サザノノ 性分帖。 > 表と裏 > 隠れ努力家
隠れ努力家キャラとは、人の見ていない所でこつこつ努力を積み重ねながら、人前ではそれを見せず、何でもない顔で結果だけを出してみせるキャラクターのことです。
要点
- 努力家の中で、努力の見せ方が違う形です。「能ある鷹は爪を隠す」「白鳥の水かき」と言われてきた、昔からなじみのある人物像です
- 見分ける条件は3つ。見えない所で努力している・人前ではそれを見せない・何でもない顔で結果を出す
- 努力家は努力している姿を隠さない人、隠れ努力家は努力の跡を消して結果だけ置く人。努力家は努力を見せる、隠れ努力家は結果だけ見せる、天才肌はそもそも努力がいらない
- 見せ場は、隠していた努力がばれる瞬間です。なぜ隠すのかを一つ決めておくと、ばれた時の表情まで決まります
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隠れ努力家の意味
隠れ努力家は、見えない所で努力しているのに、それを人に見せない人を指す言葉です。辞書に一語として載っている言葉ではなく、「努力家」に「隠れ」をつけた言い方です。辞書(デジタル大辞泉)では努力家を「つねに努力している人。なまけずによく励む人」としており、隠れ努力家は、その中で努力の見せ方が違う人、と言えます。
同じ人物像は、昔からことわざで語られてきました。「能ある鷹は爪を隠す」は、辞書で「実力のある者ほど、それを表面に現さないということのたとえ」とされる言葉で、江戸時代の初めには「俗語」として書き留められています。「白鳥の水かき」は、優雅に浮かんでいる白鳥も水の下では必死に足を動かしている、というたとえで、人知れず努力する人の姿を言い表す時によく使われます。
キャラクター属性としては、余裕のある表の顔と、汗をかいている裏の顔を持つ形なので、表と裏の群に入れています。努力を続けること自体については努力家のページで扱い、このページでは、その努力をなぜ、どう隠すのかを扱います。
隠れ努力家キャラかどうかの見分け方
努力していることや、口数が少ないことだけでは、隠れ努力家とは言えません。隠れ努力家キャラと呼べるのは、次の3つがそろった時です。
- 見えない所で努力している:夜中の練習、朝早くの自習、誰もいない部室。積み重ねている時間が、たしかにある
- 人前ではそれを見せない:「たまたま」「適当にやった」と言う、練習の跡を片づける、努力の話になると話をそらす。隠そうとする意志がある
- 何でもない顔で結果を出す:周りからは、楽々こなしているように見えている。努力と結果のあいだが、人から見えなくなっている
努力家・天才肌・強がり・見栄っ張りとの違い
隠れ努力家は、似た属性と「努力をどう見せているか」で分かれます。こう覚えると見分けやすくなります。努力家は努力を見せる、隠れ努力家は結果だけ見せる、天才肌はそもそも努力がいらない。
| 隠れ努力家 | 努力家 | 天才肌 | 強がり | 見栄っ張り | |
|---|---|---|---|---|---|
| 努力の量 | 多い | 多い | 少なくても届く | (努力の話ではない) | 実際より多く言うことも |
| 努力の見せ方 | 隠す・小さく言う | 隠さないことが多い | 見せる努力がない | (努力の話ではない) | 大きく言う |
| 隠しているもの | 努力・汗・疲れ | (隠していない) | (隠していない) | 弱さ・つらさ | 本当の大きさ |
| 崩れる瞬間 | 努力の跡を見られた時 | 努力が報われなかった時 | 感覚では届かない壁に当たった時 | 限界が来た時 | 見栄がばれた時 |
いちばん比べられるのは努力家です。どちらも努力の量は多く、違うのは見せ方です。努力家は、ノートを積み上げ、朝練に通い、努力している姿そのものが周りにも見えています。隠れ努力家は、同じだけの努力をしながら、その跡を消して、結果だけを人前に置きます。努力家のページで書いたとおり、隠れ努力家は努力家の中の一つの形です。
