サザノノ 性分帖。 > 表と裏 > ミステリアス
ミステリアスキャラとは、自分の過去や本心をあまり明かさず、「この人には何かある」と周りに感じさせる、謎めいた雰囲気のキャラクターのことです。
要点
- 英語の「mysterious」から来た言葉で、もとをたどると「閉じる」という意味のギリシャ語に行き着きます。口を閉じる、あるいは目を閉じる、が語源と考えられています
- 見分ける条件は3つ。自分のことを明かさない・何か隠していると感じさせる・それが人を惹きつける
- クールは「温度が低い」、無口は「口数が少ない」、不思議ちゃんは「考えが独特」。ミステリアスの中心は見えない部分があることです
- 本当に大きな秘密を抱えている場合も、話さないだけで中身は意外と普通の場合もあり、その差がキャラ作りの分かれ道になります
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ミステリアスの意味と語源
ミステリアスは、英語の「mysterious」をそのまま使った言葉で、「不可思議な」「神秘的な」という意味です。人に使う時は、何を考えているのか、どんな過去があるのかが見えず、もっと知りたくなる雰囲気を持った人を指します。
英語の「mysterious」は1610年代から使われている言葉で、「mystery(謎・秘密)」がもとになっています。さらにさかのぼると、古代ギリシャ語の「ミュステーリオン」に行き着きます。これは、入門した人にしか明かされない秘密の儀式のことでした。その語源の「ミュエイン」は「閉じる」という意味で、秘密を守るために口を閉じること、あるいは入門者以外は目を閉じていなければならなかったことを指す、と考えられています。
「閉じている」ことが謎を生む。この語源は、ミステリアスキャラの作り方そのものをよく表しています。何を見せるかより、何を見せないかを決めることが、この属性の中心です。
ミステリアスキャラかどうかの見分け方
「口数の少ないキャラ」や「クールなキャラ」が全部ミステリアスになるわけではありません。ミステリアスと呼べるのは、次の3つがそろった時です。
- 自分のことを明かさない:過去、家族、本心、休日の過ごし方など、ふつうなら話すようなことを話さない、あるいははぐらかす
- 何か隠していると感じさせる:ふとした一言や、知っているはずのない知識、遠くを見る目などから、見えない部分があると周りが感じる
- それが人を惹きつける:怖さや近寄りがたさだけでなく、「もっと知りたい」という気持ちを周りに起こさせる
クール・無口・不思議ちゃんとの違い
4つとも「何を考えているか分かりにくい」と言われやすい属性ですが、分かりにくさの理由が違います。ミステリアスは、見せていない部分があることそのものが魅力の中心です。
| ミステリアス | クール | 無口 | 不思議ちゃん | |
|---|---|---|---|---|
| 分かりにくい理由 | 明かしていない部分がある | 感情を表に出さない | 言葉が少ない | 考え方が独特 |
| 話し方 | はぐらかす・意味ありげ | 落ち着いていて短い | ほとんど話さない | 突拍子もない |
| 周りの気持ち | もっと知りたい | かっこいい・近寄りがたい | 何を考えているんだろう | 面白い・驚く |
| 心を開くと | 隠していた一部を見せてくれる | 温かさが見える | 少しずつ話してくれる | 独特さはそのまま |
同じ「表と裏」の群では、腹黒は企みを、猫かぶりは素の性格を、強がりは弱さを隠します。ミステリアスが隠しているのは、自分自身の情報そのものです。わざと隠している場合も、自然とそうなっている場合もあります。
ミステリアスの型
同じミステリアスでも、隠している中身と、隠し方によっていくつかの型に分かれます。
正体、過去、使命など、本当に大きな秘密を抱えている型です。謎の転校生や、どこからともなく現れた旅人がここに入ります。
自分の話をしないだけで、中身は意外と普通、という型です。好きな食べ物が分かっただけで周りが盛り上がる、というかわいらしさがあります。
質問にははぐらかし、核心に触れると話をそらす型です。笑顔なのに本心が読めず、飄々とした雰囲気になります。たとえば、棗夜鷹(『18TRIP』)がこの型です。
どこか遠くの世界の人のような、神秘的な雰囲気を持つ型です。常識を知らない、時代がずれている、といった小さな違和感が手がかりになります。たとえば、N(『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』)がこの型です。
