サザノノ 性分帖。 > 立ち位置 > 兄キャラ
兄キャラとは、弟や妹がいる兄としての顔を持ち、きょうだいを守ったり、張り合ったり、すれ違ったりする関係の中で人柄が見えるキャラクターのことです。
要点
- 兄キャラは、弟や妹との関係が見どころになるキャラです。長男でなくても、下にきょうだいがいれば兄です
- 見分ける条件は3つ。弟や妹がいる・きょうだいとの関係が物語の見どころになる・兄としての守り方や向き合い方で人柄が見える
- 兄貴分とは、関係の始まりが違います。兄キャラは生まれた時から兄、兄貴分は自分で選んで兄になった人。ただし今は、弟と認めた相手を全力で守る兄も、兄キャラとして愛されています
- 毎年の読者アンケートでは、弟や妹のためなら命も惜しまない兄が上位に並びます。ふだんは頼りないのに、いざという時に頼れる兄も人気です
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兄キャラの意味と語源
「兄」は、同じ親から生まれた年上の男のきょうだいのことです。辞書(精選版 日本国語大辞典)では、ほかに長男の意味(『日本書紀』の用例)や、配偶者の兄である義兄の意味、若い男性に親しみをこめて呼びかける「兄さん」の使い方も挙げられています。
古い日本語では、兄を表す言葉がいくつもありました。年上のきょうだいを男女を問わず呼ぶ「え」、女性から見た兄や弟を指す「せ」、子の上を語源とする「このかみ」などです。「せ」は夫や恋人を呼ぶ言葉でもあり、昔から兄は、守ってくれる身近な男性として語られてきました。
キャラクターの「兄キャラ」は、弟や妹がいることを軸にした呼び方です。長男でも次男でも、下にきょうだいがいれば兄です。一方、血のつながりのない相手を兄のように引っぱる人は兄貴分、きょうだいのいちばん上という位置は長男・長女のページで扱っています。
属性としては、きょうだいの中でどこに立ち、どう向き合うかで決まるので、立ち位置の群に入れています。このページでは、実の兄を中心に、弟や妹として向き合う相手を持つ兄をまとめて扱います。
兄キャラかどうかの見分け方
年上の男性であれば兄キャラ、面倒見がよければ兄キャラ、というわけではありません。兄キャラと呼べるのは、次の3つがそろった時です。
- 弟や妹がいる:実のきょうだいのほか、弟や妹として迎えた相手、弟や妹と認めた相手もふくむ。本人がその相手を「自分の弟・妹」と思っていることが大事
- きょうだいとの関係が見どころになる:守る、溺愛する、張り合う、すれ違う。弟や妹とのやりとりが、物語の大事な場面になっている
- 兄としての向き合い方で人柄が見える:前に立つのか、見守るのか、突き放すのか、構いすぎるのか。兄としてのふるまい方が、そのまま性格として描かれる
兄貴分・長男・過保護との違い
兄キャラは、頼れる年上の男性を表す言葉とよく混ざります。こう覚えると見分けやすくなります。兄キャラは弟や妹との関係、兄貴分は自分で選んだ兄の役、長男はいちばん上という位置、過保護は守り方の行きすぎ。
| 兄キャラ | 兄貴分 | 長男・長女 | 過保護 | |
|---|---|---|---|---|
| 何についての言葉か | 弟や妹との関係 | 血のつながりのない兄の役 | きょうだいのいちばん上という位置 | 守り方の行きすぎ |
| 関係の始まり | 生まれた時から(迎えた弟妹もふくむ) | 自分で選んで結ぶ | 生まれた順番 | 相手を大切に思う気持ち |
| 下の人との関係 | 守る、構う、張り合う、すれ違う | 慕われて引っぱる | 手本になる、家を背負う | 先回りして危険を取り除く |