天才肌とは、見た目が似ていて中身が反対です。どちらも周りからは「楽々こなしている」ように見えますが、天才肌は本当に少ない努力で届き、隠れ努力家は見えない所で長い時間をかけています。だから隠れ努力家は、天才と呼ばれることに、うれしさと居心地の悪さの両方を感じがちです。強がりとは、隠すものが違います。強がりは弱さを隠し、隠れ努力家は努力そのものを隠します。見栄っ張りとは向きが逆で、見栄っ張りは自分を大きく見せ、隠れ努力家は自分の努力を小さく見せます。
隠れ努力家と近い言葉
| 能ある鷹は爪を隠す | 白鳥の水かき | 縁の下の力持ち | ストイック | |
|---|---|---|---|---|
| どんな意味か | 実力のある人ほど、それを表に出さないこと | 優雅に見える人も、見えない所で必死に努力していること | 人に知られない所で、人のために力を尽くすこと | 欲に流されず、自分に厳しいこと |
| 隠れ努力家との関係 | 隠すのは「実力」。隠れ努力家が隠すのは、そこに至る「努力」 | 隠れ努力家の姿を、いちばん近い形で言い表すたとえ | 隠すのは同じでも、努力の向かう先が人のため | 努力の厳しさを表す言葉。隠すかどうかは問わない |
隠れ努力家キャラの型
隠れ努力家キャラは、まずなぜ努力を隠すのかで分かれます。天才に見られたいのか、見せる相手がいなかったのか、余裕でいたいのか、笑われるのが怖いのか、期待を裏切れないのか。理由によって、ばれた時の表情がまったく変わります。
大きなことを言い、その言葉に見合うだけの努力を陰で重ねる型です。ビッグマウスの裏に、人の見ていない所での練習があります。たとえば、赤星奨志(『ROOKIES』)がこの型です。
隠すつもりより、見せる相手がいないまま努力を重ねてきた型です。一人で積み上げた腕前が、人前に出た時に周りを驚かせます。たとえば、後藤ひとり(『ぼっち・ざ・ろっく!』)がこの型です。
余裕のある自分でいたくて、努力をなかったことにする型です。テスト前に「全然勉強してない」と言い、ノートの書きこみは隠す。外れた時の言い訳を、先に用意している面もあります。
完璧な姿を崩さないために、水面下の努力を見せない型です。いつも身なりが整い、何を聞いても答えられる先輩やお嬢様。その裏には、誰も知らない毎朝の準備があります。
昔、頑張っている姿をからかわれたことがあり、それ以来努力を隠すようになった型です。「必死だね」と言われるのが怖く、一人の時にしか本気になれません。
周りに「才能がある」と言われ続け、努力していることを言い出せなくなった型です。期待を裏切らないために、もっと努力し、もっと隠す。疲れが限界に来た時に、ようやく本音がこぼれます。
隠れ努力家キャラの作り方と台詞例
同じ隠れ努力家キャラでも、キャラの性別や、誰に向けた作品かで「心が動くポイント」が変わります。4つの向きごとに、よくある形と、外し方、台詞例をまとめました。
台詞は「心の距離」の順に4段階で並べています。表の顔 → ほころび(素が一瞬見える)→ 信頼した相手だけ → 独りの時。隠れ努力家キャラは、表の顔で何でもないふりをし、ほころびで努力の跡がつい見え、信頼した相手には努力を隠す理由を、独りの時には誰にも言わない努力そのものを見せています。話し方は口振カルテで調整できます。
下に行くほど心の距離が近づきます。同じ人物の4つの顔として読んでください。
自分のキャラクターの顔を置くと、下の台詞をその子が話しているように読めます。
性分帖の台詞は、自分で作ったキャラクターにどんな口調や性格が合うかを確かめるためのものです。画像と名前はこの端末にだけ保存され、ほかの属性のページでも同じ子が出ます。
ドラッグで位置を動かせます
女性の隠れ努力家キャラ
女性の隠れ努力家キャラは、いつも涼しい顔で何でもこなし、周りから「器用だね」と言われる姿で描かれます。その器用さが、誰も知らない時間の積み重ねだと分かった瞬間、見る目が一変する。その落差が魅力です。
- よくある形
- 何でも一度で覚えるように見える新人/テストでいつも上位なのに勉強の話をしない同級生/いつも身なりが完璧な生徒会長/本番だけ見事に決める演劇部の看板
