サザノノ 性分帖。 > 立ち位置 > 魔女・魔法使い
魔女・魔法使いキャラとは、人にはない魔法の力や知識を持ち、そのために世間と少し離れた場所で生きるキャラクターのことです。人と違う力と、人と違う時間の流れが、恐れられる理由にも、慕われる理由にもなります。
要点
- 辞書では、魔法使いは「魔法を行う人」で、性別も善し悪しも入っていません。魔女は「女」と決まっていて、悪霊や魔女裁判の意味のほかに、「並外れた女性」というほめ言葉の意味もあります
- 見分ける条件は3つ。人にはない魔法の力や知識を持つ・その力のせいで世間と距離がある・力とどう付き合うかで生き方が決まる
- 魔女と魔法使いの違いは、言葉の響きです。魔女には恐れと憧れの両方がこもり、魔法使いは力を持つ人を広く指す。英語の witch はもともと男女どちらにも使う言葉でした
- 今は、長い時を生きて人を見送る魔法使いや、家を出て自立する見習い魔女、強いのに生活はだらしない魔女が人気です
見出しの一覧
魔女・魔法使いの意味と語源
魔法使いは「まほうつかい」と読みます。辞書(デジタル大辞泉・日本国語大辞典)では「魔法を行う人」とだけ説明され、性別も、善い人か悪い人かも決まっていません。日本語としては古い言葉で、江戸時代のはじめ(1705年)の浄瑠璃に用例があります。
魔女は「まじょ」と読みます。辞書では、まずヨーロッパの民間信仰で悪霊と交わって魔力を得た女、教会に害をなすとされた女と説明されます。さらに、悪魔のように人を惑わす妖しい魅力の女、そして「東洋の魔女」のように並外れた力を持つ女性、という意味も載っています。恐れと憧れの両方が、一つの言葉に入っているのです。近代の用例は明治の終わり(1910〜1911年)の小説に見られます。
英語では、魔女は witch、魔法使いは wizard と呼ばれることが多い言葉です。ただ、witch は古い英語では男性形と女性形があり、もとは男女どちらにも使われていました。女性の意味が強くなったのは1600年ごろからです。wizard は「wise(賢い)」から来た言葉で、もとの意味は「賢い人」でした。魔力を持つ人の意味がはっきりするのは16世紀の半ばです。
属性としては、魔法の力を持つことで世間との距離が決まり、それが人柄を形づくるので、立ち位置の群に入れています。このページは、魔女と魔法使いを男女とも一つにまとめて扱い、変身して戦う魔法少女は近い言葉として触れるだけにします。
魔女・魔法使いキャラかどうかの見分け方
魔法が使える、とんがり帽子をかぶっている、というだけでは魔女・魔法使いキャラとは言えません。魔女・魔法使いと呼べるのは、次の3つがそろった時です。
- 人にはない魔法の力や知識を持っている:生まれつきの力、修業で身につけた術、本で学んだ知識。どこから来た力かが、その人の性格に影を落とします
- その力のせいで、世間と距離がある:森の奥でひとり暮らし、恐れられている、正体を隠している、人より長く生きる。力を持つことが、普通の暮らしとの間に線を引いています
- 力とどう付き合うかで、生き方が決まる:人のために使う、研究に打ちこむ、隠して生きる、誰かに教える。力の使い方が、そのまま人柄になります
魔女と魔法使いの違い・ミステリアス・師匠との違い
いちばん多い疑問は、魔女と魔法使いの違いです。こう覚えると見分けやすくなります。魔法使いは力を持つ人を広く指す言葉、魔女は恐れと憧れの響きがこもった、女性を指す言葉。
| 魔女 | 魔法使い | |
|---|---|---|
| 辞書の意味 | 悪霊と交わり魔力を得た女。妖しい魅力の女。並外れた女性 | 魔法を行う人 |
| 性別 | 女性(英語の witch はもと男女どちらも) | 決まっていない。男性の術者に当てることも多い |
