溺愛とは?意味・独占欲や過保護との違い・甘やかすスパダリから小さきものを愛でる人まで型と台詞例|サザノノ 性分帖。

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溺愛 できあい
好意の出し方 甘やかし 特別扱い 溺愛系 男女どちらにも

溺愛キャラとは、特定の相手を、周りがあきれるほどとことん大事にして、甘やかし、特別扱いするキャラクターのことです。恋人や主人公だけでなく、妹や娘、飼っている猫に向けられることもあります。

要点

  • 辞書の意味は「むやみにかわいがること」。もとは「一人娘を溺愛する」のように、少しあきれた気持ちもこめて使う言葉です
  • 見分ける条件は3つ。特定の相手だけを特別扱いする・言葉や行動で惜しみなく与える・周りから見ても度が過ぎている
  • 今は「溺愛系」が女性向けの一大ジャンル。タイトルでは「〇〇に溺愛される」のように、溺愛される側(主人公)の言葉としても使われます
  • 独占欲は「独り占めしたい」、溺愛は「与えたい・甘やかしたい」が中心です。人気の溺愛は、相手を縛らず、相手の挑戦を応援しながら大事にする形です
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目次

溺愛の意味と使い方

溺愛は「できあい」と読みます。「溺(おぼれる)」と「愛」を合わせた言葉で、愛情に溺れるように、むやみにかわいがることを言います。『デジタル大辞泉』では「盲愛」と同じ意味とされ、「一人娘を溺愛する」が例に挙げられています。『精選版 日本国語大辞典』は「むやみに、または盲目的にかわいがること」とし、早い用例として江戸時代の『日本詩史』(1771年)を挙げています。父が幼い息子を溺愛した、という文脈です。相手を客観的に見る目をなくして、分別なくかわいがる、と説明する辞書もあります。中国の古い詩文にも出典があり、漢語として入ってきた言葉です。

つまり、もともとは「かわいがりすぎ」という、少しあきれた気持ちを含む言葉です。有島武郎の『或る女』(1919年)にも、父が娘を溺愛した、という使い方が出てきます。祖父母が孫を、親が子を、飼い主がペットを、というように、家族や小さな相手に向けて使われてきました。

キャラクター属性としての溺愛は、好意の出し方を表す属性です。特定の相手にだけ、甘い言葉も、時間も、手間も惜しまずに注ぐ。その「度が過ぎた大事にし方」が魅力の中心です。

「溺愛」の使い方

今の溺愛は、使う形によって指すものが変わります。キャラクターを説明する時は、誰が、誰を溺愛しているのかをはっきりさせると伝わりやすくなります。

使い方例指しているもの
〇〇を溺愛する孫を溺愛する祖父/妹を溺愛する兄かわいがる側の様子。ふだんの会話では、少しあきれた響きもある
溺愛キャラ彼は恋人に対して溺愛キャラ特定の相手をとことん大事にする性格。性分帖ではこの意味で扱います
〇〇に溺愛される公爵様に溺愛される令嬢溺愛を受け取る側(主人公)から見た言い方。作品タイトルの定番
溺愛系溺愛系の漫画が好き主人公が誰かにとことん愛される恋愛作品のジャンル名
溺愛が止まらない/溺愛ルート総長の溺愛が止まらない物語の展開や、関係が甘くなっていく流れ

自分のキャラを紹介する時は「溺愛体質」「〇〇を溺愛している」、作品の雰囲気を伝える時は「溺愛系」「溺愛される話」と使い分けると、読む人に誤解されにくくなります。

溺愛キャラかどうかの見分け方

「優しいキャラ」が全部溺愛キャラになるわけではありません。溺愛と呼べるのは、次の3つがそろった時です。

  1. 特定の相手だけを特別扱いする:誰にでも優しいのではなく、ある一人(や一匹)にだけ、明らかに態度が甘い
  2. 言葉や行動で惜しみなく与える:甘い言葉、ほめ言葉、贈り物、時間、手間。相手のために使うことをためらわない
  3. 周りから見ても度が過ぎている:まわりが「甘やかしすぎ」とあきれたり、からかったりするほど、大事にし方が目立つ
こんな時判定
誰に対しても親切で、分けへだてなく優しい優しい(溺愛ではない)
相手を独り占めしたく、ほかの人に向く心が気になる独占欲が強い
危ないことから遠ざけ、相手に何もさせない過保護
相手の生活を整えたくて、あれこれ面倒を見る世話焼き
好意が病的になり、相手や周りを傷つける行動に出るヤンデレ
特定の相手だけを、周りがあきれるほど甘やかし、大事にし、特別扱いする溺愛

