サザノノ 性分帖。 > 立ち位置 > 情報屋
情報屋とは、人や街のうわさ、組織の内情などを集めて、必要な人に売ったり渡したりするキャラクターのことです。何でも知っているのに、誰の味方なのかは分からない、という距離が魅力になります。
要点
- もとは、警察などに内部の情報を流す「情報提供者」の俗な呼び方。協力者、タレ込み屋とも呼ばれます
- 見分ける条件は3つ。情報を集める網を持っている・情報を売る、渡すことが役目・どの陣営にも深く属さない
- 胡散臭いとは、言葉の種類が違います。情報屋は情報を扱う立場、胡散臭いは信用できないと思われる印象。胡散臭い情報屋は多いけれど、正直な情報屋もいます
- 創作の情報屋は、刑事の協力者、中立の商売人、街の顔役、情報で人を動かして楽しむ人など、何のために情報を扱うかで人柄が変わります
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情報屋の意味と語源
「情報屋」は、ある人や組織の内部の情報を、警察や情報機関など別の組織に知らせる「情報提供者」の俗な呼び方です。同じ意味で、協力者、連絡員、タレ込み屋とも呼ばれます。情報を漏らされた側から見ると「密告者」「内通者」になり、俗語では「イヌ」とも呼ばれてきました。英語では informant(インフォーマント)と言い、アメリカの警察では confidential informant(秘密の情報提供者)が公式の呼び名です。
情報提供者は、情報の見返りにお金を受け取ったり、自分の罪を軽くしてもらったりすることが多いとされます。自分も裏社会に身を置きながら、警察とつながっている。どちらの側にも顔が利き、どちらの側からも完全には信用されない。この立ち位置が、創作の情報屋の人柄のもとになっています。
創作では、警察に協力する人だけでなく、誰にでも情報を売る商売人や、街のことなら何でも知っている顔役、学校のうわさに詳しい生徒まで、情報を集めて人に渡す人を広く「情報屋」と呼びます。
属性としては、情報の流れの真ん中に立つ役目が、周りの人の見る目や物語の流れを決めるので、立ち位置の群に入れています。信用できないと思われる印象のほうから描く時は、胡散臭いのページを見てください。
情報屋キャラかどうかの見分け方
物知り、うわさ好き、というだけでは情報屋キャラとは言えません。情報屋と呼べるのは、次の3つがそろった時です。
- 情報を集める網を持っている:店の客、街の知り合い、裏の取引相手。一人で調べるより、人づてに情報が集まってくる仕組みがあります
- 情報を売る、渡すことが役目:お金、貸し、別の情報。何かと引き換えに、知っていることを必要な人に渡します
- どの陣営にも深く属さない:主人公に情報をくれても、敵にも売るかもしれない。立ち位置を決めきらないことが、情報屋の強みです
胡散臭い・秘密主義・策士・黒幕との違い
情報屋は、何かを隠している人や、裏で頭を使う人の言葉とよく混ざります。こう覚えると見分けやすくなります。情報屋は情報を売る立場、胡散臭いは信用されない印象、秘密主義は自分を明かさない性格、策士は情報を作戦に使う頭、黒幕は陰で筋書きを動かす人。
| 情報屋 | 胡散臭い | 秘密主義 | 策士・参謀 | 黒幕 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 何を言う言葉か | 情報を集めて売る、渡す立場 | 信用できないと思われる印象 | 自分のことを明かさない性格 | 計画を立てて人を動かす頭 | 陰で事件を動かす人 |
| 扱う秘密 | 他人の秘密 | 本心が見えない | 自分の秘密 | 作戦の中身 | 自分の正体と狙い |
| 誰の味方か | 決めない。払う人、借りのある人 | 分からないと思われている | 相手による | 自分の陣営 | 自分の目的 |
| 崩れる瞬間 | 売った情報で、大事な人が傷ついた時 | 誰も疑わなくなった時 | 秘密を話したくなる相手ができた時 | 読みが外れた時 | 正体に気づかれた時 |
いちばん重ねられるのは胡散臭いです。情報屋はたいてい、笑顔ではぐらかし、出どころを言わないので、胡散臭く見えます。けれど、胡散臭いは周りがどう感じるかという印象の言葉で、情報屋は情報を扱うという立場の言葉です。胡散臭くない情報屋もいます。正直な商売人の情報屋、腕は確かで不器用な情報屋は、胡散臭い情報屋との差で目立ちます。
