サザノノ 性分帖。 > 立ち位置 > ボクっ娘
ボクっ娘とは、一人称に「僕(ボク)」を使う女性キャラクターのことです。少年っぽい身軽さ、凛々しさ、言葉を選ぶ静けさ、無邪気なかわいさなど、結びつく性格の幅が広いのが特徴です。一人称は言葉の設定なので、どんな子かはほかの属性との重ね方で決まります。
要点
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ボクっ娘の意味と語源
ボクっ娘は「ぼくっこ」と読みます。「僕」に「娘(こ)」をつけた言葉で、僕っ娘、ボクっ子、ボク少女とも書かれます。「僕」の字は、もとは「しもべ」を表し、自分をへりくだって指す言葉でした。言葉そのものがいつ生まれたかは、はっきりしていません。
現実の言葉としては、明治の女子学生も「ぼく」「きみ」を使い、それをとがめる声が戦後まで続いたことが、社会言語学者の中村桃子によって紹介されています。キャラクターとしては、1953年に連載が始まった手塚治虫『リボンの騎士』の、王子として育てられる王女が早い例です。1974年の『三つ目がとおる』の和登千代子は、女の子らしい美少女のまま「ボク」を使う人物で、今の形のボクっ娘を確立したとされます。
キャラクター属性としてのボクっ娘は、関西弁と同じく、その人が話す言葉の設定です。性格を決める属性ではないので、立ち位置の群に入れています。現実にも「僕」を使う女の子や女性はいて、その理由は人それぞれです。性分帖では、この言葉を創作のキャラクターの属性の名前として扱い、実在の人の一人称や性自認とは分けて考えます。
ボクっ娘かどうかの見分け方
短い髪や少年のような服装だけでは、ボクっ娘とは言えません。そう呼べるのは、次の3つがそろった時です。
- 一人称が僕:ふだん自分のことを「僕」「ぼく」「ボク」と呼びます。人前では「私」にして、気を許した相手の前だけで戻る子も含みます
- その一人称に本人なりのいきさつがある:本の語り手に憧れた、男の子の輪で遊んできた、王子様になりたかった、なんとなく。理由は小さくてかまいませんが、本人の中ではつながっています
- 性格はほかの属性で決まる:同じ「ボク」でも、無邪気な子、静かな子、凛々しい子と、重ねる属性でまったく違う人になります
ボクっ娘とオレっ娘の違い・中性的・王子様との違い
ボクっ娘といちばん比べられるのは、一人称が「俺」のオレっ娘です。混ざりやすいのは、見た目の言葉の中性的と、振る舞いの言葉の王子様です。並べると、何についての言葉なのかがはっきりします。
| ボクっ娘 | オレっ娘 | 中性的 | 王子様 | |
|---|---|---|---|---|
| 何についての言葉か | 一人称(ボク) | 一人称(オレ) | 見た目と雰囲気 | 振る舞いと立ち位置 |
| 結びつきやすい印象 | 身軽さ、凛々しさ、静けさ、かわいさ | 強さ、勝ち気、荒っぽさ | 男女どちらとも取れる美しさ | 品と優しさ、特別扱い |
| 見た目との関係 | 問わない。女の子らしい子も多い | 問わない | 見た目そのもの | 問わない |
| 崩れる瞬間 | 一人称を直されそうになる時 | かわいいと言われた時 | 性別を決めつけられる時 | かっこよくいられなくなった時 |
ボクっ娘とオレっ娘は、どちらも一人称の言葉ですが、聞こえ方が違います。同じ男勝りな子でも、「ボク」なら身軽で少年っぽく、「オレ」なら強く荒っぽく響きます。中性的は見た目、王子様は振る舞いの言葉なので、一人称が「私」でも成り立ちます。中性的な見た目で「私」と言う子も、女の子らしい見た目で「ボク」と言う子もいます。
「ボーイッシュ」「男装の麗人」「王子様系女子」「役割語」との違い
ボクっ娘のそばには、似た言葉がいくつかあります。違いは、見た目の言葉か、振る舞いの言葉か、話し方の言葉かです。
