サザノノ 性分帖。 > 立ち位置 > 後輩
後輩とは、同じ学校や部活、職場などにあとから入り、先に入った先輩を慕ったり、追いかけたり、からかったりする関係の中で人柄が見えるキャラクターのことです。年下かどうかではなく、あとから入ったという順番が、その人の立ち位置を決めます。
要点
- 辞書では「同じ学校・職場などで、あとから入ってきた人」。決め手は年齢ではなく入った順なので、年上の後輩もいます
- 見分ける条件は3つ。同じ場所にあとから入った・先輩がいる・いつか自分が上になる
- 末っ子とは、数え方が違います。末っ子は集まりのいちばん下の一人、後輩は自分より先に入った人がいる全員。後輩には、さらに後輩ができます
- 「後輩」は呼びかけに使わない言葉です。後輩はいつも「先輩」と呼ぶ側で、先輩をどう呼ぶかが、そのまま後輩らしさになります
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後輩の意味と語源
「後輩」は、辞書(デジタル大辞泉)で「年齢・地位・経験や学問・技芸などで、自分より下の人」と「同じ学校・職場などで、あとから入ってきた人」とされる言葉です。反対の言葉は「先輩」です。キャラクターの立ち位置として使われるのは、主に二つめの意味です。
辞書(精選版 日本国語大辞典)では、うしろにいる人々という意味が827年の漢詩集から、あとに続く者という意味が1220年ごろの『平治物語』から見られます。同じ学校や職場にあとから入った人という意味では、夏目漱石の『行人』(1912〜13年)の用例が引かれています。
後輩を決めるのは、年齢ではなく入った順です。年上の後輩もいますし、後輩にもやがて後輩ができます。また「田中先輩」のように呼べる先輩と違って、「後輩」は呼びかけにも敬称にも使いません。後輩はいつも「先輩」と呼ぶ側なので、名前で呼ぶか、「先輩」とだけ呼ぶか、カタカナの「センパイ」か、あだ名か。呼び方に、その後輩の距離の取り方が表れます。
属性としては、組織の中であとから入ったという位置が、先輩との関係や物語の流れを決めるので、立ち位置の群に入れています。対になる先輩のページとは、型どうしが組み合わせになるように作っています。
後輩キャラかどうかの見分け方
年下でかわいがられている、というだけでは後輩キャラとは言えません。後輩と呼べるのは、次の3つがそろった時です。
- 同じ場所にあとから入った:学校、部活、職場、事務所など、同じ集まりにあとから入っています。年齢ではなく、順番が立場を決めます
- 先輩がいる:後輩は、先に入った相手がいて初めて後輩になります。先輩とどう向き合うかが、そのまま人柄になります
- いつか自分が上になる:先輩が卒業や異動でいなくなれば、後輩は次の先輩になります。いずれ立場が入れ替わることが、後輩の物語に先を作ります
末っ子・人懐っこい・犬系・先輩との違い
後輩は、いちばん下の立場の言葉や、年下らしい性格の言葉とよく混ざります。こう覚えると見分けやすくなります。後輩はあとから入った順番、末っ子はいちばん下の一人、人懐っこい・犬系は性格。
| 後輩 | 末っ子 | 人懐っこい | 犬系 | 先輩 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 何を言う言葉か | 同じ場所にあとから入った立場 | 家族やチームのいちばん下 | 誰とでも打ち解ける性格 | 犬のように懐いて慕う性格 | 同じ場所に先に入った立場 |
| 何人いるか | 先輩より下の全員 | 一人だけ | 人数は関係ない | 人数は関係ない | 後輩より上の全員 |
| 先輩への接し方 | 慕う、追う、からかうなど様々 | かわいがられて甘える | すぐ距離を縮める | 一途に懐く | 教える、守る、振り回す |
