シナリオ執筆の為、更新停滞気味です

文学食レポ オムライス

ほのかな甘みのある爽やかなバジルの香りが、鼻腔と食欲を擽る。

芳醇なケチャップライスの上に乗るのは、暖かなひまわり色の玉子焼き。

くるり、と包まれた形状からして、中はとろりとした半熟だと確信する。

フォークで生地をめくると、白身と黄身の混ざった優しい色がふわりと零れた。

無表情を繕う予定が暖かなひまわり色を映すと、心が溶けて瞳が輝いてしまう。

美味しいのは良いことだから、不可抗力だ。

自然に緩んでしまった唇へ、一口。

スプーンの上で、揺れ動く玉子を見つめながら、舌へ運ばせる。

優しいふわふわとろとろの半熟玉子に舌鼓を打つのは勿論のこと、それがトマト特融のほのかな酸味の効いたケチャップライスと絶妙な調和を生んでいる。

緩んだ頬が落ちてしまいそうになるのを、片手で抑える。

マナー違反だと思われようが、頬が落ちそうになったのだから不可抗力だ。

ケチャップの付いた上唇をなぞり、肩肘を吐いたまま、スプーンを滑らせる。

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この記事を書いた人

今はゲームシナリオを書いている者です。
アナログゲームを嗜む脚本家、小説家、人狼もマダミスも好き。

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