| 崩れる瞬間 | 弟や妹を守れなかった時、拒まれた時 | 弟分を守りきれなかった時 | 「上の子だから」に疲れた時 | 相手に「放っておいて」と言われた時 |
いちばん混ざりやすいのは兄貴分です。兄貴分は、血のつながりのない相手に対して、自分で選んで兄の役を引き受けた人です。兄キャラは、生まれた時から兄で、兄でいることをやめられません。ただ、弟と認めた相手を命がけで守る兄や、義兄弟の兄も、兄キャラとして好かれています。血のつながりより「弟や妹として向き合っているか」が、兄らしさの決め手です。
長男・長女は、きょうだいのいちばん上という位置の言葉で、親の期待や家を継ぐことまでふくめて描かれます。次男でも下にきょうだいがいれば兄キャラになり、弟思いの長男は二つが重なった姿です。過保護は守り方の言葉で、兄が弟妹を心配するあまり自由を奪い始めると、兄キャラに過保護が重なった形になります。
兄キャラと近い言葉
| お兄ちゃん | 兄さん | 兄バカ | シスコン・ブラコン | |
|---|---|---|---|---|
| どんな言葉か | 弟や妹からの親しい呼び方 | 兄を呼ぶ言い方のほか、若い男性への呼びかけにも使う | 弟や妹をかわいがりすぎて、周りが見えなくなる兄 | 妹や弟に強い愛着を持つことを、少しからかって言う言葉 |
| 兄キャラとの関係 | 呼ばれ方で関係の近さが見える。自分で「お兄ちゃんだ」と名乗る兄もいる | 少し大人びた、距離のある呼び方。「兄さん」と呼ぶ弟妹は、しっかり者に描かれやすい | 兄キャラの笑いの定番。愛情の深さが空回りする形 | 兄キャラの一面として語られる。恋愛の意味で描くかどうかは作品によって大きく違う |
兄キャラの型
兄キャラは、弟や妹とどんな距離にいるかと、兄として何を背負っているかで分かれます。よく描かれる型を並べました。
弟や妹を守るためなら、自分がどうなってもかまわない型です。ふだんは静かでも、きょうだいが傷つけられた時だけは別人のように本気になります。たとえば、脹相(『呪術廻戦』)がこの型です。
弟や妹が大きなものを失った責任を、兄として自分が負うと決めている型です。守る側と守られる側ではなく、二人で同じ目標に向かって進む。兄の強がりと弟への申し訳なさが、物語の芯になります。たとえば、エドワード・エルリック(『鋼の錬金術師』)がこの型です。
人当たりがよく、少し頼りなく見えるのに、妹に危険が迫ると誰より冷静で容赦がなくなる型です。その落差が、兄としての愛情の深さを伝えます。たとえば、谷崎潤一郎(『文豪ストレイドッグス』)がこの型です。
妹をかわいがるあまり、近づく相手をすべて敵と見なしてしまう型です。妹本人には少し煙たがられているのに、まったく気にしない。その行きすぎが、そのまま笑いになります。たとえば、夜桜凶一郎(『夜桜さんちの大作戦』)がこの型です。
弟や妹への愛情表現が大げさで、本人の都合もおかまいなしに構いに行く型です。弟はうんざりしているのに、兄は気づかない。にぎやかな空回りが、きょうだいの距離を少しずつ縮めます。たとえば、草摩綾女(『フルーツバスケット』)がこの型です。
弟や妹から嫌がられても、余裕のある態度でかわいがるのをやめない型です。相手の反発も、兄として受け止めている。二人が同じ場に並ぶと、言い合いの中に長い年月が見えてきます。たとえば、朔間零(『あんさんぶるスターズ!』)がこの型です。
弟や妹を危険から遠ざけるために、わざと冷たい言葉をぶつける型です。本当は誰より大切に思っているのに、それを言えない。すれ違いの時間が長いほど、本心が伝わる場面が胸に残ります。たとえば、不死川実弥(『鬼滅の刃』)がこの型です。