| 関係の終わり | 先輩を送り出し、自分が上になる | 下に誰か来ても、末っ子のまま | 終わりはない | 終わりはない | 卒業・引退・異動 |
| 崩れる瞬間 | 先輩の弱さを見た時 | 自分が守る側に回った時 | 一人だけ懐けない相手がいた時 | 懐いた相手に置いていかれた時 | 後輩に追い越された時 |
いちばん並べられるのは末っ子です。どちらも下の立場ですが、分かれ目はいちばん下かどうかです。末っ子は家族やチームの中のただ一人で、ずっと末っ子のままです。後輩は、自分より先に入った人がいれば誰でも後輩で、新しい人が入れば先輩にもなります。部の最年少として先輩たちにかわいがられている子は、後輩でもあり末っ子でもある、と重ねて考えると整理しやすくなります。
人懐っこい・犬系は、後輩に重ねられやすい性格です。けれど、人見知りの後輩も、そっけない後輩もいます。後輩は順番で決まる立場、人懐っこい・犬系は心の向きを表します。対になる先輩とは、型ごとに相性のいい組み合わせがあります。
後輩と近い言葉
後輩キャラの型と、合う先輩
後輩キャラは、先輩とどう向き合うかで型が分かれます。先輩のページの型と組み合わせになるように、それぞれの型に相性のいい先輩の形を添えました。最後の二つは、後輩の側にしかない型です。
「あの先輩みたいになりたい」と、やり方も話し方もまねしていく型です。最初は失敗ばかりでも、先輩の言葉を一つずつ覚えて育っていく。いつか先輩に「もう教えることはない」と言われる日が、この型の目標になります。
合う先輩:面倒見よく後輩を導く先輩
憧れの先輩を遠くから見ていて、話しかける勇気がなかなか出ない型です。名前を覚えてもらえただけで一日が明るくなる。片思いの切なさと、少しずつ距離が縮まるうれしさが見どころです。合う先輩:みんなの憧れになる先輩
真面目で、先輩にからかわれるたびにむきになって言い返す型です。言い返すほど面白がられてしまうのに、構われなくなると少し寂しい。からかいの中で、先輩との距離がいつの間にか近くなっています。
合う先輩:からかって距離を縮める先輩
口うるさい先輩に文句を言いながら、困った時はいちばんにその先輩を頼ってしまう型です。素直になれない分、ふとした時の「ありがとうございます」が効きます。たとえば、五十嵐双葉(『先輩がうざい後輩の話』)がこの型です。合う先輩:口うるさい教育係の先輩
頼りない先輩の失敗を、冷静につっこみながら片づけていく型です。呆れているのに放っておけず、気づけば先輩の一番の理解者になっている。立場は下でも、実際に場を回しているのはこの後輩です。たとえば、助手(『手品先輩』)がこの型です。合う先輩:頼りなくて後輩に支えられる先輩
入ってすぐに実力で先輩を抜いてしまう型です。才能はあっても、人との付き合い方はまだ知らない。追い越した先輩に支えられて、チームで戦うことを覚えていきます。たとえば、影山飛雄(『ハイキュー!!』)がこの型です。合う先輩:後輩に追い越される先輩
教えてもらうのを待たずに、先輩の動きを見て、自分で読み取っていく型です。口数の少ない先輩の小さな変化にも気づける。言葉を交わさなくても通じ合う瞬間が、この型の見どころです。
合う先輩:背中で見せる寡黙な先輩
えらそうな先輩の言うことを、にこにこ受け流している型です。本当は仕事も勉強も先輩よりできるのに、先輩の顔を立てている。いざという時、先輩を黙って助ける場面で、懐の深さが見えます。たとえば、市川レノ(『怪獣8号』)がこの型です。
合う先輩:先輩風を吹かす先輩
先輩が卒業したあと、その場所を任される型です。先輩のようにできない自分に悩み、それでも自分なりのやり方を見つけていく。先輩がいなくなってから始まる物語の主役になります。
