サザノノ 性分帖。 > 立ち位置 > 喫茶店のマスター・店主
喫茶店のマスター・店主キャラとは、自分の店を持ち、訪れる客を迎えて話を聞き、店に集まる人々を少し離れた所から見守る大人のキャラクターのことです。カウンターの内側から深入りせずに寄り添い、いざという時だけ一言をくれる。その距離感が魅力です。
要点
- マスターは、辞書では「バーや喫茶店などの主人」の意味です。英語の master にはこの使い方がなく、日本で広まった呼び方です
- 見分ける条件は3つ。自分の場所を持っている・客の話を聞く側にいる・深入りしすぎない線がある
- 料理人との違いは、物語の中心です。料理人は腕と食べさせたい相手、マスター・店主は店と、そこに集まる人々が中心にあります
- 物語では、深夜の店で黙って話を聞く主人、居候を見守る喫茶のマスター、一杯で客の心を見立てるバーテンダー、願いに対価を求める不思議な店の店主として描かれます
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喫茶店のマスター・店主の意味と語源
マスターは英語の master から来た言葉です。辞書(デジタル大辞泉)には「師匠」「集団の責任者」などと並んで、「経営者。主人。特にバーや喫茶店などの主人、または支配人」という意味が載っています。英語では店の主人を master とは呼ばず、owner や manager と言うので、店の主人を「マスター」と呼ぶのは日本で広まった使い方です。
店主は「店のあるじ」で、喫茶店に限らず、商店、古道具屋、ライブハウスなどどんな店にも使えます。古くは宿屋や茶店のあるじを「亭主」とも呼びました。日本の喫茶店の始まりとしてよく名前が挙がるのは、明治21年(1888年)に東京・上野で開いた可否茶館で、店主は庶民や学生が集まって語り合える場所を目指したと伝えられています。
属性としては、店の中で客を迎え、話を聞き、人と人をつなぐ役目から見えてくる性格を言います。店という場での立場が中心なので、立ち位置の群に入れています。このページでは喫茶店のマスターを中心に、バーのマスターやスナックのママ、商店や不思議な店の店主まで広く扱います。腕をふるうことが中心の人は料理人のページで扱っています。
マスター・店主キャラかどうかの見分け方
店で働いている、コーヒーをいれている、というだけではマスター・店主キャラとは言えません。マスター・店主と呼べるのは、次の3つがそろった時です。
- 自分の場所を持っている:カウンター、いつもの席、決まったメニュー。店はその人の分身で、客は店ごとその人を好きになります
- 客の話を聞く側にいる:自分のことはあまり話さず、客の愚痴や悩みを黙って聞いています。何も聞かずに、いつもの一杯を出すこともあります
- 深入りしすぎない線がある:客の事情を知っていても、自分からは踏みこみません。そのぶん、言う時の一言が重くなります
マスター・店主と料理人の違い・情報屋・ミステリアスとの違い
こう覚えると見分けやすくなります。マスター・店主は店と客を見守る人、料理人は腕で食べさせる人、情報屋は話を売る人、ミステリアスは素性が見えない人。喫茶店のマスターがミステリアスだったり、情報屋を兼ねていたりと、重なることもよくあります。
| マスター・店主 | 料理人 | 情報屋 | ミステリアス | |
|---|---|---|---|---|
| 中心にあるもの | 店と、集まる人々 | 料理の腕 | 集めた情報 | 見せない素性 |
| 客との関係 | 話を聞いて見守る | 食べてもらう | 取引の相手 | 近づくほど遠い |
| 好意の見せ方 | 何も言わずに出すいつもの一杯 | 相手のために作る一皿 | おまけでくれる一言 | ふと見せる素顔 |
| 崩れる瞬間 | 常連が来なくなった日 | 味を分かってもらえなかった時 | 自分の話が誰かを傷つけた時 | 過去を知る人が店に来た時 |
料理人とは、店に立つという点で重なります。違うのは、料理人の物語が「何をどう作るか」で進むのに対して、マスター・店主の物語は「誰が店に来て、どう帰っていくか」で進むことです。料理がおいしいマスターも、客の話を聞く料理人もいますが、どちらが物語の中心かで分けると見分けやすくなります。
情報屋のページには、酒場で客の話を全部覚えている店主の形もあります。店主が情報を売り物にし始めると情報屋、聞いた話を胸にしまっておくとマスター・店主、と考えると分けやすくなります。