独占欲・過保護・世話焼きとの違い

いちばん混ざりやすいのは独占欲です。溺愛を書く作品には独占欲も一緒に出てくることが多いですが、中心にある気持ちが違います。独占欲は「自分のものでいてほしい」、溺愛は「この人に与えたい、甘やかしたい」です。

溺愛独占欲が強い過保護世話焼き
中心にあるもの与えたい・甘やかしたい独り占めしたい危険から守りたい面倒を見たい・整えたい
向く相手特定の一人だけ特定の一人だけ守る対象まわりの人に広く向くことも
ほかの人に対してあまり気にしない。むしろ自慢するやきもちを焼く・牽制する相手から遠ざける特に気にしない
相手の自由応援しながら大事にする葛藤しながら残そうとする減りやすい口うるさくなることも

「甘やかし」「スパダリ」「甘々」との違い

溺愛のそばでよく使われる言葉です。違いは、行動の言葉か、人物の言葉か、作品の雰囲気の言葉かです。

溺愛甘やかしスパダリ甘々
何についての言葉か好意の出し方(愛し方)相手にしてあげる行動理想的な人物像作品や場面の雰囲気
中身特定の相手をとことん大事にするわがままを聞く、楽をさせる容姿・能力・包容力がそろった恋人甘い場面が多い
よく使われる場所女性向けの恋愛作品、家族の話男性向けのラブコメでも多いBLから広まり、今は一般にもジャンルを問わない

スパダリは「どんな人か」、溺愛は「どう愛するか」の言葉なので、スパダリが溺愛キャラであることはよくありますが、同じ意味ではありません。地味で不器用な人が、一人にだけとことん甘い、という溺愛キャラもいます。

溺愛キャラの型

同じ溺愛でも、誰に向くのか、ふだんの顔とどれだけ差があるのかで印象が変わります。

スパダリ型

地位も能力も余裕もあり、それを惜しみなく主人公のために使う型です。女性向けの溺愛系の定番で、「この人なら守ってくれる」という頼もしさと甘さが同時に出ます。

氷が溶ける型

「冷酷」「氷の」と噂されるほど誰にも冷たいのに、主人公にだけはとことん甘い型です。今の溺愛系のタイトルにも多く、ふだんとの落差が大きいほど「自分だけが特別」という気持ちが伝わります。

家族溺愛型

妹、娘、弟などを溺愛する型です。兄や父に多く、相手に近づく人に過剰に反応する姿がコメディにもなります。たとえば、坂本太郎(『SAKAMOTO DAYS』)がこの型です。

甘やかしお姉さん型

主人公を全力でほめ、甘やかし、包みこむ型です。男性向けのラブコメでよく描かれ、「甘やかされる」側の安心感が魅力になります。年上や幼なじみの女性に多い形です。

小さきもの溺愛型

猫や犬、推しなど、恋愛以外の相手を溺愛する型です。こわもてのキャラが猫にだけでれでれになる、といったギャップとして、脇役にも主役にも使いやすい形です。

溺愛キャラの作り方と台詞例

同じ溺愛でも、キャラの性別や、誰に向けた作品かで「心が動くポイント」が変わります。4つの向きごとに、よくある形と、外し方、台詞例をまとめました。

台詞は「心の距離」の順に4段階で並べています。表の顔 → ほころび(素が一瞬見える)→ 信頼した相手だけ → 独りの時。溺愛は表の顔からすでに甘いので、奥の段ほど「なぜこの人なのか」「甘やかしすぎていないか」という本人の気持ちが見えるようにしています。話し方は口振カルテで調整できます。

1表の顔人前・ふだん
2ほころび素が一瞬見える
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
4独りの時誰にも見せない本音

下に行くほど心の距離が近づきます。同じ人物の4つの顔として読んでください。

自分のキャラクターの顔を置くと、下の台詞をその子が話しているように読めます。

性分帖の台詞は、自分で作ったキャラクターにどんな口調や性格が合うかを確かめるためのものです。画像と名前はこの端末にだけ保存され、ほかの属性のページでも同じ子が出ます。