秘密主義は自分の秘密を守る人、情報屋は他人の秘密を扱う人です。情報屋が自分のことだけは語らない時、二つが重なります。策士・参謀は情報を自分の陣営の作戦に使い、情報屋は情報そのものを商品にします。黒幕は、情報屋の顔で近づいてくることがあるので、物語の仕掛けとしてよく組み合わされます。
情報屋と近い言葉
| 情報通 | 協力者(タレ込み屋) | スパイ | うわさ好き | |
|---|---|---|---|---|
| どんな言葉か | いろいろな情報に詳しい人 | 警察などに内部の情報を流す人 | 組織に雇われ、敵の情報を探る人 | 人のうわさを聞いたり話したりするのが好きな人 |
| 情報屋との関係 | 詳しいだけで、売るとは限らない | 情報屋のもとの意味に近い | 情報屋より組織に深く属する | 情報屋より軽い。性格の言葉 |
情報屋キャラの型
情報屋キャラは、何のために情報を扱い、誰とつながっているかで分かれます。型ごとに、もとになった考え方と、作品の例を並べました。
裏社会に身を置きながら、刑事にこっそり情報を流す型です。見返りはお金や、自分の罪を見逃してもらうこと。どちらの側にも完全には居場所がなく、危うい綱渡りを続けています。元祖は、江戸時代に罪を許してもらう代わりに仲間の悪事を知らせ、役人の手先になった目明し(18世紀の初めから)です。刑事ものの「タレ込み屋」も、この流れにある役です。
表では小さな店を営み、裏では誰にも属さずに情報を売る型です。顔が広く、頼めば何でも調べてくれる。商売と言いながら、気に入った相手には損をしてでも手を貸してしまいます。たとえば、フランキー・フランクリン(『SPY×FAMILY』)がこの型です。
一つの街に根を張り、そこで起きることなら何でも知っている型です。大勢の手下や客から情報が集まり、裏社会の人間も頭を下げに来る。街そのものが、この人の目と耳です。たとえば、サイの花屋(『龍が如く』)がこの型です。
情報は商品、と割り切って、払う人には誰にでも売る型です。敵に売るか味方に売るかは値段で決まる。そのかわり、売ると決めた情報にうそはつかない、という商売の筋を持っています。たとえば、《鼠のアルゴ》(『ソードアート・オンライン』)がこの型です。
集めた情報を売るだけでなく、渡す相手や時を選んで、人や街を思うように動かす型です。お金より、人がどう動くかを見ることが楽しみ。味方にすると頼もしく、敵に回すと何より怖い相手です。たとえば、折原臨也(『デュラララ!!』)がこの型です。
学校の中の恋のうわさ、部活の事情、先生の秘密まで、何でも知っている生徒の型です。お菓子一つで情報を教えてくれる気軽さがあり、物語の案内役にもなる。けれど、本当に大事なことだけは、誰にも言わずにしまっています。
主人公に親切に情報をくれていた人が、実はすべてを仕組んでいた型です。情報をくれるのは、主人公を思うように動かすため。正体が明かされた時、それまでの親切が一つずつ違う意味に変わります。くわしくは黒幕のページの「目立たない脇役型」も見てください。
情報屋キャラの作り方と台詞例
情報屋キャラは、どうやって情報を集め、何と引き換えに渡すかで作る属性です。情報の集め方、代金、売らないと決めている情報、そして主人公との距離を決めると、情報屋の人柄がはっきりします。信用されない印象のほうから作る時は胡散臭いのページを見てください。
台詞は「心の距離」の順に4段階で並べています。表の顔 → ほころび(素が一瞬見える)→ 信頼した相手だけ → 独りの時。情報屋キャラは、表の顔では商売人としてはぐらかし、ほころびで相手を本気で心配している顔がのぞき、信頼した相手には情報屋になった理由を話し、独りの時には自分だけが知ってしまったことを抱えています。話し方は口振カルテで調整できます。
下に行くほど心の距離が近づきます。同じ人物の4つの顔として読んでください。
自分のキャラクターの顔を置くと、下の台詞をその子が話しているように読めます。
性分帖の台詞は、自分で作ったキャラクターにどんな口調や性格が合うかを確かめるためのものです。画像と名前はこの端末にだけ保存され、ほかの属性のページでも同じ子が出ます。
ドラッグで位置を動かせます
女性の情報屋キャラ