- 外すなら
- 隠していた努力を、ライバルだけが前から知っていて、何も言わずに認めている形にする。または、彼女が努力を隠すのは、努力しても届かなかった時に、誰も悲しませないためだった形にする
- 気をつけたいこと
- 「女の子は頑張っている姿を見せない方がかわいい」という理由づけにしないこと。隠す理由を、その子自身の過去や性格から一つ決めると、自然な人柄として伝わります
1表の顔人前・ふだん
「今回もたまたま。山が当たっただけだよ」
テストが返ってきた教室で、点数を聞いてきた友達に、さらりと笑って
2ほころび素が一瞬見える
「あ、その単語帳、見ないで。ぼろぼろで恥ずかしいから」
カバンから落ちた、付箋だらけの単語帳を、慌てて拾い上げて
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「単語帳、何周したと思う? 十二周。それで駄目だったら、って考えると、言えなかった」
放課後の図書室で、隣でずっと黙って勉強していた友達にだけ
4独りの時誰にも見せない本音
「あと一周。明日も『たまたま』って言えるように」
夜中、机の明かりだけの部屋で、問題集のページをめくりながら
男性の隠れ努力家キャラ
男性の隠れ努力家キャラは、練習をさぼっているように見えたり、大きなことを言ったりしながら、本番で誰より結果を出す姿で描かれます。夜中のグラウンドや、すり減った道具で努力がばれた時、軽く見えていた人が一気に頼もしい人に変わります。
- よくある形
- 朝練に来ないのに試合で一番動けるエース/「才能だから」と笑うバンドのギタリスト/適当に見えて資料を完璧にそろえてくる同期/余裕の顔で剣を振るう騎士
- 外すなら
- 隠していた努力を、いちばん努力を見せている熱血な仲間に見つかり、そこから二人で練習するようになる形にする。または、努力がばれても本人が認めず、最後まで「たまたま」で通す形にする
- 気をつけたいこと
- 努力を見せている人を見下す理由にしないこと。見せ方が違うだけで、努力そのものは同じだと分かっている人にすると、隠していても嫌味のない人になります
1表の顔人前・ふだん
「練習? 寝てた。本番に強いのは生まれつきだから」
試合の前日、部室で後輩に聞かれて、あくびをしながら
2ほころび素が一瞬見える
「手、見るなよ。……豆が潰れただけだ、たいしたことない」
ハイタッチをした仲間に、手のひらの固くなった豆に気づかれて
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「でかいこと言っちまったからさ。言った分は、誰も見てない所で埋めるしかないだろ」
夜のグラウンドで、一人で走っているところを見つけた親友に、息を切らしながら
4独りの時誰にも見せない本音
「今日の一本、昨日の百本のおかげだな。誰にも言わないけど」
試合のあと、誰もいなくなった更衣室で、テーピングをはがしながら
女性向け作品の男性隠れ努力家キャラ
女性向けでは、何でも涼しい顔でこなす完璧な男性が、主人公にだけ努力の跡を見られてしまう姿が人気です。余裕のある大人に見えた人が、実は主人公のために陰で準備を重ねていた。その事実を知った瞬間に、ときめきが生まれます。
- よくある形
- 何を聞いても答えられる完璧な先輩/料理が得意なふりをして、実は練習した恋人/余裕の笑顔で舞台に立つアイドル/何でもそつなくこなす執事
- 外すなら
- 主人公が努力に気づいても、あえて知らないふりを続け、二人だけの秘密にする形にする。または、彼が主人公の前でだけは努力を隠さず、疲れた顔を見せるようになる形にする
- 気をつけたいこと
- 「君のために頑張った」を、主人公への見返りの要求にしないこと。努力は彼が自分で選んだもの、という形にしておくと、気持ちよくときめけます
1表の顔人前・ふだん
「この店? 前から知ってたよ。君が好きそうだと思って」
初めてのデートで、予約していた店の前に着いて、自然にドアを開けながら