女性の溺愛キャラ

恋人を甘やかし上手に包む女性、弟や妹をかわいがりすぎる姉、推しや猫に全力の女の子など、向く相手の幅が広いタイプです。甘やかすのが楽しくて仕方ない明るさと、「やりすぎかな」と立ち止まる気づかいの両方があると、ぐっと魅力的になります。

よくある形
恋人の頑張りを毎日ほめる彼女/弟の世話を焼きすぎる姉/推しのために全力で生きるファン/保護猫を溺愛する一人暮らしの女性
外すなら
いつも甘やかしている彼女が、あるとき逆に相手から甘やかされて、どうしていいか分からなくなる形にする。または、甘やかしを我慢して、相手が自分でやり遂げるのを見守る場面を作る
気をつけたいこと
溺愛する女性を、相手に尽くすだけの人として描かないこと。甘やかすのは彼女自身の楽しみや強さから来ている、と分かるように描くと、対等な関係に見えます
1表の顔人前・ふだん

「はい、あーん。今日もがんばったね。えらいえらい」

疲れて帰ってきた恋人の口に、手作りの卵焼きを運んで

2ほころび素が一瞬見える

「卵焼き、今日はあーんなしでいい? ……やっぱりだめ。口開けて」

友達に「甘やかしすぎ」と言われたのを思い出して、少しだけ手を止めて

3信頼した相手だけ見せると決めた本音

「あなたが頑張ってるの、ちゃんと見てるよ。だから、私の前でくらい、何もしなくていいの」

膝に頭をのせた恋人の髪を、ゆっくりなでながら

4独りの時誰にも見せない本音

「シャツのボタン、自分でつけてた。……手伝わないって決めたの、三回目で守れた」

二人分のマグカップを洗いながら、小さく自分に言い聞かせて

男性の溺愛キャラ

恋人への溺愛に加えて、妹や娘を溺愛する兄や父がよく描かれるタイプです。ふだんは頼れる人なのに、溺愛する相手のことになると冷静さをなくす姿が、笑いにも、胸が熱くなる場面にもなります。大事にしたい気持ちと、いつか手を離さなければならない寂しさが見えると、深みが出ます。

よくある形
妹のために毎朝弁当を作る兄/娘の写真を待ち受けにしている父/妻を大事にしすぎる愛妻家/後輩をかわいがりすぎる先輩/飼い猫にだけ声が高くなるこわもて
外すなら
溺愛していた妹に恋人ができ、兄が反対するのではなく、不器用に応援する側に回る形にする。または、溺愛される側のほうがしっかり者で、兄の世話を焼いている形にする
気をつけたいこと
家族溺愛を理由に、相手の恋愛や進路を力で邪魔する行動を、笑いだけで終わらせないこと。心配する気持ちと、相手の選択を認める姿を一緒に描くと、溺愛が温かく伝わります
1表の顔人前・ふだん

「今日の弁当、お前の好きなやつ全部入れといた。足りなかったら兄ちゃんの分も食え」

登校する妹に、二段重ねの弁当箱を押しつけて

2ほころび素が一瞬見える

「彼氏? そうか。いや、別に反対とかしないけど。いい奴なのか? ちゃんと大事にしてくれるのか?」

平気な顔で新聞を広げたまま、同じ行を何度も読み返して

3信頼した相手だけ見せると決めた本音

「お前が笑ってるのが、俺のいちばんの自慢なんだよ。だから困った時は、遠慮しないで頼れ」

夜の台所で、眠れない妹にホットミルクを渡しながら

4独りの時誰にも見せない本音

「いつか、俺がいなくても平気になるんだろうな。それでいい。それがいいんだ」

妹の小さいころの写真を、そっとアルバムに戻して

女性向け作品の男性溺愛キャラ

女性向けでは、報われない境遇の主人公が、地位や能力のある男性に打算なしでとことん愛される「溺愛系」が一大ジャンルになっています。学園ものから始まり、オフィスラブ、異世界の令嬢ものへと広がりました。主人公から追いかけるのではなく、気づいたら溺愛されていたという受け身の形と、早くから愛されて最後は幸せになる安心感が好まれています。現実の恋愛でも、女性へのアンケートでは、好みを覚えていて贈り物をくれる、離れていても自分のことを考えてくれている、わがままを聞いてくれる、といった場面が「溺愛されている」と感じるサインとして挙がっています。そのうえで、主人公を何もできない人にせず、挑戦を応援しながら守る男性が、今いちばん安心してときめける相手です。