| 言葉の響き | 恐れ、異端、妖しさ、憧れ | 力や技を持つ人、職業 |
| よくある姿 | とんがり帽子、ほうき、黒猫、森の家 | ローブ、杖、魔導書、塔や学院 |
| 物語での役 | 恐れられる人、見習い、ひっそり暮らす人 | 導く師、仲間の術者、学ぶ生徒 |
辞書では、魔女だけに「悪霊」「教会に害をなす」「魔女裁判」といった恐れの意味が入り、魔法使いは「魔法を行う人」だけです。百科事典では、魔女を悪魔との契約で力を得た者、魔法使いを知識と技を身につけた者、と対比する説明も見られます。ただ、今の創作では「魔女=女性の魔法使い」として使われることが多く、二つの言葉はかなり重なっています。題名では「〇〇の魔女」という二つ名の形がよく使われています。
ほかの属性とは、性分か立場かで分かれます。ミステリアスは、自分のことを明かさない性分です。魔女・魔法使いは、人と違う力を持つ立場で、正体を隠すのはそうしなければ生きにくいからです。師匠は弟子との関係で決まる言葉で、魔法使いは師匠にも弟子にもなれます。賢者は、力より知恵と達観で人を導く人で、魔法使いが長い時を重ねた先にある姿として描かれることもあります。
魔女・魔法使いと近い言葉
魔女・魔法使いキャラの型
魔女・魔法使いキャラは、力とどう付き合っているかと、世間とどれだけ離れているかで型が分かれます。見習いから大魔法使い、恐れられる存在まで、よく描かれる型を並べました。
見習いと、努力の魔法使い
しきたりや修業のために家を出て、一人で暮らしを立てる見習いの型です。うまくいかずに落ちこむと力まで弱まり、人に支えられて立ち直ります。たとえば、キキ(『魔女の宅急便』)がこの型です。
生まれつきの才能ではなく、人に見せない努力で力をつけてきた型です。負けず嫌いで口ぶりは強気、少しひねくれているのに根はまっすぐ。たとえば、霧雨魔理沙(『東方Project』)がこの型です。
魔法の家に生まれたわけではなく、子どものころの憧れだけで魔法の世界に飛びこんだ型です。ほうきにもうまく乗れないのに、明るさと行動力で前に進みます。たとえば、アッコ(『リトルウィッチアカデミア』)がこの型です。
生まれではなく、勉強と知識で力をつける型です。規則を大事にしながら、仲間のためなら柔らかく動く。知識で仲間を助ける場面がいちばんの見せ場です。たとえば、ハーマイオニー・グレンジャー(『ハリー・ポッター』)がこの型です。
気ままな魔女、恐れられる魔法使い
若くして一人前になり、気の向くままに国から国へ旅をする型です。気ままに見えて、出会った人の事情は放っておけません。たとえば、イレイナ(『魔女の旅々』)がこの型です。
人の役に立ちたい気持ちはまっすぐなのに、ドジで魔法の騒ぎを起こし、そばにいる相棒を振り回す型です。守る側と守られる側の掛け合いが、物語の中心になります。たとえば、若月ニコ(『ウィッチウォッチ』)がこの型です。
並ぶ者のない力を持ちながら、人と話すのが苦手で、その力を隠して人の中にまぎれる型です。すごさと気弱さの落差が、見どころになります。たとえば、モニカ・エヴァレット(『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』)がこの型です。
町では恐ろしいうわさが立っているのに、本人は見栄っ張りで、いやなことから逃げ回ってしまう型です。それでも、まっすぐ生きたい気持ちは本物で、暮らしの中で少しずつ変わっていきます。たとえば、ハウル(『ハウルの動く城』)がこの型です。
その強さゆえに世界中から恐れられ、本人も多くを語らないので、誤解されやすい型です。恐ろしさの奥にある、特定の相手への静かな情が見どころです。たとえば、オズ(『魔法使いの約束』)がこの型です。
長く生きる魔女、伝説の魔法使い