かつては同じ夢を見ていた弟と、ある日を境にすれ違ってしまう型です。兄は先を歩き続け、弟はその背中を追いながら反発する。いつか分かり合えるのかどうかが、読む人を引きつけます。たとえば、糸師冴(『ブルーロック』)がこの型です。
弟や妹とは違う道を選び、敵の側から立ちはだかる型です。突き放したはずなのに、心の奥ではきょうだいを気にかけている。戦うことでしか向き合えない兄妹の関係が描かれます。たとえば、神威(『銀魂』)がこの型です。
弟や妹にあきれられるほどだらしなく、兄の威厳もない型です。それでも、きょうだいが本当に困った時には、迷わず前に出る。そのたった一度の頼もしさが、兄としての顔を見せてくれます。
ふだんは天邪鬼で素直になれないのに、弟のことになると恥ずかしがらずに大好きだと言える型です。弟の前だけで見せる顔が、その人のいちばん柔らかい部分になります。たとえば、白光琉衣(『18TRIP』)がこの型です。
兄キャラの作り方と台詞例
兄キャラは、男性キャラのいちばん身近な立ち位置の一つです。女性キャラのタブでは、兄の役を担う女性を扱います。姉としての弟妹との関係は姉キャラのページで扱います。
台詞は「心の距離」の順に4段階で並べています。表の顔 → ほころび(素が一瞬見える)→ 信頼した相手だけ → 独りの時。兄キャラは、表の顔では兄らしくふるまい、ほころびで弟や妹への甘さがにじみ、信頼した相手には兄でいる重さを、独りの時には弟妹に言えない本音を抱えています。話し方は口振カルテで調整できます。
下に行くほど心の距離が近づきます。同じ人物の4つの顔として読んでください。
自分のキャラクターの顔を置くと、下の台詞をその子が話しているように読めます。
性分帖の台詞は、自分で作ったキャラクターにどんな口調や性格が合うかを確かめるためのものです。画像と名前はこの端末にだけ保存され、ほかの属性のページでも同じ子が出ます。
ドラッグで位置を動かせます
兄の役を担う女性キャラ
女性キャラでは、兄の代わりを引き受ける妹や、男きょうだいの中で兄のように弟たちを引っぱる女性として描かれます。兄がいなくなった家を守るために、自分が兄の役を背負うと決める。その覚悟と、本当は兄に頼りたかった気持ちの落差が見どころです。
- よくある形
- いなくなった兄の代わりに、弟たちを守ると決めた妹/双子の兄の身代わりとして、男装して兄の居場所に立つ妹/弟ばかりのきょうだいで、「兄貴」と呼ばれている長女/兄の背中を追って、同じ道を選んだ妹
- 外すなら
- 兄の代わりを始めたのに、兄より上手にこなしてしまい、戻ってきた兄が困る形にする。または、兄の役をやめて、妹として兄に甘える場面で物語を終える形にする
- 気をつけたいこと
- 「女だから兄の代わりは無理」という周りの声だけで物語を作らないこと。なぜ兄の役を引き受けたのか、何を守りたいのかを一つ決めると、その人自身の強さが見えてきます
1表の顔人前・ふだん
「兄さんが戻るまで、この家は私が守る。文句がある人は、私に言って」
親戚が集まった座敷で、弟たちの前に立ち、背筋を伸ばして
2ほころび素が一瞬見える
「……兄さんなら、ここでどう言ったかな。ちょっと待って、考えるから」
弟に相談を持ちかけられ、答えに詰まって、兄の古い手帳をめくりながら
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「兄さんの手帳、三ページ目まで読んだら答えが書いてあった。四ページ目から先は、私が書くしかないのね」
夜の台所で、幼なじみにだけ、湯呑みを両手で包んで
4独りの時誰にも見せない本音
「早く帰ってきて。そしたら、また妹に戻れるから」
誰もいない兄の部屋で、机の上に置かれたままの腕時計を見つめて