| ボーイッシュ | 男装の麗人 | 王子様系女子 | 役割語 | |
|---|---|---|---|---|
| どんな言葉か | 見た目や服装、振る舞いが少年っぽい | 男性の服装をした、凛々しく美しい女性 | 男装していなくても、王子様のように慕われる女性 | 話し方から人物像が浮かぶ言葉づかい |
| 一人称 | 問わない | 問わない | 問わない | 一人称も役割語の一つ |
| ボクっ娘との関係 | 重なりやすいが、私と言う子も多い | ボクっ娘の源流の一つ | ボクっ娘と重なると凛々しさが増す | 「僕」は少年らしさを表す代表例 |
ボクっ娘の型
ボクっ娘は、一人称がどこから来たかと、その「ボク」がどんな印象と結びついているかで型が分かれます。少年っぽい子から、品のある子、かわいさを押し出す子まで、よく描かれる型を並べました。
家の方針や周りの影響で、小さい頃から男の子らしく育ち、一人称もそのまま残った型です。活発で運動が得意な一方、かわいい服やかわいいと言われることへの憧れを抱えていることもあります。たとえば、菊地真(『アイドルマスター』)がこの型です。
見た目も服装も女の子らしいまま、一人称だけが「ボク」の型です。少年っぽさを足すためではなく、その子の口になじんだ言葉として使われ、見た目との落差が印象に残ります。たとえば、和登千代子(『三つ目がとおる』)がこの型です。
「ボク」で自分を大きく見せ、一番になることを疑わない型です。生意気で負けず嫌いですが、間違いに気づけば素直に謝れます。
王子様の「男装の麗人」から続く流れにある型で、かっこいい誰かに近づきたくて、言葉も服も凛々しく選びます。女の子たちから慕われ、その視線を受けとめて立っています。たとえば、天上ウテナ(『少女革命ウテナ』)がこの型です。
遠回しで哲学めいた言い回しをし、一人称もその言葉選びの一部になっている型です。自分の痛さも分かったうえで、少し離れた所から物事を見ています。たとえば、二宮飛鳥(『アイドルマスター シンデレラガールズ』)がこの型です。
「ぼく」と言いながら、自分がいちばんかわいいと胸を張る型です。人ではない存在や、幼い見た目の子と重なりやすく、一人称がかわいさの一部になっています。たとえば、ぷにる(『ぷにるはかわいいスライム』)がこの型です。
少年にも見える身なりで、誰にも寄りかからずに旅や仕事をこなす型です。口数は少なく、「ボク」は飾りではなく身軽さの一部になっています。たとえば、キノ(『キノの旅』)がこの型です。
図書室や自分の部屋で本に囲まれ、物語の語り手の「僕」をそのまま借りてきたような型です。声は小さく、言葉を選んでから話し、不思議ちゃんと受け取られることもあります。
人前では「私」、気を許した相手や一人の時だけ「僕」が出る型です。どこで切り替わるかが、その子の素顔の見せどころになります。
ボクっ娘キャラの作り方と台詞例
ボクっ娘は、一人称のいきさつと、その「ボク」がどんな印象と結びつくかと、一人称を直されそうになる場面の三つを決めると作りやすくなります。
台詞は「心の距離」の順に4段階で並べています。表の顔 → ほころび(素が一瞬見える)→ 信頼した相手だけ → 独りの時。ボクっ娘は、表の顔では軽やかに「ボク」と言い、ほころびで周りの目にふと構え、信頼した相手にはその一人称を選んだ気持ちを預け、独りの時には「ボク」でいられる時間の終わりと向き合っています。話し方は口振カルテで調整できます。
下に行くほど心の距離が近づきます。同じ人物の4つの顔として読んでください。
自分のキャラクターの顔を置くと、下の台詞をその子が話しているように読めます。
性分帖の台詞は、自分で作ったキャラクターにどんな口調や性格が合うかを確かめるためのものです。画像と名前はこの端末にだけ保存され、ほかの属性のページでも同じ子が出ます。
