サザノノ 性分帖。 > 見た目 > 男装麗人
男装麗人とは、男性の装いをした美しい女性のキャラクターのことです。「男装の麗人」とも言います。家を継ぐため、正体を隠すため、舞台に立つため、ただ好きだからと理由はさまざまで、凛々しい装いと、その奥にある素顔の落差が魅力になります。
要点
- 「麗人」は容姿の美しい女性のこと。「男装の麗人」は、1933年に評判になった村松梢風の小説の題名で使われたのが最初とされ、のちに宝塚歌劇などの男役スターの呼び名として定着しました
- 見分ける条件は3つ。男性の装いをしている・その姿が凛々しく美しい・装う理由がその人の物語になっている
- 王子様は振る舞いと慕われ方、中性的は顔立ちと雰囲気、ボクっ娘は一人称の言葉です。男装麗人は装いの言葉なので、一人称が「私」でも、物腰がやわらかくても成り立ちます
- 男性が女性の装いをする女装男子や男の娘とは、向きが反対です。物語では、家を継ぐために男として育った人、正体を隠して男たちの中に入る人、舞台の男役を目指す人がよく描かれます
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男装麗人の意味と語源
「麗人」は、デジタル大辞泉で「容姿の美しい女性」とされる言葉で、用例に「男装の麗人」が挙がっています。作家の村松梢風が、川島芳子を主人公にした小説の題名でこの言葉を使ったのが最初とされ、小説は1933年に評判になりました。1930年代の少女歌劇では、ショートカットにタキシード姿の水の江滝子が「男装の麗人」として人気を集め、この呼び名は宝塚歌劇などの男役スターに定着していきます。
物語の男装はもっと古く、平安時代後期の『とりかへばや物語』には若君として育てられる姫君が、シェイクスピアの『十二夜』には身を守るために男装する娘が登場します。漫画では『リボンの騎士』『ベルサイユのばら』を経て、少女漫画の大切な主人公像になりました。性分帖では、男性の装いをした美しい女性を男装麗人、凛々しい振る舞いで慕われる女性を王子様(王子様系女子)として分けています。二つは重なることが多いものの、男装しない王子様も、王子様らしく振る舞わない男装麗人もいます。
男装麗人は、装いから生まれる印象の属性なので、見た目の群に入れています。男装は装いの選び方で、本人の性自認や恋愛の相手を決める言葉ではありません。トランスジェンダーの人の在り方とも別のものとして扱います。凛々しい装いと、それを選んだ理由、そして装いの奥の素顔。この3つが魅力の中心です。
男装麗人キャラかどうかの見分け方
男物の服を着た女性キャラが、みんな男装麗人というわけではありません。男装麗人と呼べるのは、次の3つがそろった時です。
- 男性の装いをしている:軍服、詰め襟、燕尾服、男子の制服など、はっきり男性の服を着ています。一時の変装でも、ふだんからの装いでもかまいません
- その姿が凛々しく美しい:「麗人」の名のとおり、男装した姿に見とれるような美しさがあります。似合わない男装なら、別の描き方になります
- 装う理由がその人の物語になっている:家を継ぐ、身を守る、正体を隠す、舞台に立つ、好きだから。なぜ男装しているのかが、その人の生き方につながっています
男装麗人と王子様の違い・中性的・ボクっ娘・女装男子との違い
男装麗人といちばん比べられるのは、同じ宝塚の男役の流れにいる王子様です。混ざりやすいのは、顔立ちの印象の中性的と、一人称のボクっ娘。向きが反対なのが女装男子です。
| 男装麗人 | 王子様 | 中性的 | ボクっ娘 | 女装男子 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 何についての言葉か | 男性の装いをした女性 | 振る舞いと立ち位置 | 顔立ちと雰囲気の印象 | 一人称(ボク) | 理由のある女装(男性) |
| 装い | 男性の服 | 問わない | 問わない | 問わない | 女性の服 |
| 周りの反応 | 見とれる、正体に驚く | 慕う、特別扱いする | 一瞬迷う | 覚える、気になる | 笑う、だまされる |
| 見どころ | 凛々しさの奥の素顔 | 手を差し出す品のよさ | どちらとも言えない美しさ | 一人称に込めたいきさつ | 化けた時の騒動 |
男装麗人と王子様を分けるなら、男装麗人は「何を着ているか」、王子様は「どう振る舞い、どう慕われるか」です。男装麗人が王子様のように慕われれば、二つを重ねた形になります。中性的は服を替えなくても生まれる印象で、中性的な顔立ちの人が男装すると、見破られにくい男装麗人になります。ボクっ娘は言葉の属性なので、一人称を「僕」にすると男装の印象がいっそう強まります。
「男装」「男役」「ボーイッシュ」「王子様系女子」との違い