男性の兄キャラ
男性の兄キャラは、弟や妹を命がけで守る兄、弟と張り合う兄、溺愛が行きすぎる兄、すれ違ったままの兄として描かれます。読者アンケートでも、弟や妹のために体を張る兄が毎年上位に入ります。守り方、構い方、すれ違い方の違いが、そのまま兄の人柄になります。
- よくある形
- 弟や妹のためなら自分を投げ出す兄/弟とずっと張り合ってきた兄/妹をかわいがりすぎて煙たがられる兄/わざと冷たくして弟を遠ざける兄
- 外すなら
- 弟のほうがしっかりしていて、兄が弟に守られている形にする。または、兄が弟や妹に初めて弱音を吐き、きょうだいの役割が入れ替わる場面を一つ作る
- 気をつけたいこと
- 兄の愛情を、弟や妹の気持ちを無視して行動を決めてしまうことで見せないこと。守ることと、相手の選択を尊重することを両方描くと、兄の深さが伝わります
1表の顔人前・ふだん
「弟に手を出したのはお前か。……覚えとけ。あいつを殴った分は、全部俺に回ってくる」
路地の奥で、弟をかばうように前へ出て、相手から目をそらさずに
2ほころび素が一瞬見える
「あいつ、朝ちゃんと食べたかな。……やめとけ、俺。二十歳の弟に朝飯の心配なんて」
仕事の合間に、ふとスマートフォンを手に取りかけて、また置いて
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「弟の前で泣いたの、一回だけ。あいつが三歳で、覚えてない。あれが最後だと、二十年決めてる」
帰り道の公園で、長いつきあいの友人と並んでベンチに座って
4独りの時誰にも見せない本音
「写真のあいつ、俺の袖つかんでる。今は俺のほうが、あいつの袖を見てる」
夜の部屋で、子どものころ二人で撮った写真を、引き出しから取り出して
女性向け作品の兄キャラ
女性向けでは、弟や妹を大事にする兄の姿が、そのまま主人公への優しさにつながる形が人気です。兄弟ユニットのお兄ちゃん、弟を溺愛しすぎて空回りする兄、主人公にまで兄のように世話を焼いてしまう人。家族への愛情の深さを知っているからこそ、主人公にも心を開いた時の甘さが伝わります。
- よくある形
- 弟とユニットを組む、余裕のあるお兄ちゃん/弟にうんざりされても構い続ける兄/妹思いで、主人公にも同じように気を配る兄/弟の前では完璧なのに、主人公の前でだけ弱さを見せる兄
- 外すなら
- 主人公のほうが兄を甘やかし、兄が「甘えられる側」に慣れず戸惑う形にする。または、主人公と兄の弟が親友で、兄が二人の仲に少しやきもちを焼く形にする
- 気をつけたいこと
- 主人公まで弟や妹と同じように子ども扱いしないこと。兄としての優しさと、一人の相手として向き合う顔を分けて描くと、恋の相手としての特別さが伝わります
1表の顔人前・ふだん
「うちの弟が世話になってるね。迷惑をかけてたら、遠慮なく俺に言って」
楽屋の廊下で、弟と話していた主人公に、にこやかに声をかけて
2ほころび素が一瞬見える
「あ、ごめん。弟にするみたいに、つい頭をなでるところだった」
差し入れを受け取った主人公に、伸ばしかけた手を止めて
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「『疲れてる?』って、弟にも言われたことない。返事の仕方、知らなくてさ。もう一回、言ってくれる?」
夜のスタジオで、二人きりになり、疲れた顔を隠さずに
4独りの時誰にも見せない本音
「弟みたいに大事にしたいのか、それとも違うのか。もう分かってるくせに」
帰りの車の中で、主人公から届いたお礼のメッセージを読み返して
男性向け作品の兄の役を担う女性キャラ