合う先輩:卒業していく先輩
立場は下なのに、先輩をからかい、振り回して楽しむ型です。からかうのは気に入っているから。立場が下の後輩がからかうので、関係が逆転して笑いになります。たとえば、長瀞さん(『イジらないで、長瀞さん』)、宇崎花(『宇崎ちゃんは遊びたい!』)がこの型です。合う先輩:からかわれても怒らない人のいい先輩。先輩のページでは、頼りなくて後輩に支えられる先輩が近い形です
転職や入り直しで、年下の先輩の下につく型です。年上なのに「先輩」と呼ぶ照れくささと、人生経験の差が生む頼もしさがある。先輩のほうも、どう接していいか迷います。入った順で決まる後輩ならではの形です。
合う先輩:年下でも仕事を教える立場の先輩。先輩のページでは、口うるさい教育係の先輩が近い形です
後輩キャラの作り方と台詞例
後輩キャラは、どこに、いつあとから入った人で、先輩とどう向き合っているかで作る属性です。部活か職場か、なぜそこに入ったのか、先輩を何と呼ぶのかを決めると、人柄がはっきりします。相手になる先輩を一人決めておくと、台詞が書きやすくなります。
台詞は「心の距離」の順に4段階で並べています。表の顔 → ほころび(素が一瞬見える)→ 信頼した相手だけ → 独りの時。後輩キャラは、表の顔では後輩らしく振る舞い、ほころびで先輩への気持ちや焦りがのぞき、信頼した相手には後輩でいることの悩みを話し、独りの時には先輩がいなくなる日のことを考えています。話し方は口振カルテで調整できます。
下に行くほど心の距離が近づきます。同じ人物の4つの顔として読んでください。
自分のキャラクターの顔を置くと、下の台詞をその子が話しているように読めます。
性分帖の台詞は、自分で作ったキャラクターにどんな口調や性格が合うかを確かめるためのものです。画像と名前はこの端末にだけ保存され、ほかの属性のページでも同じ子が出ます。
ドラッグで位置を動かせます
女性の後輩キャラ
女性の後輩キャラは、憧れの先輩を追いかける子や、先輩を支えるしっかり者として描かれることが多い形です。先輩に認められたい気持ちと、いつか自分が先輩になる不安の両方を持っていると、人柄に奥行きが出ます。
- よくある形
- 部活の先輩に憧れて入部した一年生/職場で先輩に毎日教わっている新人/頼りない先輩の世話を焼くしっかり者の後輩/先輩に負けたくなくて張り合う後輩
- 外すなら
- 先輩に憧れて真似ばかりしていた後輩が、ある日、先輩のやり方では救えない人に出会い、自分のやり方を選ぶ形にする。または、いつも先輩に頼っている後輩が、先輩が倒れた日に、誰より落ち着いて場を仕切る形にする
- 気をつけたいこと
- 先輩の引き立て役だけで終わらせないこと。その子が何をしたくてそこに入ったのかがあると、先輩との関係が対等な物語になります
1表の顔人前・ふだん
「先輩、今日のメニュー、もう一本だけお願いします!」
練習が終わったあとのコートで、ボールを抱えて駆け寄りながら
2ほころび素が一瞬見える
「『うまくなった』って言われた。先輩、言ったあと一瞬だけ、笑うのやめたんだよね」
帰り道、先輩と別れたあとに、同じ学年の友達に
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「先輩、私が泣くたびに体育館の鍵、三十分遅く閉めてくれてた。来年、私にできるかな」
部室の片づけのあと、いちばん仲のいい同期にだけ
4独りの時誰にも見せない本音
「卒業式で泣いたら、先輩に笑われるだろうな。それでもいいや」
三月の夜、先輩にもらったテーピングの残りを机に並べて
男性の後輩キャラ
男性の後輩キャラは、運動部で先輩を追いかける一年生や、才能で先輩を抜いてしまう生意気な新人として描かれることが多い形です。先輩に張り合う気持ちと、本当は認めてほしい気持ちの差が見どころです。