マスター・店主と近い言葉
| バーテンダー | 看板娘 | ママ・女将 | 雇われ店長 | |
|---|---|---|---|---|
| どんな言葉か | バーのカウンターで酒を作る人 | 店の顔になっている若い店員 | スナックや料亭、旅館などの女主人 | 店の持ち主ではなく、任されて店を回す人 |
| マスター・店主との関係 | 店の主人ならバーのマスターと呼ばれる | 店主の娘や孫として、店主と組で描かれやすい | 女性の店主の呼び方として重なる | 店への思いと、持ち主との板ばさみが描かれやすい |
マスター・店主キャラの型
マスター・店主キャラは、どんな店を開いているかと、客とどこまで関わるかで型が分かれます。深夜の店で黙って話を聞く主人から、願いに対価を求める不思議な店の店主、腕利きの過去を隠して町に立つ店長まで、よく描かれる型を並べました。
夜更けにだけ開く小さな店で、客の注文に応じて料理を出し、身の上話を黙って聞く型です。自分のことはほとんど語りません。客どうしが店で出会い、また別々の夜へ帰っていきます。たとえば、食堂のマスター(『深夜食堂』)がこの型です。
見た目は無愛想でぶっきらぼう、口うるさく言うこともないのに、店に住まわせている若者の変化を誰より見ている型です。いつのまにか、店が若者の帰る場所になっています。たとえば、佐倉惣治郎(『ペルソナ5』)がこの型です。
昼は家族や若い店員に店を任せ、夜にだけカウンターに立つ型です。渋く落ち着いた大人に見えて、かわいいものが好きな一面があります。たとえば、香風タカヒロ(『ご注文はうさぎですか?』)がこの型です。
客の話や表情から悩みを読み取り、その人に合う一杯を出す型です。店の中では洗練された大人の顔を崩さず、どんな客も嫌がりません。言葉で説くより、一杯で背中を押します。たとえば、佐々倉溜(『バーテンダー』)がこの型です。
ゆったりと話し、何を考えているのか読ませない型です。大人の包容力があり、客はそれを目当てに店へ通ってきます。近づいたと思うと、またするりと遠ざかるような距離があります。たとえば、棗夜鷹(『18TRIP』)がこの型です。
口は悪く、家賃や代金には厳しいのに、店に出入りする人たちを陰で支え続ける型です。町の人から一目置かれ、困った時には黙って場所を貸します。叱る声に、長い付き合いの情がこもっています。たとえば、お登勢(『銀魂』)がこの型です。
必要な人だけがたどり着く店で、願いを叶える代わりに同じ重さの対価を求める型です。気まぐれでおちゃらけて見えて、客には厳しい現実を言います。たとえば、壱原侑子(『xxxHOLiC』)がこの型です。
客の少ない土地で、誰かの帰りを待ちながら毎日店を開ける型です。急ぐことも、大きな事件もない日々の中で、店に来た人との短い会話が少しずつ積もっていきます。たとえば、初瀬野アルファ(『ヨコハマ買い出し紀行』)がこの型です。
かつては誰もが恐れた腕の持ち主が、今は家族と小さな店を営んでいる型です。ふだんは物静かな店長なのに、店や家族に手を出されると昔の強さが戻ります。たとえば、坂本太郎(『SAKAMOTO DAYS』)がこの型です。
出入りする若者に厳しいことを言い、口調も素っ気ないのに、裏では誰より親身に彼らのことを考えている型です。好きなものや弱いところは、身内の前でしか見せません。たとえば、伊地知星歌(『ぼっち・ざ・ろっく!』)がこの型です。
勇者や騎士、凄腕の冒険者が、戦いをやめて小さな喫茶店や食堂を開く型です。本人は静かに暮らしたいのに、昔の仲間や厄介な客が店に押しかけてきます。小説では、魔王城の奥で店を開く元勇者の話もあります。
路地の奥や旅先に、悩みを抱えた人の前にだけ現れる店の型です。店主は答えを教えず、一杯の飲み物と少しの会話で、客が自分で答えにたどり着くのを待ちます。一話ごとに客が入れ替わる物語に向いています。
先代の店を急に継ぐことになった若者が、常連客に教わりながら店を守る型です。先代の味やいれ方を追いかけるうちに、自分なりの店の形を見つけていきます。常連が先生役になり、店主が少しずつ大人になっていきます。
マスター・店主キャラの作り方と台詞例
マスター・店主キャラは、店を一つ決めると立ちます。何時に開いて何時に閉めるのか、看板のメニューは何か、いつもの席に座るのは誰か。店の決まりが、そのままその人の人柄と、客との距離を表します。