2ほころび素が一瞬見える
「そのメモは見なかったことにして。下見に三回来たなんて、言わないで」
彼のスマホに表示された、店までの道順と候補のメモを、主人公に見られて
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「下見のこと、笑われると思ってた。……三回目で店の人に顔を覚えられて、今日いちばん焦ったのはそこ」
帰り道の駅のホームで、電車を一本見送ってから
4独りの時誰にも見せない本音
「一覧、もう十二か所ある。次は下見ゼロで、『ここ、初めてなんだ』って言ってみるか」
夜、部屋で、次に行きたい場所の一覧を眺めながら
男性向け作品の女性隠れ努力家キャラ
男性向けでは、学校一の優等生や、完璧に見える先輩ヒロインが、主人公にだけ努力の跡を見られてしまう姿が描かれます。手の届かない人に見えていた彼女が、実は同じように必死だったと分かった時、主人公との距離がぐっと縮まります。
- よくある形
- いつも学年一位の生徒会長/何でもそつなくこなす部活の先輩/完璧なお嬢様の転校生/一度見ただけで踊れるように見えるアイドル
- 外すなら
- 主人公も別のことで隠れて努力していて、互いに秘密を知ってしまう形にする。または、彼女が努力を見られたあと、主人公に練習相手を頼むようになる形にする
- 気をつけたいこと
- 努力の秘密を、主人公が彼女を思い通りにする弱みとして使う流れにしないこと。秘密を守ること自体が、主人公の誠実さとして伝わる形にすると、関係が気持ちよく進みます
1表の顔人前・ふだん
「教えるほどのことじゃないわ。普通にやれば、普通にできるもの」
生徒会室で、勉強のこつを聞いてきた主人公に、書類から目を離さずに
2ほころび素が一瞬見える
「なんでこんな時間に。……見たなら、ちゃんと忘れて」
早朝の誰もいない教室で、山積みの参考書を広げているところに主人公が入ってきて
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「朝の教室のこと、黙っててくれたんだね。あの時間だけが、本当の私なの。……知られて、少しほっとしてる」
秘密を守ってくれていた主人公と、帰り道の坂を並んで下りながら
4独りの時誰にも見せない本音
「問題、三つ選んだ。簡単すぎると見くびってるって思われるし……あと一つ、入れ替えよう」
夜、自分の部屋で、主人公に教えるための問題を、こっそり選びながら
隠れ努力家キャラを書く時のコツと避けたいこと
コツ
- 隠す理由を一つ決める:天才に見られたい、余裕でいたい、笑われるのが怖い、期待を裏切れない。理由が決まると、ばれた時に照れるのか、怒るのか、ほっとするのかが決まります
- 努力の跡を小道具で残す:付箋だらけの単語帳、すり減った靴、手の豆、夜中まで明かりのついた部屋。本人が言わなくても、読者には努力が見えるようにしておきます
- ばれる場面を大事に使う:隠れ努力家のいちばんの見せ場は、努力が誰かに知られる瞬間です。誰に、どんな形で知られるかを先に決めておくと、物語の山場になります
- 知っている人を一人置く:家族、ライバル、ふと居合わせた人。努力を黙って見守る人がいると、隠し続ける孤独がやわらぎ、関係の物語が生まれます
隠す理由で変わる見せ方
| 隠す理由 | どう見えるか | ばれた時の反応 |
|---|---|---|
| 天才に見られたい | 自信家で、少し鼻につく | 照れ隠しに強がる |
| 見せる相手がいなかった | 無口で、どこか寂しそう | 驚いて、うれしそうにうつむく |
| 余裕でいたい | 飄々として、つかみどころがない | 笑ってごまかし、それ以上は言わない |
| 笑われるのが怖い | 人前では力を抜いて見える | 身構えるが、笑われないと分かると崩れる |
| 期待を裏切れない | 完璧で、近寄りがたい | 張りつめていたものが切れて、本音がこぼれる |
避けたいこと
- 努力を見せる人を「暑苦しい」「格好悪い」と笑う形で、隠れ努力家を持ち上げること。努力の見せ方に、どちらが上ということはありません