男性向けでは、弟たちを「兄貴」のように引っぱる女性や、兄の代わりに主人公の前に立つ妹が描かれます。男勝りで頼もしいのに、ふとした瞬間に年相応の顔が出る。兄として強がる姿と、守られることに慣れていない不器用さがかわいさになります。
- よくある形
- 弟たちから「兄貴」と呼ばれる元気な長女/兄の代わりに道場を継ごうとする妹/兄の身代わりで男子校に入った少女/主人公を弟分のように扱う幼なじみ
- 外すなら
- 兄の役をこなすうちに、本物の兄より慕われてしまい、兄が拗ねる形にする。または、主人公が彼女の「兄の役」をいっしょに背負う相棒になる形にする
- 気をつけたいこと
- 男装や男勝りな姿を、正体がばれる場面のためだけに使わないこと。彼女が兄の役を選んだ理由を大事にすると、一人の人物として好かれます
1表の顔人前・ふだん
「弟たちに手を出すなら、まず私を通してもらう。兄貴の代わりは、私がやる」
道場の入り口で、竹刀を肩にかけ、押しかけてきた相手の前に立って
2ほころび素が一瞬見える
「……今の、かわいいって言った? 聞き間違いだよね。兄貴に向かって」
主人公に何気なく言われ、竹刀を取り落としそうになって
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「竹刀、兄貴のは私の手に大きい。柄を削るか、手を大きくするか。手のほうにした」
稽古のあとの縁側で、主人公にだけ、汗をぬぐいながら
4独りの時誰にも見せない本音
「兄貴の胴着、まだ大きいな。……似合うようになるまで、私がやるしかないか」
夜の稽古場で、兄の名前の入った古い胴着をたたみながら
兄キャラを書く時のコツと避けたいこと
コツ
- 弟や妹を一人、ちゃんと描く:兄キャラは、きょうだいとの関係ごと好かれます。弟や妹にも性格と言い分を持たせると、兄の言葉が生きてきます
- 兄としての守り方を一つ決める:前に立つ、見守る、突き放す、構いすぎる。守り方が、そのまま兄の性格になります
- 呼ばれ方を決める:「お兄ちゃん」「兄さん」「兄貴」、または名前で呼ばれる。呼び方ひとつで、きょうだいの距離と年月が伝わります
- 兄でいない時間を一つ持たせる:弟や妹のいない場所での素顔、誰かに甘える一瞬。兄でいることの重さが、その時に見えてきます
弟や妹との距離で変わる見え方
| 弟や妹との距離 | どう見えるか | 揺らす出来事 |
|---|---|---|
| 前に立って守る | 頼もしい、命がけ | 弟や妹が、自分の力で立ち上がる |
| 構いすぎる | 兄バカ、にぎやか | 弟や妹に本気で拒まれる |
| 突き放す | 冷たい、不器用 | 弟や妹が、自分のために傷つく |
| 張り合う | 負けず嫌い、熱い | 弟や妹に追い越される |
| すれ違ったまま | 切ない、遠い | 昔の約束を、相手が覚えていたと知る |
避けたいこと
- 兄の愛情を、弟や妹の交友や進路を決めつける行動で見せること。愛情の深さと、相手の意思を尊重することは両立させます
- 「兄だから我慢しろ」「兄なんだから当然」を、物語の正しさとして描くこと。兄にも甘えたい気持ちや、背負いきれない時があると描くと、人物に奥行きが出ます
- 弟や妹への愛情を、恋愛のように見せることを、作品の方向を決めないまま混ぜること。家族としての愛情か、別の気持ちかで、読む人の受け取り方は大きく変わります
- 実在の作品の兄キャラの名乗りや決め台詞を、そのまま借りること。兄の言葉は、そのきょうだいの年月から作ります
兄キャラに合う口調・組み合わせやすい属性
合う口振(口振カルテへ)
兄キャラは立ち位置の属性なので、口振は「弟や妹に、どんな言葉で向き合うか」で選びます。ゆったり受け止めるのか、こまめに世話を焼くのか、ぶっきらぼうに突き放すのか、まっすぐ気持ちを伝えるのかで、同じ兄でも印象が変わります。