台詞は「心の距離」の順に4段階で並べています。表の顔 → ほころび(素が一瞬見える)→ 信頼した相手だけ → 独りの時。マスター・店主キャラは、表の顔ではいつもどおり客を迎え、ほころびで客を気にかけていることがのぞき、信頼した相手には店を開いた理由を話し、独りの時には店を閉める日のことを考えています。話し方は口振カルテで調整できます。
下に行くほど心の距離が近づきます。同じ人物の4つの顔として読んでください。
自分のキャラクターの顔を置くと、下の台詞をその子が話しているように読めます。
性分帖の台詞は、自分で作ったキャラクターにどんな口調や性格が合うかを確かめるためのものです。画像と名前はこの端末にだけ保存され、ほかの属性のページでも同じ子が出ます。
ドラッグで位置を動かせます
女性のマスター・店主キャラ
女性のマスター・店主キャラは、町の顔役のママ、不思議な店の店主、ライブハウスや古書店の店長、静かな町のカフェの店主として描かれます。客を叱る声にも、黙って出す一杯にも、長く店を守ってきた人の情がにじみます。恋愛がなくても、店に集まる人々の物語の真ん中に立てます。
- よくある形
- 代金には厳しいのに、困った常連に黙って場所を貸すママ/気まぐれに見えて客に厳しいことを言う不思議な店の店主/若い客に素っ気ないのに一番気にかけている店長/誰かの帰りを待ちながら毎日店を開ける店主
- 外すなら
- 落ち着いた大人の店主が、実は開店して三か月で、毎晩閉店後に一人でいれ方の練習をしている形にする。または、客の悩みを聞くのが上手な店主が、自分の悩みだけは常連の小学生にしか話せない形にする
- 気をつけたいこと
- 「優しく聞いてくれる女性」として、客の都合のいい聞き役だけにしないこと。店の決まりを破る客を断る場面や、店主自身の暮らしを一つ見せると、店を持つ人の芯が見えます
1表の顔人前・ふだん
「いらっしゃい。いつもの席、空けてあるよ。今日は寒いから、少し甘めにしておくね」
雨の日の夕方、扉の鈴が鳴った方を見ずに、カップを温めながら
2ほころび素が一瞬見える
「先週来なかったでしょう。別に心配してたわけじゃないけど、ケーキが一つ余ったから」
久しぶりに来た常連の前に、頼まれていない皿をそっと置きながら
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「窓際の席、いちばん最初に決めたの。昔の私が、ああいう席に座りたかったから」
閉店後、片づけを手伝ってくれた常連と、残った一杯を分けながら
4独りの時誰にも見せない本音
「あの子たちが来なくなる日が来たら、それはちゃんと大人になれたってことなんだよね」
誰もいなくなった店で、いつもの席のカップを一つずつ棚に戻して
男性のマスター・店主キャラ
男性のマスター・店主キャラは、深夜の店で黙って話を聞く主人、居候を見守る喫茶のマスター、一杯で客を見立てるバーテンダー、腕利きの過去を隠した商店の店長として描かれます。若い主人公にとっては、親でも先生でもない、頼れる大人として光ります。
- よくある形
- 無愛想なのに、居候の若者が帰るまで店の明かりを消さないマスター/何も聞かずにいつもの一杯を出すバーテンダー/常連の顔と好みを全部覚えている夜の店の主人/穏やかな店長なのに、店に手を出されると顔が変わる元腕利き
- 外すなら
- 渋い大人に見えるマスターが、実はかわいい小物を集めていて、店の奥だけが別世界になっている形にする。または、いつも聞き役のマスターが、一度だけ若い客に自分の失敗談を長々と話してしまい、翌日照れくさそうにしている形にする
- 気をつけたいこと
- 無愛想さが、客を見下す態度に見えないようにすること。そっけない一言のあとに、客のために用意していたものを一つ見せると、無愛想が照れや不器用さに見えます
1表の顔人前・ふだん
「注文は決まったか。決まってないなら、いつものでいいな」
カウンター越しに、新聞から目を上げずに声だけかけて
2ほころび素が一瞬見える
「帰りが遅いと思ったら。腹が減ってるだろう、何か作ってやる。座ってろ」
閉店時間を過ぎても看板を出したまま待っていた夜、戻ってきた居候を見て
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「看板の明かり、十二時まで消さない。理由はない。……ないことにしておけ」
