サザノノ 性分帖。 > 人との距離 > 許嫁・婚約者
許嫁・婚約者キャラとは、本人どうしの気持ちより先に、親や家などが決めた結婚の約束がある相手のキャラクターのことです。約束の上では近いのに、心はまだ遠い。そのずれが物語を動かします。
要点
- 許嫁は、もとは双方の親が子どもの幼いうちに結婚の約束をしておくこと、またその相手です。今は、婚約者と同じ意味でも使われます
- 見分ける条件は3つ。結婚の約束が先にある・約束を決めたのが本人以外のことが多い・約束と気持ちのずれが見どころになる
- 幼なじみとの違いは、何についての言葉かです。幼なじみは出会いの早さ、許嫁・婚約者は結婚の約束。子どもの頃の結婚の約束は、どちらにも出てくる迷いどころです
- 物語では、決められた相手に反発する許嫁、約束を盾に追いかける許嫁、婚約を破棄されてやり直す婚約者などがよく描かれます
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許嫁・婚約者の意味と語源
許嫁は「いいなずけ」と読み、「許婚」とも書きます。辞書(デジタル大辞泉)では、一つ目の意味が「双方の親が、子どもが幼いうちに結婚させる約束をしておくこと」、二つ目の意味が「結婚の約束をした相手。婚約者。フィアンセ」です。「許嫁」「許婚」の字はどちらも当て字で、「言ひ名付く」という言葉からできたという説が有力とされ、ほかの説もあります。
婚約者は「結婚の約束を交わした相手」で、本人どうしの合意で結ぶ約束もふくむ広い言葉です。許嫁はもともと親や家が決めるもので、室町時代のころから、武家の間で本人の意思と関係なく交わされてきたとされます。今は古い形の許嫁はほとんど見られず、婚約した当人どうしを指す言葉としても使われています。
属性としては、一人では成り立たず、特定の相手との約束と、約束の上の近さと心の遠さのずれが中心なので、幼なじみと同じ人との距離の群に入れています。家柄や身分の重さはお嬢様・御曹司・お姫様、婚約を破棄される悪役の役回りは悪役令嬢・悪役令息のページで扱っています。
許嫁・婚約者キャラの見分け方
結婚の話が出てくる、恋の相手がいる、というだけでは許嫁・婚約者キャラとは言えません。許嫁・婚約者と呼べるのは、次の3つがそろった時です。
- 結婚の約束が先にある:恋が始まるより前に、あるいは恋とは別に、結婚の約束がすでに決まっています
- 約束を決めたのが本人以外のことが多い:親どうしの約束、家の都合、祖父母の代の縁、国や組織の決まり。本人が知らないうちに決まっていることもあります
- 約束と気持ちのずれが見どころになる:約束に反発する、約束を盾に追いかける、約束を破られる。決められた関係と本人の気持ちの差から物語が動きます
許嫁と幼なじみの違い・恋人・悪役令嬢との違い
許嫁・婚約者は、恋の相手を表すほかの言葉とよく混ざります。こう覚えると見分けやすくなります。許嫁は約束が先で気持ちが後、恋人は気持ちが先で約束が後、幼なじみは出会いが早いだけで約束はない。悪役令嬢は、婚約を破棄される物語の役回りです。
| 許嫁・婚約者 | 幼なじみ | 恋人 | 悪役令嬢・悪役令息 | |
|---|---|---|---|---|
| 何についての言葉か | 結婚の約束 | 出会いの早さ | 今の気持ち | 物語の中の役回り |
| 関係の始まり | 親や家、決まりが決める | 子どもの頃から近くにいた | 本人どうしが選ぶ | 主人公の恋の障害として置かれる |
| 見どころ | 約束と気持ちのずれ | 昔を知っている近さ | 気持ちが通じたあとの日々 | 破滅の運命との向き合い方 |
| 崩れる瞬間 | 約束がなくても一緒にいたいと気づいた時 | 相手を異性として意識した時 | 気持ちがすれ違った時 | 婚約破棄を言い渡された時 |