組み合わせやすい属性
兄キャラに長男を重ねると、家の期待と弟妹を同時に背負う、責任感の強い兄に。過保護を重ねれば、弟や妹の行く先を先回りして片づけてしまう心配性の兄になります。溺愛を重ねると、近づく相手をすべて敵と見なす兄バカに、強がりを重ねると、弟の前では絶対に弱音を吐かない兄になります。自己犠牲を重ねれば、弟や妹のために自分を差し出す兄に。苦労人を重ねると、自由な弟妹の後始末に追われる兄になります。弟や妹として向き合う末っ子とは、関係性で並べると相性のいい組み合わせです。
ぶつかりやすい属性(あえて使うと面白い)
天邪鬼やツンデレな弟妹は、兄の愛情とぶつかりやすい属性です。一人に重ねるより、関係性で並べると引き立ちます。兄がどれだけ構っても、弟や妹は素直に受け取らない。けれど、兄が本当に困った時にだけ、いちばん先に駆けつけてくれます。
兄キャラの歴史
兄は、神話や昔話の時代から語られてきた、とても身近な人物像です。ここでは、主な出来事をまとめます。
年表を開く
『古事記』に、年上のきょうだいを男女を問わず呼ぶ「え」の用例が見られます。兄を表す古い言葉には、ほかに「せ」「このかみ」などがありました。
漫画家の畑田国男さんが、6月6日を「兄の日」として提唱したとされます。のちに弟・妹・姉の日も同じように定められました。
読者が「お兄ちゃん」として12人の妹に慕われる企画が雑誌で始まり、2001年にゲームとアニメになります。兄は、妹から慕われる側の主人公として描かれるようになりました。
失った体を取り戻すために、兄弟二人で旅をする漫画の連載が始まります。弟の分まで背負う兄は、その後の兄キャラの代表的な形になりました。
兄と妹の関係を軸にしたライトノベルが刊行され、2010年にアニメになります。きょうだいの距離感そのものが、物語の中心として描かれるようになりました。
アニメ!アニメ!が毎年「兄の日」に合わせて、兄キャラの読者アンケートを始めます。弟や妹を守る兄が毎年上位に並び、回答者は2025年まで女性が6〜8割でした。
アンケートで、弟たちを命がけで守る兄が2年続けて1位になります。弟や妹のためなら命も惜しまない兄が、兄キャラの中心にいます。
兄キャラのアンケートで、回答者の男性が初めて半数を超えます。兄が妹になってしまう作品の主人公や、国民的なアニメの兄も上位に入り、兄キャラの幅が広がりました。
今の兄キャラのイメージ
- 命がけで守る兄が人気:好かれる理由の中心は、弟や妹を必死に守ること。バトル作品の兄がその代表です
- きょうだいごと愛される:同じ作品の対になったきょうだいが、兄としても弟・妹としても好かれています。兄は一人でなく、関係ごと好かれています
- 血のつながりより、向き合い方:弟と認めた相手を守る兄や、義兄弟の兄も、兄キャラとして支持されています
- ギャップのある兄:ふだんは頼りないのにいざという時は頼れる、怖そうなのに優しい、という落差が好まれています
- すれ違う兄弟にも注目:弟と確執を抱える兄も、和解を待たれる形で愛されています
- 兄弟で並ぶ楽しさ:女性向けのゲームやアイドル作品では、兄弟をいっしょに見せる形が定番になっています
- 2025〜2026年に人気の作品では:白光琉衣(『18TRIP』)のように、弟にだけ素直になる兄が人気です
よくある質問
兄キャラとはどういう意味ですか?
弟や妹がいる兄としての顔を持ち、きょうだいを守ったり、張り合ったり、すれ違ったりする関係の中で人柄が見えるキャラクターのことです。長男でなくても、下にきょうだいがいれば兄キャラです。
兄キャラと兄貴分の違いは何ですか?