ドラッグで位置を動かせます
十代までのボクっ娘
十代までのボクっ娘は、男の子に混ざって走り回る子、本ばかり読んでいる静かな子、胸を張って一番を目指す子として描かれます。周りが少しずつ「私」に変わっていく年ごろなので、一人称を守るかどうかがそのまま物語になります。
- よくある形
- 校庭で年下の子に囲まれている子/物語の語り手をまねて話す読書好き/一番になると言い張る負けず嫌い/作文の一人称を直された子
- 外すなら
- 活発な子が、一人称を直されることにだけはとても敏感な形にする。または、静かな子の「ボク」が、ある本の主人公から借りた言葉である形にする
- 気をつけたいこと
- 一人称を「私」に変えることを、大人になる正解として描かないこと。変えるか変えないかは、その子自身の選択として描きます
1表の顔人前・ふだん
「ボク、逆上がりなら五回続けてできるよ。見てて、ちゃんと数えてね!」
昼休みの鉄棒で、年下の子たちに囲まれて
2ほころび素が一瞬見える
「先生、作文の『ボク』を『わたし』に直すのって、決まりですか?」
返ってきた作文の赤ペンを、指でなぞって
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「家でボクって言うと、ママがため息つくの。君の隣だと、息がしやすい」
放課後の図書室で、隣の席に小声で
4独りの時誰にも見せない本音
「みんなが『わたし』になっていく。ボクだけ、教室に置いていかれるみたいだ」
卒業アルバムの寄せ書きを、一人で読み返して
大人の女性のボクっ娘
大人のボクっ娘は、仕事では「私」を使いこなし、親しい相手の前でだけ「僕」に戻る人として描かれることが多くなります。一人称を使い分けてきた年月が、そのまま人物の奥行きになります。
- よくある形
- 部下には「僕」で通している研究者/家族の前でだけ「僕」に戻る会社員/古い友人と会うと口調が戻る人/書く文章の中でだけ「僕」を使う作家
- 外すなら
- 落ち着いた大人が、昔の友人の前でだけ十代の頃の話し方に戻る形にする。または、ずっと「私」で通してきた人が、ある日だけ「僕」と言ってしまう形にする
- 気をつけたいこと
- 大人のボクっ娘を、痛い人や幼い人として笑う見せ方にしないこと。その人がどこでどう使い分けているかを描くと、品のある人物になります
1表の顔人前・ふだん
「僕のほうで手配しておきます。明日の九時、ロビーで落ち合いましょう」
取引先との電話を、手帳に書きつけながら
2ほころび素が一瞬見える
「今の『僕』、議事録には残さないでね。気が抜けると出ちゃうの」
会議のあと、書記の後輩に耳打ちして
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「会社の私も嫌いじゃない。でも、あなたには僕のほうで覚えていてほしい」
引っ越しの前夜、二人で段ボールを閉じながら
4独りの時誰にも見せない本音
「二十年かけて『私』は上手になった。上手になった分だけ、僕が遠い」
深夜のベランダで、冷めた缶を片手に
女性向け作品のボクっ娘
女性向け作品では、女の子たちに「王子様」と慕われる先輩、主人公と張り合う凛々しいライバル、主人公の隣にいる気さくな友人として描かれます。かっこよさを引き受けている子が、主人公の前で見せる素顔が見どころになります。
- よくある形
- 演劇部で男役を務める先輩/主人公の荷物を持ってくれる友人/制服をパンツスタイルで着こなす子/主人公の恋を応援する気さくな相棒
- 外すなら
- 王子様と慕われる子が、かっこよくいることに疲れている形にする。または、凛々しいライバルが、主人公にだけ子どもっぽい話し方をする形にする
- 気をつけたいこと