店を手伝うようになった若者と、閉店後のカウンターで並んでグラスを拭きながら
4独りの時誰にも見せない本音
「あいつらが笑って出ていけるなら、この店がいつか静かになってもいい」
最後の客が帰ったあと、明かりを一つずつ落としながら
女性向けの男性のマスター・店主キャラ
女性向けの男性のマスター・店主キャラは、仕事に疲れた主人公がふと立ち寄った店で、黙って温かい一杯を出してくれる人として描かれます。名前も知らないのに好みを覚えていること、閉店後にだけ見せる素顔、ほかの客には向けない小さなおまけが、特別扱いのしるしになります。
- よくある形
- 仕事帰りにだけ寄る店の、物静かなマスター/色気があって何を考えているか分からないバーの店主/不器用だけれど料理だけはうまい商店の若い店主/主人公の悩みを聞くうちに、自分の過去を少しだけ話す店主
- 外すなら
- マスターのほうが主人公の店の常連になる形にする。または、落ち着いた大人のマスターが、主人公の前でだけコーヒーをこぼしたり注文を間違えたりして、常連にからかわれる形にする
- 気をつけたいこと
- 主人公が弱っている時につけこむように見せないこと。客と店主という距離を大事にし、主人公が自分から店を訪ね続けることで関係が深まる形にすると、安心できる大人の魅力になります
1表の顔人前・ふだん
「お疲れさまです。今日は話さなくても大丈夫ですよ。温かいうちにどうぞ」
閉店間際に入ってきた主人公の前に、注文を聞く前にカップを置いて
2ほころび素が一瞬見える
「火曜日に来ない週は、なんとなく店が広く感じるんです。気のせいだと思いますけど」
久しぶりに来た主人公に、目をそらしてグラスを拭きながら
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「この店の名前、昔飼っていた猫の名前なんです。聞かれたの、あなたが初めてで」
看板の明かりを消した店で、主人公の隣の席に初めて腰を下ろして
4独りの時誰にも見せない本音
「あの人のカップだけ、いつのまにか決めてしまったな」
片づけを終えた夜、棚の端に一つだけ取り分けたカップを見て
男性向けの女性のマスター・店主キャラ
男性向けの女性のマスター・店主キャラは、主人公が通う店のちょっと年上の店主、口は悪いのに面倒見のいいママ、不思議な店の気まぐれな主人として描かれます。頼れる大人の顔と、店の奥でのんびりしている素の顔の差が、つい通いたくなる隙になります。
- よくある形
- 主人公をこき使いながら賄いを食べさせる店主/常連の高校生にツケを許してしまうママ/お酒が好きで、閉店後に主人公を飲みに付き合わせる不思議な店の店主/家業の喫茶店を一人で切り盛りする看板娘
- 外すなら
- しっかり者の店主が、実は計算がまったくできず、帳簿だけは主人公に任せている形にする。または、客には余裕のある大人なのに、主人公にコーヒーの味をほめられた時だけ素直に喜んでしまう形にする
- 気をつけたいこと
- 店の制服や体つきを見せるための店主にしないこと。主人公をからかう場面は、店を任せたり、仕事を教えたりする信頼の形にすると、大人の店主らしい魅力になります
1表の顔人前・ふだん
「また来たの。暇ならエプロンつけて。皿洗ってくれたら、まかない出してあげる」
昼のピークを過ぎた店で、カウンターに頬杖をついたまま
2ほころび素が一瞬見える
「テスト、どうだったの。別に気になってたわけじゃないけど、お祝いのケーキは焼いてあるよ」
学校帰りの主人公が店に入ってくるなり、冷蔵庫の扉に手をかけて
3信頼した相手だけ見せると決めた本音
「去年の冬、シャッターを閉めたまま三日開けなかった。四日目に、君が外で待ってた」
閉店後、二人だけの店で、先代の写真が飾られた壁を見上げながら
4独りの時誰にも見せない本音
「あの子が遠くの学校に行ったら、この時間、何をしてればいいんだろう」
夕方の誰もいない店で、主人公がいつも座る席のテーブルを拭きながら
マスター・店主キャラを書く時のコツと避けたいこと
コツ
- 店の決まりを一つ決める:開く時間、出さないメニュー、断る客。決まりがあると、その人が何を大事にしているかが伝わります
- いつもの一杯を作る:常連ごとに決まった飲み物や席を用意しておくと、何も言わずに出すだけで好意や信頼が伝わります
- 店を開いた理由は最後に取っておく:なぜこの店なのか、誰を待っているのか。物語の後半で一度だけ話すと、それまでの距離感が一気に意味を持ちます