女性の情報屋キャラは、軽い口調と身軽さで、誰の懐にもするりと入りこむ形がよく描かれます。代金はきっちり取るのに、困っている相手には少しおまけをしてしまう。商売と情のあいだで揺れるところが見どころです。
- よくある形
- 値段を言ってから話し始める、腕利きの情報屋の少女/酒場の看板娘で、客の話を全部覚えている店主/学校のうわさを何でも知っている新聞部員/組織の内情を流してくる、敵側の事務員
- 外すなら
- 何でも知っている情報屋の彼女が、自分の誕生日だけは誰にも知られていない形にする。または、情報を売るのが仕事なのに、主人公の秘密だけはどんな値段でも売らない形にする
- 気をつけたいこと
- 色仕掛けで情報を引き出すことを、彼女の武器のすべてにしないこと。聞き上手、記憶力、人脈など、その人ならではの集め方を一つ決めると、腕のいい情報屋に見えます
1表の顔人前・ふだん
「その話なら銀貨三枚。前払いでね、後払いの客は信用しないの」
酒場の隅の席で、差し出された手紙をちらりと見て、指を三本立てて
2ほころび素が一瞬見える
「……そこには行かないほうがいい。これはおまけ。代金はいらない」
取引を終えて帰ろうとする主人公の袖を、一瞬だけつかんで
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「帳簿の一行目、売った相手は私の兄さんなの。知らなかった。それ以来、知らないって言葉を捨てた」
閉店後の店で、長いつきあいの相棒にだけ、帳簿を閉じながら
4独りの時誰にも見せない本音
「この束の中に、明日泣く人の名前が三つ。売る。値段は、いつもより一枚安くしておく」
夜明け前の屋根の上で、明日には売られる情報の束を膝に置いて
男性の情報屋キャラ
男性の情報屋キャラは、主人公の腐れ縁として、軽口を叩きながら頼みを聞いてくれる形が定番です。貸し借りにうるさく、文句ばかり言うのに、いざという時は危ない橋を渡ってでも情報を持ってくる。ふだんの軽さと、仕事の確かさの差が魅力です。
- よくある形
- 店の奥で客を待つ、顔の広い店主/主人公の昔なじみで、文句を言いながら調べてくれる腐れ縁/街の路地裏をすべて知っている少年/刑事に情報を流す、裏社会の古株
- 外すなら
- 何でも知っている情報屋が、自分の恋の行方だけはまるで読めず、主人公に相談してくる形にする。または、腕利きの情報屋が、主人公から買い取った小さな情報を、誰より大事にしまっている形にする
- 気をつけたいこと
- 情報屋を、主人公に答えを渡すだけの便利な人にしないこと。売れない情報、払えない代金、守らなければならない情報源など、情報屋の側の事情を一つ書くと、生きた人になります
1表の顔人前・ふだん
「調べてやってもいいけど、これで貸しは三つ目だからな。覚えとけよ」
店のカウンター越しに、煙草の箱を並べ直しながら、主人公を見もせずに
2ほころび素が一瞬見える
「おまえ、その件から手を引け。……情報屋の勘だよ、ただの」
渡すはずの封筒を、手の中で握ったまま、なかなか差し出せずに
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「誰の味方でもないって決めてる。でも、おまえが死ぬ情報だけは売らない」
店じまいのあと、二人だけになった店先で、シャッターに背を預けて
4独りの時誰にも見せない本音
「知りすぎたやつの行き先は、たいてい同じだ。分かってて、やめられない」
誰もいない店の奥で、古い手帳の名前に一本ずつ線を引きながら
女性向け作品の情報屋キャラ
女性向けでは、何を考えているか分からない笑顔の情報屋が、主人公にだけ情報を安くしてくれる形がよく描かれます。主人公のことを本人より知っているようで、肝心なことははぐらかす。敵か味方か分からないまま惹かれていく緊張が見どころです。
- よくある形
- 街の裏通りに店を構える、笑顔の読めない情報屋/主人公の秘密を握っていると匂わせる、年上の青年/主人公の幼なじみで、学校の情報を何でも知っている同級生/敵の組織に情報を売りながら、主人公にも近づいてくる男
- 外すなら
- 何でも知っている彼が、主人公の好きな花の名前だけは知らず、本人に聞いてくる形にする。または、情報で人を動かすのが得意な彼が、主人公の前でだけ計算どおりにいかない形にする
- 気をつけたいこと
- 主人公のことを本人に断りなく調べ上げることを、愛情の深さとして描かないこと。調べたことを主人公に正直に話す場面や、主人公が嫌がることはしないと分かる場面を入れます