人よりずっと長く生きるせいで、時間の感じ方がずれている型です。人の気持ちにうとく、別れのあとで相手を知ろうとします。たとえば、フリーレン(『葬送のフリーレン』)がこの型です。
人間ではない姿を持ち、人の世から離れて暮らす魔法使いが、一人の弟子を迎える型です。常識に欠けるのに、弟子には不器用な紳士として接します。たとえば、エリアス・エインズワース(『魔法使いの嫁』)がこの型です。
欲深く口うるさい魔女と、ひっそり暮らす穏やかな魔女。同じ年老いた魔女でも、怖さと優しさの両方の顔が描かれる型です。昔話の魔女の二つの面を、そのまま受け継いでいます。たとえば、湯婆婆と銭婆(『千と千尋の神隠し』)がこの型です。
魔法の歴史に名を残すほどの力を持ちながら、弟子には戦い方だけでなく、魔法を好きでいることまで伝えていく型です。物語には回想で登場し、その教えが弟子の中で生き続けます。たとえば、フランメ(『葬送のフリーレン』)がこの型です。
魔女・魔法使いキャラの作り方と台詞例
魔女・魔法使いキャラは、力の出どころと、世間との距離で作る属性です。生まれつきか、学んだのか、誰かとの約束で得たのか。どこで、誰と、どんな時間の流れの中で暮らしているのかを決めると、人柄がはっきりします。
台詞は「心の距離」の順に4段階で並べています。表の顔 → ほころび(素が一瞬見える)→ 信頼した相手だけ → 独りの時。魔女・魔法使いキャラは、表の顔では力のある人らしく余裕を見せ、ほころびで暮らしの抜けや好みがのぞき、信頼した相手には力を持つことの寂しさを打ち明け、独りの時には人と違う時間の重さを抱えています。話し方は口振カルテで調整できます。
下に行くほど心の距離が近づきます。同じ人物の4つの顔として読んでください。
自分のキャラクターの顔を置くと、下の台詞をその子が話しているように読めます。
性分帖の台詞は、自分で作ったキャラクターにどんな口調や性格が合うかを確かめるためのものです。画像と名前はこの端末にだけ保存され、ほかの属性のページでも同じ子が出ます。
ドラッグで位置を動かせます
女性の魔女・魔法使いキャラ
女性の魔女・魔法使いキャラは、家を出て自立する見習い、森でひとり暮らす薬草の魔女、長い時を生きる大魔法使いとして描かれることが多い形です。力の強さより、その力と暮らしをどう結びつけているかを描くと、共感できる人物になります。
- よくある形
- 修業のために知らない町で店を開く見習い魔女/森の奥で薬を作り、村人にだけ頼られる魔女/何百年も生きて、弟子を何人も見送ってきた大魔法使い/二つ名で恐れられているのに、家では片づけができない魔女
- 外すなら
- 恐ろしいうわさの魔女が、実は町いちばんのお菓子作りの名人で、夜中にこっそり子どもたちの窓辺に置いて回っている形にする。または、何でもできる大魔女が、ほうきにだけはどうしても乗れず、毎回歩いて移動している形にする
- 気をつけたいこと
- 「女だから魔女」「年寄りだから怖い」で終わらせないこと。なぜその力を持ち、なぜ世間と離れて暮らしているのかを一つ決めると、一人の人として立ちます。魔女狩りのように、現実に多くの人が迫害された歴史があることも、軽く扱わないようにします
1表の顔人前・ふだん
「薬なら三日後に。代金は、裏の畑の雑草を抜いてくれたらそれでいいわ」
森の家の戸口で、熱を出した子の母親に小瓶の数を数えながら
2ほころび素が一瞬見える
「待って、その鍋は触らないで。……昨日の夕飯なの。魔法の薬じゃなくて」
薬草を届けに来た少年が、台所の大鍋をのぞこうとした時
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「町の子、私の家の前で息を止めて走るの。あなただけ、戸を叩いた。十年で一人」