- ボクっ娘を、主人公の恋を引き立てる「男の子の代わり」にしないこと。その子自身が何を好きで、何を手放せないかを一つ描きます
1表の顔人前・ふだん
「僕の後ろにいて。走るのは得意だから、君は傘だけ持ってて」
夕立の昇降口で、主人公の鞄を肩にかけて
2ほころび素が一瞬見える
「え、可愛いって言った? 僕に? もう一回はだめ、顔が戻らない」
主人公に髪型を褒められ、手の甲で頬を隠して
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「君が呼ぶ『先輩』だけが、王子様じゃない僕に届くんだ。やめないでね」
引退公演の楽屋で、衣装の肩章を外しながら
4独りの時誰にも見せない本音
「卒業したら、誰も僕を王子様って呼ばない。ほっとするのに、手が震えてる」
空っぽの部室で、もらった花束を抱えて
男性向け作品のボクっ娘
男性向け作品のボクっ娘は、主人公と昔から遊んできた幼なじみ、男友達のように肩を並べる同級生、胸を張って勝負を挑んでくる後輩として描かれます。気安い距離と、ふと女の子として意識される瞬間の落差が魅力になります。
- よくある形
- 主人公を「キミ」と呼ぶ後輩/ゲームで勝つまで帰らない子/男友達の輪に自然に混ざっている同級生/主人公の寝ぐせを直してくる幼なじみ
- 外すなら
- 気安い幼なじみが、主人公の前でだけ一人称が小さくなる形にする。または、勝負を挑んでくる子が、負けた時だけ一人称を使わずに話す形にする
- 気をつけたいこと
- 一人称を「私」に直すことを、恋の決着として描かないこと。主人公が「ボク」のままのその子を好きになる形も、十分に物語になります
1表の顔人前・ふだん
「キミ、また寝ぐせ。ボクが直してあげよっか? はい、動かないで」
登校中の電車で、背伸びをして
2ほころび素が一瞬見える
「ボクだってメイド服くらい着るよ。……笑わないんだ、キミ」
文化祭の準備室で、スカートの裾を引っぱりながら
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「ボクのまま隣にいていい? 変わらないでって言ってくれたの、キミが初めてだ」
卒業前の屋上で、フェンスにもたれて
4独りの時誰にも見せない本音
「ボクが女の子だって、キミが気づかないままならいい。気づかれたら、もう並んで歩けない」
自室で、キミから借りたままの漫画を抱えて
ボクっ娘キャラを書く時のコツと避けたいこと
コツ
- 「ボク」をどこで覚えたかを決める:本の語り手、男の子の遊び仲間、憧れた王子様、なんとなく。小さな理由で足り、聞かれた時に答えられるくらいで十分です
- 一人称が揺れる場面を一つ持たせる:目上の人の前、初対面の人の前、好きな人の前。直しそうになる場面や、うっかり出る場面に、その子の素顔が出ます
- 表記で響きを決める:漢字の「僕」は落ち着いた子や大人に、ひらがなの「ぼく」は幼い子やふんわりした子に、カタカナの「ボク」は軽やかな子に合いやすくなります。一人の中では一つにそろえます
- なりきりや卓では、呼び方を先に伝える:文字だけの場では、一人称から男の子と読まれることがあります。最初の登場で性別の分かる手がかりを一つ置き、地の文で「彼女」と呼ぶか名前で呼ぶかを相手に伝えておくと、すれ違いが起きにくくなります
「ボク」のいきさつで変わる見え方
| いきさつ | どう見えるか | 揺らす出来事 |
|---|---|---|
| 男の子の輪で育った | 活発、さっぱり | 女の子扱いされる |
| 本の語り手に憧れた | 静か、言葉が丁寧 | その本を否定される |
| 王子様になりたかった | 凛々しい、頼もしい | かっこよくいられなくなる |
| なんとなく口になじんだ | 自然体、飾らない | 初めて人に指摘される |