- よくある形
- 先輩に憧れて入部した、声の大きい一年生/入ってすぐにレギュラーを取った生意気な新人/先輩の失敗を黙ってフォローする冷静な後輩/先輩にいじられてばかりの、気のいい後輩
- 外すなら
- 先輩に生意気な口ばかりきく後輩が、先輩が引退する試合の前の晩だけ、誰より長く練習に付き合う形にする。または、先輩を追い越した天才の後輩が、追い越した先輩にだけは今も敬語を崩さない形にする
- 気をつけたいこと
- 先輩に理不尽な命令をされて耐えることを、後輩の美しさとして描かないこと。言い返せる後輩、断れる後輩のほうが、今は応援されます
1表の顔人前・ふだん
「先輩、そのやり方より、こっちのほうが早いっすよ」
部室で、先輩の手から道具を受け取って手早く組み立てながら
2ほころび素が一瞬見える
「別に、先輩のために残ってたわけじゃないです。鍵当番なだけです」
自主練を終えた先輩と、暗い体育館の入り口で鉢合わせして
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「俺が試合に出られてるのは、先輩が降りてくれたからなんです。それ、忘れたことないです」
合宿の夜、眠れずに外に出たところで、顧問の先生にだけ
4独りの時誰にも見せない本音
「引退試合、先輩の最後のシュート、俺だけ見てなかった。ボール拾ってた」
誰もいない帰り道、先輩たちの引退試合のスコアを見返して
女性向けの男性の後輩キャラ
女性向けの男性の後輩キャラは、子犬のように慕ってくるかわいさと、ふとした時に見せる頼もしさの差が見どころです。年下だと思っていた後輩が、主人公を守る側に回る瞬間にときめきが生まれます。
- よくある形
- 主人公を「先輩」と呼んで懐いてくる子犬のような後輩/仕事ができて、主人公より先に出世しそうな後輩/主人公の前でだけ生意気な、年下の幼い頃からの知り合い/転職してきた、主人公より年上の後輩
- 外すなら
- いつも甘えてくるかわいい後輩が、主人公が取引先に責められた時だけ、低い声で前に出る形にする。または、そっけない後輩が、主人公の好きなものだけはすべて覚えている形にする
- 気をつけたいこと
- 後輩だからと、主人公の気持ちを無視して押しを強くする形にしないこと。年下でも、相手の返事を待てる誠実さが、ときめきの芯になります
1表の顔人前・ふだん
「先輩、お昼まだですよね。俺、二人分買ってきちゃいました」
昼休みのオフィスで、袋を二つ持って主人公の机に来て
2ほころび素が一瞬見える
「その人、先輩のこと名前で呼ぶんですね。……いえ、何でもないです」
主人公が同期と笑って話しているのを見たあと、資料を渡しながら
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「来月から一人で担当を持ちます。そうしたら先輩、俺のこと、名前で呼んでください」
残業のあと、駅までの道で、主人公の少し前を歩きながら
4独りの時誰にも見せない本音
「先輩って呼ぶの、あと何回で終わりにできるかな」
自分の部屋で、主人公から届いた「お疲れさま」の一言を何度も見返して
男性向けの女性の後輩キャラ
男性向けの女性の後輩キャラは、先輩の主人公をからかって振り回す子や、まっすぐに慕ってくる子として描かれます。どちらも、からかいや慕い方の奥に、先輩にだけ向けた本気が見える瞬間が好まれます。
- よくある形
- 先輩の主人公をからかうのが日課の一年生/部員の少ない部に入ってきた、元気な後輩/先輩を尊敬しすぎて空回りする真面目な後輩/先輩の主人公にだけ口が悪い、人気者の後輩
- 外すなら