男装麗人のそばには、似た言葉がいくつかあります。違いは、行為なのか、舞台の役どころなのか、雰囲気なのか、振る舞いなのかです。
| 男装 | 男役 | ボーイッシュ | 王子様系女子 | |
|---|---|---|---|---|
| どんな言葉か | 女性が男性の姿をすること | 宝塚歌劇などで男性の役を演じる女性 | 女性が少年のように見えること | 凛々しく、女の子たちから慕われる女性 |
| 何についての言葉か | 服装(行為) | 舞台の役どころ | 見た目の雰囲気 | 振る舞いと慕われ方 |
| 男装麗人との関係 | 男装麗人は、美しく凛々しい男装の姿 | 男装麗人の呼び名が定着した場 | 服は女性物でもよい | 男装しなくても使う言葉 |
男装麗人キャラの型
男装麗人は、なぜ男装しているのかと、そのことを誰が知っているかで型が分かれます。家のために男として育った人から、好きで男物を着こなす人まで、よく描かれる型を並べました。
跡継ぎの男子がいない家で、男として育てられた型です。剣や学問を身につけ、周りからも頼られますが、選ばなかったもう一つの生き方が心の奥に残っています。たとえば、オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ(『ベルサイユのばら』)がこの型です。
女性が位を継げない国で、王子として育てられた王女の型です。王子の務めと、素顔の自分のあいだで揺れることが物語になります。たとえば、サファイア(『リボンの騎士』)がこの型です。
戦に出られない家族の代わりに、髪を切って兵になる型です。ばれたら罰を受ける緊張の中で、男たちと肩を並べて強くなっていきます。たとえば、ムーラン(『ムーラン』)がこの型です。
憧れの人の近くにいるために、性別を偽って男子校や男だけの場所へ入る型です。ばれないかという緊張と、そばにいられる喜びが同時にあります。たとえば、芦屋瑞稀(『花ざかりの君たちへ』)がこの型です。
男子に間違われたのをきっかけに、そのまま男子として扱われる型です。本人は性別にこだわらず、周りのほうが慌てたり、気を使ったりします。たとえば、藤岡ハルヒ(『桜蘭高校ホスト部』)がこの型です。
旅の途中や見知らぬ土地で、身の安全のために男装して暮らす型です。男として仕える相手に恋をすると、気持ちを打ち明けられない苦しさが生まれます。たとえば、ヴァイオラ(シェイクスピア『十二夜』)がこの型です。
歌劇の男役に憧れ、舞台の上で男性を演じることを目指す型です。背の高さや声の低さを生かし、稽古で男役の所作を身につけていきます。たとえば、渡辺さらさ(『かげきしょうじょ!!』)がこの型です。
誰かのためでも隠すためでもなく、男物の服がいちばん似合うと知っていて着こなす型です。理由を聞かれても「好きだから」で済むところに、軽やかさがあります。
男装麗人キャラの作り方と台詞例
男装麗人は、男装を始めた理由と、それを自分で選んだのか、選ばされたのかを決めると作りやすくなります。同じ軍服でも、自分で選んだ人と、家に着せられた人では、脱ぐ時の顔が違います。
台詞は「心の距離」の順に4段階で並べています。表の顔 → ほころび(素が一瞬見える)→ 信頼した相手だけ → 独りの時。男装麗人は、表の顔では凛々しく役目を果たし、ほころびで装いの下の素顔が一瞬のぞき、信頼した相手には装いを選んだいきさつを話し、独りの時には選ばなかったもう一つの自分と向き合っています。話し方は口振カルテで調整できます。
下に行くほど心の距離が近づきます。同じ人物の4つの顔として読んでください。
自分のキャラクターの顔を置くと、下の台詞をその子が話しているように読めます。
性分帖の台詞は、自分で作ったキャラクターにどんな口調や性格が合うかを確かめるためのものです。画像と名前はこの端末にだけ保存され、ほかの属性のページでも同じ子が出ます。
ドラッグで位置を動かせます
十代までの男装麗人
十代までの男装麗人は、性別を偽って男子校や男子寮に入る子、演劇部や歌劇の学校で男役を目指す子、男子に間違われたまま通している子として描かれます。正体を知る人と知らない人のあいだで、毎日が小さな綱渡りになります。
- よくある形
- 男子寮で暮らす転入生/演劇部の男役を任される子/男子の制服で通う特待生/短い髪で男子に間違われる子
- 外すなら
- 男装している子が、男子の誰より家事や裁縫が得意な形にする。または、正体を隠しているつもりの子に、周りの全員がとっくに気づいている形にする
- 気をつけたいこと
- 正体がばれる場面を、着替えや入浴をのぞかれる形で書かないこと。声や癖、昔の知り合いとの再会など、ほかの手がかりで書きます
1表の顔人前・ふだん
「俺、今日からこの寮の三〇四号室。よろしくな、先輩」
男子寮の玄関で、低めの声を作って
2ほころび素が一瞬見える