避けたいこと
- 一人称だけでキャラを作り、性格の属性を重ねないこと
- 一人称を「私」に直すことを、成長や恋の決着の正解として描くこと
- 「ボクっ娘=心は男の子」と決めつけること。現実の一人称は性別だけで決まらず、理由は人それぞれです。キャラの性自認を描きたい時は、一人称とは別の設定として考えます
- なりきりや卓で、一人称をいじる流れを相手に言わせること。からかわれる場面を入れたい時は、相手と一言相談してからにします
ボクっ娘に合う口調・組み合わせやすい属性
合う口振(口振カルテへ)
ボクっ娘は立ち位置の属性なので、口振は「ボク」のあとにどんな調子で話すかで選びます。まっすぐ話すのか、はしゃいで話すのか、静かに言葉を選ぶのか。一人称を僕に置きかえて使えます。
組み合わせやすい属性
ボクっ娘に王子様を重ねると、女の子たちに慕われる凛々しい子になり、中性的を重ねると、見た目も言葉もどちらにも寄らない子になります。不思議ちゃんを重ねれば、ふわりと「ぼく」と言う読めない子に。幼なじみを重ねると、子どもの頃の一人称のまま主人公の隣にいる子になり、厨二病を重ねれば、一人称まで言葉を選び抜く子に、強がりを重ねると、「ボク」で弱さを隠す子になります。
ぶつかりやすい属性(あえて使うと面白い)
お嬢様やお姫様のような、決まった言葉づかいを持つ属性は、ボクっ娘とぶつかりやすい属性です。一人に重ねると「ふだんはお嬢様言葉なのに、気が緩むと『僕』が出る人」というねじれになり、並べて書くと、言葉の違いがそのまま育ちの違いとして見えてきます。
「ボクっ娘」の歴史
女の子が「僕」と言うことは、現実にも創作にも昔からあります。それが物語の中で、どんな人物と結びついてきたのかを、主な出来事でまとめます。
年表を開く
女子学生が「ぼく」「きみ」を使い、それをとがめる声が、明治から戦後まで続いたとされます。
手塚治虫『リボンの騎士』の連載が始まります。宝塚歌劇の男役に影響を受けた、王子として育てられる王女が描かれました。
『三つ目がとおる』の連載が始まります。女の子らしい美少女のまま「ボク」を使う和登千代子が、今のボクっ娘の形を確立したとされます。
アニメ『少女革命ウテナ』が放送されます。王子様を目指して男子の制服を着る「ボク」の主人公が、女性の視聴者にも強い印象を残しました。
『キノの旅』の刊行が始まります。少年にも見える「ボク」の少女が、一人で国々を旅する姿で描かれました。
金水敏『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』が刊行されます。話し方から人物像が浮かぶ言葉づかいを「役割語」と名づけ、一人称もその一つとして読まれるようになりました。
中村桃子が、女の子の「うち」「ぼく」「おれ」を、男の子のまねではなく、子どもでも大人の女性でもない自分を表す言葉として論じます。
アニメ『ぷにるはかわいいスライム』が放送されます。「ぼく」と言いながら自分のかわいさを誇るスライムが主人公の一人として描かれました。
今のボクっ娘のイメージ
- かわいさとの両立:少年っぽさだけでなく、女の子らしい見た目や、かわいさを押し出す性格と「ボク」を組み合わせる形が広がっています
- 王子様系女子とのつながり:男装の麗人や宝塚の男役から続く凛々しい女の子像の中で、「ボク」は今も、王子様のような女の子によく似合う一人称として使われています
- 理由のある一人称:なんとなくの口ぐせだけでなく、育った場所、憧れた人、手放したくない気持ちなど、一人称のいきさつまで描かれると、人物の奥行きとして読まれます
- 2025〜2026年に人気の作品では:『ぷにるはかわいいスライム』のぷにるのように、胸を張る明るい「ボク」の子が親しまれています
よくある質問
ボクっ娘とはどういう意味ですか?