- 隠していた努力が、無理や体調を崩すほどの頑張りに変わるのを、美談としてだけ描くこと
- 努力が一度も読者に見えないまま、最後に「実は努力していた」と言葉だけで明かすこと。小さな跡を前もって置いておくと、ばれた時に納得が生まれます
- 有名な作品の名台詞やたとえを、そのまま借りること。努力の跡も隠し方も、そのキャラだけのものを作ると魅力が増します
隠れ努力家キャラに合う口調・組み合わせやすい属性
合う口振(口振カルテへ)
隠れ努力家キャラの話し方は、「表の顔をどう見せたいか」で決まります。余裕のある人に見せたいのか、落ち着いた人に見せたいのか、自信のある人に見せたいのか、それとも人前ではそもそも口数が少ないのかで、同じ隠れ努力家でも違う人になります。
組み合わせやすい属性
隠れ努力家に負けず嫌いを重ねると、負けた夜にだけ一人で練習する人に。ポーカーフェイスなら、どれだけ疲れていても顔に出さない人に、飄々なら、何を聞かれても笑ってかわす人になります。優等生を重ねると、模範の顔を保つための努力を誰にも見せない人に。自信家なら、言葉に見合う努力を陰で重ねる人に、人見知りなら、人前では力を出せないのに、一人の時間に誰より積み上げている人になります。
ぶつかりやすい属性(あえて使うと面白い)
熱血や天然のキャラとは、関係性で並べると引き立ちます。努力を隠さず、汗だくで練習する熱血は、隠れ努力家にとって、まぶしくて少し苦手な相手です。天然のキャラは、悪気なく「昨日の夜も練習してたよね」と言ってしまい、隠していた努力をあっさり明かしてしまいます。
隠れ努力家の歴史
「隠れ努力家」という言葉は新しいものですが、力や努力を見せない人を好む考え方は、ことわざの形で古くからありました。ここでは、主な出来事をまとめます。
年表を開く
「能ある鷹は爪を隠す」の最も古い用例が載る書物が書かれたのが、この年代です。ただし、この年代には異論もあります。
俳諧の書物に「鼠とる猫は爪をかくす」が載ります。鷹と猫、二つの形で同じ考え方が語られてきました。
北条氏の歴史を記した書物に、「能ある鷹は爪をかくす」が「俗語」として引かれます。年代がはっきりしている中では、これがいちばん古い例です。
野球漫画『巨人の星』の台詞で、「優雅に泳ぐ白鳥も、水面下では激しく足を動かしている」というたとえが広く知られるようになります。なお、これは原作者の創作で、実際の白鳥はそれほど足を動かしていません。
少年漫画誌の創刊にあたり、読者アンケートから「友情・努力・勝利」が編集方針として掲げられます。努力を見せることは、少年漫画の王道になっていきました。
自称天才のビッグマウスが、実は陰の努力で実力を支えている、という野球漫画が連載され、のちにドラマになります。
人前では力を出せないのに、誰も知らない所で毎日練習を重ねてきた主人公の漫画が連載され、アニメになります。
今の隠れ努力家キャラのイメージ
- 努力家の中の一つの形:努力を見せるのが王道の努力家に対して、隠れ努力家は、同じ努力を隠すことで生まれるギャップを魅力にした形です。努力そのものより、努力を隠す理由が人柄を決めます
- 「実は努力していた」の明かし方:才能だけに見える主人公が、実は画面の外で努力していた、と後から分かる形は、国を問わず見られます。隠れ努力家は、その「画面の外の努力」を見せ場に変える属性とも言えます
- 天才に見えて努力家、のギャップ:天才と呼ばれる人が実は人一倍努力していた、という形は、天才と秀才の対比と並んで好まれています。天才肌と並べると、違いがいっそう際立ちます
- 完璧な人の素顔:優等生や生徒会長、完璧に見える先輩が、陰で必死に準備している姿は、近寄りがたい人を身近にする定番の場面です
- ことわざとしての好感:「能ある鷹は爪を隠す」は、慎み深い人をほめる時に今もよく使われます。一方で、黙っていては伝わらないという考え方もあり、隠すことと見せることの釣り合いが、物語の題材になります
よくある質問
隠れ努力家キャラとはどういう意味ですか?