兄キャラは、生まれた時から弟や妹がいる兄です。兄貴分は、血のつながりのない相手に対して、自分で選んで兄の役を引き受けた人です。ただ、弟と認めた相手を守る兄や義兄弟の兄も、兄キャラとして愛されています。
兄キャラと長男の違いは何ですか?
長男は、きょうだいのいちばん上という位置の言葉で、親の期待や家を継ぐことまでふくめて描かれます。兄キャラは、弟や妹との関係を軸にした言葉で、次男でも下にきょうだいがいれば兄です。弟思いの長男は、二つが重なった姿です。
「兄の日」はいつですか?
6月6日です。漫画家の畑田国男さんが1992年に提唱したとされ、この日に合わせて兄キャラの特集や企画が組まれることもあります。
シスコンの兄キャラを書く時に気をつけることは?
妹をかわいがる気持ちが、妹の交友や進路を勝手に決める行動にならないようにすることです。笑いとして描くなら、妹に煙たがられている様子も入れると、行きすぎが愛嬌になります。
兄キャラを魅力的に書くコツは?
弟や妹にもちゃんと性格と言い分を持たせ、兄としての守り方を一つ決めることです。そのうえで、兄でいない時間を一つ持たせると、兄でいることの重さと優しさが伝わります。
次に読む
参考にした資料
- コトバンク「兄」(精選版 日本国語大辞典:長男の意、義兄、若い男性への呼びかけ、古語「え」「せ」「このかみ」)
- コトバンク「兄さん」(デジタル大辞泉:兄の敬称、若い男性への呼びかけ)
- Wikipedia(日本語版)「兄弟姉妹」
- TV Tropes「Big Brother Instinct」(弟や妹を守る兄)
- TV Tropes「My Sister Is Off-Limits」(妹に近づく相手を許さない兄)
- TV Tropes「Childish Older Sibling」(頼りない兄としっかり者の弟妹)
- 雑学ネタ帳「兄の日」(6月6日、畑田国男が1992年に提唱)
- Wikipedia(日本語版)「シスター・プリンセス」(1999年、2001年ゲーム・アニメ)
- Wikipedia(日本語版)「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」(2008年刊行、2010年アニメ)
- Wikipedia(日本語版)「呪術廻戦」(脹相:弟たちと、弟と見なした虎杖)
- Wikipedia(日本語版)「エドワード・エルリック」(弟アルと体を取り戻す旅)
- Wikipedia(日本語版)「文豪ストレイドッグス」(谷崎潤一郎と妹ナオミ)
- Wikipedia(日本語版)「夜桜さんちの大作戦」(夜桜凶一郎:妹への溺愛と、守れなかった過去)
- Wikipedia(日本語版)「フルーツバスケット (漫画)」(草摩綾女:由希への兄バカぶり)
- @Press 『あんさんぶるスターズ!』兄弟アイドルのグッズについてのリリース(2016年8月5日、朔間零と凛月)
- Wikipedia(日本語版)「鬼滅の刃」(不死川実弥と弟玄弥)
- Wikipedia(日本語版)「ブルーロック」(糸師冴と弟凛)
- Wikipedia(日本語版)「銀魂」(神威と妹神楽)
- アニメ!アニメ!「“兄”キャラといえば?」2022年版(1,139人、女性約6割)
- アニメ!アニメ!「“兄”キャラといえば?」2024年版(弟や妹のためなら命も惜しまないお兄ちゃんが人気)
- アニメ!アニメ!「“兄”キャラといえば?」2025年版(767人、2年連続の1位)
- アニメ!アニメ!「“兄”キャラといえば?」2026年版(206人、男性約55%)
- アニメ!アニメ!「“弟”キャラといえば?」2025年版(兄キャラと対になる弟の上位)
- アニメ!アニメ!「“妹”キャラといえば?」2025年版(兄キャラと対になる妹の上位)