1表の顔人前・ふだん
「その話、知りたいなら教えてあげる。代金は、今度お茶に付き合うこと」
古本屋の奥の机で、本から目を上げて、主人公ににっこり笑いかけて
2ほころび素が一瞬見える
「……今の、本気で心配した。俺の情報が遅かったせいだ」
危ない目にあった主人公のもとへ駆けつけ、息を整えてから小さく
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「君のことは、調べなかった。君の口から聞きたかったから」
雨宿りの軒下で、肩が触れるくらいの距離で並んで
4独りの時誰にも見せない本音
「あの子の写真、一枚だけ売らずに残した。情報屋が情報を抱えたら、終わりの始まりだ」
主人公が帰ったあとの店で、売れずに残った一枚の写真を引き出しにしまって
男性向け作品の情報屋キャラ
男性向けでは、主人公に情報を売りに来る、からかい好きの情報屋の少女がよく描かれます。抜け目なく値段をつり上げ、主人公の弱みもちゃっかり握っている。それでも主人公のピンチには、なぜか必ず先回りしています。
- よくある形
- 冒険者の酒場で情報を売る、小柄で口の達者な少女/学校のうわさに詳しい新聞部の後輩/主人公の行く先々に現れる、正体の分からない情報屋/敵の組織と主人公の両方に顔が利く、口の軽そうな女の子
- 外すなら
- 抜け目ない情報屋の少女が、主人公にだけはいつも代金をつけ忘れている形にする。または、情報屋の彼女が、主人公から聞いた何でもない話を、大事な情報としてメモしている形にする
- 気をつけたいこと
- 彼女を、主人公に都合のいい情報をくれるだけの子にしないこと。売らないと決めている情報や、彼女自身の目的を一つ持たせると、二人の取引が対等になります
1表の顔人前・ふだん
「次の階のボスの弱点、知りたい? お兄さんなら特別に、二割引き」
冒険者の酒場で、主人公の向かいの席に勝手に座り、身を乗り出して
2ほころび素が一瞬見える
「え、私に情報くれるの? ……うそ、ちょっとうれしいかも」
主人公から思いがけない話を聞かされ、メモを取る手を止めて
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「あなたが無事に帰ってくるまでが、私の売った情報の保証期間だから」
出発の朝、町の門の前で、主人公に地図を押しつけて
4独りの時誰にも見せない本音
「あの人のことだけは、値段がつけられない。商売失格だね」
宿の部屋で、主人公について書いたメモの束を、そっと引き出しに戻して
情報屋キャラを書く時のコツと避けたいこと
コツ
- 情報の集め方を決める:店の客、街の子どもたち、裏の取引、新聞やうわさ話。集め方が決まると、どこにいて誰と知り合いか、自然に決まります
- 代金を決める:お金、貸し、別の情報、お菓子一つ。何と引き換えにするかで、商売人か、気まぐれか、お人好しかが伝わります
- 売らない情報を一つ決める:誰の味方でもない情報屋が、これだけは売らないと決めているもの。そこにその人の本当の顔が出ます
- 主人公との距離を決める:ただの客か、腐れ縁か、主人公だけ特別扱いか。距離が近づくほど、情報屋の中立が揺らいでいきます
情報を扱う理由で変わる見え方
| 情報を扱う理由 | どう見えるか | 揺らす出来事 |
|---|---|---|
| 生きるための商売 | したたか、割り切っている | 売った情報で、知り合いが傷つく |
| 罪を見逃してもらうため | 弱い立場、危なっかしい | 情報を流していることが、仲間に知られる |
| 人の動きを見るのが楽しい | 余裕たっぷり、怖い | 思いどおりに動かない人に出会う |
| 知らずに何かを失った過去 | 軽く見えて、何かを抱えている | 知っていたのに、また止められない |
| 主人公の役に立ちたい | 健気、頼もしい | 主人公が、知らないほうがいいことを知りたがる |
避けたいこと
- 人の秘密を調べて売ることを、現実でもまねしたくなるように軽く描くこと。調べられた側の困りごとや、情報屋自身の危うさも一緒に描きます
- 情報屋を、物語を進めるために答えを渡すだけの便利な人にすること。情報が手に入るまでの手間や、代わりに払うものがあると、物語に重みが出ます
- 情報屋はいつか必ず裏切る、と決めつけて書くこと。裏切るかもしれないと思わせながら、最後まで裏切らない情報屋も魅力的です