幼なじみとの間でいちばん迷うのは、子どもの頃の結婚の約束です。本人どうしが幼い日に交わした口約束だけなら幼なじみの思い出で、親や家がそれを認めて決めた約束なら許嫁です。許嫁は、幼なじみの代わりの役として描かれることもあります。
悪役令嬢・悪役令息の物語では、婚約者の王子から婚約を破棄される場面が定番です。ただ、婚約を破棄される主人公がいつも悪役とは限りません。落ち度がないのに婚約を破棄され、新しい場所で大事にされる話は、許嫁・婚約者の型の一つとして扱います。
許嫁・婚約者と近い言葉
| 政略結婚 | 見合い・縁談 | 偽の婚約者 | 婚約破棄 | |
|---|---|---|---|---|
| どんな言葉か | 家や一族の利益のために、本人の意向を無視して行う結婚 | 人の紹介で結婚相手と会うこと、その話 | 事情があって婚約者のふりをする関係 | 一度交わした婚約をなかったことにすること |
| 許嫁・婚約者との関係 | 許嫁が結ばれる理由の一つ。王族や貴族の物語に多い | 許嫁より新しく、断ることもできる | ふりのはずが本気になる型でよく使われる | 婚約者の物語の始まりにも、山場にもなる |
許嫁・婚約者キャラの型
許嫁・婚約者キャラは、約束に反発するか、受け入れるかと、約束が守られるか、破られるかで型が分かれます。決められた相手に反発する許嫁から、決闘の景品にされた花嫁まで、よく描かれる型を並べました。
親や家が決めた婚約
会ったこともない相手との結婚を勝手に決められ、反発して騒動を起こす型です。ぶつかり合ううちに相手の人柄を知り、決められた相手を自分で選び直していきます。たとえば、花村紅緒と伊集院忍(『はいからさんが通る』)がこの型です。
すでに許嫁がいる相手の前に、子どもの頃の約束を持ち出して「自分も許嫁だ」と現れる型です。約束の古さと気持ちの強さで、関係をかき回します。たとえば、久遠寺右京(『らんま1/2』)がこの型です。
親が決めた許嫁であることを堂々と名乗り、迷わず相手に好意を向ける型です。約束を言い訳にせず、自分の気持ちとして押し通す明るさが魅力になります。たとえば、橘万里花(『ニセコイ』)がこの型です。
親たちが本人の気持ちを聞かずに許嫁を決め、いきなり一緒に暮らすことになる型です。好きでもない相手との毎日に、少しずつ居心地のよさが混ざっていきます。たとえば、天野エリカと海野凪(『カッコウの許嫁』)がこの型です。
家の都合で決まった婚約なのに、本人は相手をまっすぐ大好きでいる型です。明るく天真爛漫に、相手への好意を隠さずに見せます。たとえば、エリザベス・ミッドフォード(『黒執事』)がこの型です。
婚約が壊れる時、壊れたあと
家の事情で婚約がなかったことになっても、想いを断ち切れず、自分から相手のもとへ行く型です。決められた約束が、いつのまにか本人の願いに変わっています。たとえば、桜庭葵(『藍より青し』)がこの型です。
落ち度がないのに婚約をなかったことにされ、居場所を失った人が、新しい場所で初めて大事にされる型です。我慢に慣れた人が、少しずつ自分の望みを口にできるようになります。たとえば、シャーロット(『婚約破棄された令嬢を拾った俺が、イケナイことを教え込む』)がこの型です。
試合や決闘の勝者と結婚させると決められ、自分が景品のように扱われることに反発する型です。決まりから逃げようとしながら、自分で相手を選ぶ道を探します。たとえば、ミオリネ・レンブラン(『機動戦士ガンダム 水星の魔女』)がこの型です。
決められていた婚約者を、妹や姉など家族に奪われてしまう型です。奪われた側が主人公になり、本当に自分を見てくれる相手と出会い直す物語になります。