「シャンプー、どれ使っても同じだろって。うん、そうだよな、同じだ」
寮の風呂場の前で、手にした小瓶を棚に戻して
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「あの人の隣にいるには、この制服が要る。脱いだら、たぶん二度と会えない」
秘密を知る友人にだけ、屋上で
4独りの時誰にも見せない本音
「本当の名前で手紙を書いた。宛名も書いた。出せないまま、引き出しが重い」
消灯後の寮で、机の明かりを落として
大人の男装麗人
大人の男装麗人は、軍服で部隊を率いる人、家の跡継ぎとして当主を務める人、舞台の男役として客席を沸かせる人として描かれます。長く男の装いで役目を果たしてきた年月と、選ばなかった生き方への思いが、人物の奥行きになります。
- よくある形
- 近衛の部隊を率いる士官/家の跡継ぎとして当主を務める人/歌劇の男役スター/燕尾服で店に立つ支配人
- 外すなら
- 凛々しい当主が、家の外では誰にも気づかれずに女物の服で街を歩く形にする。または、男役の人が私生活でも男物しか着ず、それをとても楽しんでいる形にする
- 気をつけたいこと
- 長く役目を果たしてきた人を、ただ無理をしている人として描かないこと。誇りに思っている部分も一つ持たせると、迷いが深くなります
1表の顔人前・ふだん
「本日の警護は私が指揮を執る。持ち場を離れる者は、先に申し出よ」
式典の前、整列した部下たちに
2ほころび素が一瞬見える
「髪を伸ばしていた頃の絵を、母がまだ飾っているんだ。外してくれと、言えなくてね」
実家の廊下で、古い肖像画の前に立ち止まって
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「家のために着た服だと、ずっと思っていた。あなたの前でだけ、自分で選んだと言える」
二人きりの書斎で、上着の襟をゆるめて
4独りの時誰にも見せない本音
「ドレスで育っていたら、と考えるのはやめた。やめると決めた夜ほど、長い」
灯を落とした部屋で、軍服をたたみながら
女性向け作品の男装麗人
女性向け作品の男装麗人は、主人公が憧れる男役の先輩、正体を隠して男たちの中で戦う主人公、主人公を守る男装の騎士として描かれます。凛々しく見られる人が、一人の相手の前で「私」に戻る瞬間が見どころです。
- よくある形
- 出待ちのファンに手を振る男役/騎士団に紛れこんだ主人公/主人公の護衛を務める男装の剣士/燕尾服で給仕する喫茶の店員
- 外すなら
- 男役の先輩が、主人公の前でだけ高い声で笑う形にする。または、男装の主人公のほうが、相手の男性より頼られてしまう形にする
- 気をつけたいこと
- 主人公の憧れの対象としてだけ置かないこと。稽古の失敗や、役を離れた時の好物など、等身大の顔を一つ描きます
1表の顔人前・ふだん
「今日の舞台、最後まで見てくれてありがとう。帰り道、気をつけてね」
終演後の出待ちで、ファンの子に一礼して
2ほころび素が一瞬見える
「あ、今の声、高かった? 忘れて。今のは役の外の私だから」
主人公に笑われて、咳払いをして
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「客席の百人には王子様でいられる。あなた一人に、私として好きと言うほうが、ずっと怖い」
二人きりの稽古場で、鏡に背を向けて
4独りの時誰にも見せない本音
「男役を降りる日のことを、まだ誰にも聞かれたくない。私自身にも」
衣装の羽根飾りを箱にしまいながら
男性向け作品の男装麗人
男性向け作品の男装麗人は、主人公と同じ部隊や学校で肩を並べる相棒、主人公が男だと思っている親友、凛々しい姿で主人公と剣を競う好敵手として描かれます。男同士のような気安さと、正体に気づく瞬間の落差が魅力になります。
- よくある形
- 主人公と同じ班の小柄な兵/主人公と寮で同室の友人/剣の稽古で主人公を負かす好敵手/旅の途中で道連れになる少年
- 外すなら
- 正体を隠している子より先に、主人公が気づいて黙っている形にする。または、正体を知ったあとも、主人公が変わらず相棒として扱う形にする
- 気をつけたいこと
- 正体が分かった途端に、守られるだけの女の子に変えないこと。肩を並べてきた強さは、明かしたあとも残します
1表の顔人前・ふだん
「おう、遅いぞ。今夜の見張りはおまえと俺だ、寝るなよ」
野営地の焚き火のそばで、主人公に毛布を投げて
2ほころび素が一瞬見える
「声変わり、まだなんだよ。……笑うな、そのうち来る」
主人公にからかわれ、目をそらして
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「戦が終わったら、話したいことがある。おまえが怒っても、黙って聞いてほしい」
出陣前夜、主人公の隣に腰を下ろして
4独りの時誰にも見せない本音
