているように読めます。
性分帖の台詞は、自分で作ったキャラクターにどんな口調や性格が合うかを確かめるためのものです。画像と名前はこの端末にだけ保存され、ほかの属性のページでも同じ子が出ます。
ドラッグで位置を動かせます
女性の天邪鬼キャラ
女性の天邪鬼キャラは、ほめられると「お世辞はいい」、誘われると「気が向いたら」と返しながら、結局いちばん先に来ている姿で描かれます。言葉と行動がちぐはぐで、行動のほうに本心が出てしまう。その分かりやすさが魅力です。
- よくある形
- 何を言っても「別に」と返す転校生/頼まれると断るのに、気づくと手伝っている委員/家族にだけ口答えばかりする長女/好きな店をほめられると急に通わなくなる常連
- 外すなら
- 逆を言う癖を本人がよく分かっていて、大事な場面では、わざと反対のことを頼んでもらうよう友達に頼んでいる形にする。または、逆を言う相手がいなくなった時に、初めて本心を言えなくなる形にする
- 気をつけたいこと
- 「女の子は素直じゃない方がかわいい」という理由づけにしないこと。逆を言う理由を一つ決めておくと、その子だけの不器用さとして伝わります
1表の顔人前・ふだん
「似合うって? じゃあ明日は違う髪型にする」
朝の教室で、髪型をほめてくれた友達に、目を合わせずに
2ほころび素が一瞬見える
「行かないって言ったでしょ。……で、何時集合だっけ」
断ったはずの花火大会の前日、友達の話にさりげなく割りこんで
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「小さい頃、欲しいって言った玩具は全部妹のものになったの。だから今は、要らないって先に言う」
帰り道の公園で、ブランコをこぎながら、幼なじみにだけ
4独りの時誰にも見せない本音
「違う髪型にするって言っちゃった。……同じ結び方で、リボンだけ変えれば、嘘にはならないよね」
夜、鏡の前で、昼間と同じように髪を結び直しながら
男性の天邪鬼キャラ
男性の天邪鬼キャラは、みんなが賛成すると一人だけ反対し、頼まれると「やだね」と返す、扱いにくい人として描かれます。それでも、本当に困っている人がいると、文句を言いながら誰より先に動く。口と手が逆を向いているところに、人柄が出ます。
- よくある形
- 会議で必ず反対意見を出す同僚/「やめとけ」と言われた道ばかり選ぶ冒険者/先生の言うことに一つずつ言い返す生徒/家族の誘いを断って、あとから一人で同じ場所に行く息子
- 外すなら
- 彼の反対意見が、実はみんなの見落としを拾う役目になっている形にする。または、何でも逆を言う彼が、一度だけ誰よりはっきり賛成する場面を作る
- 気をつけたいこと
- 反対することを、周りを見下す理由にしないこと。逆を言ったあとに手は貸す、という一点があると、ひねくれていても信頼される人になります
1表の顔人前・ふだん
「全員賛成? じゃあ俺は反対。理由は今から考える」
文化祭の出し物が決まりかけた教室で、頬づえをついたまま手を挙げて
2ほころび素が一瞬見える
「手伝わないって言ったろ。これは、たまたま通りかかっただけだ」
放課後、一人で看板を塗っている同級生の隣で、黙って刷毛を手に取りながら
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「言われた通りにやって失敗したら、言われたせいにしそうでさ。それが嫌なんだ」
屋上で、反対ばかりする理由を聞いてきた親友に、空を見たまま
4独りの時誰にも見せない本音
「反対した看板、結局いちばん塗ったの俺じゃないか。……誰かに言われる前に、塗り直しとくか」
文化祭の夜、片づけの終わった教室で、一人で看板を見上げて
女性向け作品の男性天邪鬼キャラ
女性向けでは、主人公の言うことにいちいち反対しながら、主人公が本当に望んでいることだけは、黙って叶えてくれる男性が人気です。口では逆を言うのに、行動はいつも主人公の味方。その本心を、主人公だけが読み解けるようになっていく過程に、ときめきが生まれます。
- よくある形
- 主人公の提案を毎回はね返す生徒会の副会長/「来るな」と言って、いつも迎えに来ている幼なじみ/主人公の作品をけなすのに、誰より細かく覚えている先輩/命令には逆らうのに、主人公の頼みだけは聞いてしまう従者
- 外すなら
- 主人公が逆を見越して頼むようになり、彼がそれに気づいて、照れながらも乗ってくる形にする。または、彼が主人公にだけは逆を言えなくなり、困ってしまう形にする
- 気をつけたいこと