相手の興味を引くために、あえて自分を見せない型です。いわゆる「魔性」と呼ばれる人物も、ここに入ります。
ミステリアスキャラの作り方と台詞例
同じミステリアスでも、キャラの性別や、誰に向けた作品かで「惹かれるポイント」が変わります。4つの向きごとに、よくある形と、外し方、台詞例をまとめました。
台詞は「心の距離」の順に4段階で並べています。表の顔 → ほころび(素が一瞬見える)→ 信頼した相手だけ → 独りの時。ミステリアスでは、「ほころび」の段で、隠している部分の端がちらりと見える瞬間を書いています。話し方は口振カルテで調整できます。
下に行くほど心の距離が近づきます。同じ人物の4つの顔として読んでください。
自分のキャラクターの顔を置くと、下の台詞をその子が話しているように読めます。
性分帖の台詞は、自分で作ったキャラクターにどんな口調や性格が合うかを確かめるためのものです。画像と名前はこの端末にだけ保存され、ほかの属性のページでも同じ子が出ます。
ドラッグで位置を動かせます
女性のミステリアスキャラ
聞き役に回り、自分の話はほとんどしない。一人で行動していて、休日に何をしているのか誰も知らない。そんな「全部を見せない」ところが、周りの興味を引きつけるタイプです。
- よくある形
- 素性の知れない転校生/いつも同じ席で本を読んでいる先輩/町はずれの店の店主/占い師や巫女のように、見えないものを見ている人
- 外すなら
- 謎めいて見えていたのは、本人が人見知りなだけだった、という形にする。または、彼女の秘密を知る人物が、主人公以外にもう一人いる形にする
- 気をつけたいこと
- 謎を、ただの雰囲気づくりで終わらせないこと。隠している中身を作者が決めておくと、ふとした一言に重みが出ます
1表の顔人前・ふだん
「さあ、どうだろう。当ててみて」
前はどこに住んでいたのかと聞かれて、本から目を上げずに
2ほころび素が一瞬見える
「……雨の匂いがする。こういう日は、少しだけ昔を思い出すの」
窓の外を見たまま、誰に言うでもなく
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「誰にも話したことないんだけどね。私、本当はこの町の人間じゃないの」
誰もいない放課後の図書室で、本を閉じて
4独りの時誰にも見せない本音
「今日も、ちゃんとただのクラスメイトでいられた」
帰り道、誰にも見えない角を曲がってから、小さく息をついて
男性のミステリアスキャラ
ふらりと現れて、名前も目的も語らない。それでいて、いざという時には誰より頼りになる。そんな「素性の知れない強さ」で魅せる形が多いタイプです。
- よくある形
- 名前を名乗らない旅の剣士/どこにでも顔がきく情報屋/過去を語らない喫茶店のマスター/転校初日から何かを知っている同級生
- 外すなら
- 謎の正体が、拍子抜けするほど身近なものだった形にする(実は主人公の親戚だった、など)。または、本人も自分の過去を思い出せずにいる形にする
- 気をつけたいこと
- 何も話さないまま、ただ強くて都合のいい助っ人にしないこと。彼にも、守りたいものや迷いがあることを少しずつ見せると、謎が人物の魅力に変わります
1表の顔人前・ふだん
「名前? 好きに呼べばいい」
助けた村人に礼を言われて、振り返りもせずに
2ほころび素が一瞬見える
「……その歌、どこで覚えた?」
子どもの口ずさむ歌に、思わず足を止めて
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「あの歌。……お前が口ずさんでたやつだ。俺の故郷で、葬式の時に歌う」
焚き火の向こうで、初めて自分から口を開いて
4独りの時誰にも見せない本音
「あと何度、名前を変えればいいんだろうな」
宿の窓辺で、古い手紙の差出人の名前を指でなぞって
女性向け作品の男性ミステリアス
女性向けでは、自分のことを語らない男性が、主人公にだけ少しずつ心を開いていく形が強く好まれます。誰も知らない彼の一面を、自分だけが知っている。その特別感が、ときめきの中心です。
- よくある形
- 素性を明かさない美しい青年/過去に何かあったらしい年上の上司/夜にだけ会える不思議な人/主人公のことを昔から知っているような口ぶりの転校生
- 外すなら
- 主人公のほうが謎めいていて、彼のほうが知りたがる、という逆の形にする。または、彼の秘密を、主人公が先に知ってしまう形にする
- 気をつけたいこと