約束や都合から、本物になる婚約
責任や都合のために結んだ婚約だったのに、相手の飾らない人柄にひかれて本気になる型です。本気になったころには、相手のほうが婚約を形だけだと思っているすれ違いが笑いと切なさを生みます。たとえば、ジオルド・スティアート(『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』)がこの型です。
冷たいと噂され、どんな縁談も断ってきた人のもとに、婚約者候補がやってくる型です。噂と違う不器用な優しさが、少しずつ相手の心をほどいていきます。たとえば、久堂清霞(『わたしの幸せな結婚』)がこの型です。
幼い日に交わした結婚の約束を信じて待ち続け、相手が来ないなら自分から会いに行く型です。忘れていた相手が約束を思い出す場面が、物語のいちばんの見せ場になります。たとえば、チチ(『ドラゴンボール』)がこの型です。
縁談を断るため、家を守るためなど、事情があって婚約者のふりをする型です。人前で親しく振る舞ううちに、どこまでが演技か本人たちにも分からなくなります。期限つきの約束にすると、終わりの日が近づくほど気持ちが揺れます。
許嫁・婚約者キャラの作り方と台詞例
許嫁・婚約者キャラは、約束と気持ちの二つで作る属性です。誰が、いつ、なぜその約束を決めたのか。本人はその約束をどう思っているのか。約束の理由を一つと、約束がなくても相手に言いたいことを一つ決めると、関係の動き方がはっきりします。
台詞は「心の距離」の順に4段階で並べています。表の顔 → ほころび(素が一瞬見える)→ 信頼した相手だけ → 独りの時。許嫁・婚約者キャラは、表の顔では約束どおりの相手として、または約束に反発する相手として振る舞い、ほころびで相手への関心がのぞき、信頼した相手には約束と関係のない気持ちを話し、独りの時には約束がなくなる日のことを考えています。話し方は口振カルテで調整できます。
下に行くほど心の距離が近づきます。同じ人物の4つの顔として読んでください。
自分のキャラクターの顔を置くと、下の台詞をその子が話しているように読めます。
性分帖の台詞は、自分で作ったキャラクターにどんな口調や性格が合うかを確かめるためのものです。画像と名前はこの端末にだけ保存され、ほかの属性のページでも同じ子が出ます。
ドラッグで位置を動かせます
女性の許嫁・婚約者キャラ
女性の許嫁・婚約者キャラは、親の決めた結婚に反発する娘、家同士の婚約でも相手を慕う令嬢、婚約を破棄されてやり直す人として描かれます。決められた立場の中で、自分の気持ちをどう選ぶか。その選び方がそのまま人柄になります。
- よくある形
- 縁談を聞かされて家を飛び出す娘/婚約者のために礼儀作法を身につけてきた令嬢/婚約を破棄されて遠い町で働き始める人/決闘や試合の景品にされて怒る人
- 外すなら
- 反発していた許嫁が、相手のほうが婚約を嫌がっていると知って、急に悔しくなる形にする。または、婚約を破棄された人が、元婚約者を見返すのではなく、まったく別の夢を見つける形にする
- 気をつけたいこと
- 本人の気持ちを、最後まで誰も聞かない話にしないこと。決められた約束に従う場合も、反発する場合も、本人が自分で選んだ瞬間を一つ描くと、一人の人物として立ちます
1表の顔人前・ふだん
「お断りします。名前より先に家の名前を聞かされた相手を、好きになれる気がしません」
縁談の書状をテーブルに置いたまま、両親の前で腕を組んで
2ほころび素が一瞬見える
「この花、庭に咲いていたので。……あの方の好きな色かどうかは、知りません。知りませんってば」
許嫁が来る日の朝、玄関の花瓶の向きを何度も直しながら