よくある形
冷酷と噂の公爵/主人公にだけ甘い氷の王子/「愛する気はない」と言ったのに溺愛してくる旦那様/主人公を守り抜く総長/仕事のできる年上上司
外すなら
主人公も同じくらい彼を溺愛していて、二人で甘やかし合う形にする。または、溺愛したいのに不器用で、甘やかし方がいつも少しずれている男性にする
気をつけたいこと
主人公の意思を無視して囲いこむ、友人関係を制限するといった束縛を、溺愛として描かないこと。それは愛し方ではなく支配です。主人公の選んだことを尊重したうえで大事にする、という線を守ると、安心して楽しめる溺愛になります
1表の顔人前・ふだん

「疲れた顔をしているな。今日はもう終わりだ。残りは俺が片づける」

誰にでも冷たいと噂の上司が、主人公の机の書類をさっと取り上げて

2ほころび素が一瞬見える

「君が喜ぶ顔が見たくて、少しやりすぎた。迷惑なら、そう言ってくれ」

並んだ贈り物に主人公が目を丸くすると、気まずそうに目をそらして

3信頼した相手だけ見せると決めた本音

「君が頑張るのは止めない。ただ、俺の前でだけは、頑張り終わった顔を見せてくれ」

帰りの車の中で、主人公の手をそっと包んで

4独りの時誰にも見せない本音

「ありがとう、の一言で、明日の会議がどうでもよくなる。重症だな」

主人公からの「ありがとう」のメッセージに、ひとりで小さく笑って

男性向け作品の女性溺愛キャラ

男性向けでは、ヒロインが主人公をほめ、世話をし、とことん甘やかす形がよく描かれます。作品の紹介では「溺愛」より「甘やかされる」「すぐぎゅっとしてくる」といった言い方が目立ち、年上のお姉さんや幼なじみがその役になることが多いタイプです。何があっても味方でいてくれる安心感が中心ですが、彼女がなぜ主人公をそこまで大事にするのかが見えると、ただ都合のいいヒロインではなくなります。

よくある形
主人公を全力でほめる年上のお姉さん/毎朝起こしに来る幼なじみ/落ちこむと膝枕してくれる先輩/主人公にだけ甘い学校一の美少女
外すなら
いつも甘やかしてくれる彼女が、実は主人公に救われていた過去を持つ形にする。または、主人公が彼女を甘やかし返して、立場が入れかわる場面を作る
気をつけたいこと
彼女を、主人公を甘やかすためだけにいる人として描かないこと。彼女自身の夢や悩みもあり、甘やかすのは彼女が選んだ愛し方だと分かるように描くと、二人の関係に温度が出ます
1表の顔人前・ふだん