- 隠しごとを理由に、主人公を振り回したり不安にさせ続けたりしないこと。話せないことはあっても、主人公を大切に思っていることは伝わるようにすると、安心して惹かれていけます
1表の顔人前・ふだん
「僕のことを知りたいの? ……物好きだね」
質問を重ねる主人公に、楽しそうに目を細めて
2ほころび素が一瞬見える
「……それ、まだ持っててくれたんだ」
主人公の鞄についた古いお守りを見て、声が少しだけ揺れる
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「君にだけ教える。僕の、本当の名前」
別れ際、主人公の耳元で小さな声で
4独りの時誰にも見せない本音
「お守り、まだ持っててくれた。……あの中に何が入ってるか、いつ言おう」
主人公の帰っていく背中を、見えなくなるまで見送って
男性向け作品の女性ミステリアス
男性向けでは、過去が分からない謎の少女が主人公の前に現れ、物語を動かしていく形が定番です。英語圏の創作でも、過去を語らず、どこか不思議で、主人公を冒険へ引き込む少女が一つの型として整理されています。守りたくなる気持ちと、知りたい気持ちが同時に生まれるところが魅力です。
- よくある形
- 空から落ちてきた記憶のない少女/主人公の家に突然住み着いた不思議な同居人/いつも屋上にいる名前を知らない先輩/未来から来たらしい転校生
- 外すなら
- 守られる側に見えた彼女が、実は主人公を守るために来ていた形にする。または、謎がすべて解けたあとも、彼女がそのまま日常に残る形にする
- 気をつけたいこと
- 彼女を、物語を動かすための道具だけにしないこと。好きなもの、怖いもの、望んでいることを少しずつ見せると、謎の少女から一人の人物になります
1表の顔人前・ふだん
「あなた、いつもこの時間の電車だよね。……ううん、初めて会ったよ。今日は」
初めて会ったはずの夕暮れの駅で、まっすぐに主人公を見て
2ほころび素が一瞬見える
「ねえ、人って、毎日同じ場所に帰るものなの?」
当たり前のことを、真剣な顔で聞いてくる
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「私の記憶は、あの日で止まってるの。でも、あなたといる今のことは、ちゃんと覚えていたい」
初めて見た海を前に、主人公の袖をつかんで
4独りの時誰にも見せない本音
「この灯り、消すのは三十一回目。……数えるの、やめられない」
眠る主人公の部屋の灯りを、そっと消しながら
ミステリアスを書く時のコツと避けたいこと
コツ
- 隠している中身を作者が決めておく:読み手に明かすのは最後でも、作者は最初から知っておきます。中身が決まっていると、何気ない一言や行動にぶれがなくなります
- 見せる順番を決める:好きな食べ物、昔住んでいた場所、家族のこと、そして核心。小さな情報から少しずつ明かすと、読み手が追いかけたくなります
- 手がかりを小さく置く:知っているはずのない知識、ある言葉への反応、持ち物、遠くを見る目。説明せずに置いておくと、読み手が勝手に想像をふくらませてくれます
- 人間らしい一面を混ぜる:甘いものが好き、方向音痴、動物に弱い。謎の中にふつうの一面があると、近寄りがたさが親しみに変わります
避けたいこと
- 謎を引っぱるだけ引っぱって、最後まで何も明かさないこと。少なくとも一部は、物語の中で受け止められる形で明かします
- 謎の中身が、それまでの雰囲気に比べて軽すぎる、または重すぎること。手がかりと中身の重さをそろえます
- 意味ありげな台詞ばかりにして、会話が成り立たなくなること。ふつうに答える場面があってこそ、はぐらかす場面が生きます
- 笑わない、反応しないだけで謎めかせようとすること。表情は少なくても、心が動いている瞬間は描きます
ミステリアスに合う口調・組み合わせやすい属性
合う口振(口振カルテへ)
口振カルテには、同じ名前の「ミステリアス」の口振があります。静かに語る、はぐらかして笑う、など、どんな隠し方をするかで口振を選びます。
組み合わせやすい属性
ぶつかりやすい属性(あえて使うと面白い)
素直クールは、思ったことをそのまま口にする属性なので、明かさないことが魅力のミステリアスとは一人に重ねにくい組み合わせです。ただし関係性で並べると、「あなたのことが知りたい」とまっすぐに言える相手が、謎の扉をいちばん簡単に開けてしまう、という二人になります。
「謎めいた人物」の歴史
ここでは、語源と、物語の中の謎めいた人物の流れをまとめます。
年表を開く