雨宿りに来た幼なじみと、暖炉の前で湯気の立つ茶を挟んで
4独りの時誰にも見せない本音
「あの子が大人になって、年を取って、いなくなっても、私はたぶんこのままなのね」
弟子が置いていった小さなほうきを、壁にかけ直しながら
男性の魔法使いキャラ
男性の魔法使いキャラは、白いひげの老いた導き手、学院で学ぶ秀才の少年、うわさで恐れられる若い魔法使いとして描かれることが多い形です。物語の英雄を導く役にも、英雄自身にも、恐れられる敵にもなれる、幅の広い型です。
- よくある形
- 旅の途中でふらりと現れ、若者に道を示す老いた魔法使い/魔法学院で首席を争う、負けず嫌いの少年/塔にこもって研究ばかりしている、世間知らずの宮廷魔法使い/恐ろしいうわさが立っているのに、本人はただの怠け者の魔法使い
- 外すなら
- 白いひげの老魔法使いが、実は弟子より魔法が下手で、知恵と口のうまさだけで乗り切っている形にする。または、恐れられる黒衣の魔法使いが、使い魔の子猫にだけは頭が上がらない形にする
- 気をつけたいこと
- 力の差を見せるために、魔法を持たない人を見下す場面ばかり重ねないこと。力を持つ人が、持たない人とどう付き合うのかを描くと、強さに深みが出ます。何でも魔法で解決させると、物語の手応えも薄くなります
1表の顔人前・ふだん
「答えを教えるのは簡単だ。だが、それではお前の魔法にならない。もう一度、自分で考えなさい」
塔の書庫で、行き詰まった弟子の前に古い本を一冊置いて
2ほころび素が一瞬見える
「……今のは、わざと間違えたんだ。お前が気づくかどうか、試しただけだよ」
呪文を一つ噛んで、弟子に笑われたあと
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「力があるというのは、助けられなかった時の言い訳ができないということだ。それだけは覚えておけ」
一人前になる前の晩、焚き火を挟んで弟子と向き合って
4独りの時誰にも見せない本音
「次に会う時、あの子はもう、わしより強いだろう。それが嬉しいのに、少し寂しい」
弟子を送り出した朝、誰もいなくなった塔の階段を一段ずつ上りながら
女性向けの男性の魔法使いキャラ
女性向けの男性の魔法使いキャラは、長い時を生きて人から恐れられる存在が、主人公にだけ心を開く形で描かれます。世界から距離を置いてきた人が、主人公の時間だけを大切にしてくれる。その特別さが見どころです。
- よくある形
- 千年を生きて、人の名前を覚えるのをやめた魔法使い/うわさでは恐ろしいのに、主人公の前では甘い物をねだる魔法使い/主人公を弟子に迎え、不器用に暮らし方を教える人ではない魔法使い/主人公の店に毎日来て、くだらない魔法を見せていく魔法使い
- 外すなら
- 何でもできる魔法使いが、主人公の作る料理だけは魔法で再現できず、毎日真剣に作り方を習いに来る形にする。または、恐れられる魔法使いのほうが年下で、主人公に振り回されている形にする
- 気をつけたいこと
- 魔法の力で、主人公の心や行動を思い通りにする描き方は避けること。惚れ薬や記憶を変える魔法は、ときめきより怖さが勝ちやすい要素です。長い寿命の差も、主人公の時間を軽く扱う理由にせず、限りある時間を大切にする形にすると、安心してときめける魔法使いになります
1表の顔人前・ふだん
「人の名前は覚えない主義なんだ。すぐにいなくなるからね。……君は、まあ、例外にしておく」
主人公の花屋の店先で、名前を聞かれて少しだけ迷ってから
2ほころび素が一瞬見える
「この花、昨日より一輪多いね。数えてたわけじゃないよ。たまたま目に入っただけ」
毎朝同じ時間に店の前を通りかかり、何気ないふりをして
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「三百年、日暮れは退屈の合図だった。今日は坂の途中で、日が沈むのを遅らせたくなった」