- 逆らう態度を、主人公の意見を無視したり、行動を縛ったりする理由にしないこと。主人公が嫌だと言えば、彼が引ける関係にしておくと、安心してときめけます
1表の顔人前・ふだん
「その案は却下。ほかの奴に頼め。……どうせ俺がやることになるんだろうけど」
生徒会室で、主人公が出した企画書を机に戻しながら
2ほころび素が一瞬見える
「帰らないのか。……じゃあ俺も帰らない。別に待ってるわけじゃない。雨を見てるだけだ」
急な雨の放課後、昇降口で待っていたことを隠しきれずに
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「お前に反対すると、ちゃんとこっちを見て言い返してくるだろ。それが、ちょっと楽しい」
夕方の帰り道、主人公に「なんでいつも反対するの」と聞かれて
4独りの時誰にも見せない本音
「『条件つきで通す』。これなら、却下した手前も立つ。……条件は、何にしよう」
夜、自分の部屋で、却下したはずの企画書の写しを広げて
男性向け作品の女性天邪鬼キャラ
男性向けでは、主人公の誘いを毎回断るふりをしながら、いつの間にか隣にいるヒロインが描かれます。口では反対ばかりなのに、主人公がいなくなると調子が出ない。主人公が「逆を言う理由」に気づいた時、関係が一気に近づきます。
- よくある形
- 何を誘っても「やだ」と言う隣の席の子/主人公の好きなものを全部けなす幼なじみ/「来なくていい」と言いながら席を取っておく部活の先輩/主人公の意見にだけ必ず反対する生徒会長
- 外すなら
- 主人公が「来なくていいよ」と逆に言ってみると、慌てて本心を言ってしまう形にする。または、彼女が主人公の前でだけ逆を言わなくなり、それを自分でも不思議がる形にする
- 気をつけたいこと
- 「嫌がっているのは本当は好きだから」と決めつけて、主人公が彼女の「嫌」を無視する流れにしないこと。本当に嫌な時は、逆ではなくはっきり言える子にしておくと、安心して見ていられます
1表の顔人前・ふだん
「一緒に帰る? やだ。……あんたが先に歩くなら、後ろを歩いてあげる」
放課後の昇降口で、靴を履きかえながら、主人公のほうを見ずに
2ほころび素が一瞬見える
「そのゲーム、つまらないって言ったよね。で、続きはいつやるの」
主人公の部屋で、けなしたはずのゲームのコントローラーを離さずに
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「あんたが『来なくていい』って言うから、来たくなるんでしょ。分かってて言ってる?」
試合の日、来ないと言っていた観客席から手を振ったあとで
4独りの時誰にも見せない本音
「『明日も後ろ歩いてあげる』。……送信しない。これじゃ、いつもと同じだ」
夜、ベッドの上で、主人公とのトーク画面を開いたまま
天邪鬼キャラを書く時のコツと避けたいこと
コツ
- 逆らう理由を一つ決める:喜んで取り上げられるのが怖い、言いなりになりたくない、期待して傷つきたくない。理由が決まると、逆を言う場面と言わない場面が自然に分かれます
- 言葉と行動をずらす:「行かない」と言って来る、「やらない」と言って手を貸す。口は逆でも行動に本心が出ると、読者は安心して見ていられます
- 逆を見越して動かす人を置く:反対のことを頼んで動かす友達や、逆を言われても笑って受け流す人がいると、天邪鬼の扱いにくさが、温かい掛け合いに変わります
- 逆を言えない場面を作る:誰も何も言わない時、相手が本当に弱っている時、逆を返す相手がいなくなった時。本心しか残らない瞬間が、いちばんの見せ場です
逆らう理由で変わる見せ方
| 逆らう理由 | どう見えるか | 揺らす出来事 |
|---|---|---|
| 本心を見せるのが恥ずかしい | 照れ屋で、分かりやすい | 本心を先に言い当てられる |
| 期待して傷つきたくない | 冷めていて、どこか寂しそう | 期待を裏切らない人に出会う |
| 言いなりになりたくない | 反骨心が強く、頼もしい | 自分で選んでいい、と任される |
| 逆らうのが楽しい | いたずら好きで、つかみどころがない | 逆を言っても動じない相手が現れる |
避けたいこと
- ただ反対して場を乱すだけの役にすること。本心がどこにあるか、読者に少しは見えるようにしておくと、嫌な人で終わりません
- 「嫌は好きの裏返し」として、相手の本当の拒否まで逆さまに読む流れを、恋愛の定番として描くこと
- 「天邪鬼」を現実の人へのからかいの言葉として使う場面を、軽く扱うこと。辞書でもほめ言葉ではないとされています