「おかえり。ごはんにする? それとも先に、ぎゅーってしとく?」

玄関で待っていた年上の幼なじみが、両手を広げて

2ほころび素が一瞬見える

「ぎゅー、断られたの初めて。……そんなに疲れてるなら、もっとしないとだめじゃない」

冗談っぽく笑ったあと、少しだけまじめな顔になって

3信頼した相手だけ見せると決めた本音

「君がすごいのは、私がいちばん知ってる。外で何を言われても、ここに帰ってきたら全部忘れていいよ」

落ちこんで帰ってきた主人公の頭を、膝の上でなでながら

4独りの時誰にも見せない本音

「毛布、三回かけ直した。……この子が起きてる間は、私のほうが抱えられてる」

主人公が眠ったあと、ずれた毛布をかけ直して

この属性から作る性分診断(キャラクター作成診断)を、「溺愛」の札を置いたところから始めます

溺愛キャラを書く時のコツと避けたいこと

コツ

  1. 「その人にだけ」を描く:誰にでも優しいなら、それは優しいキャラです。ほかの人への態度と比べて、一人にだけ明らかに甘いと分かる場面を入れると、溺愛になります
  2. なぜその人なのかを決める:救われた、初めて自分を見てくれた、守ると決めた約束がある。理由があると、溺愛がご都合ではなく、そのキャラの物語になります
  3. 小さな仕草で伝える:頭をなでる、上着をかける、好物を覚えている。大きな贈り物より、日々の小さな行動のほうが「大事にされている」感じが伝わります。好みを覚えていてくれた、いないところでも考えてくれていた、と分かる場面がとくに効きます
  4. 挑戦は応援する:過保護は相手に何もさせませんが、溺愛は相手がやりたいことを応援し、困った時に必ず助けます。この違いが、安心してときめける溺愛の鍵です
  5. ふだんの顔との差を作る:冷たい、こわもて、しっかり者。ふだんの顔がはっきりしているほど、溺愛する相手の前で崩れる姿が効きます

避けたいこと

  • 相手の意思を無視して囲いこむ、友人関係を制限する、行動を監視するといった束縛を、「溺愛の証」として美化すること。これは愛し方ではなく支配で、現実ではデートDVにあたる行為です
  • 甘やかしすぎて、溺愛される側が何も決められない、何もできない人になってしまうこと
  • 溺愛される理由がまったく描かれず、物語がご都合主義に見えてしまうこと
  • 家族溺愛を理由に、相手の恋愛や進路を力ずくで邪魔する行動を、笑いだけで終わらせること

溺愛キャラに合う口調・組み合わせやすい属性

合う口振(口振カルテへ)

溺愛は好意の出し方なので、口振は「どんな言葉で甘やかすか」で選びます。余裕をもって包みこむのか、まっすぐ好きを伝えるのか、丁寧にかしずくのかで、同じ溺愛でも印象が変わります。

組み合わせやすい属性

溺愛に独占欲を重ねると、とことん甘やかしながら誰にも渡さない、重くて甘いキャラになります。ふだんはクールなのに一人にだけ甘いなら「氷が溶ける型」、物腰がやわらかく何でも叶えようとするなら王子様の要素が加わります。甘やかしたいのに素直になれないツンデレは、照れながら好物だけは必ず用意しておく、といった不器用な溺愛になります。

ぶつかりやすい属性(あえて使うと面白い)

小悪魔は、相手の気持ちを試したり、わざと振り回したりする属性です。何でも叶えてしまう溺愛キャラとは、一人に重ねにくい組み合わせです。ただし関係性で並べると、小悪魔に振り回されながらも全部受け止める溺愛キャラ、という甘くて忙しい二人になります。

溺愛と「溺愛系」の歴史

溺愛は「むやみにかわいがる」という意味で、親子や家族について長く使われてきた言葉です。恋愛作品のジャンル名としての「溺愛系」は、ここ十数年で広まりました。

年表を開く
1771年

『精選版 日本国語大辞典』が早い用例として挙げる『日本詩史』で、父が幼い息子を溺愛したことが書かれています。もとは中国の詩文にも見える漢語です。

1919年

有島武郎の小説『或る女』に、父が娘を溺愛した、という使い方が出てきます。親から子への度が過ぎた愛情を表す言葉として使われていました。

2000年代

ケータイ小説がブームになります。ただし中心は、死別や暴力などを描く悲劇的な恋愛物語でした。その後、ブームは落ち着き、受け皿として甘い恋愛が求められるようになりました。

2009年ごろ

投稿サイト「魔法のiらんど」で、暴走族の総長の恋人を「姫」とする作品が人気を集め、「姫もの」と呼ばれる流れができました。強い男性に一途に守られる形は、のちの溺愛系につながります。

2010年代中盤

「〇〇に溺愛される」のように、題名にそのまま「溺愛」が入った作品が増え、支持されるようになります。2015年には、魔法のiらんど発の『溺愛』(映画館)が文庫化されました。

2010年代後半〜2020年代

野いちごなどの投稿サイトから「溺愛が止まらない」といった題名の作品が多く書籍化されます。2021年には『総長さま、溺愛中につき。』が漫画化され、小学生向けの文庫でも人気シリーズになります。女性向けの異世界恋愛(令嬢もの)でも「溺愛」が定番の言葉になりました。