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「嫌いになる理由を、ノートに書き出してみたの。三日かけて、一行も埋まらなかった」
夜の縁側で、昔からの友達にだけ小さな声で打ち明けて
4独りの時誰にも見せない本音
「約束がなかったら、あの人は私を選んでくれたのかな」
婚約の日に贈られた髪飾りを、鏡の前で外せないまま
男性の許嫁・婚約者キャラ
男性の許嫁・婚約者キャラは、家の都合で婚約者を迎える当主、親の決めた許嫁と同居する高校生、都合で結んだ婚約に本気になってしまう王子として描かれます。約束を責任として受け止めるか、自分の気持ちとして選び直すか。その揺れが見どころです。
- よくある形
- 縁談を断り続けてきた当主/親に許嫁を決められて困る高校生/責任から婚約を申し込んだ王子/許嫁の前でだけ口数が減る青年
- 外すなら
- 婚約を形だけだと言っていた人が、相手の誕生日だけは一度も忘れたことがない形にする。または、許嫁との結婚を嫌がっていた人が、相手に別の縁談が来た途端に落ち着かなくなる形にする
- 気をつけたいこと
- 約束を理由に、相手の気持ちや行動を縛る形にしないこと。婚約者だからと決めつけず、相手に選ぶ自由を渡そうとする場面を置くと、誠実さが伝わります
1表の顔人前・ふだん
「家が決めた婚約だ。君も、無理に私に合わせる必要はない」
初めて屋敷を訪れた婚約者に、目を合わせないまま告げて
2ほころび素が一瞬見える
「寒くないか。いや、使用人が言っていたから聞いただけだ」
夕方の庭で、婚約者の肩に自分の上着をかけてから咳ばらいをして
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「最初は、断る理由を探していた。今は、断られる理由を探している」
長年仕えてくれた側近にだけ、書斎の窓の外を見ながら
4独りの時誰にも見せない本音
「約束で始まった縁を、約束じゃない言葉で続けたい」
婚約者が書いた礼状を、何度も読み返してから引き出しにしまって
女性向け作品の許嫁・婚約者キャラ
女性向けの作品では、冷たいと噂されるのに婚約者にだけ不器用に優しい当主、婚約を破棄された主人公を迎え入れる人、政略の婚約から本気になる王子が人気です。約束から始まった関係が、少しずつ本人の選んだ関係に変わっていく流れがときめきの中心です。
- よくある形
- 縁談を断り続けた冷たい当主/婚約を破棄された主人公を拾う人/責任から結んだ婚約に本気になる王子/家同士の婚約者で、主人公を昔から知っている人
- 外すなら
- 主人公を守ると決めた婚約者が、主人公に守られて初めて弱さを見せる形にする。または、婚約を破棄した側の人が、自分から過ちを認めて主人公の新しい道を応援する形にする
- 気をつけたいこと
- 婚約者の優しさを、主人公を閉じこめたり、行動を決めたりする形で見せないこと。主人公の望みを聞き、選ばせる優しさにすると、約束の上でも対等な関係に見えます
1表の顔人前・ふだん
「食事は七時、言葉は要らない。噂は聞いているだろうから、期待はしないでくれ」
婚約者候補を迎えた最初の夜、食卓の向かいで淡々と
2ほころび素が一瞬見える
「その料理、また作ってくれるか。……いや、手間なら無理にとは言わない」
空になった皿を前に、言いかけた言葉を急いで付け足して
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「この傷、庭の薔薇か。……明日、棘を全部落としておく。家の命令じゃない。俺が、そうしたい」
婚約者の手の中の小さな傷に気づき、薬を塗りながら顔を上げて
4独りの時誰にも見せない本音
「縁談を全部断ってきてよかった。この人に会うためだったと思えば」
婚約者の部屋の灯りが消えるのを、廊下の端から見届けて