- 有名な曲や作品の言い回しを、台詞にそのまま借りること。逆さまの言い方も、そのキャラだけのものを作ると魅力が増します
天邪鬼キャラに合う口調・組み合わせやすい属性
合う口振(口振カルテへ)
天邪鬼キャラは、口振カルテの「素直じゃない」群と相性がよく、逆さまの言い方をどこまで角を立てて言うかで印象が決まります。皮肉で返すのか、照れて突っぱねるのか、短くそっけなく返すのか、自分を下げてかわすのかで、同じ天邪鬼でも違う人になります。
組み合わせやすい属性
天邪鬼に寂しがりを重ねると、構ってほしいのに「放っておいて」と言ってしまう人に。一匹狼なら、群れるのを嫌って逆を言い続けるうちに、本当に一人になってしまった人になります。負けず嫌いを重ねると、相手が正しいと分かっていても認められない人に。ツッコミ役なら、何にでも逆から切りこむ鋭さが笑いになり、内弁慶なら、家族にだけ逆ばかり言う人に、ミステリアスなら、逆さまの言葉で本心を隠し続ける人になります。
ぶつかりやすい属性(あえて使うと面白い)
素直クールや陽キャとは、関係性で並べると引き立ちます。思ったことをそのまま言う素直クールは、天邪鬼の逆さまの言葉を真に受けず、本心だけを淡々と言い当ててしまいます。陽キャは、何度突っぱねられても気にせず笑って輪に入れてくるので、天邪鬼のほうが逆を言う理由をなくしていきます。
天邪鬼の歴史
天邪鬼は、神話や仏像、昔話の鬼から、人の性格を指す言葉へと移ってきた、とても古い言葉です。ここでは、主な出来事をまとめます。
年表を開く
『古事記』『日本書紀』に、人の心を探る女神、天探女が登場します。告げ口をして天の使いを射させたことから、のちに天邪鬼のもとになったと言われます。
宣教師の作った日本語とポルトガル語の辞書に「アマノザコ」が載り、口数が多く出しゃばる者の意味でも説明されます。
浄瑠璃や歌舞伎に「天の邪気」「あまんじゃこ」の形で登場し、1764年の浄瑠璃では、叱りつけてくる隠居の父親を「あまんじゃこ」と呼んでいます。昔話の「瓜子姫」では、姫になりすます悪役として語られました。
夏目漱石の短編で、鶏の鳴きまねをして女を谷へ落とすものとして、天邪鬼が描かれます。
特撮ヒーロー番組に、人々を意地悪にして騒ぎを起こす妖怪として登場します。妖怪としての天邪鬼は、今もゲームや漫画の敵役で活躍しています。
心にもない悪態をついては落ちこむヒロインの漫画が連載され、アニメになります。作中の「ツンデレならぬツンしゅん」という評が、逆を言って悔やむ天邪鬼の呼び名として知られました。
「あまのじゃく」と読ませるボーカロイド曲『天ノ弱』が公開されます。本当のことを言葉にできない恋の歌として長く聴かれ、2026年に公開15周年を迎えました。
青春を斜めから見る、ひねくれ者の男子高校生を主人公にしたライトノベルが刊行され、アニメになります。斜に構えた主人公は、ライトノベルの読者から3年続けて高い支持を集めました。
働く女性向けの媒体の調査で、30〜49歳の働く母親117人のうち13.7%が「周りにあまのじゃくな人がいる」と答えています。
今の天邪鬼キャラのイメージ
- 鬼から性格の言葉へ:今は、妖怪の名前より、人の性格を指す使い方がほとんどです。辞書でも、性格の意味が先に載るようになっています
- ほめ言葉ではないが、愛嬌にもなる:人に向けて使うと、ほめ言葉にはなりません。一方で、自分のことを「あまのじゃくだから」と笑って言う、親しみのある使い方も広く見られます
- ツンデレと重なる形:冷たくあしらいながら何だかんだ優しい、「本音と行動が逆」の人も天邪鬼と呼ばれます。創作では、好きな人への態度だけが逆の天邪鬼は、ツンデレとして描かれることが多くなります
- 恋愛では好き避けと結びつく:好きな人を避ける、冷たく当たる、目が合うとそらす。恋では、こうした「好き避け」が天邪鬼な人の特徴になります
- ひねくれ者の主人公:斜に構えて屁理屈を言いながら、困っている人を見捨てない主人公が人気を集めてきました。逆を言う口と、ほうっておけない手の落差が、今の天邪鬼キャラの魅力の中心です
- 妖怪としての天邪鬼も健在:ゲームや漫画では、人の心を読んでいたずらをする妖怪や、何でもひっくり返そうとする敵役として、もとの鬼の姿のまま登場し続けています
- 2025〜2026年に人気の作品では:オーエン(『魔法使いの約束』)や夏沢朔(『薫る花は凛と咲く』)のように、意地悪な物言いの裏側まで好かれる形が人気です
よくある質問
天邪鬼キャラとはどういう意味ですか?