人の見ていない所でこつこつ努力を積み重ねながら、人前ではそれを見せず、何でもない顔で結果だけを出してみせるキャラクターのことです。辞書に一語で載っている言葉ではなく、「努力家」に「隠れ」をつけた言い方です。
努力家と隠れ努力家の違いは何ですか?
努力の量ではなく、見せ方が違います。努力家は努力している姿が周りにも見えている人、隠れ努力家は努力の跡を消して結果だけを見せる人です。努力家は努力を見せる、隠れ努力家は結果だけ見せる、と覚えると分けやすくなります。
隠れ努力家はなぜ努力を隠すのですか?
キャラによって理由が違います。天才に見られたい、余裕のある自分でいたい、昔努力を笑われた、周りの期待を裏切れない、そもそも見せる相手がいなかった、などです。隠す理由を一つ決めると、キャラの人柄と、努力がばれた時の反応が決まります。
隠れ努力家と天才肌の違いは何ですか?
どちらも周りからは楽々こなしているように見えますが、天才肌は本当に少ない努力で届く人、隠れ努力家は見えない所で長い時間をかけている人です。天才肌はそもそも努力がいらない、隠れ努力家は努力を見せない、という違いです。
「能ある鷹は爪を隠す」とはどういう意味ですか?
実力のある人ほど、それを表に出さないことのたとえです。江戸時代の初めにはすでに使われていたことわざです。隠しているのが「実力」なのに対して、隠れ努力家が隠すのは、そこに至る「努力」だと考えると分けやすくなります。
「白鳥の水かき」のたとえは本当ですか?
優雅に泳ぐ白鳥も水面下では激しく足を動かしている、というたとえは、漫画『巨人の星』の台詞で広まったもので、原作者の創作です。実際の白鳥は、羽に油を塗って水をはじき、浮いているので、それほど激しく足を動かしてはいません。
隠れ努力家キャラのいちばんの見せ場は?
隠していた努力が誰かに知られる瞬間です。ライバルが夜の練習場で鉢合わせる、家族が深夜の明かりに気づく、など、誰に、どんな形で知られるかを決めておくと、物語の山場になります。付箋だらけのノートや手の豆のような小さな跡を前もって置いておくと、ばれた時に納得が生まれます。
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参考にした資料
- コトバンク「努力家」(デジタル大辞泉:つねに努力している人。なまけずによく励む人)
- Oggi.jp「能ある鷹は爪を隠す」の意味についての記事(デジタル大辞泉の語釈と補説)
- 「能ある鷹は爪を隠す」の用例の歴史についての記事(1641年『北条五代記』、1638年『毛吹草』、日本国語大辞典・ことわざを知る辞典の記述)
- Wikipedia(日本語版)「ハクチョウ」(白鳥の水かきのたとえと『巨人の星』、実際の白鳥)
- TV Tropes「Hard Work Hardly Works」(才能の主人公が実は画面の外で努力していたという説明)
- 文藝春秋「長野規 ジャンプの時代」(1968年創刊、読者アンケートから生まれた「友情・努力・勝利」)
- Wikipedia(日本語版)「ROOKIES」(1998〜2003年連載、2008年ドラマ、赤星奨志:自称天才と陰の努力)
- Wikipedia(日本語版)「ぼっち・ざ・ろっく!」(2018年連載開始、2022年アニメ、後藤ひとり:中学3年間毎日6時間以上の練習)