男性向け作品の許嫁・婚約者キャラ
男性向けの作品では、親が決めた許嫁としていきなり主人公の家にやってくる子、約束を盾にまっすぐ迫ってくる子、子どもの頃の約束を覚えて待っていた子が描かれます。主人公にとっては突然の相手でも、本人には約束を守る理由がある。そこに気づく流れが見せ場です。
- よくある形
- 親の決めた許嫁として同居を始める子/「許嫁ですから」と堂々と迫る子/子どもの頃の約束を覚えていた子/親の約束に反発して主人公と張り合う子
- 外すなら
- 押しの強い許嫁が、主人公が本気で困った時だけ一歩引いて見守る形にする。または、反発し合っていた許嫁どうしが、親の前でだけ息を合わせて仲のいいふりをする形にする
- 気をつけたいこと
- 許嫁を、主人公のもとに来るためだけの存在にしないこと。彼女自身の家の事情や夢を一つ決めると、約束を守る理由が見えて、一人の人物として好かれます
1表の顔人前・ふだん
「今日から、あなたの許嫁です。荷物はもう全部、二階に運んでもらいましたから」
玄関先で大きな鞄を足元に置き、にっこり笑って頭を下げて
2ほころび素が一瞬見える
「嫌だったら、荷物を二階まで運ばせないよ。……おかわり、あります?」
主人公に「嫌じゃないのか」と聞かれ、箸を止めて
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「小さい頃の約束、覚えてたの私だけかと思ってた。ずっと、言い出せなかったんだ」
古いアルバムを一緒にめくっていて、一枚の写真で手が止まって
4独りの時誰にも見せない本音
「約束がなくなっても、ここにいていい理由がほしいな」
主人公の家の、自分用に空けてもらった棚を見つめながら
許嫁・婚約者キャラを書く時のコツと避けたいこと
コツ
- 約束の理由を一つ決める:親どうしの友情、家の存続、国どうしの和睦、祖父母の代の縁。理由がはっきりすると、約束を破ることの重さも決まります
- 本人が約束をどう思っているかを決める:反発しているのか、受け入れているのか、喜んでいるのか。二人の思いが違うほど、関係が動きます
- 約束と関係のない時間を描く:一緒に買い物をする、けんかをする、相手の好物を知る。約束の外の小さな出来事が、本当の気持ちを育てます
- 約束がゆらぐ場面を置く:別の縁談が来る、婚約がなくなりかける、相手に好きな人がいると聞く。約束がなくなりそうな時に、本人の気持ちがはっきりします
約束の決まり方で変わる見え方
| 約束の決まり方 | どう見えるか | 揺らす出来事 |
|---|---|---|
| 親どうしの約束 | 突然、ドタバタ、反発から始まる | 親が約束を取り消すと言い出す |
| 家や国の都合 | 重い、政略、身分の差 | 家の事情が変わり、婚約の意味がなくなる |
| 子どもの頃の約束 | 懐かしい、運命、待ち続ける | 相手が約束を忘れていたと分かる |
| 本人どうしの約束 | まっすぐ、対等、恋の続き | 家族や周りに反対される |
避けたいこと
- 本人の気持ちを最後まで誰も聞かず、約束だけで二人を結びつけること
- 婚約者を、相手を閉じこめたり、行動を決めたりしてよい立場として描くこと
- 婚約を破棄された人を、ただ笑いものにすること
- 現実の家族の決めごとや結婚の慣習を、からかいの種にすること
許嫁・婚約者に合う口調・組み合わせやすい属性
合う口振(口振カルテへ)
許嫁・婚約者は人との距離の属性なので、口振は「約束の相手の前でどう話すか」で選びます。家の決めた相手として丁寧に話すのか、反発して強く言い返すのか。距離が縮まるにつれて言葉づかいが崩れていく流れを作ると、関係の変化が伝わります。
組み合わせやすい属性