「髪を切った日、もう泣かないと決めた。おまえの隣で笑うたび、決めたことがゆるむ」
短い髪に手をやりながら、一人で川面を見て
男装麗人キャラを書く時のコツと避けたいこと
コツ
- 男装の理由と、選んだ人を決める:自分で選んだのか、家や国に選ばされたのか。選んだ人が誰かで、装いに込めた誇りと重さの割合が決まります
- 正体を知っている人を決める:家族、主君、親友、誰もいない。知っている人の数が、その人が素顔で息をできる場所の広さになります
- 装いの細部で凛々しさを見せる:襟の正し方、剣の佩き方、手袋の外し方。服の名前より、身につける手つきを書くと、男装が板についた人だと伝わります
- 素顔がのぞく小さな癖を一つ持たせる:かわいいものに目が止まる、昔の呼び名に振り向く、高い声で笑ってしまう。装いの下の自分が、一瞬だけ顔を出します
正体を知っている人で変わる見え方
| 知っている人 | どう見えるか | 揺らす出来事 |
|---|---|---|
| 誰も知らない | 孤独、張りつめている | 正体に気づく人が現れる |
| 家族や主君だけ | 務めに忠実、誇り高い | 家の外の誰かに惹かれる |
| 親友一人 | 頼もしい、素顔がかわいい | 親友に秘密を打ち明けられる |
| みんな知っている | 堂々としている、憧れの的 | 男装をやめろと言われる |
避けたいこと
- 男装をやめてドレスを着ることを、物語の「正解」や幸せな結末として決めること
- 装いの理由を書かずに、見た目の凛々しさだけで済ませること。なぜその服を着ているのかが、男装麗人の芯です
- 男装していることを、本人の性自認や恋愛の相手と結びつけて決めつけること
- 「女のくせに」と見下される場面だけで強さを見せること。本人の誇りや、認めてくれる人も一人描きます
男装麗人に合う口調・組み合わせやすい属性
合う口振(口振カルテへ)
男装麗人は見た目の属性なので、口振は「装いに合わせてどんな声で話すか」で選びます。役目のために凛と話すのか、正体を隠して砕けた男の子の口調にするのか。素顔に戻った時の口調も一つ決めておくと、落差が見せ場になります。
組み合わせやすい属性
男装麗人に王子様を重ねると、凛々しい装いと振る舞いで女の子たちから慕われる人になります。騎士や隊長・団長を重ねれば、剣を持って人の上に立つ人に。ボクっ娘を重ねると、言葉まで少年らしい人になり、中性的を重ねれば、誰にも正体を見破られない人になります。秘密主義を重ねると、男装の理由そのものを誰にも話さない人になります。
ぶつかりやすい属性(あえて使うと面白い)
乙女や甘えん坊のような、やわらかさが前に出る属性は、男装麗人とぶつかりやすい属性です。けれど一人に重ねると、凛々しい軍服の奥で恋にときめき、一人の相手にだけ甘える人になり、装いと心の落差がそのまま魅力になります。
「男装の麗人」という言葉の歴史
女性が男性の姿で生きる物語は、古典の時代から書かれてきました。それを「男装の麗人」と呼ぶ言い方は、昭和の初めに生まれたものです。ここでは、主な出来事をまとめます。
年表を開く
『とりかへばや物語』が成立します。快活な姫君が若君として、内気な若君が姫君として育てられる、男女の入れ替わりの物語です。
シェイクスピアの喜劇『十二夜』が書かれたと考えられています。難破して男装した娘ヴァイオラが、公爵に小姓として仕えます。
村松梢風が川島芳子をモデルにした小説『男装の麗人』が評判になります。「男装の麗人」という言葉は、この小説の題名で使われたのが最初とされます。
浅草国際劇場が開場し、少女歌劇の水の江滝子が、ショートカットにタキシード姿の「男装の麗人」として人気の絶頂を迎えます。
手塚治虫『リボンの騎士』の連載が『少女クラブ』で始まります。王子として育てられた王女サファイアが主人公です。
池田理代子『ベルサイユのばら』の連載が『週刊マーガレット』で始まります。後継ぎとして男として育てられたオスカルが描かれました。
劇場アニメ『ベルサイユのばら』が1月31日に公開されます。誕生50周年を記念した完全新作です。
今の男装麗人キャラのイメージ
- 理由が物語になる:男装の理由そのものが、その人の生き方として描かれます。家や国に選ばされた男装と、自分で選んだ男装の違いが、人物の陰影になっています
- 男装しない王子様へ:男装麗人から続く流れは、今は男装を前提にしない「王子様系女子」としても描かれ、凛々しさの表し方が広がっています
- 明かしたあとも対等:正体が明かされたあとも、肩を並べてきた相手と対等なまま、という描き方が好まれています
- 2025〜2026年に人気の作品では:2025年に劇場アニメ『ベルサイユのばら』が公開され、男装して生きる主人公の物語が、新しい世代にもあらためて届いています
よくある質問
男装麗人とはどういう意味ですか?