- 店の外の顔を一つ見せる:買い出しの姿、休みの日の趣味、昔の仲間。カウンターの内側との差が、大人の店主の親しみやすさになります
どんな店かで変わる見え方
| 店 | どう見えるか | 揺らす出来事 |
|---|---|---|
| 喫茶店 | 穏やか、帰る場所、居場所 | 店をたたむ話が持ち上がる |
| バー・スナック | 大人、色気、夜の顔 | 過去を知る客が、ふらりと現れる |
| 商店・食堂 | 町の顔、人情、生活の近さ | 店や家族に手を出す者が来る |
| 不思議な店 | 謎、対価、選ばれた客 | 店主自身が、何かを願ってしまう |
避けたいこと
- 店主を、主人公の悩みに答えを出すだけの便利な相談役にすること
- お酒の場面を、酔わせて相手を思いどおりにする道具のように描くこと
- 店の経営や暮らしの感じがまったくなく、いつ行っても客がいないのに何の説明もないこと
- 年下の常連との関係を、店主の立場を使って縛るように描くこと
マスター・店主に合う口調・組み合わせやすい属性
合う口振(口振カルテへ)
マスター・店主は立ち位置の属性なので、口振は「客を迎える時の話し方」と「閉店後の話し方」の差で選びます。店ではていねいなのに、常連にだけはくだける、という差を作ると、それだけで距離の近さが伝わります。
組み合わせやすい属性
マスター・店主におっとりを重ねると、いつ行っても同じ顔で迎えてくれる店主になります。飄々やミステリアスを重ねれば、過去を語らない夜の店のマスターに。世話焼きなら常連の暮らしまで気にかける店主になり、情報屋を重ねると、店の奥で裏の話も扱う主人になります。姉御肌を重ねると、町の若い人たちを叱って支えるママになります。
ぶつかりやすい属性(あえて使うと面白い)
人見知りや一匹狼は、客を迎える店主とぶつかりやすい属性です。重ねると「客と目を合わせられないのに、なぜか常連が増えていく店主」「誰とも群れないと言いながら、町の人の居場所を守っている店主」というねじれになり、関係性で並べると引き立ちます。
マスター・店主キャラの歴史
店の主人は、昔から物語の中で人が出会い、話を聞いてもらう場所の番人として登場してきました。漫画やアニメ、ゲームでは、喫茶店やバーのマスターが主人公の居場所や相談相手として描かれます。ここでは、主な出来事をまとめます。
年表を開く
東京・上野に、日本の喫茶店の始まりとしてよく名前が挙がる店が開きます。店主は、庶民や学生が集まって語り合える場所を目指しました。
静かな近未来の町で、カフェを営むロボットの店主が主人公の漫画の連載が始まります。
願いに対価を求める不思議な店の店主の漫画(2003年)と、客の悩みに合う一杯を出すバーテンダーの漫画(2004年)の連載が始まります。バーテンダーの漫画は2006年と2024年にテレビアニメ、2011年にドラマになりました。
深夜だけ開く小さな食堂で、主人が客の身の上話を聞く漫画が始まります(2006年に読み切り、2007年に連載)。
昼は喫茶店、夜はバーになる店を舞台にした4コマ漫画の連載が始まり、夜だけカウンターに立つ渋いマスターが登場します。
路地裏の純喫茶のマスターが、主人公の高校生を一年間預かるゲームが発売されます。
ライブハウスの店長が、店に出入りする若いバンドを口では厳しく、裏では誰より親身に見守るテレビアニメが放送されます。
小説家になろうでは、題名に「喫茶店」が入る作品が約720件あります。戦いをやめた勇者が喫茶店を開く話や、悩みを抱えた客だけがたどり着く店の話が見られます。
今のマスター・店主キャラのイメージ
- 話を聞く大人:カウンター越しに客の話を黙って聞き、求められた時だけ一言をくれる人。グラスを拭きながら客の身の上話を聞くバーのマスターも、同じ型です
- 親でも先生でもない居場所:若い主人公にとって、家でも学校でもない帰る場所として店が描かれます。マスターは、叱りすぎず放っておきすぎない大人として好まれています
- 引退した強者の店:異世界の小説では、戦いをやめた勇者や冒険者が店を開く話が人気です。静かに暮らしたい店主と、押しかけてくる昔の仲間の掛け合いが楽しまれています
- 一話ごとに客が来る物語:悩みを抱えた客が店を訪れ、少し軽くなって帰っていく形は、連作の小説やドラマでよく使われます。店主は物語の案内役になります
よくある質問
喫茶店のマスターキャラとはどういう意味ですか?