- いつも先輩をからかっている後輩が、先輩がほかの誰かに笑われた時だけ、本気で怒る形にする。または、まっすぐ慕ってくる後輩が、先輩の進路を聞いた日から、急に会いに来なくなる形にする
- 気をつけたいこと
- からかいを、相手が本当に嫌がることや、体つきを見せる場面に寄せないこと。からかったあとに照れたり反省したりする顔があると、憎めない後輩になります
1表の顔人前・ふだん
「先輩、今日も一人でお昼ですか。仕方ないなあ、隣、空けといてあげますね」
中庭のベンチで、主人公の返事を待たずに腰を下ろして
2ほころび素が一瞬見える
「今の、なしです。センパイ、怒ってもいいですよ。黙られるよりましなので」
からかったあと、主人公が少し黙りこんだのを見て
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「クラスだと私、一日しゃべらない日もあるんですよ。センパイの前だと口が勝手に動く」
夕方の図書室で、二人きりになった時に目をそらしながら
4独りの時誰にも見せない本音
「センパイが卒業したら、私、誰をからかえばいいんだろ」
帰りの電車で、主人公と撮った一枚だけの写真を見ながら
後輩キャラを書く時のコツと避けたいこと
コツ
- 相手になる先輩を決める:後輩は、先輩がいて初めて後輩になります。先輩のページの型から相手を選ぶと、後輩の接し方が自然に決まります
- 先輩の呼び方を決める:「〇〇先輩」「先輩」「センパイ」、名前やあだ名。呼び方を決めるだけで、先輩との距離が伝わります。呼び方が変わる場面は、関係が変わる場面になります
- 入った理由を持たせる:先輩に憧れて入ったのか、たまたまか、ほかに行き場がなかったのか。理由があると、先輩への向き合い方に重みが出ます
- 自分が先輩になる日を意識させる:後輩は、いつか誰かの先輩になります。その日にどんな先輩になるかを決めておくと、物語の終わりに残る場面が作れます
先輩との距離で変わる見え方
| 先輩との距離 | どう見えるか | 揺らす出来事 |
|---|---|---|
| 遠くから憧れる | 健気、控えめ | 先輩から名前を呼ばれる |
| 後ろを追いかける | まっすぐ、ひたむき | 先輩のやり方では、うまくいかない場面が来る |
| 隣で支える | しっかり者、頼れる | 先輩がいなくても、場が回ってしまう |
| からかって構う | 生意気、楽しそう | 先輩が、ほかの誰かに取られそうになる |
| 張り合って追い越す | 生意気、才能がある | 追い越した先輩に、支えられていたと気づく |
避けたいこと
- 先輩の理不尽な命令や雑用に黙って耐えることを、後輩らしさや美しさとしてだけ描くこと。描くなら、それがおかしいと気づく場面も書きます
- 先輩をからかう型で、相手が本当に嫌がること、人前で恥をかかせることを続けさせること。からかったあとの照れや反省を入れると、関係として楽しめます
- 「後輩だからかわいい」「年下だから頼りない」と、立場だけで性格を決めること。頼れる後輩にも、生意気な後輩にも、そうなった理由を一つ持たせます
- 有名な先輩後輩ものの名場面や決め台詞を、そのまま借りること。関係の形は借りても、言葉はそのキャラ自身から作ります
後輩に合う口調・組み合わせやすい属性
合う口振(口振カルテへ)
後輩は立ち位置の属性なので、口振は「先輩にどう話しかけるか」で選びます。まっすぐに慕うのか、甘えて距離を縮めるのか、きちんと敬語で接するのか、強気に張り合うのかで、同じ後輩でも印象が変わります。
組み合わせやすい属性
後輩に犬系を重ねると、先輩にまっすぐ懐く子犬のような後輩に。人懐っこいを重ねれば、入ってすぐに先輩たちの輪に溶けこむ後輩になります。小悪魔を重ねると、先輩をからかって振り回す後輩に、努力家を重ねると、先輩の背中を追いかけて育つ後輩になります。負けず嫌いを重ねれば先輩に張り合う後輩に、ツッコミ役を重ねれば頼りない先輩を支える後輩になります。