店を閉めたあと、二人で並んで夕焼けの坂道を下りながら
4独りの時誰にも見せない本音
「時間を止める魔法なら知っている。使わないと決めたのは、あの人の明日を奪いたくないからだ」
塔の窓から町の灯りを見下ろし、一つだけ明るい店の窓を探して
男性向けの女性の魔女・魔法使いキャラ
男性向けの魔女・魔法使いキャラは、主人公の仲間として強い魔法を放つ少女、見た目は若いのに実はずっと年上の魔女、主人公に魔法を教える師匠として描かれます。強さと、普段の抜けたところや子どもっぽさの落差が人気の中心です。
- よくある形
- 一つの魔法だけを極めて、撃つたびに倒れる少女/見た目は少女なのに、何百年も生きている大魔女/主人公に魔法を教える、口の悪い師匠/自分を美少女と言い切る、自信たっぷりの旅の魔女
- 外すなら
- 強い魔法を放つ魔女が、実は暗いところが苦手で、夜の見張りの番だけは主人公に代わってもらう形にする。または、何百年も生きている大魔女が、今どきの流行りにだけは異様に詳しい形にする
- 気をつけたいこと
- 「見た目は幼いが実は年上」という設定を、色っぽい場面の言い訳に使わないこと。見た目が子どもなら、子どもとして描く線を守ります。強さを、主人公の引き立て役で終わらせず、彼女自身の目的を一つ持たせると、仲間として並んで歩けます
1表の顔人前・ふだん
「下がってなさい。ここから先は、私の魔法の出番だから」
谷の入り口で、杖を構えて主人公の前に一歩出て
2ほころび素が一瞬見える
「……今の、すごかったでしょう? ちゃんと見てた? 見てなかったら、もう一回やるけど」
魔物を追い払ったあと、帽子を直しながら主人公の顔をうかがって
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「村では、魔法を見せた日しか輪に入れてもらえなかった。今日は何も見せてないのに、隣にいる」
宿の屋根の上で、主人公と二人きりで星を見ながら
4独りの時誰にも見せない本音
「あと百回。呪文を間違えなければ、明日も隣を歩いていい。誰も、そんなこと言ってないのに」
皆が寝静まったあと、宿の裏庭で一人、呪文を繰り返して
魔女・魔法使いキャラを書く時のコツと避けたいこと
コツ
- 力の出どころを一つ決める:生まれつき、修業、本での勉強、誰かとの約束。出どころによって、力への誇りや後ろめたさが変わります
- できないことを一つ決める:ほうきに乗れない、朝に弱い、料理だけは魔法で作れない。何でもできる人に一つの抜けがあると、一気に親しみが湧きます
- 時間の流れを決める:人と同じ速さで年を取るのか、何百年も生きるのか。長命の魔法使いは、人を見送る寂しさと一緒に描くと深みが出ます
- 世間との距離を決める:森の奥、町の店、学院の塔、旅の空。どこで誰と暮らしているかが、そのまま人柄になります
世間との距離で変わる見え方
| 世間との距離 | どう見えるか | 揺らす出来事 |
|---|---|---|
| 森の奥でひとり暮らす | 怖い、謎めいている、頼れる | 迷いこんだ子どもが戸を叩く |
| 町の中で店を開いている | 身近、親しみやすい | 魔法で起きた騒ぎを町の人に見られる |
| 学院や塔で研究している | 賢い、世間知らず | 研究の外の誰かを助ける必要が出る |
| 正体を隠して人にまぎれている | 普通の人、少し変わった人 | 正体を知られそうになる |
| 旅をしていて、どこにも属さない | 自由、気まま、寂しげ | ここにいてほしいと言われる |
避けたいこと
- 何でも魔法で解決させること。できないことや代償があってはじめて、魔法の場面が光ります