2023年

電子書籍ストア「ブックライブ」の少女・女性マンガのランキングで、上位10作品のうち5作品を令嬢ものが占め、1位は「溺愛してきます」で終わる題名の作品でした。

現在

小学館から「溺愛」をテーマにした異世界アンソロジーが出る(2026年8月)一方、小学生向けの文庫でも「溺愛」が題名に入ったシリーズが続いていて、読む人の年齢の幅が広がっています。溺愛は、女性向け恋愛作品の柱の一つになっています。

今の溺愛のイメージ

  • 女性向けの一大ジャンル:学園もの、オフィスラブ、異世界の令嬢ものと舞台を変えながら、「報われない境遇の主人公が、ハイスペックな相手に打算なしで愛される」形が受け継がれ、「溺愛系」というジャンルになっています
  • 受け身でいられる安心感:主人公が追いかけるのではなく、気づいたら溺愛されている。早い段階で愛され、ほとんどが幸せな結末を迎えるので、安心して読めることも人気の理由です。何でも求められる今の読者にとって、浸かっているだけで心地よい場所になっています
  • 年齢の幅が広い:大人向けの電子コミックから、小学生向けの文庫まで「溺愛」の題名が並んでいます。中心にあるのは「自分だけを大事にしてくれる人がいる」という願いです
  • 本質は「特別扱い」:溺愛はただ優しいことではなく、主人公だけを特別に扱うことです。主人公を尊重しながら「それでも君だけは」という線を保つヒーローが好まれます
  • 家族溺愛は笑いと重さの両方:妹や娘を溺愛する兄や父は、コメディの定番であると同時に、「愛が重いキャラ」としても人気です。結婚してからの、愛妻家としての溺愛も長く好まれている形です
  • 溺愛と束縛の見分けが話題に:「愛情なのか、ただの束縛なのか分からない」という悩みは、現実の恋愛でもよくあります。創作でも、相手を尊重する溺愛と、自由を奪う束縛を分けて描くことが大切です
  • 弱点は「型どおり」:似た作品が多く、溺愛される理由が省かれがちです。なぜその人なのか、をしっかり描くことが、ほかの溺愛キャラとの差になります
  • 2025〜2026年に人気の作品では:坂本太郎(『SAKAMOTO DAYS』)のように、家族を何より大事にして、家族のためなら容赦しない形が人気です

よくある質問

溺愛キャラとはどういう意味ですか?

特定の相手を、周りがあきれるほどとことん大事にして、甘やかし、特別扱いするキャラクターのことです。恋人や主人公だけでなく、妹や娘、ペットや推しに向けられることもあります。

溺愛と独占欲の違いは何ですか?

溺愛は「与えたい・甘やかしたい」、独占欲は「独り占めしたい」という気持ちが中心です。溺愛キャラはほかの人をあまり気にせず、むしろ相手を自慢しますが、独占欲が強いキャラはほかの人に向く心が気になり、やきもちを焼きます。両方を持つキャラも多くいます。

溺愛と過保護の違いは何ですか?

過保護は、危ないことから遠ざけて、相手に何もさせない愛し方です。溺愛は、相手のやりたいことを応援しながら、困った時には必ず助ける愛し方です。甘やかしすぎて相手が何もできなくなると、溺愛は過保護に近づきます。

「溺愛する」と「溺愛される」はどう使い分けますか?

「〇〇を溺愛する」は、かわいがる側の様子を表します。「〇〇に溺愛される」は、愛される側から見た言い方で、恋愛作品のタイトルによく使われます。キャラクターの性格として説明する時は、溺愛する側を「溺愛キャラ」と呼びます。

溺愛系とはどんなジャンルですか?

主人公が、地位や能力のある相手から打算なしに、とことん愛される恋愛作品のジャンルです。女性向けの学園もの、オフィスラブ、異世界の令嬢ものなどで広く使われ、早くから愛されて幸せな結末を迎える安心感が特徴です。

溺愛は悪い意味ですか?

辞書の意味は「むやみにかわいがること」で、ふだんの会話では「甘やかしすぎ」という、少しあきれた響きを持つことがあります。一方、恋愛作品では「とことん大事にされる」という、ときめく意味で使われることがほとんどです。

参考にした資料

最終更新:2026年10月31日 / サザノノ 性分帖。(しょうぶんちょう・キャラ属性辞典)

この属性から作る性分診断(キャラクター作成診断)を、「溺愛」の札を置いたところから始めます
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