ぶつかりやすい属性(あえて使うと面白い)
俺様や堅物の先輩は、後輩とぶつかりやすい属性です。一人に重ねるより、関係性で並べると引き立ちます。上から命令してくる俺様の先輩、決まりを曲げない堅物の先輩。いちばん反発していた後輩が、いつの間にかいちばんその先輩を分かっている。そんな関係が描けます。
後輩キャラの歴史
「後輩」は、もとはうしろにいる人々や、あとに続く者を指す言葉でした。学校や会社の仕組みが広まると、同じ場所にあとから入った人を指すようになり、先輩を見上げる側として物語を動かしてきました。ここでは、主な出来事をまとめます。
年表を開く
うしろにいる人々という意味で827年の漢詩集に、あとに続く者という意味で1220年ごろの軍記物に用例が見られます。
夏目漱石の小説に、ずっと後輩にあたる男、という言い方が出てきます。同じ学校などにあとから入った人という意味の用例として、辞書に引かれています。
社会人類学者の中根千枝が『タテ社会の人間関係』を出し、日本の組織では上下の序列が人間関係の中心になっていると論じます。後輩は、この縦の関係の下の側として語られるようになりました。
1年生の女の子が3年生の先輩に片思いする少女漫画が連載され、単行本2巻で100万部を超えます。憧れの先輩を見上げる後輩の目線は、少女漫画の定番になりました。
先輩をからかう後輩の女の子を描いた作品が、pixivで公開され始めます。2017年に漫画アプリで連載が始まり、2021年にアニメになりました。
英語圏のネットで「Notice me, senpai(先輩、気づいて)」という言い回しが広まります。憧れの先輩に気づいてほしい後輩という形が、海外でもお約束として知られるようになりました。
高校の部活の先輩に、大学でも構い続ける後輩の女の子の漫画が連載を始めます(2020年にアニメ)。同じ年、職場の先輩をうざがりながら頼る後輩を主人公にした漫画も、SNSで人気になりました。
アニメ!アニメ!が、好きな相手をからかう「S系女子」の作品が増えていると特集し、その中に先輩をからかう後輩が二人並びます。
先輩に恋をする後輩女子が出てくる『先輩はおとこのこ』が、2022年の「アニメ化してほしいマンガランキング」で1位になり、2024年にアニメになります。
今の後輩キャラのイメージ
- からかう後輩:立場が下の後輩が先輩をからかう形が、一つの型として定着しました。立場が逆転しているので笑いになり、からかったあとに照れる顔が好まれています
- 後輩が主人公:『先輩がうざい後輩の話』のように、後輩の目線で先輩との関係を描く作品が人気です。先輩を見上げる側の気持ちが、物語の中心になっています
- 年下男子・子犬系の後輩:女性向けでは、年下の後輩男子が恋の相手として描かれることが多くなりました。年下らしいかわいさと、いざという時の頼もしさの差が魅力で、「子犬系後輩」という呼び方も定着しています
- 耐える後輩より、言える後輩:部活での厳しすぎる上下関係が問題として報じられるようになり、理不尽に耐えるだけの後輩は描かれにくくなりました。先輩に意見を言える後輩、先輩を支える後輩が好まれています
- 2025〜2026年に人気の作品では:市川レノ(『怪獣8号』)のように、先輩より優秀なのに先輩を尊敬し続け、相棒になる後輩が描かれています
よくある質問
後輩とはどういう意味ですか?
同じ学校・職場などで、あとから入ってきた人のことです。年齢・地位・経験や学問・技芸などで自分より下の人を指すこともあります。反対の言葉は先輩です。
後輩と末っ子の違いは何ですか?