- 「年老いた魔女は怖い」「女の魔法使いは魔女で悪い」と、見た目や性別だけで善し悪しを決めること。昔話の魔女にも、怖い魔女と優しい魔女の両方がいます
- 魔女狩りのような、現実に多くの人が命を落とした出来事を、ただの面白い設定として軽く扱うこと。物語に取り入れる時は、その重さを踏まえます
- 見た目は幼いが実は年上、という設定を、色っぽい場面の言い訳にすること。見た目に合わせた描き方の線を守ります
- 有名な作品の呪文や決め台詞、魔法の名前をそのまま借りること。魔法の言葉こそ、そのキャラだけのものを作ると印象に残ります
魔女・魔法使いに合う口調・組み合わせやすい属性
合う口振(口振カルテへ)
魔女・魔法使いは立ち位置の属性なので、口振は「人前でどう余裕を見せるか」と「素顔でどう話すか」で選びます。意味ありげに話すのか、軽く受け流すのか、淡々と説明するのか、子どもっぽくはしゃぐのかで、同じ魔法使いでも印象が変わります。
組み合わせやすい属性
魔女・魔法使いにマイペースを重ねると、人と違う時間の中をのんびり生きる長命の魔法使いに。天才を重ねれば、並ぶ者のない力を持ちながら、それを持てあます魔女になります。努力家を重ねると、才能のなさを修業で埋めてきた「普通の魔法使い」に、不思議ちゃんを重ねると、世間とずれた感覚で周りを驚かせる魔女になります。一匹狼を重ねれば、森の奥で誰とも組まずに暮らす魔女に。師匠を重ねると、一人の弟子に力と生き方を託す大魔法使いになります。
ぶつかりやすい属性(あえて使うと面白い)
正義感が強いや心配性は、世間から離れて自分のやり方で生きる魔女・魔法使いとぶつかりやすい属性です。一人に重ねると「世の中の不正を放っておけない森の魔女」「魔法が失敗しないかいつも不安な大魔法使い」というおかしみになり、関係性で並べると引き立ちます。正しさで動く騎士と、自分の理で動く魔女。何でも心配する人間と、何百年も気ままに生きる魔法使いの組み合わせは、人と違う力とは何かを浮かび上がらせます。
魔女・魔法使いキャラの歴史
魔法を使う人の物語は、神話や昔話の時代からあります。ヨーロッパでは魔女が恐れの対象となった歴史があり、そこから童話、ファンタジー、日本の魔女っ子アニメ、ゲームへと姿を変えてきました。ここでは、主な出来事をまとめます。
年表を開く
魔女を見つけ出して裁くための手引書がドイツで書かれます。16世紀後半から17世紀にかけて魔女狩りが最も激しくなり、処刑された人は最大で約4万人、その7〜9割が女性だったとされます。
「まほうつかい」という言葉が、浄瑠璃の中に見られます。日本語では、魔女より魔法使いのほうが古くから使われてきた言葉です。
スイスで、ヨーロッパ最後の魔女裁判の一つとされる処刑が行われます。処刑された女性は、2008年になって名誉を回復されました。
ドイツで昔話を集めた童話集の第1巻が出版されます。子どもを森の家に誘いこむ魔女など、昔話の怖い魔女の姿が広く知られるようになりました。
アメリカで、良い魔女と悪い魔女、そして偉大な魔法使いが登場する童話が出版されます。1939年には映画になり、緑の肌の悪い魔女の姿が広く知られるようになりました。
イギリスで、灰色のローブととんがり帽子の老いた魔法使いが若者を導く長編ファンタジーが刊行されます。賢い老人の魔法使いが英雄を導く形は、のちの多くのファンタジーとゲームに受け継がれました。
アメリカの魔女が普通の家庭で暮らすドラマが日本でも放送され、同じ年の12月には、魔法の国から来た少女を主人公にしたアニメが始まります。怖い魔女ではなく、身近で善い魔女が、日本の「魔女っ子」の始まりになりました。
国民的なロールプレイングゲームの3作目で、「魔法使い」が仲間の職業の一つになり、その上の職業として「賢者」が置かれます。後ろから強い呪文を放つ魔法使いの姿が、ゲームの定番になりました。