自分の店を持ち、訪れる客を迎えて話を聞き、店に集まる人々を見守る大人のキャラクターのことです。自分の場所を持っていること、客の話を聞く側にいること、深入りしすぎない線があることが条件になります。
喫茶店の店主をマスターと呼ぶのはなぜですか?
辞書には、マスターの意味の一つとして「バーや喫茶店などの主人」が載っています。英語では店の主人を master とは呼ばず owner や manager と言うので、日本で広まった呼び方です。
マスター・店主と料理人の違いは何ですか?
料理人は料理の腕と、食べさせたい相手が物語の中心にあります。マスター・店主は店と、そこに集まる人々が中心です。どちらも店に立つので重なることが多く、物語が「何を作るか」で進むか、「誰が来るか」で進むかで分けると見分けやすくなります。
バーのマスターやスナックのママも入りますか?
入ります。このページでは、喫茶店のマスターを中心に、バーのマスター、スナックのママ、商店やライブハウスの店長、不思議な店の店主まで広く扱っています。
女性の店主はマスターと呼びますか?
マスターは男女どちらにも使えますが、物語では女性の店主を「ママ」「女将」「店長」と呼ぶことも多くあります。呼び方は店の種類と、客との距離で選ぶと自然です。
マスター・店主キャラを魅力的に書くコツは?
店を一つ決めることです。開く時間、看板のメニュー、いつもの席に座る常連。そのうえで、店を開いた理由を物語の後半まで取っておくと、ふだんの距離感に意味が生まれます。
次に読む
参考にした資料
- Weblio「マスター」(デジタル大辞泉:経営者。主人。特にバーや喫茶店などの主人)
- ベルリッツ「OWNER/MANAGER」(英語では店の主人を master と呼ばない)
- コトバンク「亭主」(宿屋・茶店などのあるじ)
- 国立国会図書館「本の万華鏡」喫茶店の始まり(明治21年の可否茶館、庶民や学生の社交サロン)
- All About「喫茶店」「カフェ」「純喫茶」の違いの記事(4月13日は喫茶店の日)
- TV Tropes「The Bartender」(客の身の上話を聞くバーテンダーの型)
- Wikipedia(日本語版)「深夜食堂」(2006年読み切り・2007年連載、深夜0時から朝7時ごろの営業)
- Wikipedia(日本語版)「ペルソナ5」(2016年発売、ルブランのマスター佐倉惣治郎)
- ピクシブ百科事典「佐倉惣治郎」(口数は少ないが面倒見がよい)
- Wikipedia(日本語版)「ご注文はうさぎですか?」(2011年連載開始、昼は喫茶店・夜はバー、香風タカヒロ)
- Wikipedia(日本語版)「バーテンダー (漫画)」(2004年連載開始、佐々倉溜、「神のグラス」)
- ピクシブ百科事典「お登勢」(スナックお登勢のママ、万事屋の大家)
- Wikipedia(日本語版)「xxxHOLiC」(2003年連載開始、願いを叶える店の主人・壱原侑子)
- Wikipedia(日本語版)「ヨコハマ買い出し紀行」(1994年連載開始、カフェ・アルファの初瀬野アルファ)
- Wikipedia(日本語版)「SAKAMOTO DAYS」(坂本太郎:元・伝説の殺し屋、今は商店の店長)
- Wikipedia(日本語版)「ぼっち・ざ・ろっく!」(2018年連載開始・2022年アニメ、STARRYの店長・伊地知星歌)
- 小説家になろう 小説API「喫茶店」(2026年11月4日時点の件数と題名)