後輩は、同じ場所にあとから入ったという順番で決まる立場で、先輩より下の人は全員後輩です。末っ子は、家族やチームのいちばん下の一人です。後輩には新しく後輩ができますが、末っ子は下に誰かが入るまで一人だけです。
年上の後輩はありえますか?
ありえます。後輩かどうかは年齢ではなく入った順で決まるので、転職や入り直しで、年上の人が年下の先輩の後輩になることがあります。物語では、この逆転が関係の面白さになります。
後輩はなぜ先輩を「先輩」と呼ぶのですか?
「先輩」は呼びかけや敬称に使える言葉ですが、「後輩」は使わない言葉だからです。そのため後輩は先輩を「先輩」と呼び、先輩は後輩を名前で呼ぶのが普通です。呼び方の違いが、二人の距離を表します。
先輩と後輩の組み合わせはどう考えればいいですか?
後輩の向き合い方に合わせて先輩を決めると組みやすくなります。追いかける後輩には導く先輩、言い返す後輩にはからかう先輩、しっかり者の後輩には頼りない先輩、のように並べると関係が引き立ちます。
後輩キャラを魅力的に書くコツは?
相手になる先輩と、先輩の呼び方を決めることです。そのうえで、なぜそこに入ったのかと、自分が先輩になった時にどうするかを決めておくと、成長の見える後輩になります。
次に読む
参考にした資料
- コトバンク「後輩」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典:二つの意味、用例の年代、『経国集』827年・『平治物語』1220年ごろ・夏目漱石『行人』1912〜13年)
- Wikipedia(日本語版)「先輩」(入った順で決まり年齢は問わない、部活の上下関係と2013年の報道)
- Wikipedia(英語版)「Senpai and kōhai」(組織の中の非公式な上下関係、互いに必要とし合う関係)
- Weblio「上下関係」(中根千枝『タテ社会の人間関係』1967年)
- TV Tropes「Sempai/Kohai」(後輩は敬語で先輩と呼ぶ、後輩が先輩を追い越す逆転)
- Fanlore「Notice Me, Senpai」(2012年ごろに始まったミーム)
- Wikipedia(日本語版)「イジらないで、長瀞さん」(2年の先輩と1年の後輩、2011年pixiv・2017年マガジンポケット、2021年・2023年アニメ)
- ブックライブ「イジらないで、長瀞さん」紹介(体格も立場も下の後輩がイジることで関係が逆転する)
- Wikipedia(日本語版)「宇崎ちゃんは遊びたい!」(高校の水泳部からの1学年下の後輩、2017年連載開始、2020年アニメ)
- アニメ!アニメ!「高木さん、宇崎ちゃん、長瀞さん…S系女子まとめ」(2021年)(S系女子が登場する作品が増えている)
- Wikipedia(日本語版)「先輩がうざい後輩の話」(五十嵐双葉:先輩の武田をうざがりながら内心では頼りにしている)
- 電撃オンライン「アニメ『先輩はおとこのこ』」(先輩のまことに恋をする後輩の蒼井咲)
- 電ファミニコゲーマー「アニメ化してほしいマンガランキング」2022年(『先輩はおとこのこ』が1位)
- マンガペディア「手品先輩」(失敗ばかりの先輩につっこむ助手の後輩)
- Wikipedia(日本語版)「ハイキュー!!」(影山飛雄:中学時代の孤立、菅原のプレーから協調の大切さを学ぶ)
- ジョルダン映画「先輩と彼女」(2004〜2005年連載、100万部、2015年映画)
- Oggi「年上女性×年下男性のカップルはうまくいく?」(2025年)(年下男性が恋愛対象になる女性は約6割、かわいさと頼もしさのギャップ)
- Oggi「年下男性を好きになる女性心理」(2024年)(弟のように見えて恋愛対象にならないという声も)
- Oggi「あなたの『理想の後輩』はだれ?」(2025年)(子犬系後輩、愛嬌たっぷりな新入社員)