本心では賛成していたりうれしかったりするのに、言われたことや期待されたことの逆を、わざと口にしたり選んだりしてしまうキャラクターのことです。辞書では「わざと人に逆らう言動をする人」とされ、ひねくれ者、つむじ曲がりと言い換えられます。
天邪鬼とツンデレの違いは何ですか?
ツンデレは、好きな相手の前でだけ冷たい態度をとる人です。天邪鬼は、好きな相手に限らず、頼みごとや誘い、多数派の意見など、言われたことに何でも逆を返す人です。ツンデレは好きな人にだけ逆、天邪鬼は言われた瞬間に逆へ行く、と覚えると分けやすくなります。
天邪鬼の語源は何ですか?
説がいくつかあります。よく挙げられるのは、『古事記』『日本書紀』に出てくる女神、天探女です。人の心を探り、告げ口をしたことから「天の邪魔をする鬼」になったと言われます。仏像に踏みつけられている小鬼や、昔話「瓜子姫」の悪役も天邪鬼と呼ばれます。
天邪鬼と意地っ張りの違いは何ですか?
意地っ張りは、一度言ったことをあとから引っ込められない人です。天邪鬼は、言われた瞬間に逆を返す人です。意地っ張りはたいてい張り合う相手がいて生まれ、天邪鬼は相手を選ばず、頼みごとにも誘いにも逆を返します。
天邪鬼は悪口ですか?
ほめ言葉ではないので、人に面と向かって使う時は注意が必要です。ただ、自分のことを「あまのじゃくだから」と言うように、親しみをこめた使い方も多くあります。キャラクターの属性としては、本心と逆を言ってしまう不器用さを表す言葉として使われます。
天邪鬼の対義語は何ですか?
「素直」が対義語としてよく挙げられます。ほかに「率直」も対になる言葉です。キャラクターでは、思ったことをそのまま言う素直クールが、天邪鬼といちばん反対の位置にいます。
天邪鬼キャラを嫌な人にしないコツは?
逆らう理由を一つ決め、言葉と行動をずらすことです。「行かない」と言って来る、「手伝わない」と言って手を貸す。行動に本心が出ていると、口が逆さまでも、不器用で憎めない人として伝わります。
次に読む
参考にした資料
- コトバンク「天の邪鬼」(デジタル大辞泉:わざと人に逆らう言動をする人、民間説話の鬼、仏像の小鬼、類語)
- コトバンク「天邪鬼」(日本国語大辞典:1714年・1764年の用例/日本大百科全書:瓜子姫、日葡辞書、天探女、海若)
- Weblio辞書「天邪鬼」(実用日本語表現辞典:本心とは逆の行動や言動を取ってしまう人、類語、恋愛での使い方)
- Wikipedia(日本語版)「天邪鬼」(天探女の伝承、仏教の邪鬼、各地の伝承、現代の意味、特撮作品)
- Wikipedia(英語版)「Amanojaku」(contrarian の意味、創作での登場)
- ピクシブ百科事典「天邪鬼」(人の性格の部類、「本音と行動が逆になってる」人、関連タグ)
- ニコニコ大百科「天邪鬼」(ひねくれ者や素直じゃない人、創作での登場)
- 和楽web 天邪鬼の由来についての記事(瓜子姫、夏目漱石『夢十夜』第五夜、天探女)
- マンガペディア「デレ」属性についての記事(2017年、ツンデレを大まかに「天邪鬼」と言い表す説明)
- Oggi.jp「天邪鬼」の意味と特徴についての記事(2023年7月11日、語源、褒め言葉ではないこと)
- Oggi.jp「あまのじゃく」になる理由と直し方についての記事(2024年7月4日、働く母親117人の調査、恋愛の傾向)
- Smartlog 天邪鬼な人の特徴についての記事(2026年4月11日、心理と恋愛の傾向)
- マイナビニュース 天邪鬼の意味とつき合い方についての記事(2021年、類語・対義語・英語表現)
- @DIME 天の邪鬼の意味と特徴についての記事(由来、性格と行動)
- Wikipedia(日本語版)「妖狐×僕SS」(2009年連載開始、2012年アニメ、白鬼院凜々蝶と「ツンしゅん」)
- Wikipedia(日本語版)「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」(2011年刊行開始、アニメ、比企谷八幡、人気投票)
- ピクシブ百科事典「鬼人正邪」(種族が天邪鬼、命令に従わない性格)
- 電ファミニコゲーマー『天ノ弱』投稿15周年の記事(2026年5月28日、読みは「あまのじゃく」)