- 人気作の情報屋の口ぐせや決め台詞を、そのまま借りること。役回りは借りても、言葉はそのキャラ自身から作ります
- 情報屋の正体や本当の所属を、例として書いてしまうこと。情報屋は物語の仕掛けに関わることが多いので、ネタバレには気をつけます
情報屋に合う口調・組み合わせやすい属性
合う口振(口振カルテへ)
情報屋は立ち位置の属性なので、口振は「客とどう話すか」で選びます。軽く受け流すのか、おどけて油断させるのか、ていねいすぎる言葉で値をつり上げるのか、知っていることを早口でまくし立てるのかで、同じ情報屋でも印象が変わります。
組み合わせやすい属性
情報屋に飄々を重ねると、何を聞かれてもはぐらかす、つかみどころのない情報屋に。胡散臭いを重ねれば、信用していいのか最後まで迷わせる情報屋になります。人懐っこいを重ねると、誰とでも顔見知りの街の情報屋に、お調子者を重ねると、口が軽そうで実は固い情報屋になります。秘密主義を重ねれば、人の秘密は売っても自分のことは何も話さない情報屋に。トリックスターを重ねると、情報で陣営をかき回す情報屋になります。
ぶつかりやすい属性(あえて使うと面白い)
正義感が強いや刑事は、情報屋とぶつかりやすい属性です。一人に重ねるより、関係性で並べると引き立ちます。正義感の強い人は、敵にも情報を売る情報屋を許せず、刑事は情報屋を頼りながら、その危うさに目をつぶれない。情報屋がいちばん手を焼き、いちばん放っておけないのは、たいていこういう相手です。
情報屋の歴史
情報を流す人は、警察の歴史と同じくらい古い存在です。日本では江戸時代の目明しが、罪人を役人の手先として使ったところから始まりました。創作では、刑事ものの協力者から、誰にでも情報を売る商売人、情報で人を動かす人へと広がっています。ここでは、主な出来事をまとめます。
年表を開く
京都で、囚人に仲間の名を言わせ、その手柄で罪を許すやり方が行われ、これが目明しと呼ばれるようになったとされます。名前は、罪人に仲間を知らせさせ、犯罪を証明させた「目証」から来ています。
幕府はたびたび目明しを禁じますが、なくなりませんでした。目明しは役人の私的な手先として、料理屋などを営みながら街の情報を集め、のちに岡っ引き、手先とも呼ばれます。
江戸の南北の町奉行所で、主だった目明しは381人、子分を含めると1000人ほどいたとされます。街の情報の網が、それだけの人で支えられていました。
英語で、秘密の情報提供者を表す confidential informant という言葉が使われ始めます。アメリカの警察では、今もこれが公式の呼び名です。
情報で街の人々を引っかき回す情報屋が登場するテレビアニメが放送されます。情報屋は、主人公を助ける脇役から、物語をかき回す中心人物にもなりました。
歓楽街を舞台にしたゲームのシリーズ1作目が作り直され、街のことなら何でも知っている情報王が、新しい世代のプレイヤーにも知られます。
仮想世界のゲームを舞台にした作品の劇場版で、どんな情報も売る情報屋の少女が活躍します。スパイの家族を描くアニメ(2022年)では、主人公を支える中立の情報屋が人気を集めました。
公安警察が、調べる相手の組織の中に「協力者」を作る手法が、ドラマをきっかけに話題になります。情報提供者という古い役割が、今も現実の捜査の中心にあることが知られました。
今の情報屋キャラのイメージ
- 敵か味方か分からない:情報屋の魅力は、主人公を助けてくれるのに、いつ裏切ってもおかしくない距離にあります。裏切るのか、最後まで味方なのかが、物語の見どころになります
- 何でも知っているのに自分は語らない:人の秘密には詳しいのに、自分の本名や過去は明かさない情報屋が定番です。その差が、ミステリアスな魅力になっています
- 腐れ縁の相棒として:主人公と軽口を叩き合い、貸し借りを言い合いながら手を貸す、友人のような情報屋も人気です。主人公が素顔を見せられる相手になることもあります
- ゲームの案内役:冒険もののゲームでは、情報屋が攻略の手がかりをくれる案内役として登場します。商売上手で口の達者な少女の情報屋も定番になりました
- 物語をかき回す側:情報を売るだけでなく、渡す相手と時を選んで人を動かす情報屋は、トリックスターや黒幕の役回りも担います。味方なら頼もしく、敵なら何より怖い存在です
よくある質問
情報屋とはどういう意味ですか?