一人称に「僕」を使う女性キャラクターのことです。少女に限らず、仕事では「私」、親しい相手には「僕」と使い分ける大人の女性も含みます。
ボクっ娘とオレっ娘の違いは何ですか?
一人称の響きが、結びつく性格を変えます。迷った時は、その子が怒った時と照れた時の台詞を「ボク」と「オレ」の両方で書いてみると、どちらが口になじむかが分かります。仲間の前では「オレ」、好きな人の前では「ボク」になる子にすれば、二つの属性の間にいる人物になります。
ボクっ娘は古い属性ですか?
今も作品の中で使われている属性です。2024年にアニメになった『ぷにるはかわいいスライム』のように、新しい作品にも「ぼく」と言う女の子は登場します。言葉が古いか気になる時は、紹介文で「一人称が僕の女の子」と言いかえても通じます。
ボクっ娘と王子様系女子の違いは何ですか?
王子様系女子は、凛々しい振る舞いで女の子たちから慕われる立ち位置の言葉で、一人称が「私」でも成り立ちます。ボクっ娘は一人称の言葉なので、王子様らしくない、のんびりしたボクっ娘もいます。
現実に「僕」を使う女性を、ボクっ娘と呼んでいいですか?
ボクっ娘はキャラクター属性の名前です。実在の人については、「僕を使う女の子」「一人称が僕の人」と呼ばれることが多く、からかいに聞こえないよう、本人が嫌がらない言い方を選ぶのが安心です。
なりきりチャットやTRPGでボクっ娘を使う時、気をつけることは?
男性のキャラクターと一人称がかぶるので、語尾や相手の呼び方で声を分けると、誰の台詞か読みやすくなります。「ボク」の子は語尾をやわらかく、ほかの男性キャラは語尾を短くするなど、卓の中で役割を分けておくと混ざりません。
ボクっ娘が「あざとい」「痛い」と思われないコツは?
一人称を目立たせる場面を絞ることです。ふだんは言動の中身で人物を見せ、照れた時や弱音を吐く時など、一人称が揺れる場面だけを見せ場にすると、飾りではなく、その子の言葉として読めます。
次に読む
参考にした資料
- ピクシブ百科事典「ボクっ娘」(女性キャラに少年っぽい一人称「僕」が加わったもの。性格の幅が広い。1970年代の和登千代子が確立したとされる)
- ニコニコ大百科「ボクっ娘」(表記の揺れ。「僕」の字の成り立ち)
- 現代ビジネス「小・中学生の女子はなぜ『うち』という一人称を使うのか?」(中村桃子、2021年。明治の女子学生の「ぼく・きみ」)
- デール・ソンヤ「一人称とジェンダー」(一人称の選び方は性別だけで決まらない)
- Wikipedia(日本語版)「リボンの騎士」(1953年連載開始。宝塚歌劇の影響)
- Wikipedia(日本語版)「三つ目がとおる」(1974年連載開始。和登千代子の一人称はボク)
- Wikipedia(日本語版)「少女革命ウテナ」(1997年アニメ放送)
- マンガペディア「天上ウテナ」(一人称ボク、王子様に憧れ男子の制服を着る)
- Wikipedia(日本語版)「キノの旅」(2000年刊行開始。一人称ボク、少年にも見える少女)
- Wikipedia(日本語版)「ぷにるはかわいいスライム」(2022年連載開始、2024年10月アニメ放送。一人称ぼく、自分をかわいいと思う自信家)
- 紀伊國屋書店「ヴァーチャル日本語 役割語の謎」(金水敏、岩波書店、2003年)
- ピクシブ百科事典「菊地真」(男の子らしく育てられた、一人称ボク)
- ピクシブ百科事典「二宮飛鳥」(一人称ボク、斜に構えた言い回し)