許嫁に意地っ張りやツンデレを重ねると、決められた相手を好きだと認められない関係になります。一途を重ねれば、約束がなくなっても追いかける許嫁に。溺愛を重ねると、冷たいと噂されるのに婚約者にだけ甘い人になります。お嬢様や御曹司を重ねれば、家同士の縁談の重さと、本人の気持ちの差がはっきりします。
ぶつかりやすい属性(あえて使うと面白い)
マイペースや不良・ヤンキーは、決められた約束に縛られる許嫁・婚約者とぶつかりやすい属性です。片方に重ねると「婚約のことを本気で忘れている許嫁」「家の決まりを全部無視するのに、許嫁との約束の時間だけは守る人」というねじれになり、関係性で並べると引き立ちます。
許嫁・婚約者キャラの歴史
許嫁は、家どうしの結婚が当たり前だった時代の言葉で、物語では約束に縛られる若い二人の話として描かれてきました。今は、婚約破棄から始まるウェブ小説の大きなジャンルにもなっています。ここでは、主な出来事をまとめます。
年表を開く
武家の間で、本人の意思と関係なく許嫁の約束が交わされるようになったとされます。戦乱の時代には、家どうしの和睦や同盟のための政略結婚も行われました。
許婚どうしの若い男女が、別の結婚を選ぶ相手と別れる新聞小説が連載され、大きな人気を集めます。
正当な理由のない婚約の破棄に損害賠償を認める判決、結納の返還を認める判決が出ます。婚約が、約束として法律でも扱われるようになりました。
大正時代を舞台に、祖父母の代から決まっていた許嫁に反発する少女の漫画の連載が始まり、1978年にテレビアニメになります。
親どうしの約束で許嫁になった二人が反発し合う格闘漫画の連載が始まります。のちに、子どもの頃の約束を持ち出すもう一人の許嫁も登場します。
小説家になろうに、題名に「婚約破棄」が入る作品が出始め、2015年には157件に増えます。
縁談を断り続けた当主のもとに婚約者候補が来る話、婚約を破棄された令嬢が拾われる話などが書籍になり、2023年に続けて映像化されます。
題名に「婚約破棄」が入る作品は、2025年に始まったものだけで約1,575件になります。2026年には、題名に「婚約」が入る作品が約19,000件、「許嫁」が約230件あります。
今の許嫁・婚約者キャラのイメージ
- 女性向けは「婚約者」と「婚約破棄」:女性向けでは、婚約を破棄された人が新しい場所でやり直す話や、政略の婚約から始まる恋がとても多く書かれています
- 男性向けは「許嫁」:男性主人公の作品では、親が決めた許嫁がいきなりやってくるラブコメの形で「許嫁」の言葉がよく使われます
- 反発から始まる関係:決められた相手に反発し、ぶつかり合ううちに相手を知っていく流れは、古くからの定番です。今も、約束より先に本人の気持ちを確かめる話が好まれています
- 破棄された側が主人公:婚約を破棄される役は、もとは悪役の運命として描かれることが多くありました。今は、落ち度のない主人公が破棄され、もっと大事にしてくれる相手と出会う話が目立ちます
よくある質問
許嫁キャラとはどういう意味ですか?
本人どうしの気持ちより先に、親や家などが決めた結婚の約束がある相手のキャラクターのことです。約束の上では近いのに心はまだ遠い、というずれが見どころになります。
許嫁と婚約者の違いは何ですか?
許嫁は、もとは親が子どもの幼いうちに決めた結婚の約束と、その相手のことです。婚約者は、本人どうしの合意で結んだ約束もふくむ広い言葉です。今は、許嫁も婚約者と同じ意味で使われることがあります。
許嫁と幼なじみの違いは何ですか?
幼なじみは子どもの頃から近くで育ったという出会いの早さの言葉で、許嫁は結婚の約束の言葉です。子どもどうしの口約束だけなら幼なじみの思い出で、親や家が認めて決めた約束なら許嫁です。
許嫁は何と読みますか?