ある人や組織の内部の情報を、警察など別の組織に知らせる情報提供者の俗な呼び方です。創作では、人や街のうわさ、組織の内情などを集めて、必要な人に売ったり渡したりするキャラクターを広く指します。
情報屋と胡散臭いキャラの違いは何ですか?
情報屋は情報を集めて売る、渡すという立場の言葉です。胡散臭いは、信用できないと周りに思われる印象の言葉です。情報屋は胡散臭く見えることが多いですが、正直な情報屋や不器用な情報屋もいます。
情報屋とスパイの違いは何ですか?
スパイは組織に雇われ、敵の情報を探る人です。情報屋はどの組織にも深く属さず、集めた情報を必要な人に売ります。スパイが情報屋から情報を買う、という関係もよく描かれます。
情報屋の情報はどこから来るのですか?
店の客、街の知り合い、裏社会の取引相手など、人づてに集まる網から来ることがほとんどです。創作では、情報の集め方を決めておくと、情報屋がどこにいて誰と知り合いなのかが自然に決まります。
情報屋は味方ですか、敵ですか?
どちらとも決めないのが情報屋らしさです。払う人や借りのある人に情報を渡すので、主人公を助けることも、敵に情報を売ることもあります。どちらに転ぶか分からない距離が、情報屋の魅力になります。
情報屋キャラを魅力的に書くコツは?
情報の集め方、代金、売らないと決めている情報を決めることです。そのうえで主人公との距離を決めると、商売人の顔と、その奥の人柄の両方が伝わります。
次に読む
参考にした資料
- Weblio「情報屋」(情報提供者)(内部情報を捜査機関などに提供する人物、類語・英語の呼び名)
- Dictionary.com「confidential informant」(法執行機関のために情報を集める人、1940〜45年の初出)
- Vocabulary.com「informant」(見返りにお金や減刑を受けることが多い)
- コトバンク「目明し」(目証の語源、1704〜16年ごろの始まり、1712年の禁止令、1867年の人数)
- 現代ビジネス「公安警察の協力者獲得」(『日本の公安警察』からの抜粋、2023年のドラマで話題)
- RENOTE「フランキー・フランクリン」(表の顔はタバコ屋、裏の顔は情報屋、偽名)
- ciatr「フランキー」(どの組織にも属さない情報屋、ロイドが正体を明かした唯一の存在)
- マイナビニュース「スパイファミリー」(2019年連載開始、2022年テレビアニメ化)
- gamebiz「龍が如くONLINE 桐生一馬伝 第6章」(神室町の情報王・サイの花屋)
- インサイド「龍が如く 極」(2016年、シリーズ1作目の作り直し、サイの花屋)
- ファミ通「ソードアート・オンライン フェイタル・バレット」(《鼠のアルゴ》と呼ばれる凄腕の情報屋)
- MyAnimeList「Argo」(どんな情報でも値段次第で売る、ひげの由来も)
- アニメ!アニメ!「劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ-」(2021年・2022年の劇場版)
- ザテレビジョン「デュラララ!!×2 転」(情報屋・折原臨也)
- ねとらぼ「デュラララ!!」キャラ紹介(人間大好きな臨也)
- みんなのランキング「折原臨也」(2010年アニメ、ファンのコメント)