「ミュステーリオン」は、入門した人にしか明かされない秘密の儀式や教えのことでした。語源の「ミュエイン」は「閉じる」という意味です。
英語の「mysterious」が使われ始めます。「謎に満ちた、明かされていない」という意味の言葉です。
眉村卓のジュブナイル小説『なぞの転校生』が刊行されます。美しく、なんでもできるのに謎めいた転校生が、ある秘密を抱えている物語で、1975年にはNHKの少年ドラマシリーズでドラマ化され、人気を集めました。
英語圏の創作でも、素性の知れない人物や、過去を語らない不思議な少女は、主人公を物語へ引き込む定番の型です。日本でも「謎の転校生」「謎の美少女」は、学園ものや冒険ものの定番になりました。
恋愛の場面でも「ミステリアスな人はモテる」と言われ、魔性の女や雰囲気イケメンを語る時にも、ミステリアスな雰囲気が魅力として挙げられます。
今のミステリアスのイメージ
- 「もっと知りたい」と思わせる魅力:すべてをさらけ出さない人は、相手に「この人のことを知りたい」という気持ちを起こさせます
- 男女どちらにも使われる:女性なら聞き役で自分の話をしない人、男性なら過去を語らない雰囲気のある人、という形でどちらにも使われます
- やりすぎると逆効果:まったく笑わない、反応しないミステリアスは、かえって近寄りがたくなります。謎の中に見える笑顔や優しさが、魅力の決め手です
- 心を開いた相手だけが知る一面:ミステリアスなキャラの物語は、多くの場合「誰か一人にだけ、隠していた部分を見せる」物語です
- 2025〜2026年に人気の作品では:N(『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』)のように長く愛されるキャラや、棗夜鷹(『18TRIP』)のような何を考えているか分からない大人がいます
よくある質問
ミステリアスの意味は?
英語の「mysterious」から来た言葉で、「不可思議な」「神秘的な」という意味です。人に使う時は、自分の過去や本心をあまり明かさず、「この人には何かある」と感じさせる、謎めいた雰囲気の人を指します。
ミステリアスとクールの違いは何ですか?
クールは、感情を表に出さず落ち着いている性格です。ミステリアスは、自分のことを明かさず、見えない部分があることが魅力の中心です。クールでミステリアスなキャラも多く描かれます。
ミステリアスと不思議ちゃんの違いは何ですか?
不思議ちゃんは、考え方や反応が独特で、周りを驚かせる人です。ミステリアスは、何かを隠しているように見えるから分かりにくい人です。不思議ちゃんは隠しているわけではない点が違います。
ミステリアスな人はなぜモテるのですか?
全部を見せない人には、「もっと知りたい」という気持ちが生まれやすいからです。想像の余地が残るぶん、会うたびに新しい一面が見つかるように感じられ、それが相手を引きつけます。
ミステリアスなキャラはどうやって作ればいいですか?
隠している中身を作者が先に決めることが出発点です。そのうえで、ふつうの話題にはふつうに答えさせ、核心に触れる話題だけをはぐらかす、と線を引いておきます。何でもはぐらかす人は謎めいて見えず、会話が成り立たない人に見えてしまいます。
ミステリアスの語源は?
英語の「mysterious」は「mystery(謎・秘密)」がもとで、さらにさかのぼると古代ギリシャ語の「ミュステーリオン(秘密の儀式)」に行き着きます。その語源は「閉じる」という意味の言葉で、口を閉じること、または目を閉じることを指すと考えられています。
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参考にした資料
- Online Etymology Dictionary「mysterious」(1610年代、mystery・ギリシャ語の語源)
- Oggi.jp(ミステリアスな女性についての記事)(意味、聞き役で自分の話をしないなどの特徴)
- Oggi.jp「なぜか惹かれる『ミステリアスな人』とは?」(男女の特徴、2023年7月8日)
- Smartlog「ミステリアスな男はモテる!」(雰囲気イケメン、笑顔の大切さ)
- ライブドアニュース(ミステリアスな女性がモテる理由についての記事)(もっと知りたくなる心理)
- ゼクシィ恋結び(魔性の女についての記事)(ミステリアスなオーラ)
- 『なぞの転校生』の項目(1967年刊行、連載時期)・講談社『なぞの転校生』(1970年代のドラマ化)
- TV Tropes「Mysterious Waif」(英語圏での型の整理)