13歳で家を出て独り立ちする見習い魔女のアニメ映画が公開されます。魔法を才能の一つとして描き、見習い魔女の自立の物語の代表になりました。
魔法学校を舞台にしたイギリスの児童文学が刊行され(1997年)、日本でも1999年に翻訳されます。同じ1999年には、小学生が魔女見習いとして試験に挑むアニメも始まりました。
魔法少女が倒す敵として魔女が登場するアニメが放送されます。魔女っ子が外していた暗い面を、もう一度物語に取り戻した作品として語られています。
千年以上生きるエルフの魔法使いが仲間の死をきっかけに旅をする漫画が2020年に始まり、2023年にアニメ化されます。2025年には、使い魔と暮らすドジな魔女の漫画もアニメになりました。
小説家になろうでは、題名に「魔女」が入る作品が約7,400件、「魔法使い」が入る作品が約5,000件あります。「〇〇の魔女」という二つ名や、「魔女の弟子」の形の題名が目立ちます。
今の魔女・魔法使いキャラのイメージ
- 強いのに、生活はだらしない:戦えばとても強いのに、ふだんは朝に弱かったり子どもっぽかったりするギャップが見どころになります。完璧な大魔法使いより、抜けたところのある魔法使いが好まれています
- 人と違う時間を生きる寂しさ:長く生きる魔法使いが、人を見送り、あとから人を知ろうとする物語が人気です。魔法を使う者は長生き、という型は広く通じます
- 師匠と弟子、見習いの成長:弟子を育てる姿や、見習いが一人前になっていく姿は、魔女・魔法使いの物語の大きな柱です。「魔女の弟子」の形の題名も定番です
- 見た目の記号は今も強い:とんがり帽子、ほうき、黒猫。今も、まず見た目で魔女と分かる記号です。記号を残しつつ中身で外すと、新しい魔女になります
- 恐れられる存在、恋の相手としての魔法使い:女性向けの作品では、長い時を生きて人から恐れられる男性の魔法使いと心を通わせる物語や、ひっそり暮らす魔女と騎士の恋の物語も描かれています。聖女と対になる存在として、魔女が置かれる題名も見られます
よくある質問
魔女・魔法使いキャラとはどういう意味ですか?
人にはない魔法の力や知識を持ち、そのために世間と少し離れた場所で生きるキャラクターのことです。魔法の力や知識を持つこと、その力のせいで世間と距離があること、力とどう付き合うかで生き方が決まることが条件になります。
魔女と魔法使いの違いは何ですか?
辞書では、魔法使いは「魔法を行う人」で、性別も善し悪しも決まっていません。魔女は女性を指し、悪霊や魔女裁判といった恐れの意味と、「並外れた女性」「妖しい魅力の女」という意味をあわせ持ちます。今の創作では、魔女を「女性の魔法使い」として使うことが多く、二つはかなり重なっています。
男性の魔女はいますか?
英語の witch は、もとは男女どちらにも使われた言葉で、歴史上の魔女狩りでも男性が告発されることがありました。今の日本語では、男性は「魔法使い」と呼ばれることが多く、英語では wizard や warlock が使われます。
魔女と魔法少女の違いは何ですか?
魔法少女は、変身して正体を隠し、誰かを守ったり助けたりする少女の型です。日本では、アメリカの魔女のドラマの影響を受けた1966年のアニメから、魔女の物語が「魔女っ子」として分かれて生まれました。魔女はそれより古くからある言葉で、年齢も善し悪しもさまざまです。
魔法使いと賢者の違いは何ですか?
魔法使いは魔法の力や技を持つ人、賢者は道理に通じた賢い人で、辞書の意味に魔法は入りません。英語の wizard はもともと「賢い人」の意味で、ゲームでは魔法使いの上の職業として賢者が置かれることもあります。力の人と、知恵の人と覚えると分かりやすくなります。
魔女・魔法使いキャラを魅力的に書くコツは?