男性の装いをした美しい女性のキャラクターのことで、「男装の麗人」とも言います。家を継ぐ、正体を隠す、舞台に立つ、好きだからなど理由はさまざまで、その理由が人物の物語になっている点が特徴です。
男装麗人と王子様の違いは何ですか?
男装麗人は「何を着ているか」の言葉で、王子様は「どう振る舞い、どう慕われるか」の言葉です。女子校でスカートのまま後輩に慕われる先輩は王子様で、男子寮に正体を隠して暮らす少女は男装麗人です。両方を重ねた人物もよく描かれます。
男装麗人と女装男子は反対の属性ですか?
装いの向きが反対の属性です。どちらも正体を隠すための装いとして描かれることが多く、ばれるかどうかの緊張は共通しています。女装男子は見た目を問いませんが、男装麗人は「麗人」の名のとおり、美しく凛々しい姿が前提です。
男装麗人の一人称は何がいいですか?
正体を隠しているなら「俺」「僕」、役目として男装しているなら「私」が合います。素顔に戻った時だけ一人称が変わるようにすると、装いと本当の自分の境目が、言葉ではっきり見えます。
男装麗人の正体は、いつ明かせばいいですか?
読み手には最初から明かし、周りの人物にはまだ隠しておく形が書きやすくなります。読み手が秘密を知っていると、ばれそうになる場面ごとに緊張が生まれます。周りに明かすのは、物語の山場に一度だけ置くと効きます。
男装麗人は、女性が好きな女性という意味ですか?
そういう意味はありません。男装は装いの選び方で、誰を好きになるかや、本人が自分の性をどう感じているかとは別に決める設定です。女性に慕われる男装麗人が、男性に恋をする物語も、女性に恋をする物語もあります。
次に読む
参考にした資料
- コトバンク「麗人」(デジタル大辞泉:容姿の美しい女性。美人。用例「男装の麗人」)
- コトバンク「男装の麗人」(村松梢風が川島芳子を主人公にした小説で最初に使ったとされる。1933年に評判。水の江滝子、宝塚歌劇などのスターに定着)
- ピクシブ百科事典「男装の麗人」(男装をした美しい女性。オスカル、サファイアなど)
- Wikipedia(日本語版)「とりかへばや物語」(平安時代後期に成立。女児を若君として育てる)
- Wikipedia(日本語版)「十二夜」(1601〜1602年ごろ執筆。ヴァイオラが男装しシザーリオと名乗り公爵に仕える)
- Wikipedia(日本語版)「リボンの騎士」(1953年『少女クラブ』で連載開始。男性にしか王位継承権がない国で王子として育つ)
- Wikipedia(日本語版)「ベルサイユのばら」(1972年『週刊マーガレット』で連載開始。オスカルは後継として育てられる。2025年1月31日劇場アニメ公開)
- Wikipedia(日本語版)「ムーラン (1998年の映画)」(老いた父の代わりに男装して従軍)
- Wikipedia(日本語版)「花ざかりの君たちへ」(1996年『花とゆめ』で連載開始。芦屋瑞稀が性別を偽って男子校へ)
- Wikipedia(日本語版)「桜蘭高校ホスト部」(藤岡ハルヒは男子と思われホスト部員に。性別にこだわらない)
- Wikipedia(日本語版)「かげきしょうじょ!!」(渡辺さらさは男役スターを目指して歌劇団の音楽学校へ)