「いいなずけ」と読みます。「許婚」とも書き、どちらも当て字です。「言ひ名付く」という言葉からできたという説が有力とされています。
婚約破棄ものの婚約者はどう書けばいいですか?
破棄する側と、破棄される側のどちらを主人公にするかを先に決めます。破棄される側なら、落ち度のなさと、新しい場所で自分の望みを取り戻していく流れを描くと好まれます。破棄する役の王子は王子様、断罪される役は悪役令嬢・悪役令息のページも参考になります。
許嫁・婚約者キャラを魅力的に書くコツは?
約束の理由と、本人が約束をどう思っているかを一つずつ決めることです。そのうえで、約束と関係のない小さな時間と、約束がゆらぐ場面を置くと、決められた関係が本人の選んだ関係に変わっていく流れが伝わります。
次に読む
参考にした資料
- コトバンク「許嫁」(デジタル大辞泉:双方の親が幼いうちに結婚の約束をしておくこと、婚約者。日本大百科全書:語源には説がある)
- コトバンク「婚約」(当事者の合意で成立、1916・1917年の判決)
- Weblio「許嫁」(当て字、言ひ名付く、室町時代ころから武家の間で)
- Weblio「婚約者」(結婚の約束を交わした相手、類語に許嫁・フィアンセ)
- Wikipedia(日本語版)「政略結婚」(家や一族の利益のための結婚、戦国時代の例)
- ピクシブ百科事典「許嫁」(創作の定番、幼なじみの代わりとして描かれる)
- ピクシブ百科事典「婚約破棄」(悪役令嬢ものからの派生、破棄された側に焦点を当てる話)
- ニコニコ大百科「許嫁」(本人の意思と関係なく結婚を約束すること)
- TV Tropes「Arranged Marriage」・「Childhood Marriage Promise」・「Fake Relationship」(決められた結婚、子どもの頃の結婚の約束、恋人のふり)
- Wikipedia(日本語版)「はいからさんが通る」(花村紅緒と伊集院忍、祖父母の代からの許嫁、1975年連載開始)
- Wikipedia(日本語版)「らんま1/2の登場人物」(久遠寺右京:もう一人の許婚)
- Wikipedia(日本語版)「藍より青し」(桜庭葵:幼い頃からの許婚、家を出た相手を追う)
- Wikipedia(日本語版)「ニセコイ」(橘万里花:父どうしの約束による許嫁)
- ダ・ヴィンチWeb『カッコウの許嫁』についての記事(親たちが二人の気持ちを聞かずに許嫁を決め、同居させる)
- Wikipedia(日本語版)「黒執事の登場人物」(エリザベス・ミッドフォード:家同士が決めた許婚、従姉)
- Wikipedia(日本語版)「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」(ジオルド・スティアート:責任から婚約を申し込み、本気になる)
- Wikipedia(日本語版)「わたしの幸せな結婚」(久堂清霞:冷酷無慈悲と噂され、縁談を断ってきた。2019年刊行、2023年映画・アニメ)
- Wikipedia(日本語版)「婚約破棄された令嬢を拾った俺が、イケナイことを教え込む」(シャーロット:婚約を白紙にされ国を追われる)
- Wikipedia(日本語版)「機動戦士ガンダム 水星の魔女」(ミオリネ・レンブラン:決闘の勝者に婚約の権利、景品扱いへの反発)
- Wikipedia(日本語版)「チチ (ドラゴンボール)」(嫁にもらう約束を待ち続け、再会する)
- Wikipedia(日本語版)「金色夜叉」(1897〜1902年連載、許婚どうしの別れ)
- 小説家になろう 小説API「婚約破棄」「婚約」「許嫁」(2026年11月4日時点の件数と題名、初回掲載年別の件数)