力の出どころと、できないことを一つずつ決めることです。そのうえで、どこで誰と暮らし、人と同じ時間を生きるのかを決めると、強いだけではない、生きた魔女・魔法使いとして伝わります。
次に読む
参考にした資料
- コトバンク「魔女」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典:悪霊と交わった女、妖しい魅力の女、並外れた女性、1910〜11年の用例)
- コトバンク「魔法使い」(魔法を行う人、1705年の浄瑠璃の用例)
- コトバンク「魔術師」(魔法使い・手品師)
- コトバンク「賢者」(道理に通じた賢い人)
- Online Etymology Dictionary「witch」(古英語の男性形と女性形、1600年ごろに女性寄りに)
- Online Etymology Dictionary「wizard」(wise から、もとは賢い人、魔力の意味は1550年ごろ)
- ピクシブ百科事典「魔女」(女性の魔法使い、村の知恵者、典型の姿)
- ピクシブ百科事典「魔法使い」(魔法を扱う者の広い呼び名、ゲームでの役割)
- ニコニコ大百科「魔女」(悪魔との契約と知識・技の対比、魔女っ子への流れ)
- ニコニコ大百科「魔法使い」(ウィザード・ウォーロック・メイジの響きの違い)
- Wikipedia(日本語版)「魔女」(男性も含まれた魔女、典型の姿)
- Wikipedia(日本語版)「魔法使い」(援助者にも敵にもなる、研究肌の魔法使い)
- Wikipedia(日本語版)「魔女狩り」(1486〜87年の手引書、最盛期、犠牲者の数と男女比)
- Wikipedia(英語版)「Anna Göldi」(1782年の処刑、2008年の名誉回復)
- Wikipedia(英語版)「Wizard (fantasy)」(賢い老人の師としての魔法使い)
- Wikipedia(日本語版)「魔法少女」(アメリカの魔女のドラマの影響、1966年のアニメ)
- Wikipedia(日本語版)「グリム童話」(1812年の初版第1巻)
- Wikipedia(日本語版)「オズの魔法使い」(1900年初版、良い魔女と悪い魔女)
- Wikipedia(日本語版)「指輪物語」(1954〜55年刊行、導く魔法使い)
- Wikipedia(日本語版)「魔法使いサリー」(1966年12月放送開始、魔女っ子シリーズ第1作)
- Wikipedia(日本語版)「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」(1988年、職業の魔法使いと賢者)
- Wikipedia(日本語版)「おジャ魔女どれみ」(1999年、魔女見習いの試験)
- Wikipedia(日本語版)「魔法少女まどか☆マギカ」(2011年、敵としての魔女)
- TV Tropes「Wizards Live Longer」(魔法を使う者は長生きしがち)
- TV Tropes「Witch Classic」(黒い服・ほうき・使い魔・森の暮らし)
- TV Tropes「Cute Witch」(日本の魔女っ子、若い見習い)
- 小説家になろう 小説API「魔女」(2026年11月3日時点の件数)
- カクヨム タグ「魔女」(2026年11月3日時点、3,489作品)
- アニメ!アニメ! 魔女・魔法使いキャラの読者アンケート(2021年)(283人、旅する魔女が1位)
- アニメ!アニメ! 魔女・魔法使いキャラの読者アンケート(2025年)(530人、強いのにだらしないギャップ、弟子を育てる姿)
- アニメ!アニメ! 魔女・魔法使いキャラの読者アンケート(2026年)(416人、見た目の記号と研究する姿勢)
- みんなのランキング(魔法使い・魔女キャラの投票、1,555人参加、2026年11月1日時点)
- Wikipedia(日本語版)「葬送のフリーレン」(フリーレン:千年以上生きるエルフの魔法使い/フランメ:その師匠)
- Wikipedia(日本語版)「魔女の宅急便」(キキ:13歳で独り立ちするしきたり、1989年の映画)
- Wikipedia(日本語版)「霧雨魔理沙」(人間の魔法使い、努力家)
- Wikipedia(日本語版)「魔女の旅々」(イレイナ:最年少で魔女になった旅の魔女)
- Wikipedia(日本語版)「ウィッチウォッチ」(若月ニコ:使い魔の守仁と暮らす魔女、2025年アニメ)
- KADOKAWA『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』コミック1巻(モニカ:人見知りの〈沈黙の魔女〉)
- Wikipedia(日本語版)「ハウルの動く城」(ハウル:うわさで恐れられる、見栄っ張りで臆病)
- Wikipedia(日本語版)「魔法使いの嫁」(エリアス:人ではない「茨の魔法使い」)
- Wikipedia(日本語版)「リトルウィッチアカデミア」(アッコ:憧れから入った落ちこぼれ見習い)
- Wikipedia(日本語版)「ハーマイオニー・グレンジャー」(魔法を使えない家の生まれ、学年一の知識)
- Wikipedia(日本語版)「魔法使いの約束」(オズ:世界最強と恐れられる魔法使い)
- Wikipedia(日本語版)「千と千尋の神隠し」(湯婆婆と銭婆:双子の魔女)

